軍事的雑学

開発費が不足か? 韓国国防部長官が次世代戦闘機「KF-X」緊急会議を招集

韓国が開発を進めている第4.5世代戦闘機「KF-X」がインドネシアの不穏な動きによってスリリングな展開を見せ始めた。

参考:장관주재 첫 KF-X 비상대책회의

何が起こっている?KF-X開発に関わる部署のトップが緊急招集され会議を開催

韓国政府は6日、韓国型次世代戦闘機「KF-X」事業の開発費が不足した現状を打破するため対応策会議が開催したが、これまで行われてきた会議とは決定的に異なる点が1つある。これまで対策を話し合ってきたのは実務レベルだったが、今回会議を主催したのは国防部長官で参加者も防衛装備庁長官などKF-X開発に関わる部署のトップや次官が根こそぎ駆けつけた点だ。

では、これだけのメンバーが集まって一体何を話し合ったのか?

韓国メディアは今年もインドネシアの開発費未納が続けばKF-X開発スケジュールに支障がでるため対応策が話し合われたと書いているが、この手の話は過去に幾らでもあり基本的に韓国側は「インドネシアはKF-X開発参加を継続する意思を示している」と楽観的に考え未納分の開発費もいずれ支払われるだろうと考えていたが、ここ数ヶ月間でインドネシアを取り巻く状況は一変してしまい慌てて会議を招集したと言うのが本当のところだろう。

出典:public domain ラファールB

インドネシアはここ数ヶ月間に韓国と契約した防衛装備品について他に乗り換える動きを見せており、昨年11月にはKF-Xと同じ第4.5世代戦闘機に分類される米国製戦闘機F-16Vの導入を発表、今年1月にはKF-X開発から撤退してフランス製戦闘機ラファール購入したいという記事が報じられ、3月には米国の圧力でロシア製戦闘機Su-35導入を中止する見返りに第5世代戦闘機F-35Aを要求するなど、もはや韓国と共同開発中のKF-Xを忘れてしまったかのような動きだ。

極めつけは数日前に報じられた韓国との潜水艦購入契約キャンセル検討だ。

出典:public domain 韓国海軍の209/1300型潜水艦

インドネシアは韓国と209/1400型潜水艦を3隻追加建造する契約を約11億ドルで昨年締結したが、インドネシアは国防予算が今後縮小されることを踏まえて韓国との契約をキャンセルできないか検討を始めたと米国のThe Diplomatや英国のJanesが報じ、韓国メディアも約1兆ウォンの潜水艦建造契約が紙切れになるかもしれないと危機感を表している。

関連記事:インドネシア、韓国との契約破棄はトルコからAIP機関搭載潜水艦を調達するチャンス

韓国防衛産業界にとってKF-Xと209/1400型潜水艦のインドネシア輸出は正式な契約を交わした案件であり確定事項のはずだったのに、これはちゃぶ台返しされるのだから危機感を感じて当然だろう。

結局、両案件に対するインドネシアの動きを「韓国離れ」と判断した国防部長官はKF-X開発に関わる部署のトップを招集して、インドネシアがもし開発費支払いを継続または開発の枠組み自体から撤退した場合に備え、不足する開発費約1,500億円をどのように捻出するか相談したのかもしれないし、もしかしたら「韓国離れ」の責任を擦り付けあっていたのかもしれない。

出典: Alvis Cyrille Jiyong Jang (Alvis Jean) / CC BY-SA 4.0 ソウルADEX 2017で展示されたKFXの模型

どちらにしても、KF-X開発費支払い再開へ向けた交渉が2年近く進展していない上、ここまで不穏な動きを見せつけられた韓国は何らかの決断を下す必要があるだろう。ただしKF-Xを単独開発に切り替えても量産数が減り機体単価が上昇して海外輸出が絶望的になれば国民や韓国防衛産業界の期待を裏切る結果となるため責任問題に発展するのは必定だ。

密室で一体何を話し合ったのかは謎だが、中々スリリングな展開を見せ始めたKF-Xから当分目が離せそうにない。

 

※アイキャッチ画像の:KAIが公開したYouTube動画のスクリーンショット

軍事的雑学|韓国軍の戦闘糧食「Kレーション」誕生の契機は反日とキムチ?前のページ

韓国、新型コロナ影響でアルゼンチンへの軽戦闘攻撃機FA-50輸出が消滅次のページ

関連記事

  1. 軍事的雑学

    ドイツ軍の軍事機密が流出、売却処分したパソコンに防空システムの情報が残ったまま?

