軍事的雑学

秘密のベールを脱ぎ捨てるトルコの第5世代戦闘機「TFX」、パリでモックアップ公開

トルコ航空宇宙産業(TAI)は、現在、開発中の第5世代戦闘機「TFX」の、フルサイズモックアップをパリで開催される航空ショーで公開することを発表した。

参考:TURKISH FIGHTER WILL BE DISPLAYED AT PARIS AIRSHOW FOR THE FIRST TIME

いよいよ、秘密のベールを脱ぎ捨てるトルコの第5世代戦闘機「TFX」

フランスのパリで、6月17日から開催される「第53回パリ航空ショー」で、トルコが国内で開発中している第5世代戦闘機「TFX」のフルサイズ・モックアップを公開するとトルコ航空宇宙産業(TAI)が発表した。

トルコが開発している「TFX」とは、トルコ航空宇宙産業が、英国のBAEシステムズから技術支援を受け開発中の第5世代戦闘機のことで、トルコ空軍は、現在運用中のF-16C/D 245機をTFXで置き換えることを予定しており、さらに海外への輸出も視野に入れている。

TFX:機体仕様
全長 19m
全幅 14m
翼面積 70㎡
最大離陸重量 27,215 kg
エンジン 25,000lbf×2基
最大速度 マッハ2.0
作戦半径 900km
兵器搭載量 9トン

この仕様はWikipediaに掲載されている情報に、中国の環球時報にアップされたTFX関連の資料をプラスしたもの。

最新の仕様では、機体サイスが大きくなり、米国のF-22 ラプターに近いサイズへと変化しているが、搭載予定のエンジン推力は25,000lbf×2基で、35,000lbf×2基(P&W製F119-PW-100)のF-22よりも落ちる。

TFXが現在、問題に直面しているのが正に、このエンジンの部分だ。

当初、TFXのエンジンは、英国のロールス・ロイスが、ユーロファイター・タイフーン用に開発された「ユーロジェット EJ200」の技術をトルコに移転し、TFXのための新しいエンジンの研究・開発を、トルコ国内でロールス・ロイスと共同開発していたが、知的財産権に関しトルコ側と衝突した。

トルコ側は、共同開発したエンジンの知的財産権を、全てトルコ側に譲渡することを要求したが、ロールス・ロイス側は拒否。

出典:pixabay ユーロファイター・タイフーンに搭載されているEJ200エンジン

そもそも「ユーロジェット EJ200」の知的財産権は、英国(ロールス・ロイス)、ドイツ(MTU)、イタリア(アヴィオ)、スペイン(ITP)で構成される「ユーロジェット・ターボ」が所有している。

ロールス・ロイスだけの判断で、EJ200の技術をベースに開発されたTFX向けエンジンの知的財産権をトルコに全て譲るという判断は出来ないだろう。

この問題を解決するため、両者は協議を行っていたが、トルコ側が米国のGE社にF110の供給を打診しているとか、戦闘機エンジンを持つ他の企業とも交渉をしているという噂が流れ、不誠実な対応に怒ったロールス・ロイスは、TFXのエンジン開発から撤退してしまった。

ロールス・ロイスは、既に、TFXに投入した人材を他の事業に配置転換したと語っている。

TFXに搭載するためのエンジン開発がストップしてしまったトルコに、今度はロシアの接近が噂されている。

ロシアの軍需企業ロステックの子会社、「ユナイテッドエンジン」が、TFXのエンジン開発について“技術提供が可能”だとアプローチしている。トルコ側もこの選択肢を模索しているようで、水面下で交渉しているらしい。

現在まで、TFXの開発・設計を支援するBAEシステムズが離脱するという動きはないが、S-400導入問題で米国・NATOとの関係悪化が進み、ロシア企業によるTFX支援が現実化すれば、トルコがBAEシステムズを追い出し、ロシア側の技術に完全に乗り換える可能性もある。

不透明で不安定な状況が続くトルコの「TFX」開発だが、今回のパリ航空ショーでのモックアップ公開に合わせ、何かしらの情報公開があれば、開発の進展具合が少しでも掴めるため、非常に興味深い。

因みに、今年の10月、韓国で開催される「ソウル ADEX 2019」では、韓国が開発している第4.5世代戦闘機「KFX」のフルサイズモックアップが出典される予定だ。

果たして、トルコや韓国が開発している戦闘機のレベルは、どの程度のものだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:TURKISH AEROSPACE トルコが開発中のTFX

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コメント

    •  
    • 2019年 6月 15日

    トルコと韓国は情緒的な反米感情で、経済も安保も自爆して行ってる感が凄い

    • 匿名
    • 2019年 6月 15日

    トルコも覇権国家狙うのはいいんだがその礎となる技術は全部パクらせろっていう傲慢さは如何なものか…
    日本へもあれこれ要求して日本側撤退してるしどこからも相手されずに結局中露に取り込まれそう
    挙げ句にロシアのエンジンパクろうにも中国ですらあれだからなぁ…
    F-3、FCAS、テンペスト、KFX、そしてTFX、果たしてどれが最初に飛ぶのか楽しみではあるけどね

    • 匿名
    • 2019年 6月 15日

    トルコのエルドアン政権(2003年から首相、2014年からは直接選挙による大統領、2016年にはクーデターを阻止、親戚を登用)は何がしたいんだろう?
     2023年のトルコ建国100周年に向けて大型プロジェクトを乱発(当然ながら、借款、融資)しまくった。
     現在のままロシア側に行くなら経済破綻じゃない? 借金の返済でますます経済は苦しくなる。(現在でも、クーデーター後の取り締まりの余波で富裕層が海外に移住してる)
     そして、ロシアのジェットエンジンはライフタイムが短い、輸出用のモンキーエンジンは更に短い、出力が低い。それは有名だから、どこが買うのか疑問? TFXを買えるカネがあるなら別のを買う、買えないなら+ゲリラの掃討あたりが目的なら、ブラジル・エンブラエル・EMB-312 ツカノEMB-312 ツカノ(ターボプロップによるプロペラ機)あたりを買うんでは?

    • 匿名
    • 2019年 6月 15日

    まぁ、頑張んなさいよとしか、いいようがない。

    • 匿名
    • 2019年 6月 15日

    兵器開発でトルコと韓国って凄い似た者同士なんですな…

    • 匿名
    • 2019年 6月 16日

    近年のトルコ軍需産業の勢いはちょっと異様だな。
    まぁ、どっかの半島国家と同じ勢い任せで、一足飛びの技術支援要求を受け入れられずに逆ギレしているケースが多いようだけど。
    にもかかわらずキヨあたりが称賛したりしてるのを見ると気持ちが悪くなってくる。

    • 匿名
    • 2019年 6月 16日

    モックだけならだれでもできる、肝心なのはせめてイギリス並みのエンジンとAESA、この二つが無ければ戦闘機としては空飛ぶ鴨・

    • 匿名
    • 2019年 7月 03日

    どっかの半島と全く同じ状況に陥っているわけだ。やれギヂュチュ移転しろだのやれロシアのギヂュチュを導入するだの完コピレベルのそっくりさん。
    結局大見得切ってスタートさせた自国の技術水準を考えない兵器開発は失敗するってこった。

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