軍事的雑学

軍事的雑学|スウェーデンが誇る戦闘機に異変!スホーイキラーの「グリペンE」は見掛け倒しか?

スウェーデンのサーブ社が製造している戦闘機「グリペン」が苦境に立たされている。

参考:Шведский “убийца Су-30” оказался пустышкой

スホーイキラーと呼ばれる最新型のグリペンE型

グリペンは、スウェーデンが要求する珍しいニーズを満たす唯一の戦闘機で、制空任務、対地攻撃任務、偵察任務など多様な任務をこなすことが可能なマルチロール機だ。

最新バージョンのグリペンE/F型は、機体を大型化させF-16相当の機体サイズになった。搭載エンジンは、レガシーホーネットに搭載されていたF404から、同系列の最新モデルF414に変更し、アフターバーナーなしでのスーパークルーズが可能。

搭載されている電子装置も、最新のものへアップグレードされ、開発開始から30年以上経っても第一線で活躍する第4.5世代戦闘機だ。

出典:pixabay SU-27

その性能の高さからスウェーデンでは、グリペンE/Fのことを「スホーイキラー」と呼ぶほど自信を持っている。

スホーイキラーとは、現在のロシア空軍の主力戦闘機の座にあるSU-27、SU-30、SU-34等のスホーイ系戦闘機を打ち負かす事ができると言う意味だ。

なぜ、ステルス機でもなく比較的小型のグリペンE/Fが、スホーイ系戦闘機に打ち勝つ事ができるのか?

それはグリペンE/Fに搭載されたAESAレーダー「ES-05レイブン」など優れた電子装置の優位さと、長射程を誇る空対空ミサイル「ミーティア」を搭載できるので、スホーイ系戦闘機にとってグリペンE/Fは「厄介な敵」だと言う訳だ。

 

ロシアの言う通り、スホーイキラーと呼ばれたグリペンEは見掛け倒し?

そのグリペンE/Fが、スウェーデン国内で問題になっている。

サーブ社が受注した「グリペンE」初量産機の14機が、搭載されるはずの電子装置を全く装備されず、空っぽの機体だけが完成し、工場で放置されているとスウェーデンメディアが報道している。このような状況に対して、政府も、サーブ社も、いつになればグリペンEが完成するのか口を閉ざしたまま、何も話そうとしない。

ある報道によれば、グリペンEプロジェクトは、最初から十分な予算を持っていなかったため、グリペンEに搭載されるはずの電子装置を予算切れのため調達できていないと指摘し、もし14機のグリペンEを完成させるには、追加で数億スウェーデン・クローナ(1スウェーデン・クローナは約12円)もの予算が必要になるだろうと言っている。

別のメディアによれば、これはグリペンEの量産が行われるまでに、国内向けは勿論、海外輸出向けのグリペンC/D型の受注が切れてしまったため、グリペンの製造ラインを維持するために、とりあえず「グリペンE」ではなく、グリペンCの機体を14機分製造したと言ってる。

この機体は、輸出を念頭に製造されたので、もし引き合いがあれば18ヶ月から24ヶ月以内に納入することが可能らしい。但し、新規でグリペンCを購入したいという話は、残念ながら1件もない。

スウェーデン議会では、空軍が保有すべきグリペンを100機を決定し、現在95機を保有している。

今後、グリペンEが正しく量産されるのか未知数だが、もし計画通り60機のグリペンEを導入すれば、155機ものグリペンを保有することになり議会の決定に違反する。そのため初期型のグリペンA/B型を退役させるのではないかと言われているスウェーデン空軍に、新たに旧式のグリペンCを引き取る余裕はなさそうだ。

Attribution: Milan Nykodym / CC BY-SA 2.0 空中給油中のスウェーデン空軍機

現在、ブラジルがグリペンE/F導入を進めているが、グリペンCとはタイプが異なる上、生産自体がブラジル国内でのライセンス生産になるため、やはりグリペンCの引き取り手にはなりえない。

 

果たして、製造された機体は「グリペンE」で予算不足のため放置されているのか、それともライン維持のため「グリペンC」を製造し放置しているのか、本当のところは謎だ。どちらにせよ、新規に製造されたグリペンの機体のみが、工場で放置されているのは確実で、これは通常ではあり得ないことだ。

果たして、スウェーデン空軍への「グリペンE」は、計画通り製造され納入されるのだろうか?

因みに、スホーイキラーだと「グリペンE」との比較の対象にされた、ロシアにとっては、今回のニュースは絶好のネタになっているご様子。

ロシアメディアは、このニュースを大きく報道し、“スホーイキラーと呼ばれるグリペンEは空っぽで見掛け倒しだった”と、大いに皮肉っている。

 

※アイキャッチ画像の出典:Attribution: Ernst Vikne / CC BY-SA 2.0

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  1. 2019年 6月 28日

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