    ドイツメディアは16日、ドイツ軍の機密情報が入った中古のノートパソコン…

  2. 軍事的雑学

    軍事的雑学|映画「トップガン2」に、まさかのF-14実機がカメオ出演?

    映画「トップガン2」の撮影に、まさかのF-14が登場? トップガン世代…

  3. 軍事的雑学

    あと20年は戦える! 米空軍、第5世代レーダー「SABR」に換装したF-16完成

    米空軍は9日、本土防衛のためメリーランド州兵空軍が装備するF-16C/…

  4. 軍事的雑学

    米メディア、多くの国が欲しがるロシア製防空システム「S-400」の性能は過大評価され過ぎ?

    米国のナショナル・インタレスト誌はスウェーデン国防省がまとめた報告書を…

  5. 軍事的雑学

    世界一高価なインドの戦闘機「ラファール」、1機辺りの導入費用260億円超え

    2016年にインドとフランスの間で結ばれた契約に基づき、インドは36機…

  6. 軍事的雑学

    15年ぶりに戦闘機を復活させるフィリピン、環境が整ったF-16Vか? 安価なグリペンか?

    フィリピン空軍は、2005年に戦闘機「F-5A/B」が退役して以来、途…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    絶対に完成させてくれ
    そして俺の腹筋を裂いてくれ

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    アメリカだったらここまでグダった計画はすっぱり諦めて中止するだろうな。
    傍から見ると「そこまでやったのにやめるの!?」ってなるけどコンコルド効果で更なる損失を出す前に損切りする決断力は流石と毎度思う。

    一方で韓国は中止できないだろうね。
    実態がどれ程グダろうとも面子が最優先の彼等には中止の選択肢は存在しないはず。
    加えて、これを中止にしようものならそれを決定した者はどれほど国賊よ裏切り者よと子々孫々の代まで迫害されるかわかったもんじゃない。
    その恐怖心から彼らは誰も中止の決定を下せない。
    さぁ、ますます面白くなってまいりましたね♪

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    インドネシアはコロナがインドネシアに来たのを日本人のせいにしたうえにアビガン200万錠よこせと言ってきてるからな
    韓国の件も対岸の火事だから傍観できるけど、ホントクズ過ぎて笑えるわ

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    開発中止などありえん
    反日パワーを使って自滅するまでがんばれ

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    高速鉄道受注合戦で日本も痛い目に遭っているからインドネシアがろくでなし国家なのは周知の事実。

    韓国もインドネシアと組んだのがそもそもの間違いだけど、このまま開発に突っ走って量産効果で価格が下がったF-35と大差無い価格で販売してお笑い戦闘機との評価を確固たるモノにして欲しい。

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    KF-Xの開発など、最初から韓国には無理だったのだ。技術的にも金銭的にも韓国の国力では達成不可能な事業だったのだ。日本がATD-X(後のX-2)を初飛行させたのを見て、韓国は日本への対抗心をむき出しにして、できもしないのにKF-Xの開発を決断したのだ。ヤツらは「日本に負けたくない」という一心で己の実力を顧みずに行動してしまう。つまり反日精神病なのだ。

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    実際の所は、まず現状がどうなってるのかの事実確認から始めてるんじゃないだろうか。
    あの国はとにかく都合の悪いことから目をそらす悪癖があるんで潜水艦の件が報じられるまで下から報告される楽観論以外に何も知らされてなかった可能性もあるだろうし。

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    トラブルなく開発できて、ギリF5 200機弱の退役に間に合うお話なので遅延できないのよね
    FA50のラインが閉じてなければなんとかなるか

    1500億捻出のため陸海もワリ食らうんじゃなかろうか

      • 匿名
      • 2020年 4月 07日

      もう諦めて、タイ空軍のようにF-5を改造延命するのが、一番現実的と思うが

      • 匿名
      • 2020年 4月 07日

      後継の決まってないKF-5は60機程度
      むしろF-16後継をどうしていくのか問題

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    やっぱ中国の戦闘機開発ってすげぇんだなって

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    日本もコロナ対策で100兆円の支出が必要らしい
    F-3の開発費などは最優先の削減対象となる
    他国を笑っていられないだろうね

      • 匿名
      • 2020年 4月 08日

      コロナ騒ぎの支出の影響で防衛予算も削られるでしょうね。
      しかし未だ決まってもない話を持ち出して、日本を比較対象にするってどういうことですか?
      あなた、そんなに韓国のことを笑われるのが嫌なんですかねw

