軍事的雑学

F-35の代わりを探すトルコ、プーチン大統領自ら「SU-57E」をセールス

トルコのエルドアン大統領は、8月27日から開催されている「MAKS国際航空ショー」を訪れ、プーチン大統領と共にロシアが開発した第5世代ステルス戦闘機「SU-57」を視察した。

参考:Turkey’s Erdoğan seeks closer ties, $100 bn trade with Russia

プーチン大統領、トルコはSU-57を購入することができる

トルコはF-35プログラムに資金を投資した開発パートナー国(レベル3)にも関わらず、ロシア製防空ミサイル「S-400」導入を強行し、F-35プログラムから追放されてしまったため、F-35の代わりとなる第5世代機ステルス戦闘機を探していた。

エルドアン大統領は、8月27日から開催されている「MAKS国際航空ショー」を訪れ、ロシアのプーチン大統領が案内する中、第5世代ステルス戦闘機「SU-57」を視察した。

SU-57のコックピットに座るロシア人パイロットを交え、説明を受けるエルドアン大統領は「これは飛ぶことができるのか?SU-57を購入できるか?」と尋ねると、プーチン大統領は「飛んでいるところを航空ショーでお見せる」と答え、さらに「購入することが出来る」と付け加えた。

この日、両国の大統領はMAKS国際航空ショーで共同記者会見を行い、両国の貿易取引額を現在の4倍(約1,000億ドル=約10兆円)まで引き上げ、より緊密な関係構築を目指すと発表した。

このような動きは、以前から指摘されていたトルコのNATO離脱、ロシア陣営への鞍替え説に信憑性を与えることになり、米国や欧州の国々がトルコに対し、どのような態度に出るのか注目されるが、実際には何も出来ない=強い態度に出られないと見られている。

トルコはロシア黒海艦隊に対する門番であり、地中海と黒海を結ぶ「ボスポラス海峡」を領有しており、これ以上トルコを追い詰め、本当にNATOから離脱してロシア陣営入りすれば、ロシア黒海艦隊が自由に地中海へ出てくることなる。

出典:public domain ボスポラス海峡

さらにトルコにS-500を持ち込まれれば、イタリアやフランス南部がS-500の監視下に置かれることになり、欧州にあるロシア領の飛地である「カリーニングラード」と合わせれば、NATO加盟国の大分の上空に干渉することが出来るようになる。

黒海内に封じ込めている黒海艦隊が地中海に進出してくれば、NATOにとって悪夢でしか無く、S-500のトルコ配備は恐怖でしかない。

トルコは、ロシア接近で米国やNATOに自分たちの重要性を再確認させることで、国内やシリアのクルド人勢力についての処遇に干渉するなと言いたいのだろう。

果たしてトルコは、米国・NATOとロシアを天秤に掛け、理想的な結果を引き出すことに成功するだろうか?

この動画は、MAKS国際航空ショーで飛行展示を行うSU-57が、事前訓練を行った際の動画で、非常に画質もよくSU-57の細部が見て取れる。

 

※アイキャッチ画像の出典:Michail / stock.adobe.com

ステルス化が進む米軍!今度は燃料電池を搭載した「ステルス戦車」開発中前のページ

ステルス戦闘機「J-31」開発中止?中国、空母の次期艦載機に「J-20」採用次のページ

関連記事

  1. 軍事的雑学

    3機種も同時調達? 独空軍「トーネード後継機問題」は分割調達案で決着か

    ドイツ最大の経済新聞「ハンデルスブラット」は26日、老朽化した戦闘機「…

  2. 軍事的雑学

    ステルス技術の集大成「B-21 レイダー」、どれだけ優位性を保てるか?

    7月9日、米空軍の上級士官による報告によれば、ステルス爆撃機「B-21…

  3. 軍事的雑学

    30年越しの再戦、F-22とF-23が日本の次期戦闘機「F-3」ベース機を巡って対決?

    日本のF-2戦闘機の後継機として開発される次期戦闘機「F-3」ベース機…

  4. 軍事的雑学

    米空軍の爆撃機戦力は減少の一途、ステルス爆撃機「B-21」完成まで大規模戦争は不可能?

    米空軍の爆撃機部隊は米空軍にとって今後も欠かせない重要な戦力なのだが開…

  5. 軍事的雑学

    年内最終更新、航空万能論が選ぶ今年最も印象深かった記事ランキング

    年内更新終了を宣言した後も酒を飲みながらダラダラ更新を続けてしまい気づ…

  6. 軍事的雑学

    空母不足が続く米海軍、空母打撃群を「空母なし」という異例の編成で派遣

    米海軍の原子力空母「ハリー・S・トルーマン(10万3,800トン)」を…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 8月 29日

    ロシア機撃墜事件の後から、一気にロシアに擦り寄って言ったトルコ
    「タタールのくびき」以来の歴史的敵対関係の為、誰もが「有り得ない」と思っていたが故に、逆にすんなりと行ってしまった感が有りますね・・・・・・。
    一体あの事件の陰に、何が起こって進行していたのか? 誰もが気になるでしょうが、明かされることは有るのでしょうか?(クーデター未遂事件の裏側も・・・・・・)
    そして、経済規模は小さいながらも、このような歴史的外交転換を成し遂げさせたロシア。やはり恐るべき脅威を秘めた国ですね

      • 匿名
      • 2019年 8月 30日

      あと、自己追記になりますが、全遊動垂直尾翼をキモいと思うのは自分だけだろうか?
      「お前は動くな、”安定板”だろうが」とツッコミたくなる
      全遊動の方が、動翼を含んだ尾翼全体を小さくでき、空気抵抗や電波反射面積などで有利になり、かつ自動制御能力の進歩により採用出来るようになったのだろうとは推測できるのですが

    • 匿名
    • 2019年 9月 04日

    「ステルス理論はロシアで生まれました。アメリカの発明品じゃありません。我が国のオリジナルです。しばし遅れを取りましたが、今や巻き返しの時です」
    「スホーイは好きだ」
    「スホーイがお好き? 結構。ではますます好きになりますよ。さあさどうぞ。スホーイのニューモデルです。」
    「快適でしょう?んああ仰らないで。ヘルメットがHMDじゃない、でもHMDなんて見かけだけで夏は熱いしすぐひび割れるわ、ろくな事はない。ウエポンベイもたっぷりありますよ、どんなアムラームスキーでも大丈夫。どうぞ回してみて下さい、いい音でしょう。余裕の音だ、馬力が違いますよ」
    「一番気に入ってるのは・・・」
    「何です?」
    「値段だ」

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    ロシア製戦闘機を買うと損をする? SU-30SMを導入したベラルーシの後悔
  2. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  3. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
  4. 日本関連

    海外メディアも注目、横浜で護衛艦「いずも」の空母化工事が始まる
  5. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
PAGE TOP