今回は米空軍が実施しているレッドフラッグについて興味深い記事を読んだのでご紹介します。
参考記事:Killer Combo: The Stealth F-35 and New F-15X Joining Forces in the Sky
レッドフラッグって何?
まずは本題に入る前に、少しレッドフラッグについてご説明します。
レッドフラッグ“RED FLAG”とは、米空軍は行う演習です。この演習が他の演習と異なる点は、“非常に現実的”な演習内容が上げられます。
以前、YouTnbeでレッドフラッグのドキュメンタリー的な動画を見たんですが、米軍ではレッドフラッグを開催するため専門の部隊が、1年を通じてずっーと準備をしているそうです。
演習内容も非常に難しくパイロット達に、どうやって任務を達成するのかを自ら考えさせる内容になっていて、今日よりの明日、明日よりも明後日、という感じにどんどん演習内容の設定が難しくなっていきます。
演習のブリーフィングを受けているパイロット達は、敵の対空防衛網を突破し、敵戦闘機の接触を回避しながら、4方向から同時に目標を襲撃するためには?と頭を悩ませていました。
現在、レッドフラッグは2つあり、米国のネリス空軍基地で開催される方は、航空戦力の総合力が試されると言えば良いのでしょうか?ほぼ全ての航空作戦(演習地の特性上、対艦攻撃はないと思われる)が行われます。
対空戦闘だけ、対地攻撃だけ、と分けるのではなく、例えば敵の重要拠点の破壊が目的の場合、敵の防空網を制圧する部隊がいて、味方の攻撃部隊を守る制空部隊がいて、目的の拠点を攻撃する部隊がいて、作戦を支援するための電子戦、空中給油機、早期警戒機がいて、一つのミッションを丸ごと完全に再現した感じ。
もう一方のアイルソン空軍基地で開催されるレッドフラッグ・アラスカ(旧コープサンダー)は、どちらかと言うと多くの国が参加して行われる演習。こちらのレッドフラッグには、日本の航空自衛隊も参加しています。
演習内容の細部については管理人もよく知らないですよね。対空戦重視なのか、総合的な航空戦の演習なのか、ご存知方がいたら教えて下さい。
ジャミングが激しい環境下でも敵機捕捉が可能なF-35
本題に入ります。
米国のナショナル・インタレストが今年1月に行われたレッドフラッグについて記事を書いていました。
今年のレッドフラッグでは、米軍が完全な航空優位を確立できない・維持できないと仮定された、今までよりも「争いが多い」環境が特色。
1つ目の興味深い点は、敵側によるジャミングが激しい環境下で、F-35への転換訓練を終えて間もないパイロットが、第4世代の戦闘機を操縦していた経験豊富(飛行時間3000時間)なパイロットでも発見不可能な脅威を見つけ、このパイロットへ引き返すよう伝え、自分はその脅威の排除を行ったと言う話。
レッドフラッグ19-1演習の、ブルーvsアグレッサーの大規模交戦で、アグレッサー側の強力な電子攻撃の下で、F-35への転換訓練を終えてから、まだ7~8回ぐらい訓練で飛んだだけの新米パイロットが、1時間のミッションのうちに、3000飛行時間ベテランを含む第4世代戦闘機4機を撃墜したんだって。 https://t.co/5eR55YWtKb
— 岡部いさく (@Mossie633) 2019年2月17日
これにの事だと思うのですが、この内容は少し間違っているんですよね。原文を読みましたが、「3000飛行時間ベテランを含む第4世代戦闘機4機を撃墜」ではなく、3000飛行時間のベテランに引き返すよう伝え、敵機を撃墜し、さらに3機の敵機を撃墜したと言うのが正しい。
管理人は、岡部いさく氏を批判しているわけではなく、きっと原文を読み間違えたんだと思います。
F-35とF-15Xは最高の組合せか?
