軍事的雑学

また技術移転頼み? 韓国、第4.5世代戦闘機「KFX」で第6世代戦闘機に対抗可能

米国や欧州を中心に第5世代戦闘機の次、次世代戦闘機(所謂、第6世代戦闘機)の開発が進む中、韓国メディアによれば、現在韓国が開発中の第4.5世代機「KFX」で第6世代機に十分対抗が可能だと報じている。

参考:6세대 전투기 공중전, 우리 ‘4.5세대 KF-X’로 승산 있을까

他国が開発した技術でKFXを第6世代戦闘機相当にアップグレード?

現在、米国では3軍共通のステルス戦闘機「F-35」導入が進む中、米空軍(F-X)と米海軍(F/A-XX)は別に次世代戦闘機の研究を行っており、欧州では英国主導の第6世代戦闘機「テンペスト」と、仏独主導の第6世代戦闘機「FCAS」の開発がスタートしたばかりだ。

この他にも中国やロシア、日本でも第5世代戦闘機の次に相当する次世代戦闘機の開発・研究が行われており、早ければ2030年代中、遅くとも2040年代には実用化が始まると言われている。

米国は次世代戦闘機に関して輸出を考えておらず、米国製戦闘機を運用中の国が第6世代戦闘機を調達するには、欧州製の第6世代機を導入するか、もしくは自国で開発するかを選ばなければならない状況だ。

出典:pixabay F-35A

韓国は米国からF-35Aを40機導入中だが、国内で第4.5世代機に相当する韓国型戦闘機「KFX」の開発が進行中で、予定通り開発が進めば試作機は2021年、量産機は2026年頃に登場する予定だが、数年後には第6世代戦闘機が登場するかもしれないという状況で、KFXが完成しても直ぐに1.5世代分の差を付けられ、旧式の烙印を押されるのではないかと言う声もある。

これに対して、ある韓国メディアは第4.5世代機の「KFX」で第6世代機に十分対抗が可能だと反論している。

まず、欧州の第6世代戦闘機は、第5世代戦闘機の導入が出来なかった国に対する救済策であり、フランス、ドイツ、スペイン、スウェーデンではF-35の導入予定がなく、英国はF-35の中でも最も搭載量が少なく、航続距離の短い「F-35B」しか導入していないという問題があり、そのために第5世代の延長線上の戦闘機を「第6世代」と呼んでいるに過ぎないと言っている。

更に、発表された第6世代の概念は非常に抽象的で、主に無人機制御、レーダー兵器、長距離飛行能力、広帯域でのステルス性などが挙げられるが、第5世代戦闘機に対してどれが優れた性能を示せるのか未知数な部分が多く、現在研究中の検証も済んでいない技術をベースに開発される第6世代戦闘機開発はリスクが高すぎると指摘している。

出典: JohnNewton8 / CC BY-SA 4.0 パリ航空ショーで発表されたダッソーFCASのモックアップ

そして韓国のKFXは、予め将来の技術に対応するための拡張性を持った設計で、登場当初こそ半ステルス機の第4.5世代機だが、登場後も改良は続けられ第5.5世代相当まで能力を引き上げられると主張している。

主張の根拠は以下のようなものだ。

KFXの設計コンセプトは第5世代戦闘機と遜色なく、設計段階から第5世代相当のステルス性能を確保するための外形を有しており、KFX Block2ではウェポンベイが追加され、Block3以降、エアインテークの改良、垂直尾翼の再設計、エンジンノズルのステルス化が行われ、搭載電子機器のアップグレードも行えば、第6世代戦闘機と大きな違いはないと言う訳だ。

更にKFXが有利な点として、第5世代戦闘機には今の所「複座型」が存在しないが、KFXには複座型が設定されており、この後部座席の空間が、第6世代戦闘機の条件に挙げられる「無人機制御」のAIを搭載するスペースに転用しやすく、新たな電子機器を追加する際にもスペース不足になることがない点が将来の発展性に寄与するだろうと言っている。

要するに、既に検証済みの技術のみで構成されたKFXの開発リスクは極めて低く、さらに第5世代級として設計されているKFXは、今後、韓国以外の国がリスクを犯して開発した新しい技術の結果を見て、KFXに取り込めば第6世代機相当の戦闘機を、リスクを背負わず手に入れることが出来るというわけだ。

なるほど、中々、韓国らしい発想であると関心してしまう。

そもそも、韓国以外の国がリスクを犯して開発した新しい技術を、KFXに使用したいので技術移転して欲しいといえば、必ずしてくれる前提で話が組み立てられている点には驚きを通り越して、感動さえ感じてしまう。

まだ誰も実用化されていない技術を採用するからこそ、そこに「先進性」が生まれるのだ。

出典: Dammit / CC BY-SA 2.5 NL F-35に搭載された電子・光学式照準システム「EOTS」

もし仮に、他国が開発した第6世代戦闘機の技術を韓国に移転してくれるとしても、移転する国が次の技術を確保した後になるのは確実で、開発されたばかりの「F-35」に搭載されているアクティブ・フェーズド・アレイ式レーダー「AN/APG-81」や、電子・光学式照準システム「EOTS」の技術移転要求が米国に拒否されたのと同じことだ。

