今回は米空軍が開発中の“XQ-58ヴァルキリー”のお話です。これに関連した興味深い記事を読んだのでご紹介します。
参考記事:Air Force offers glimpse of new, stealthy combat drone during first flight
価格がなんと3.3億円のステルス無人戦闘機!
米国のザ・ディプロマットの報道によれば、XQ-58 ヴァルキリーの1号機が、2019年3月5日、アリゾナ州にあるユマ試験場で、76分間の初飛行に成功したようです。
そもそも、XQ-58ヴァルキリーって何?って話ですが、これは米空軍が2016年頃から開発を行っていた、無人戦闘機のこと。

出典:wikimedia commons public domain XQ-58ヴァルキリー
XQ-58ヴァルキリーの試験飛行の様子を収めた動画。限定公開(公開終了で見れなくなる可能有り)と書いてあるのお早めに!
米空軍研究所が発表した“LCAAT(低コスト航空用航空機技術)”というプログラムの一貫として、XQ-58ヴァルキリー(当初は“XQ-222”と呼ばれていた)の開発を発表し、これまで“Kratos Defense & Security Solutions, Inc”と言う会社が開発を行ってきました。
実際のところ、管理人は聞いたことがない会社。
低コスト航空用航空機技術とは、軍事用航空機の右肩上がりで増大していくコストを打破することが目的らしい。具体的な事は不明・・・
そして完成した“XQ-58ヴァルキリー”は、当然ステルス仕様。公表されている仕様は以下の通り。
XQ-58ヴァルキリー | |
全長 | 8.8m |
全幅 | 6.7m |
エンジン | 詳細不明、おそらく単発 |
最高速度 | 1050km/h |
航続距離 | 3,425km |
武装 | 最大250kgまでの誘導爆弾を搭載可能 |
背負式のエアインテーク、機体下部にはウェポンベイがある模様。機体自体は非常に小型で、これを偵察や攻撃用途に使用できるらしい。もちろんF-35との組合せを想定している様です。
一番の驚きはXQ-58ヴァルキリーの価格。
1機あたりの価格は300万ドル(約3.3億円)程度、100機以上の発注で1機あたり200万ドル程度(約2.2億円)になると言われています。
一概に比較は出来ませんが、米空軍が採用している無人偵察機のMQ-9“リーパー”の場合、1機あたりの価格は1300万ドル(約14億円)程度なので、如何に価格が安いか分かると思います。
今後、5回の試験飛行が予定されているようですが、それが完了したら米空軍に本採用されるんでしょうか?
あと数年もすれば、無人機と有人機が編隊を組んで飛んでそう
数日前には、オーストラリアとボーイングの共同開発による無人戦闘機“ロイヤル・ウィングマン”が発表されたばかり。機体はXQ-58ヴァルキリーに比べて、ロイヤル・ウィングマンの方が大きいし、性能も高そう、お値段も高そうだけど。
ただ機体の形状はどちらもよく似ていますね。エアインテークの位置と形状が違うだけで。

出典:Boeing ロイヤル・ウィングマン
本気で、あと数年もすれば、自律飛行している無人機と有人機が編隊を組み、無人機によるAIを使用した偵察や攻撃任務が実現してそう。
もはや無人機との共同作戦は第6世代機ではなく、第5世代機の必須条件になるのかも・・・ そしてもう10年もすれば無人機による空対空戦闘も現実しそうで怖いw
そうなると有人機って?第6世代機なんて要らないじゃん?ってなるんでしょうか?
もしXQ-58ヴァルキリーが実用化されたら、日本も1機ぐらい検証用として購入しても良さそうですね。
まぁ、売ってくれたらの話ですがw
日本の自衛隊も無人機開発中です!無人戦車、小型化した護衛艦!
有人機に比べて撃墜するのに抵抗感少なそう
オプションは別売りです!
センサー付けてカメラ付けてってなるとリーパーと同じか少し安くなる程度になるのでは?
海洋国家だから無人機にも航続距離が求められる関係上仕方ない事ですけど、この分野では自衛隊は大きく出遅れてますねえ。陸自のドローンでさえ有効活用できてない
狙いは大量(仮想敵国の中国のプランは数だから、対応する必要がある)
それを実現する為の消耗品、低価格
XQ-58 実証試験機(機能を確かめる)
いきなり出て来たブツではなく、この会社としてはUTAP-22、QA-222など
全長は9m程度 76分 4,000km 500ポンド(225kg)精密誘導爆弾*1を搭載して 危険な場所への爆撃(お高い爆撃機、戦闘爆撃機を使わない)
3億円だからね。巡航ミサイル程度のお値段。
発進はロケット(滑走路は使わない)、回収はネット で基本は使い捨て。
76分ってのは稼働できる時間の100% 5回の試験飛行が契約されてる
XQ-58はアメリカが開発してる無人機の中では最も ローエンド。
ロイヤル・ウィングマン(ボーイング、豪州は試験などで協力しただけでしょう)とは違うカテゴリーでは?
なお、違うカテゴリーでも色々な開発コンペが開催されており、今後、明らかになるでしょう。
これ以外にも色々ある(プローブとしての偵察機、自立した偵察機、爆撃機などなど)
例えば、受注が確定した無人給油機(MQ-25A Xウィング、ボーイング、空母で運用)とか、グレムリン計画(C-130などの輸送機からもっと小型のを射出する)とかね。
訂正: 誤:QA-222 正:XQ-222
大型のコマンド機の周りに小型無人機を配置する新しいドクトリンが誕生しそうですね。