軍事的雑学

米開発中の新型対空ミサイル「AIM-260」、中露を圧倒する射程300km台実現?

現在、米国は空対空ミサイル「AIM-120 AMRAAM」に代わる新型空対空ミサイル「AIM-260」の開発を進めている。

AIM-260は、AIM-120の2倍の射程を実現した?

これまで米国は、AIM-120を改良することで性能を向上させてきたが、中露が開発した新型ミサイルに対応するため、新型空対空ミサイル「AIM-260」の開発を進めている。

現在のAIM-120が、中露の新型ミサイルに性能差をつけられているのが射程距離だ。

Author:emperornie / CC BY-SA 2.0 中国のJ-20

米軍が使用していAIM-120の最新型は160km程度の射程距離を持っているが、中国の空対空ミサイル「PL-15」は200km前後、ロシアの空対空ミサイル「R-37」に至っては200kmから400km(追加ブースター搭載時)前後で、この射程距離のギャップを解消しない限り、空対空戦闘で優位を占めることは難しい。

そのため、AIM-120 AMRAAMを置き換える新型ミサイルの計画は、これまでも幾つか存在した。

AIM-120 AMRAAMのラムジェット版開発計画があったが、欧州がミーティアの採用を選択したため計画が頓挫し、その後、米空軍、米海軍、米海兵隊が、AIM-120 AMRAAMと、AGM-88 HARMを置き換える目的で共同開発しようとした「次世代空対空ミサイル」は、2013年当時のオバマ政権に開発予算を取り消されたため、またもや計画が頓挫した。

その後、2017年に「AIM-120D」を置き換える為の「長距離交戦兵器」の研究が始まったと言われていたが、これこそが現在開発中の新型空対空ミサイル「AIM-260」だ。

以前にも記事にしたが、AIM-260の詳細について明らかにされておらず、いくつか判明している情報は以下の通りだ。

  1. AIM-260のサイズは、AIM-120とほぼ同サイズ。
  2. AIM-260は、AIM-120のフォームファクタと互換性がある。
  3. AIM-260は、AIM-120よりも射程が遥かに長い。
  4. AIM-260は、ラムジェット推進を採用していない。
  5. AIM-260は、2021年に試射を行い、2022年には初期運用を開始する予定。

そして今回、新しく判明した事実が1つある。

フロリダ州、エグリン空軍基地にある空対空ミサイルのテストエリアが記されたチャートに、AIM-120とAIM-260、それぞれの最大射程を示す円が2つ書き込まれ、AIM-260の最大射程を示す円は、AIM-120の円の約2倍ものサイズがあったと言う。

これが事実なら、AIM-260の射程距離は、300km前後になると言う意味だ

ステルス戦闘機のF-22やF-35は、ウェポンベイ内に空対空ミサイルを搭載するため、搭載兵器のサイズに制約があり、AIM-120との互換性を維持するためにも、AIM-260のサイズを大きく変更することは不可能だ。

出典:Public Domain F-22のウェポンベイに搭載されたAIM-120

サイズに大きな変更が無いにも関わらず、AIM-120の射程距離を2倍にしたということは、弾頭部分(誘導装置や炸薬など)の小型化により、サイズを変更することなく、ロケットモーターの固体燃料スペースを増やすだけで、これだけの射程を実現できるのか疑問が残る。

固体燃料の構成を改良することで、燃焼温度を高め推進力を向上させるにも限界がある。

恐らくだが、F-22やF-35のウェポンベイに搭載するAIM-120は、中央フィンと後部制御翼を小型化したもの変更されているが、AIM-260では、この中央フィンと後部制御翼を固定式から収納式に変更することで稼いだスペース分を、ミサイル本体の直径の大型化に回し、固体燃料の搭載スペースを増やしたの可能性が高い。

しかし、それでも射程300km分の固体燃料スペースが確保出来たのかと言われれば、非常に怪しいと思う。

Author:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 ロシアの空対空ミサイルR-37

AIM-120よりも射程距離の長い中国の「PL-15」は全長4mで、ロシアの「R-37」に至っては、AIM-120の倍以上の直径を持つ極太な設計だ。

全長が4mにも満たない、直径18cm程度の比較的小型なAIM-120と同等サイズで、射程距離300km前後を達成したとすれば、AIM-260は「モンスター」と呼ぶに相応しい。

 

※アイキャッチ画像の出典:US Air Force / Airman 1st Class Kevin Tanenbaum

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 7月 02日

    あのKURONBO大統領は余計な事ばっかりする

      • 匿名
      • 2019年 7月 03日

      不毛な武器開発を取り止め国民の福祉へ当てる
      一国の為政者としては至極真っ当な判断だと思うがな

      新しいオモチャが欲しくて堪らないカタログミリヲタにとっては違う様だが

      • シャア専用アムロ
      • 2019年 9月 08日

      オバマ大統領は、革新的だった。
      あの黒人差別大国だったアメリカから初の黒人大統領が当選したのだ。これはアメリカという国が如何に先進国であるかを如実に示す証左に他ならない。
      遠く極東の異国の地である日本人の私からしても誇らしく思う。

      レイシズムに明日は無い。
      戦争とは通常の手段とは異なる手段を持ってする政治の延長とするならば、この様な荒唐無稽な価値観した持たぬ者の言説からは脱却しなければならない。

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