このような常識から外れた発想を繰り返してしまうのは、韓国独特の「甲乙理論」の考え方が世界でも通用すると誤認しているからだろう。

補足:甲乙理論とは、韓国では何事においても主(甲)と従(乙)の関係性で物事を捉えるため、米国のF-35を購入してあげた韓国は「甲」であり、米国がF-35を購入してもう側の「乙」であるため、乙は甲の要求に従わなければならないという発想。

韓国はKFX開発当初、F-35の購入はもちろん、毎年、米国製兵器を沢山「購入してあげている」のに、技術移転を拒否され「F-35の購入をキャンセルしろ」と騒いでいたのを、もう忘れたのだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典: Alvis Cyrille Jiyong Jang(Alvis Jean) / CC BY-SA 4.0 2017ソウルADEXで公開されたKFXのモデル

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    手堅くベースを開発して、それに後から機能を追加していくというコンセプト自体はまぁ無難というか。最先端を諦めているからこその戦略と言えば、なかなか分を弁えていて強かではありますね。

    ただそれに付き合ってくれるような深い関係を、どことも築けてはいないですね。文字通り骨組みだけ完成しそうです。

    • LLLLL
    • 2019年 8月 12日

    >第5世代相当のステルス性能を確保するための外形を有
    >しており
    うん!
    『外見』だよね、『外見』!!
    (´・ω・`)

      • 匿名
      • 2019年 8月 13日

      まあ技術を貰うことしか考えて無い時点で、始まってもないのにオワコン。日本の上を行きますよ、ていう誇大妄想アピール、とりあえずblock1とやらを見せてから云ってくださいね

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    既存の技術すら移転拒否されてんのに
    先端のソレが恵んで貰える前提で妄想
    安定の朝鮮脳

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    まぁ、頑張ってねって感じだわ
    4.5世代機でも北朝鮮相手ならオーバースペックだから大丈夫大丈夫

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    近頃、管理人が韓国とドイツに厳しくて草生える
    しかし翻って、韓独に対する批判の目は国内へのそれと同じでもあるわけですね?F-35導入を批判するうすらとんかちは言わずもがな、自国開発に否定的な財務相や軍事予算増額を過度に批判するお花畑たちは日本国内の問題。せめて共同開発にしなければ、永遠に軍事的属国のままですわ……米中どちらのかは、この先分かりませんが

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    そもそも4.5世代ですらない。格好だけ似せただけ。
    最初からステルスの計画では無かったはず。

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    きっと既存の技術のみで作るKFXですら完成させられないでしょう。戦車も小銃もマトモなものが作れないのに戦闘機などムリムリ。

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    バルクヘッド以外の部品完成したのかねぇ…?
    もうすぐ秋ですよ
     
    そりゃそうと管理人さんのコメントから瘴気が漏れ出てるw
    ここはあっちのサイトじゃないで~

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    スペース、空いたままになりそう。

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    青組から追い出される韓国にアメリカがエンジンするとでもも。
    統一大朝鮮になったら国産機はプロペラ機に逆戻りすると思う。

      • 匿名
      • 2019年 8月 12日

      動力は輪ゴムですか?

    • 匿名
    • 2019年 8月 12日

    笑わせてくれる国だ

    • 匿名
    • 2019年 8月 13日

    韓国と組んでもメリットがない限り、共同開発させてはくれないし、技術移転もあり得ない。

    • PO
    • 2019年 8月 13日

    韓国の兵器開発における将来展望ってのは常にバラ色の未来が提示されてきたが、ひとつも当たったことがないし、いつも期待した結果が得られていないと思うが、そんなことは知ってても言うのは野暮ってことかな。
    筆者の願望を書くのはタダだし、記事の根拠なんかを韓国人は気にしたりしないのだろうから、過去がどうだったかや将来が本当にそうなるのかよりも、現在時点で未来がバラ色らしいと思えることの方が重要なんだろうな。
    こういうのが韓国民の国民性なのか、戦後の日本が甘やかしたせいなのか。。。

      • 匿名
      • 2019年 8月 13日

      どう見てもKFXはスーパーホーネット以下の性能にしかならないと思うのだが
      それがF-35以上の性能を有する戦闘機になるって自信はある意味凄いと思う

    • 匿名
    • 2019年 8月 13日

    もういっそロボットに変形できるぐらいのことを言ったほうがいいのでは?

    • 匿名
    • 2019年 8月 13日

    Blcok-3を夢見てホルホルですね。

    ・2019年9月 基本設計完了
    ・Block-0 2021年4月までに完成、2022年から飛行試験、2026年までに全ての開発を完了
    ・Block-I 2026年から2028年に量産 40機  空対空のみ 
    非搭載:アメリカ製ミサイル、敵味方識別装置
    搭載兵器:IRIS-T(INS、赤外線誘導)短距離空対空ミサイル(25km)、ミーティア(Meteor)などを予定(確定ではない)
    ・Block-II 2029年~に量産 80機 対地攻撃能力(=AESAレーダーにルックダウン機能を追加) ウェッポンベイ

  1. 2019年 8月 18日
  2. 2019年 8月 26日
  3. 2019年 8月 28日

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