4月に韓国のムン・ジェイン大統領が訪米した際、米国のトランプ大統領との会談で、今後数年に渡って米国から大量の兵器を購入することを約束した。
その総額は88億ドル(約9846億円)に達すると韓国メディアが報じているが、どのような兵器を購入するのかについては言及されていない。
米国のDefense Newsは、韓国が購入を希望している兵器の内訳について報じている。
参考:Inside South Korea’s military wish list, as it seeks greater control over its forces
韓国空軍の兵器購入希望リスト
韓国空軍の兵器購入希望リストの最上位に入っているのは、F-35Aの追加購入だ。韓国はFMS方式で米国政府から、ロッキード・マーティンが製造したF-35Aを40機購入する契約を結んだが、さらに20機のF-35Aの購入を希望している。
そのために費やされる資金は約30億ドルに達する見込みだ。

出典:pixabay
次に空軍が購入を希望しているのは、JSTARS(Joint Surveillance and Target Attack Radar System)システムを搭載した航空機だ。現在、韓国空軍の要望に、米国のボーイング、レイセオン、イスラエルのエルタシステムズが入札者として参加を希望している。
捕捉:JSTARSとは、レーダーで敵地上部隊を探知、識別し、味方地上部隊を指揮・管制する。対地版早期警戒管制機のこと。米空軍が運用しているE-8が有名。
ボーイングは、レイセオン製のレーダーを搭載した「P-8ポセイドン」を提案している。
レイセオンは、自社製レーダーを搭載したボンバルディア製の「グローバル・エクスプレス」を提案している。これは現在、英国空軍で運用されているタイプと同型だ。
エルタシステムズは、ガルフストリーム製のG550に、自社製レーダーを搭載した「Mars2」を提案している。
韓国側は、応募のあった3つの提案から購入機種を選定する際、一番重要なのは、実戦でどれだけ性能が実証されているのかを重要視していると話した。

Attribution: 대한민국 국군 Republic of Korea Armed Forces / CC BY 2.0 韓国空軍のボーイング737 AEW&C
JSTARS購入と合わせて、早期警戒機を2機、追加導入の予定で、入札には、現在、韓国空軍が運用中の「B737-700AEW&C」を製造したボーイング、スウェーデンのサーブ、イスラエルのエルタシステムズが参加予定だ。
更に空軍は、ボーイング製の電子戦機、EA-18G“グラウラー”を6機から8機購入することを検討中だ。
捕捉:EA-18Gは、アメリカ合衆国の電子戦機で、EA-6B プラウラーの後継機として複座型のF/A-18Fスーパーホーネットをベースに開発された。
韓国海軍の兵器購入希望リスト
韓国海軍の購入希望リストには、対潜ヘリ12機が入ってる。この対潜ヘリに関する話は複雑だ。
そもそも韓国海軍は、アグスタウェストランド製のAW159“ワイルドキャット”を導入して運用中だ。
今回の対潜ヘリ12機導入は、運用面や保守面で見ればワイルドキャットを追加導入するだろうと、誰もが思っていた。そのため入札をしても、イタリアのレオナルド以外に提案書を出さなかった。
捕捉:アグスタウェストランド (Agusta Westland NV) はイギリスとイタリアに拠点を置くヘリコプター開発・製造メーカー。現在は、イタリアのレオナルド S.p.Aの子会社にっている。

出典:Public Domain MH-60S ナイトホーク
そのため競争の原理が働かず、韓国海軍が思っているほど下がらなかった。そこで海軍は、ロッキード・マーティンに頼んで入札に参加するよう依頼し、MH-60Rシーホークが競争相手に名乗りを挙げた。
今回、トランプ大統領との約束もあり、88億ドルもの米国製兵器購入額を積み上げるために、恐らくMH-60Rシーホークが選ばれるのではないだろうか?
韓国海兵隊は、24機のAH-64E“アパッチ・ガーディアン”の購入を計画している。
これは韓国海軍が保有している強襲揚陸艦の「独島」、「馬羅島」に搭載し、上陸作戦を空から支援するために使用される予定だ。
ただし韓国国内の報道では、米海兵隊が使用しているAH-1Z“ヴァイパー”も検討されているという。既に韓国陸軍でAH-64Eを運用中であるため、恐らくAH-1Zは選ばれないだろう。

出典:Public Domain RIM-161 SM-3
最後に韓国海軍が最も購入希望リストの最上位に入れたのは、弾道
これは海軍が計画している、世宗大王級イージス駆逐艦のBatchⅡ事業で、3隻のイージス艦を新たに建造する。このイージス艦のシステムは「ベースライン9」になる予定で、SM-3の運用が可能になる。それを見越した購入希望だろうと推測される。
以上が、トランプ大統領と約束した88億ドルの内訳だ。
これは対北朝鮮に備えるという次元よりも、2022年までに戦時作戦統制権を米軍から取り戻すための取り組みとしての意味合いが大きい。
しかし韓国国内では、北朝鮮が主敵から外れ、一体これだけの額の兵器を、何の為に使うのか疑問の声も小さくない。
ムン・ジェイン大統領は自身の進める朝鮮半島の和平とは、真逆の行動となる最新兵器の大量購入を、国会や国民に、どのように説明するつもりなのか、非常に興味深いところだ。
※アイキャッチ画像の出典:Public Domain EA-18G“グラウラー”
払えるのか?
対日と対中国用の増強でしょう、払えるのかとの疑問と売ってくれるのかとの疑問が出て来る。
韓国の国防予算は日本とほぼ同額。徴兵制で人件費を極端に低く抑えているので、兵器の購入に回せる絶対額は日本より多いと思われる。超反日国家が軍拡し、いつか日本をやっつけることを夢見ている。近年、軍事力に自信を持ち始めたからこその、レーダー照射問題としか思えない。妄想癖の連中が軍事力に自信を持つと冒険主義に走る。日本も軍拡しないとヤバイ状況。
幾ら希望したって機密性が高い最新鋭機を売るはず無いのにな
払えるわけないだろ、と思うがい押し売りてみるのも一興かも。
今度はなんと言うのやら。
流石に払わないと今後の購入希望が難しくなるから必ず払うとは思うけど、片思いの北朝鮮からまた口汚く罵られるだけでは?