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    もともとインドネシアが信用ならない国だとしても、ここまで話が大きく動くと、アメリカが圧力かけたりした影響もあったのではないかと邪推してしまう。
    GSOMIAでの韓国の対応を受けて、西側陣営抜けるつもりなら覚悟は出来てるんだろうな、と言う見せしめ的な意味合いで。

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    どんな手を使っても、どんなにアメリカに反対されても、きっと彼らはやり遂げる。

    そしてこれまでに見せたことのない新たな伝説を紡ぎだすことでしょう。

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    どんなにアメリカに反対されても、どんな手を使っても、きっと彼らはやり遂げる。そしてこれまでに見せたことのない新たな伝説を紡ぎだすことでしょう。

    そうじゃなきゃかの国らしくないですわ。

    • 匿名
    • 2020年 4月 08日

    我が国にとって最高の展開は、韓国がこのままKF-X開発を続け、そして我が国がF-2後継機を完成させることかと推察します。
    (中国、ロシア、韓国という不穏な動きをする国があってこそ、次世代機の開発が国民から支持を受けやすくなります)

    そして、韓国にとっての最高の展開は、インドネシアの穴を埋める第2のパートナーを見つけKF-X開発を続けてもらうことです。
    恐らくそれもアメリカやフランス等の競合にビジネスを持っていかれると予想します。
    同盟国を裏切った代償をこの先も支払うことになると思います。

    • 匿名
    • 2020年 4月 08日

    契約はPTDI( PT. Dirgantara Indonesia=インドネシア語、インドネシアン・エアロスペース )とKAI(韓国航空宇宙)で交わされてるから、この会議に集まった政府関係者、軍関係者はインドネシアには何もできない、かつ、予算を増やせる立場でもないですね。  単なるお茶会ですね。 会議の結果も何もない(ニュースが無い)
     なお、インドネシアは減額、派遣してるスタッフの増員(実施済み)、現物での支払いも要求してる(2019年の秋かな? 硫黄分の多いインドネシア原油、政府はKAIに買い取りの指示をだしたとか出さなかったとか・・・これ関係かもね)

    • 匿名
    • 2020年 4月 08日

    どうでもいいことだけれど動画の出来がひどい。
    これじゃ〇ィアゴスティーニのCMのようだ。
    ガンプラのCMの方がなんぼましか。

    • 匿名
    • 2020年 4月 08日

    国産戦闘機開発妄想から約10年、インドネシアを巻き込んでKFX計画スタート(ホルホル)
    それから10年近い研究を経てモックアップ完成、試作機の制作開始(世界一の第4.5世代機ニダ!)←今ここ
    更に10年で実用化予定(ウリの技術は世界有数!)

    どんな苦境に立たされても、お得意の反日パワーと妄想で乗切って下さい。末永く楽しませて頂きます。

    • 匿名
    • 2020年 4月 08日

    なんで、いきなりF-35に次いで世界の市場で一線級の戦闘機として商売されている水準のものをつくろうなんて考えたんだろう?
    そして、完成する頃には、その性能機能では買い手はひどく限られていることを考えなかったんだろうか?

      • 匿名
      • 2020年 4月 09日

      韓国人だから  では?
      ・K2戦車
      ADD(国防研究所)の報告:パワーパックの国産化は無理、輸入で・・・
      廬武鉉・大統領「国産化シル!!!!」
      K9自走砲、k1A1のパワーパックはKD生産、でその担当メーカーはいずれもK2戦車のパワーパック国産化には応札しなかった
      ・F-35の選定時
      入札ではF-15SKだったが、軍がひっくり返した(ボ-イングは計器の整備サイトの進出を約束してた、整備サイトは立ち上げたが仕事はしないで数年後に撤退)
      ・K-FX
      当初はFA-50ベースだったが、防衛事業庁とか、諸々で双発に計画が変わった
      そもそも、KAI(の元のサムスン航空産業が受注したKF-16の2次・2次のKD生産の仕事が終了した時点でサムスン航空産業を解散させておけば・・・韓国の財閥=政商だから無理だけどね K-FX計画はサムスン航空産業から始まってる)
       なお、KAIの元の後2つの会社はオマケ、航空部門では大した仕事はしてなかった(現代宇宙航空、大宇重工業の航空機部門)

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  2. 軍事的雑学

    リチウムイオン電池採用艦!日本のそうりゅう型潜水艦11番艦「おうりゅう」就役に世…
  3. 日本関連

    海外メディアも注目、横浜で護衛艦「いずも」の空母化工事が始まる
  4. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  5. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
PAGE TOP