軍事的雑学

F-22よりもステルス性能が優れている?米空軍の新型無人偵察機「RQ-180」が運用状態に

米空軍は、以前から開発が噂されていたステルス無人偵察機「RQ-180」を、カリフォルニア州にあるビール空軍基地に配備し、実戦的な運用を始めていると報じられている。

参考:The U.S. Air Force’s Secretive New Drone Is a B-2 Lookalike

F-22よりも優れたステルス性能を持つ無人偵察機「RQ-180」が運用状態に入る

米空軍は1999年まで、敵の厳重な防空網をマッハ3.0で貫通できる「SR-71 ブラックバード」を運用していたが、後継機の開発をすることなく退役したため、同様の任務を遂行する事が出来なくなった。

補足:一応、SR-71を開発したロッキード・マーティン社が、マッハ6.0で飛行する極超音速偵察機「SR-72」を開発(2025年頃に初飛行予定)していると言われているが、あまりに情報が漏れ過ぎで、本当に開発しているのか怪しいと管理人は感じている。

出典:public domain SR-71B(NASA機)

そこで米空軍、敵の厳重な防空網をSR-71のように「スピード」ではなく、B-2のような「ステルス性能」で貫通できる無人偵察機開発を極秘裏に進め、最終的にノースロップ・グラマン社の提案した案が2008年に採用され、2009年から実機によるテストが始まった。

ノースロップ・グラマン社の「RQ-180」は、高度なステルス性能を獲得するため「B-2 スピリット」や「B-21 レイダー」によく似た全翼機スタイルを採用、RQ-180のレーダー反射断面積(RCS)は全方位において、F-117やF-22、最新のF-35を凌駕していると言われており、ロッキード・マーティン社の「RQ-170」よりも高度なステルス性能を備えているらしい。

出典:FOX 52 / CC BY-SA 4.0 ロッキード・マーティン社のステルス無人偵察機「RQ-170」

さらに「RQ-180」は18,000mの高高度を24時間飛行するため、全長約10mの機体に、なんと全幅約40mもある主翼を備えているらしく「RQ-180」は主翼内に、各種センサーや電子機器、エンジン、膨大な燃料を全て詰め込んでいることになる。

同機は2017年に最終テスト(北極上空の飛行)に合格し、翌年にはカリフォルニア州にあるビール空軍基地にRQ-180を運用するための実践的な部隊が設立され、現在では「完全な運用状態」を確立していると言われている。

今の所、「RQ-180」が実戦に投入されたという報道を見かけたことは無いが、活動自体が極秘なため、すでに中東方面で実戦デビューしている可能性も否定出来ない。

結局、私達が「RQ-180」の活躍(?)を知るには、イランに鹵獲された「RQ-170」にようにミスを犯したときだけかもしれない。

補足:イランによる無人偵察機「RQ-170」鹵獲事件は2011年12月に発生した。イランの領空に侵入した米空軍の「RQ-170(最終的にCAI所属機だったことが判明する)」は、イラン軍によってGPS信号を書き換えられ、所定の基地へ帰投したと誤認し、無傷のままイランの基地へ着陸し鹵獲されてしまった。

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo/Senior Airman Tristin English

海に戻ってきた世界最大の空母「ジェラルド・R・フォード」、15ヶ月ぶりに大西洋に向け出港前のページ

自律的に7,300km飛行可能!中国、ステルス無人輸送機「FL-2」の存在を公表次のページ

関連記事

  1. 軍事的雑学

    凶悪すぎるモンスター、B-1B爆撃機を一瞬で「ガンシップ化」する魔法

    ボーイングは5月8日、米特許商標庁からB-1B爆撃機の兵器倉に搭載でき…

  2. 軍事的雑学

    ドイツのトーネード後継機問題が決着、戦闘機F/A-18E/F購入を米国政府に伝達

    ドイツのデア・シュピーゲル誌は19日、クランプ・カレンバウアー国防相は…

  3. 軍事的雑学

    英国、予算不足で「クイーン・エリザベス級空母」を米海軍にリース?

    国防大臣は予算不足を解消するため、海軍の空母クイーン・エリザベスか空母…

  4. 軍事的雑学

    極超音速ミサイルはF-35キラー!日本、非対称戦力「潜水艦」で対抗が現実的か?

    ロシア国防省が公開した、極超音速ミサイル「KH-47M2 Kinzha…

  5. 軍事的雑学

    タイフーンかF/A-18か?F-35の復活か?ドイツ、2020年にトーネード後継機選定

    ドイツ国防長官のクランプ・カレンバウアー氏は、ドイツ空軍が運用中の戦闘…

  6. 軍事的雑学

    極超音速兵器開発で先行するロシア、原潜から世界で最も非常識な兵器「ジルコン」試射か?

    ロシア海軍は今年1月、マッハ9.0で作動する極超音速対艦ミサイル「ジル…

コメント

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    「イラン軍によってGPS信号を書き換えられ、所定の基地へ帰投したと誤認し、無傷のままイランの基地へ着陸し鹵獲されてしまった。」

    これには驚きました。自分がまだ軍事に関心がなかった頃で知りませんでした。有人機では先ず無いだろう大失敗ですね。着陸の時だけオペレーターが管制と連絡して確認すれば防げそうな気がしますが、当時はまさかこんな手段を使われるとは思っていなかったのでしょうか。

    こうした外部からの言わばハッキングに弱いのが無人機の難点なのでしょう。

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    今では一般人でもGoogleで衛星写真を見られるというのに、偵察機がそこまでして必要なのかな?

      • 匿名
      • 2019年 10月 28日

      相手の動向をリアルタイムに把握するには人工衛星だけでは足りないんですよね。グーグルの衛星写真はそもそも長い年月をかけて作られたものなので比較するのもどうかと思います。

        • 匿名
        • 2019年 10月 29日

        偵察機を開発するお金で、衛星を大量生産する方法も無しでしょうか

      • 匿名
      • 2019年 10月 29日

      原口先生…こんなとこまで出張していただかなくても結構です

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    やっぱ天測航法とセットがいいね
    GPS妨害にも耐えるし精度もそこまで悪くない
    アメリカもバカじゃないからもう対策してるだろうけど

    • 匿名
    • 2019年 10月 28日

    衛星写真ではリアルタイム性がないので、偵察機は必要ですね。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的雑学

    導入したこと自体が間違いか?戦闘機タイフーンを導入したオーストリア空軍の後悔
  2. 軍事的雑学

    リチウムイオン電池採用艦!日本のそうりゅう型潜水艦11番艦「おうりゅう」就役に世…
  3. 軍事的雑学

    ロシア製戦闘機を買うと損をする? SU-30SMを導入したベラルーシの後悔
  4. 軍事的雑学

    英海軍が頭を抱える問題、原潜用原子炉「PWR2」の欠陥と退役済み原潜の処分費用
  5. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
PAGE TOP