で、本題の続き。
敵機を撃墜したことも注目すべきですが、一番注目すべきは、「ジャミングが激しい環境下で、経験豊富なパイロットでも発見が難しい脅威(敵機)を発見」と言うこの部分。
ナショナル・インタレストは、F-35AのEOTSとDASは、ジャミングよって検出することの出来ない敵の脅威を視覚的に発見した可能性があると言っています。

From wikimedia Commons/File:F-35_EOTS.jpeg 03:00, 24 February 2019(UTC) License=CC BY-SA 2.5 NL
EOTSとDASを詳しく説明すると分かりにくくなるので、簡単に言うとジャミング(電子妨害)を受けていると、電波の反射を利用したレーダーによる敵の探知が困難になります。F-35にはジャミングの影響を受けにくい赤外線・光学センサーを搭載しているので、これで敵を発見できたのではないかと言っています。
そして米空軍が導入を検討しているF-15XとF-35は、最高の組合せになるかもしれないと書いています。
将来の空中は、F-35はステルス性能を生かして敵に近づきターゲットデータをF-15Xに中継して、安全な後方からミサイルを発射できる。F-15XとF-35は互いの長所と短所を補完し合える関係だと。
F-15X・F-35の長所と短所は以下の通りだと思う・・・
F-15Xは大量のミサイルを搭載可能だがステルス性能は有していない。ただし機体のコストは安価。F-35はステルス性能は優秀だが、ステルス性能を維持したまま搭載できるミサイルの数には制限がある。しかも機体コストは高価。
これに今回の結果「ジャミング下でもEOTSとDASで~」が加われば、非常に良く出来た話になってくる。
今までもF-15のミサイルキャリア化は何度も話に出ていましたが、ここにF-35AのEOTSとDASの結果が入ると真実味が増して感じられる。
うーんボーイングの策略か?w 皆さんはどう思いますか?
岡部いさくさん、テレビや動画で拝見すると毎回歯が少なくなっていて・・
何か口元ばかり気になって話の内容が入ってこない・・・。
色々、興味深い内容でした。兵器搭載量はステルス機について回る課題ですから、日本も無理に対鑑ミサイル4発搭載を考えなくてもイイかもしれませんね。
あっ、でも日本はF-15が…。
補足。F-3は対艦ミサイル4発搭載に拘らなくてもいい、という意味。
F-3は広い領海での使用を目的としているので、対艦ミサイルは多くつめたほうが良い気がします。F-35やF-15に日本製ミサイルを搭載するには米国と協議しないといけませんし、情報も出さないといけないと思います。自由に機体を改造でき、搭載兵器も変更できるF-3はこれも大きな目的の一つなので。
これが海自がF-35Bを搭載する軽空母を欲しがる理由。
ステルス機で敵側深く侵入し接近してくる敵機や対艦ミサイルは空対空ミサイルで撃墜し、目標を見極めて艦対艦ミサイルを発射を指示できるから。
Fー3はステルス機じゃなくて航空機として優秀なFー15のような機体にしてもいい気がしてきた。
ミサイルの能力も上がるんだから、ミサイルキャリアとしてまたその後々の拡張性を担保出来る機体なら長く安く使えるだろうしそれは強みになる気がするなぁ。
ステルスが通じなくなった時の保険に別の系統樹の兵器は欲しい。けど予算がないかぁ。
日本はF-15Jの改修版が別にあるし、そもそもF-15Xは自衛隊のF-15J近代化改修のノウハウをボーイングが生かす(開発費用の節約)みたいなこともどっかに書いてあったけど。
F-15Jの改修機の延命失敗や寿命とか、F-35Aの取得や能力向上がうまくいかないときに、F-15Xを導入するんでいいんじゃないかな。
それよりもF-3のステルス有の対艦ミサイル4発とかってなんかコンセプトが中途半端じゃねーかな。
F-3単体でどうこうより、F-35A/B、F-15J近代化、F-15Xなんかもいれて、全体の中でのF-3の立ち位置をもっと明確にした方がいいんじゃないかな。
せっかく研究開発したレーダーやエンジンを使うのも大事だけど、なんかバランスが悪いんだよなー。
いっそ、F-2の延命策を考えて、第六世代の技術開発をしてからF-3のがいい気がするなー。
F3のコンセプトって、F2の継承じゃなくて未だ固まってはいなかったはず。
F15xのミサイルキャリアー化っていうのは、むしろF15のコンセプトをF2のそれに寄せる作業って感じもする。記事の通りで、F35との補完関係がいい感じになりそうだし。
F3は、先端技術てんこもりにしなきゃいけない事情がある。これは戦闘機に限った事ではなく、研究開発中のレールガンやミサイル、レーダーシステムと同じことで言えるんだが、一定水準の独自技術を所持していないと、共同開発の土俵にすらも乗れないっていう自衛隊の見解があるからだ。
単なる購入のお客さんに成り下がるのは、確かに危険な事ですね。