軍事的雑学

開発費不足に悩む韓国型戦闘機? 文政権が密かに補填したKFX開発費「全額削減」か

韓国最大野党の自由韓国党(旧セヌリ党)は、文在寅(ムン・ジェイン)政権が編成した2020年度政府予算案について大幅な削減を要求する構えで、削減要求の中には現在、開発が進行中の第4.5世代戦闘機「KFX」開発費も含まれており、もし開発費が削減されれば開発スケジュールに影響を及ぼす可能性が高い。

参考:제로페이 122억·보라매 3000억⋯한국당, 내년 정부 예산 ‘100개 사업, 5조 삭감’ 방침 출처

文政権が補填したインドネシア未納分のKFX開発費が全額削除?

文政権が編成した史上最大規模の2020年度政府予算案(513兆ウォン)を精査した自由韓国党は、政策失敗をお金で解決しようとする文政権の試みを阻止するとし、28日から始まる予算審議で大幅な予算削減を要求することを決定した。

韓国党の予算削減要求は、経済や外交、統一や国防分野など広範囲に及ぶ。

経済関連は当ブログの趣旨と異なるのでスルーするが、外交と国防分野で非常に興味深い予算削減要求があった。

韓国党は、韓国外交部(日本の外務省に相当)が要求した日本国内で韓日関係のシンポジウムやフォーラムを開催したり、各業界とのネットワークを構築する行事などに使われる「韓日新時代の複合ネットワーク構築事業」の事業費(51億ウォン)の全額削減を要求した。

韓国党は、文政権は自ら対日関係を悪化させたにも関わらず、韓日関係の構築に予算を投じるのは自らの政策失敗をお金で解決しようとしている行為で、国民に日本観光や日本製品の不買をさせておきながら、外交部は日本で外貨を無駄に使うのかと糾弾した。

出典:KAIが公開したYouTube動画のスクリーンショット

さらに現在開発中で、8兆8,000億ウォンもの開発費が投じられる第4.5世代戦闘機「KFX」についても予算編成に問題があるとして削減に乗り出す構えだ。

特に問題になったのは、インドネシアが負担するKFX開発費「約1兆7,000億ウォン」が正しく韓国に納付されておらず、現時点で約3,000億ウォンもの開発費未納が発生、この問題を解決するため文政権は、インドネシアの開発費未納分を2020年度政府予算案に組み込みKFXの開発費不足を回避することにしたが、韓国党はひとまずこれを全額削除し、インドネシア側に対し開発費分担額を納付する意志があるのか確認することを政府に要求した。

韓国の国防委員会も、インドネシアは開発費の20%を負担する条件でKFX開発過程に技術者を送り込んでいるが、実際には分担金が支払わておらず技術だけが流出していると指摘し、もしインドネシアが分担金支払いを再開しない場合、2021年に予定されている試作機の出荷や、2026年に予定しているKFXの開発完了など、全体のスケジュールに支障が生じると懸念を表明していた。

そのため政府による開発費補填(3,000億ウォン)が全額削除されれば、KFX開発に大きなダメージをもたらすことになる。

そもそも韓国政府はインドネシア側の要求に応じ、KFX共同開発条件の見直し交渉を非公開で行っており、今回の韓国政府による開発費補填は、条件見直し交渉の過程で、インドネシア側が要求した開発費負担割合の引き下げに韓国政府が応じた結果とも見ることが出来るため、文政権にとっては非常に痛い所を韓国党に突かれた格好だ。

もし、開発費の補填が開発費負担割合の引き下げに韓国政府が応じた結果であるなら、それに応じてインドネシア側への技術移転を制限するという結果の公表が必要になるが、現在進めている経済政策「新南方政策」の要であるインドネシアに、文政権が強い態度に出ることが出来るのか非常に怪しい。

どちらにしても韓国のKFX開発は、開発資金面で最大の山場を迎えたと言っていいだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:Alvis Cyrille Jiyong Jang (Alvis Jean) / CC BY-SA 4.0 ソウルADEX 2017で展示されたKFXの模型

自律的に7,300km飛行可能!中国、ステルス無人輸送機「FL-2」の存在を公表前のページ

韓国の原潜保有を承認? 米海軍、協力はしないが韓国の仏原潜導入に反対しない次のページ

関連記事

  1. 軍事的雑学

    軍事的雑学|米国のトルコ外しでF-35生産に支障?トルコへのF-35引渡し凍結&部品採用中止

    トルコのロシア製地対空ミサイル「S-400」導入を巡る、米国のF-35…

  2. 軍事的雑学

    さよならアリス! 戦闘機「F-35」稼働率低下の原因「ALIS」システム廃止へ

    ロッキード・マーティンは14日、問題の多いF-35物流情報システム「A…

  3. 軍事的雑学

    イスラエルが開発した「異次元」の戦闘システム、開発中の装甲戦闘車「カルメル」公開

    イスラエルは現在、主力戦車「メルカバ Mk 4」にも応用可能な技術を搭…

  4. 軍事的雑学

    ドイツ軍の軍事機密が流出、売却処分したパソコンに防空システムの情報が残ったまま?

    ドイツメディアは16日、ドイツ軍の機密情報が入った中古のノートパソコン…

  5. 軍事的雑学

    中国、観艦式へ派遣した「中国版イージス艦 052D型」を日本で一般公開か?

    中国海軍は、海上自衛隊が10月14日に行う観艦式に艦艇を参加させるため…

  6. 軍事的雑学

    伝統継承!空自第302飛行隊「オジロワシマーク」が書き込まれたF-35A初公開

    航空自衛隊三沢基地は3月2日、同基地のホームページ上に第302飛行隊伝…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 10月 29日

    韓国の国会は李明博政権下、チェンソー国会が海外で報道されたのが恥ずかしいと、国会法を改悪して、多数決って民主主義の根幹を捨てたから、+韓国型面子では12/15に予算案が編成できないのは屈辱(補正予算の仕組みはあるけど面子にかけて使っていない)ので、この自由韓国党の戦法は効果があるでしょうね。
    ・本会議は1/2以上の多数決だけど・・・・
    ・議長による職権上程を無くした(議長が法案を提出できない)
    ・小委員会から法案を本会議に上程するには3/5(60%)の賛成が必要
    ・小委員会で問題、異議が発生した場合には1/3の賛成で案件調整委員会送り
    ・案件調整委員会は与党:野党=50:50で構成

    [社説]植物国会、植物政府、植物国家
    国会法 57条、85条、86条の新設、改正
    リンク

    • 匿名
    • 2019年 10月 29日

    KFX開発予算立てたのは文政権ではなく、朴政権ですよ

    • 匿名
    • 2019年 10月 29日

    これで開発が頓挫してもインドネシアのせいという言い訳ができてヨカッタヨカッタ
    予算が潤沢にあったとしても大幅に遅延するのは目に見えてる案件だからなぁ
    てか個人的には完成せずに終わることもあり得ると思ってるし…

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    ようやく本領発揮、世界最強の戦闘機F-22Aが「神の視点」を味方に提供
  2. 軍事的雑学

    空飛ぶスナイパー? ロシアの戦闘機「Su-57」は米軍の航空支配を効果的に破壊す…
  3. 日本関連

    海外メディアも注目、横浜で護衛艦「いずも」の空母化工事が始まる
  4. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  5. 軍事的報道

    国産防衛装備品の海外輸出が実現!フィリピンが日本製警戒管制レーダー「J/FPS-…
PAGE TOP