軍事的雑学

軍事的雑学|「F-35BライトニングⅡ」入手は絶望的?トルコ初の空母「アナドル」が進水!

トルコが軽空母としても運用可能で、スキージャンプ台を備えた強襲揚陸艦「アナドル」を進水させた。

参考:Yapımı devam eden TCG Anadolu ilk kez yüzer konuma getirildi

トルコが建造した強襲揚陸艦「アナドル」とは?

強襲揚陸艦「アナドル」は、スペイン海軍の強襲揚陸艦「フアン・カルロス1世」を建造したナバンティア社と、トルコのSedef Shipbuildingとの共同事業体によって建造された。

そのため艦の設計やデザインは、強襲揚陸艦「フアン・カルロス1世」の設計を流用して建造された、オーストラリア海軍の強襲揚陸艦「キャンベラ」によく似ていると言われ、スキージャンプ台を備えた飛行甲板を備えている。

強襲揚陸艦「アナドル」の仕様
全長 231m
全幅 32m
基準排水量 24,660トン(軽空母任務時)
27,079トン(揚陸任務時)
最大速度 21ノット
航続距離 15ノットで9,000海里
固定武装 25mmリモート機銃×5、ファランクスCIWS×2、RAM×1
搭載航空機 F-35BライトニングⅡ×6機(最大12機まで搭載可能)
T129 ATAK×4機
As532もしくは、CH-47F×8機
S-70Bシーホーク×2機
TAI Ankaもしくは、Bayraktar×2機
その他 上陸用舟艇、もしくはエア・クッション型揚陸艇×2隻、強襲水陸両用車×27輌、もしくは、主力戦車×29輌

強襲揚陸艦「アナドル」は、STOVLタイプ(短距離離陸・垂直着陸)の、F-35BライトニングⅡを導入して搭載することを予定しているが、ロシア製防空ミサイル「S-400」の導入で、米国からF-35Aの供給を事実上、凍結され、F-35の製造からも外されかけているので、F-35Bを導入できる可能性は絶望的だ。

Attribution: MilborneOne / CC BY-SA 4.0 T129 ATAK

T129 ATAKは、トルコがアグスタウェストランド社から、攻撃ヘリ「A129 マングスタ」のライセンス製造権を得て開発した攻撃ヘリだ。しかし、このヘリに搭載されたエンジンを、米国のハネウェル社と、英国のロールスロイス社の合弁企業「LHTEC」が供給している。そのため、このエンジンも、米国のトルコ制裁の対象に浮上しているため、強襲揚陸艦「アナルド」に搭載できるのか怪しい。

補足:LHTECとは、ハネウェル社とロールスロイス社の合弁企業だ。その企業は、米陸軍が開発していたステルス攻撃ヘリ「RAH-66」コマンチのエンジンを開発するため設立された。しかし肝心のRAH-66開発は中止されてしまったが、開発したエンジン「LHTEC T800(軍事用)/CTS800(民生用)」は、各種ヘリに採用され現在でも生産が続いている。身近な所で言えば、日本が開発したUS-2救難飛行艇のエンジンにも採用されている。

因みに、TAI Ankaと、Bayraktarは、トルコが開発した無人偵察機だ。

もし、計画通りに全ての航空機が搭載されれば、米国のワプス級強襲揚陸艦を一回り小さくしたような、非常に使い勝手の良い艦に仕上がっていただろうが、F-35BやT129の導入・搭載が怪しくなったため、軽空母としての運用は、おそらく不可能だろう。

 

火災で損傷したはずなのに、火災から4日後に進水した強襲揚陸艦「アナドル」

5月3日、強襲揚陸艦「アナドル」は、イスタンブールにある造船所のドックから進水した。

引用:gzt 進水した強襲揚陸艦「アナドル」

このニュースは、非常に驚きをもって迎えられた。

なぜなら、4月29日の夜、ドック内にあった強襲揚陸艦「アナドル」の前部甲板付近で、火災が発生し、確実に損傷を受けたはずだ。そのため建造スケジュールに遅れが出るものと見られてたが、何事も無かったように、強襲揚陸艦「アナドル」は、地中海の海面に2万トンの巨艦を浮かべている。

ただし奇妙な点がある。

軽空母としても運用可能な強襲揚陸艦「アナドル」は、トルコにとって初の空母になるはずなのに、特別な式典もなく静かな進水式を迎えた。

恐らく、29日の火災が、何らかの影響を及ぼしているのでは無いだろうか?

とにかく、奇妙な進水を済ませた強襲揚陸艦「アナドル」は、今後、海上試験を行いながら最終艤装を完了させ、2020年にトルコ海軍へ配備される予定で、トルコ海軍は、エーゲ海、黒海、地中海、インド洋、大西洋で運用することを目指してる。

対米関係を拗らせたことで、折角のスキージャンプ台が台無しになった強襲揚陸艦「アナドル」は、どんな活躍を見せてくれるのだろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:public domain 強襲揚陸艦「フアン・カルロス1世」の準同型艦の、強襲揚陸艦「キャンベラ」

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 5月 09日

    空母の価値は緩やかに下がっていっている気がするが如何なんでしょう。

    • 匿名
    • 2019年 8月 06日

    今後の戦闘は陸海空ともに長距離ミサイル戦。日本はミサイル技術の開発に力を注ぐ。

    • 匿名
    • 2020年 4月 13日

    トルコの場合、シリアとギリシャ、キプロスと問題抱えてるから政治的存在として必要なんですよ
    たぶんこれ一隻止まり、

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