軍事的雑学

軍事的雑学|米国のトルコ外しでF-35生産に支障?トルコへのF-35引渡し凍結&部品採用中止

トルコのロシア製地対空ミサイル「S-400」導入を巡る、米国のF-35供給停止の圧力が口先だけでなかった事が判明。

参考:US stops F-35 fighter jet parts delivery to Turkey

トルコは、本気でロシア陣営入り?

米国が、トルコがS400の導入を中止するまで、F-35の引き渡しを凍結すると発表!

今まで、航空万能論GFで何度も取り上げてきた、トルコのS-400導入とF-35の問題。どうせ、トルコが米国からパトリオットの導入条件を、引き出すための政治的駆け引きだと思っていましたが・・・

出典:wikimedia commons public domain

米国が突きつけた最終通告に、トルコが何も対応しなければ、トルコのNATO離脱、ロシア陣営入りが確定し、中東&地中海あたりが、一気にきな臭くなってきます。

トルコの立場では、最悪、F-35の権利を捨てることになっても、シリア北東部のクルド人勢力に肩入れする米国が邪魔で仕方ないんでしょうね。

米国が邪魔で仕方ないとは?
昨年、トランプ大統領がシリアからの米軍完全撤退を表明したにも関わらず、今年1月になって米軍部隊の一部残留に方針転換。これはIS掃討作戦で友軍&シリアの反体制派でもあるクルド人勢力が、米軍の撤収でトルコから攻撃を受ける可能性があるための措置。トルコは、シリアのクルド人勢力を国内の非合法武装組織「クルド労働者党」の一部だと見ているので、米軍がシアリ国内のクルド人地域に駐屯(IS掃討の名目)したことさえ、快く思っていませんでした。 そのIS掃討が完了し、米軍の駐留目的が失われたにも関わらず撤退しない米国に不満があると言われています。

ロシアが進めるSU-57の輸出手続きは、S-400導入によってF-35がダメになった場合に備えた、トルコへの保証なのかもしれません。

 

トルコ外しによって、F-35の生産に影響が出るのは確実

トルコへのF-35の引き渡しを凍結と同時に、F-35の製造に関わっているトルコ企業からの部品調達も、他の企業からの調達に切り替えるための検討が始まっているらしい。

トルコ企業8社がF-35の部品製造に関わってる内容は以下の通り。

Alp Aviation社は、F-35の機体構造体、降着装置の部品。さらにF-35に搭載されるエンジン「F135」の、チタン製ブレードローター等、100余りの部品を製造している。

Ayesas社は、F-35の主要コンポーネントである“ミサイル・リモートインタフェースユニット”と、コックピットに搭載される“パノラマ・コックピット・ディスプレイ”の唯一の供給元。

Fokker Elmo社は、F-35の電気配線システムの40%を製造。

Havelsan社は、トルコ国内に建設されるF-35のシミュレーター訓練装置や、メンテナンス要員のトレーニングセンターなど担当。

Kale Aerospace社は、F-35の機体構造体、さらにF-35全て(A/B/C型)の降着装置を製造。Pratt&Whitney社と合弁でF135エンジン用の生産用ハードウェアを製造。

Attribution: Noblemouse, File:SOM cruise missile mockup on MSPO 2014.jpeg / CC BY-SA 4.0

ROKETSAN社と、Tubitak-SAGE社は、射程250km程度のSOM巡航ミサイルを開発し、この巡航ミサイルをF-35のウェポンベイに搭載出来るよう改造・統合・製造・販売を、ロッキード・マーティン社と共同で行う契約を締結。NATO規格の“Universal Armaments Interface(UAI)”を使用して作られているので、NATOのUAIに対応したプラットフォームなら特別な統合なしに装着が可能。F-35に対応した巡航ミサイルは、SOM-Jと呼ばれています。

Turkish Aerospace Industries社は、F-35の中央胴体、ウェポンベイの扉、エアインテークのダクトを製造。

 

この他にも、トルコは独自にF-35に搭載されるエンジン「F135」の製造を行うことも承認されていて、欧州初のF135オーバーホール工場を建設する予定でした。

これだけのF-35製造用部品の調達先を、別に見つけないといけないのは不可能ではないけれど、現在のF-35製造スケジュールに支障が出来るのは確実。日本の追加導入するF-35は、まだ発注もしていない状態なので今の所は影響がありませんが、名古屋で組立中のF-35の部品が、きちんと供給されるのか心配です。

出典:航空自衛隊

もし、このままF-35の部品調達先の変更が行われてしまえば、政治的問題が解決してトルコへのF-35供給が再開になっても、部品製造の権利は戻ってこないでしょうね。

日本のIHIが、F135のエンジン部品を製造を行っていたので、もしかしたら供給先変更の話が来るかもしれない?(笑)

さて、この問題のオチはどのようにつくのか・・・

 

レールガン開発に成功したトルコ

話は変わりますが、3月31日、トルコのYeteknolojiAŞ社が「Şahi209 Block II」と呼ばれる、レールガンの実験動画を公開。

トルコメディアによれば、以前にトルコ軍がテストしたバージョンより10倍威力があると言っています。

この「Şahi209 Block II」は、35mmの弾丸を、31マイル(約50km)先のターゲットに命中させることが出来る性能。

レールガンを開発した国は、米国、ロシア、中国に次いで、トルコが4番目だとトルコメディアは言っています。

これが本当に使用に耐えるものなのかは知りません。

 

※アイキャッチ画像の出典:Pixabay

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 4月 03日

    国際共同開発のリスクでしょうね。

    • 匿名
    • 2019年 4月 03日

    イラクかシリアのクルド人地域が独立すれば、トルコ国内のクルド人も集団移住しそうで、
    トルコとしてはそんなに悪くない話とも思えるのですが、そんなに単純な話ではないのでしょうかね。

    あと、日米と手を切りたい?文在寅には、S-400を買えばそれを達成できるよと教えてあげたいです。
    ブレーンとかが何故それを勧めないのかねぇ

      • ななし
      • 2019年 4月 03日

      韓国の地対空ミサイル「天弓」はロシアの支援で作られたS400の簡易版です 
      もう、持っているのです
      アメリカもよくF35売ったな・・・

      • 匿名
      • 2019年 6月 18日

      クルド人は少数民族ではなくて3000万人もいるんです。
      そしてトルコ内のクルド人は8000万の人口のうち1500万人。単純計算ではトルコ人は6500万。
      シリアイラクに残りの1500万がいて、小さな地域を与えて独立させてあげようなんてことはそもそも出来ないんですよ。結局クルディスタンと呼ばれていた地域が必要。
      もしクルド人が国を持つとおそらくトルコ型の近代国家を目指すからトルコイラクシリアイランと普通に中東の覇権を争える国になってしまう。
      さらにイスラエルに対して原理主義的対立をしないのでイスラエルの技術援助で富国強兵なんてされたらを恐怖以外の何物でもないんですよ。

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