軍事的雑学

軍事的雑学|中国が空母にステルス戦闘機を搭載?ステルス戦闘機「J-31」の長所と短所

中国共産党の機関紙「人民日報」が、将来、空母の艦載機として中国が開発したステルス戦闘機J-31(殲-31)を搭載するかもしれないと報じている。

参考:专家:歼-31战机未来有望上舰 完善配套体系可如虎添翼

現時点でのJ-31の実用性は、F-35には遠く及ばない

現在、国内で建造中の空母に搭載される艦載機について、J-31の主翼を折りたたみ式に変更し、降着装置を強化すれば空母での運用が可能で、中国を取り巻く安全保障の状況によっては十分選択肢の一つに入ると伝えている。

Attribution: wc, File:Shenyang J-31 (F60) at the 2014 Zhuhai Air Show.jpg / CC BY-SA 4.0 2014年珠海航空ショーでの瀋陽J-31

J-31は、中国が独自に開発したステルス戦闘機J-20に続く、2番目のステルス戦闘機として開発した、双発の中型戦闘機だ。全長が20mを超えるJ-20に比べ、J-31は17m程度で、全幅も11.5mとJ-20よりも小さい。しかも最大離陸重量がJ-20に比べ10t近く軽い。

そのためカタパルトを装備していない中国の空母(建造中の002型空母からカタパルトの装備が予定されれている)でステルス機を運用するのは、J-20よりもJ-31の方が適しているといえる。

出典:public domain 大連港で撮影された「001A型航空母艦」

2016年12月に初飛行に成功した、J-31改良型は、プロトタイプに比べ機体形状を再設計しRCS(レーダー断面積)を縮小しステルス性をさらに高めた。

プロトタイプは、ロシア製RD-93エンジンを搭載していたが、この改良型からは国産のWS-13(中国の情報では、恐らくアフターバーナーを除去した高バイパス比型WS-13A)を搭載しているとみられている。

もしこれが事実で、実用機にそのままWS-13Aが搭載されるなら、カタパルトが装備されていない空母で使用するには、アフターバーナーがないので不利だ。(きっと量産機には、もっと実用的なエンジンが搭載されるはずだ。)

さらに、J-31改良型はプロトタイプと同じく、主翼の厚みが非常に薄いものを引き続き採用している。

これはステルス性には有利だが、ドロップタンクを基本的に使用しない第5世代機のステルス機は、機内の燃料タンクを増やすため主翼内に大容量の燃料タンクを設けているが、J-31の主翼厚では燃料タンクを設けるのは不可能に近い。そのためドロップタンクを使用しない場合のJ-31の航続距離は、ドロップタンクを使用しない第4世代機に近いという欠点があると中国では言われている。

機内燃料戦闘半径が1,200kmある言われているが正直、眉唾ものだ。

出典:public domain 「ニミッツ」に着艦したF-35C

特に致命的なのは、F-35に搭載されたF135(直径117cm、推力128.1kN)に比べ、J-31の搭載されたWS-13A(102cm、推力51.2kN×2基)は、出力の割に直径が大きく、双発機のためエンジン2基分のスペースが機内に必要になるのに、機体の全長がF-35に比べ短く、胴体の厚みも薄い。

これは機体内のスペースに余裕が無いことを意味し、一体、どのように燃料タンクや電子装置、ウェポンベイのスペースを確保するのか疑問が残る。一説には、12発のミサイルを携行できるという話もあるが、到底ウェポンベイ内に収めきるのは不可能だろう。

以上の点から、ステルス機としての実用面から見ると、J-31よりJ-20の方が優れていることになる。

カタパルトを装備する予定の「002型」空母に、艦載機化したJ-20を搭載した組合せが完成しない限り、中国空母部隊の実用性は、米国空母+F-35Cの組合せに遠く及ばない実力しかない。

 

※アイキャッチ画像の出典:Baycrest – Wikipedia user – CC-BY-SA-2.5 / Baycrest – 維基百科用戶 – CC-BY-SA-2.5

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 6月 14日

    本気でXF9-1が欲しいアル、このエンジンさえあればJ-20は本来の実力を出せるアル。
    安倍「絶対にあげませんよ」

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