ロシア関連

可変翼機の白鳥が空を飛ぶ!ロシア、戦略爆撃機「Tu-160」の超カッコいい動画を公開

ロシア航空宇宙軍は、秘密のベールに包まれていた可変翼機の超音速戦略爆撃機「Tu-160」の動画を公開した。

参考:Ракетоносец Ту-160 снялся в эффектном видео

ロシアの白鳥「Tu-160」の迫力満点の動画を公開したロシア航空宇宙軍

旧ソ連が開発した可変翼機構を採用した超音速戦略爆撃機「Tu-160」は、ソ連崩壊時期と製造時期が被り、たった35機(試作機8機+量産機27機)しか製造されなかったレアな爆撃機で、現在、ロシア航空宇宙軍が14機から16機を運用中だ。

Tu-160は、しばしば米国のB-1によく似ていると言われている=パクったと言われるが、当時のソ連は「同じコンセプトを目指した結果、同じ形になった」と反論している。

米国は当初、高高度を超音速飛行で飛び、敵地奥深くの目標に対し核兵器を投下するためB-1Aを開発したが方針の変更により、敵地奥深くの目標に対し「超低空飛行」による通常兵器の攻撃を行うB-1Bとして復活したが、Tu-160は高高度を超音速飛行で飛ぶB-1Aのコンセプトを受け継いただ爆撃機として開発された。

出典: Alex Beltyukov / CC BY-SA 3.0

ロシア航空宇宙軍は現在、Tu-160を巡航ミサイル運搬のプラットフォームとして活用しており、核弾頭を搭載した巡航ミサイル「RKV-500B」なら最大12発、航空機搭載型の短距離弾道ミサイル「Kh-15P」なら最大24発搭載することが可能だ。

ロシアは2018年、カザン航空工場でTu-160を改良した「Tu-160M2」の製造を再開し、新規製造したTu-160M2を約50機程度調達する見込みで、2021年までに最初のTu-160M2がロシア航空宇宙軍に引き渡される予定になっている。

今回、ロシア航空宇宙軍が公開したTu-160の動画は、単にTu-160の飛行シーンを外から撮影したものではなく、離陸前から飛行中、基地に帰投するまでのコックピット内映像はもちろん、コックピットから見た飛行中の風景、兵器倉内から見た巡航ミサイルの投下シーン、軽快に飛行するシーンを幾つものカメラで撮影し編集された非常に内容の濃い動画だ。

※動画に出てくる戦闘シーンは、実際のシリア攻撃の際の映像

ここまで内容の濃く、鮮明に撮影されたTu-160の動画公開は、恐らく初めてではないだろうか?

因みにロシアでは現在、Tu-22MやTu-160、Tu-95といった機体の後継機として、ステルス爆撃機「PAK DA」の開発が行われており、試作機の完成は2021年までに行われ、テスト飛行は2025年前後から開始されると言われている。

この機体は超音速飛行よりもステルス性能が重視された設計で、1万2,000kmの航続距離を持ち、最大7,000kmの射程を持つミサイルを搭載すると言われているが、詳細については不明な部分が多く、上記のスケジュールが本当に守られるのか分からないため、ロシアの白鳥は今後も当分の間、ロシアの戦略爆撃機の顔として君臨し続けるだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru / CC BY 4.0

協定破棄で困るのは日本?韓国、北朝鮮「弾道ミサイル発射」事実把握で日本に負ける前のページ

日本の空母「いずも」で米F-35B運用?米国が推進する日英空母「クロスデッキ」化次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    ロシア軍が演習を装い択後島にS-300V4配備、同地域の防空任務を引き継ぐ

    ロシア国防省は1日、クリル諸島(千島列島)の防空任務を引き継ぐため「S…

  2. ロシア関連

    露軍元大佐、バフムート勝利は不要で戦略の馬鹿さ加減と戦死者数は別格

    ロシア軍元大佐のイゴール・ガーキン氏は「クレムリンの老人達が頭に思い描…

  3. ロシア関連

    米国の航空優位を突き崩すか? ロシアが狙う「早期警戒管制機」の無力化

    巨大なレーダーを空中に浮かべ、広範囲な空域を監視し、友軍機はもちろん、…

  4. ロシア関連

    ロシア、20日に開幕するMAKS国際航空ショーでシングルエンジンの新型戦闘機を発表

    ロシアの国営企業「ロステック(英:Rostec / 露:Ростех)…

  5. ロシア関連

    プーチンは自身の権威が傷つかないよう戦争を止める方法が見つからない

    ロシアの独立系メディアのМедуза(メドゥーサ)は31日、ウクライナ…

  6. ロシア関連

    露ワグネルのプリゴジン氏、要求が満たされたため我々はバフムートに残る

    露ワグネルのプリゴジン氏は7日「ロシア国防省はワグネルが要求した全ての…

コメント

    • 川人
    • 2019年 8月 25日

    ロシアの航空機は、やはりカッコいい形をしている
    Tu-160、Su-27系列、Ka-52は他国にないスタイリッシュな機体

    • 名無し
    • 2019年 8月 26日

    ロシアの戦略爆撃機をカッコイイ、迫力あるなどと考える頭が理解できない。標的の一つは日本なのに。お花畑も良いところだ。

    1
      • 匿名
      • 2019年 8月 26日

      理屈だけで割り切れる程、人間は単純じゃないんですよ。

      3
    • 匿名
    • 2019年 8月 26日

    B1の機体は白の方が格好良い
    新谷かおりが言ったのか?り地域が言ったのか?
    白色のB1は正に死の白鳥 コピーのTu160より
    数段カッコいい

  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  2. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  3. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  4. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  5. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
PAGE TOP