軍事的雑学

ロッキード、再整備を施したステルス攻撃機「F-117」を公開! もちろん博物館寄贈用として

ロッキード・マーティン社は米空軍のために開発した世界初のステルス攻撃機「F-117 ナイトホーク」を、ロナルド・レーガン大統領図書館に展示・公開するための「Operation Nighthawk Landing(オペレーション・ナイトホーク・ランディング)」プロジェクトを公開した。

参考:What is Operation Nighthawk Landing?

退役したF-117が、ロナルド・レーガン大統領図書館に永久貸与される

オペレーション・ナイトホーク・ランディングとは、2008年に退役した米空軍のステルス攻撃機「F-117 ナイトホーク」をカリフォルニア州シミバレーにあるロナルド・レーガン大統領図書館に永久貸与するため、米空軍が保管してあったF-117を非武装化し目的地まで輸送するプロジェクトだ。

ロッキード・マーティン社に運び込まれたF-117は、我々が良く知っている「黒」ではなく「真っ白」だった。

出典:ロッキード・マーティン

これはF-117が退役し保管される際、特殊なレーダー吸収塗料を全て剥がしたためであり、取り外された主翼や尾翼を取り付け、再塗装が施されると、再び我々がよく知るナイトホークの姿を取り戻したが、特殊な材料で構成された機体部品や、まだ使用できる搭載機器などは全て取り外された。

出典:ロッキード・マーティン

今回、ロナルド・レーガン大統領図書館に永久貸与される機体は64機製造されたF-117の中でも、最も多く任務に参加した機体で、F-117の実戦デビューとして知られる1989年のパナマ侵攻作戦に参加した6機の内の1機だ。オペレーション・ナイトホーク・ランディングで展示用に復活したF-177は、12月7日からロナルド・レーガン大統領図書館の野外に設けられる博物館で展示・公開される。

では、退役し保管されている残りのF-117は、廃棄されるのだろうか?

米空軍は通常、退役した軍用機を通称「飛行機の墓場」と呼ばれるアリゾナの砂漠で保管しており、ここに運ばれた航空機は非常に稀な再就役か部品取り、貴重な金属回収のために解体されるかの運命が待っている。

出典: Aspersions / CC BY-SA 3.0 モスボールされるUH-1とF-4

ただし、非常に稀なパターンがある。

Type1000に指定された航空機は、非常に高い確率で再就役することが予想されるため、他の航空機とは保管方法が異なり、飛行が可能な状態を維持しながら保管されることになる。

そのため野外の砂漠で保管するのではなく空調の効いた倉庫で保管され、もちろん部品取りなどは行われず全ての部品が揃った完璧な状態が維持されるため、Type1000で保管された航空機は最短30日、最長でも120日以内に再就役が可能だと言われている。

F-117はType1000に指定され保管されている数少ない航空機で、この方法で保管される航空機は、墓場に持ち込まれる航空機の10%以下だ。

当初、米空軍は退役したF-117を2017年から飛行可能な機体を残しつつ、毎年4機づつステルス技術が流出しないよう廃棄する予定だったが、どうやら米空軍はF-117を現役復帰させることを検討している兆候を見せている。

出典:public domain

2008年に退役したはずのF-117が2017年中東地域に再配備され、イラクとシリア上空で任務に従事したという報道や、今年の2月、米国カルフォルニア州のR-2508射撃場空域を飛ぶF-117の写真を航空雑誌「コンバット・エアクラフト」が掲載し、2日間に4機のF-117が飛行し、F-16と共同訓練を行ったと伝えた。

このR-2508射撃場空域は、軍用航空機を撮影するためプロのカメラマンが非常に多く訪れ撮影を行うポイントで、ここで退役したはずのF-117の飛行訓練を再開したということは、もはや米空軍はF-117の現役復帰を隠すつもりがなく、非公式にこの事実を知らせようとしているのではないかと言われているが、あくまで憶測に過ぎない。

本当に再就役するとすれば驚きだが、もしこのまま消え去ったとしても、非常に奇抜なデザインを採用し、本格的なステルス性能を実現したF-117の魅力が色褪せることはない。

 

※アイキャッチ画像の出典:ロッキード・マーティン

ステルス戦闘機「Su-57」実戦配備が秒読み?年内にもロシア空軍へ量産初号機引渡し前のページ

英米・日米の「空母共同使用(クロスデッキ)」に、F-35Bも空母も持っていない豪州が参加?次のページ

関連記事

  1. 軍事的雑学

    運用可能な戦闘機がたった119機? 最も長い歴史を持つ英国空軍の没落

    世界で最も長い歴史を持つ空軍として有名な英国空軍。冷戦時代には、可変翼…

  2. 軍事的雑学

    仏空母の新型コロナはベルギー海軍が持ち込んだ?ロシアでも原潜で新型コロナ感染確認

    ついに仏海軍の空母でも新型コロナウイルス「COVID-19」に感染した…

  3. 軍事的雑学

    軍事的雑学|F-35Bを搭載すれば空母?米海軍が強襲揚陸艦の空母化をテスト中!

    現在、米海兵隊は、フィリピン軍との共同訓練で「Lightning Ca…

  4. 軍事的雑学

    粋なサプライズ演出? ロシア航空ショーに伝説の戦闘機「SU-47」が登場

    ロシアは現在開催中の「MAKS国際航空ショー」に、伝説の戦闘機「SU-…

  5. 軍事的雑学

    空母不足が続く米海軍、空母打撃群を「空母なし」という異例の編成で派遣

    米海軍の原子力空母「ハリー・S・トルーマン(10万3,800トン)」を…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 11月 12日

    ステルス性能に限れば今も一級品なんでしたっけ?

      • 匿名
      • 2019年 11月 12日

      F117はLOで、F22やF35のVLOより一段劣りるけど、J20やSu57と同レベルなので、一応一級品と言えるかも。
      RCSは資料により変動するけど、0.025~0.1㎡辺りみたい。
      ラファールなどのROより一桁程小さい感じ。

    • 匿名
    • 2019年 11月 12日

    間近で見たいなぁ

    • 匿名
    • 2019年 11月 12日

    F-117は地上攻撃専用の爆撃機 兵装は精密誘導弾(爆弾)だけ。
    F-35/F-22が消耗する、あるいは撃墜で捕獲されるは嫌・・・
    だけど、ステルス性を生かして、先制して、相手の陣地、基地、設備を破壊したいミッションがある・・・だからF-117では?
    さてどこでしょう?

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  2. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  3. 軍事的報道

    国産防衛装備品の海外輸出が実現!フィリピンが日本製警戒管制レーダー「J/FPS-…
  4. 軍事的雑学

    空飛ぶスナイパー? ロシアの戦闘機「Su-57」は米軍の航空支配を効果的に破壊す…
  5. 軍事的雑学

    リチウムイオン電池採用艦!日本のそうりゅう型潜水艦11番艦「おうりゅう」就役に世…
PAGE TOP