ロシア関連

ステルス戦闘機「Su-57」実戦配備が秒読み?年内にもロシア空軍へ量産初号機引渡し

ロシアの国防省は、コムソモリスク・ナ・アムーレにある工場で組立てが進む第5世代戦闘機「Su-57」を公開した。

参考:Media Releases Video of Russia’s Su-57 Stealth Jet Assembly

SU-57「フェロン」量産初号機は年内にもロシア空軍に引渡される予定

ロシアのスホーイ社が開発した第5世代戦闘機「Su-57」は、プーチン大統領が同機をロシア空軍向けに76機調達する方針を示し、正式な量産体制の確立に動いている。

それを示すかのようにロシアの国防省は最近、ロシア極東部のハバロフスク地方にある都市「コムソモリスク・ナ・アムーレ」にあるスホーイ社の子会社「Yu.A.ガガーリン記念コムソモーリスク・ナ・アムーレ航空機工場」を訪問したアレクセイ・クリボルチコ国防副大臣がSU-57の量産初号機の年内引渡しについて準備が整っていると話した。

※動画で出てくる組立て中の戦闘機はSU-57とSU-35(特に後半部分)が混ざっているので注意

ロシアの国防省は、国防副大臣が同工場を訪問し、SU-57の製造ラインをバックに会見を行う様子の動画を公開、これはSU-57の量産が順調に進んでいることをアピールする狙いがあるものと見られている。

この極東に位置する航空機工場ではSU-57の他にも、スホーイ社が開発してきたSU-27やSU-30などを製造してきた工場で、現在はSU-57以外に第4.5世代戦闘機のSU-35や、ジェット旅客機のスホーイ・スーパージェット100を優先的に製造しており、スホーイ社の製造部門とって心臓部ともいえる工場で13万人以上の従業員が働いている。

出典:Oleg Belyakov / CC BY-SA 3.0 ロシアのSu-35(下)とSu-57(上)

これ以外にも、SU-57関連の情報がもう一つある。

最近、NATOはロシアの第5世代戦闘機「Su-57」に対して、正式にNATOコードネーム「FELON(フェロン)」が割り当てられた。

補足:FELONとは「重罪人」という意味

NATOコードネームは、ロシアや中国など東側陣営の軍用機に対して割り当てられ、戦闘機(Fighter)は「F」で始まるコードネームに統一されており、例えばロシアのSU-27は「Flanker(フランカー)」、MiG-29は「Fulcrum(フルクラム)」、中国のJ-20は「Fire Fang(ファイアファング)」というコードネームが割り当てられている。

同じように爆撃機は「B」、輸送機や旅客機は「C」、ヘリコプターは「H」から始まるコードネームに統一されている。

NATOは当初、SU-57がまだ「PAK-FA」と呼ばれていた頃、暫定的に「Frazor」というコードネームを割り当てていたが、ロシア空軍に正式に採用されたことでNATOコードネームを「FELON(フェロン)」変更した。

 

※アイキャッチ画像の出典:Baranov / stock.adobe.com

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 11月 11日

    調達数少ない…少なくない?(感覚麻痺)

    • 匿名
    • 2019年 11月 11日

    冷戦終結以降普通に情報公開しちゃうからNATOコード聞いてもワクワクしなくなっちゃったな
    形式番号もペットネームも分からず画像は作戦行動中に撮られた不鮮明なものだけって感じの奴に
    NATOコードついてると謎めいた感じして良かったのにね
    youtubeで公開してるのに「重罪人」ってついててもプーチンに対するイヤミか?としか思わん…

    • 匿名
    • 2019年 11月 11日

    フェロンか。
    何か願いでも叶えてくれそう。

    • 匿名
    • 2019年 11月 12日

    もうちょっとかっこいい名前なかったのかな

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