米陸軍は、ステルス小銃に続き、燃料電池(水素使用)を搭載したステルス戦車の開発を進めていると報じられている。
参考:U.S. Army develops stealthy, hydrogen fuel cell tanks
戦争道具にも「エコ」が求められる時代が来た?
この宇宙で最も豊富な元素である水素は、将来、兵士や戦闘車両にエネルギーを供給するかもしれない。
米陸軍は最先端技術を用いて、小銃発砲時の騒音と閃光を無くし、敵に気づかれにくく、射点がばれ難い「ステルス小銃」の開発に続き、今度は静かに、クリーンで、効率的な発電が燃料電池(水素使用)で発電した電気で作動し、戦車のステルスに重要な煙、騒音、臭気が全く発生せず、敵の赤外線探知から逃れるのにも有効な「ステルス戦車」の開発を進めている。
米陸軍戦闘能力開発司令部の傘下、地上車両システムセンターでは現在、戦闘車両の戦術的優位を確保するため水素を使用した燃料電池技術と、そのための機器開発を調査・評価を進めている。
現在、未来の戦車と装甲車両を作るための統一された水素プラットフォームの開発を米陸軍研究所が行っており、統一プラットフォームに搭載される水素パワーパックには、高圧縮水素タンクに貯蔵された水素で発電し、発生した電気でモーターを回し、電気を一時的に貯蔵するためのバッテリーが内蔵される。

出典:US Army photo by Maj. Carson Petry
米国では現在、エイブラムス戦車を最新型のM1A2C(SEPV3)へアップグレードが進められおり、さらにエイブラムス戦車を更新するための新型戦車開発も進行中で、2025年から新型戦車によるエイブラムス戦車の更新が予定されている。
今の所、新型戦車に水素パワーパックが採用される気配はなく、技術的な問題がクリアされステルス戦車が実現するのは、随分先の話だ。
戦闘機が第5世代機、第6世代機のように派手な先進性を示しているのと比べ、地上の戦闘車両にスポットライトが当たることは少ないが、先日、イスラエルが新しい装甲戦闘車のプロトタイプを発表したように戦闘車両でも、これまでも常識を覆すような先進的技術の採用が始まっている。
米軍は、エイブラムス戦車に小型で軽量、高出力、信頼性が高く、加速性能に優れたガスタービンエンジンを採用したが、燃費が非常に悪く、戦車後部に歩兵が隠れることを不可能にするほどの高温な排気熱を吐き出すことで有名だ。
How we do steak and eggs. #StrikeHard @2ABCT1AD @1stArmoredDiv pic.twitter.com/ud9ScIY3e5
— 1st Battalion, 35th Armored Regiment (@Conquerors1_35) February 24, 2019
ネットにはエイブラムス戦車の排気熱が如何に高温かを示すため、ジョークのような写真がアップされている。
もし、水素パワーパックが実用化し、戦車が電気で作動するようになれば、このような汚名を返上することが出来るかもしれないが、主力戦車や装甲車両を燃料電池を使用したプラットフォームで統一すれば、新たに水素補給のためのインフラを整備する必要があり、そのあたりのコスト負担と増える手間を考えると素直にディーゼルエンジンを採用したほうが良い気もする。
それにしてもだ、まさか戦争道具にも「エコ」が求められる時代が来たのかと思うと、なんとも複雑な気持ちにさせられる話だ。
※アイキャッチ画像の出典:ras-slava / stock.adobe.com
>>ネットにはエイブラムス戦車の排気熱が如何に高温かを示すため、ジョークのような写真がアップされている。
ジョークじゃなくて現実なんだが、タービンエンジンの発生する高熱で戦車を弾除けにしたくても歩兵が近寄れない。
ガスタービンエンジンはジェットエンジンのコア部分と同じですから、燃費、発熱ともに相応のものとなりますね。
M1エイブラムスのエンジンはジェット燃料以外にもガソリンやディーゼル燃料にも対応しますが、米軍ではジェット燃料を使用しています。
主力戦車の水素化は自動車のFCV化など、将来の水素化社会を視野に入れたものでしょうが、超高温原子炉や再生エネによる水素製造が実用化しないと工場の副産物以外は化石燃料からの水素抽出しかないこと、燃料輸送など兵站負担が大きいです。
今のところは一般車両と同じディーゼル燃料+ディーゼルエンジンにするのが兵站負担も少なくて良いでしょうね
日本人の発想だと普通にディーゼルなんだけど、
それでエイブラムス級の装甲を維持出来るか、同じだけの機動力を維持出来るかその辺りが問題になりそうですね。もし採用がディーゼルなら日本の檜舞台だと思うのでいっちょかみ出来ないもんですかねー。アメリカの国防産業に食い込む事が日本の生存に繋がると思うのですよ。
あめりかさん「技術寄越すよな? な!?」
にほんくん「う・・うん 当然だよぉ~」
メタルギアソリッドみたいな光学迷彩かと思ってワクワクしたのに…
ADAPTIVっていうのが多分御期待にそえる迷彩だと思うよ対赤外線だけだけどね
モーター化は低燃費が主目的なんじゃなかろうか?
停止してても日中日光に当たってた装甲が熱持ってりゃそれだけでセンサーには丸見えだもん
ハイブリッドディーゼルエンジン
普段はディーゼルエンジンだが敵にバレそうな時は蓄電池モーターで移動。事実上ステルスだ。