軍事的雑学

2019年ミリタリーニュース10選、韓国の第4.5世代戦闘機「KFX」を待ち受ける未来は?

早いもので2019年も、本日で終わりを迎えるが、今回は航空万能論的に最も印象に残ったミリタリーニュースを10本選び、1つづつ振り返っていく第5回目だ。

遂に姿を現した韓国の第4.5世代戦闘機「KFX」

韓国が開発中の第4.5世代戦闘機「KFX」は今年、実物大のモックアップを「ソウルADEX 2019」で公開して注目を集めた。

韓国航空宇宙産業が配布した資料によれば、KFXの仕様は全長16.9m、全幅11.2m、高さ4.7mで、最大離陸重量25.6トン(内兵器搭載量は7.7トン)、最大推力44,000lb、最高速度マッハ1.81、航続距離2,900kmで、若干だが最高速度がダウン(これまでマッハ1.97と言われていた)している以外、これまで公表されてきた数値通りの仕様と言えるだろう。

現在、2021年の完成を目指し試作機を製造中で、予定通り開発が進めば2026年に開発が完了し、2030年までに量産機の部隊運用が開始される予定だ。

韓国メディアによれば、KFXのレーダー反射断面積(RCS)は0.5㎡程度しかなく、1㎡程度のF/A-18E/Fやラファールなど競合する第4世代機の中でステルス性能が最も優れており、胴体下部に半埋込式で装着されている空対空ミサイルを、ウェポンベイに収納する方式へ改良し、開発中のステルス素材や技術を適用した場合、KFXのステルス性能はF-35よりも優れていると言われるF-117相当になるだろうと報じている。

補足:韓国メディアのF-117相当とは、恐らくだが「レーダー反射断面積(RCS)=ステルス性能」を指しているのだろうと思うが、F-35のレーダー反射断面積(0.005㎡)は、F-117(0.025㎡)よりも低くレベルに抑えられており、韓国側の主張は意味不明な事になっている。

出典: ILA-boy / CC BY-SA 3.0 MBDA社が開発した「ミーティア」空対空ミサイル

さらに、予定していた米国製空対空ミサイルの統合が拒否され、空対空戦闘に仕様できるのが20mmバルカン砲のみという問題も、11月に欧州の防衛企業MBDAがKFXへの「ミーティア」統合を許可したため、とりあえず丸腰に近い状況から脱することに成功したが、まだ未解決の問題が残っている。

一難去ってまた一難、KFXに待ち受けているは「何色」の未来?

KFXは当初、空対空・空対地攻撃能力を備えた状態で初期量産(2026年以降)されることになっていたが、最近、初期量産機から空対地攻撃能力(空対地ミサイル運用能力)が削除されていることが明らかになり、KFXの初期量産機は無誘導爆弾やロケット弾程度の対地攻撃能力しか持っていないことになる。

韓国の防衛装備庁は、米国が兵器データ開示を拒否したせいだと報告していたが、実際には対地攻撃能力の開発予算額の算出が杜撰で、実際に開発に取り掛かってみると予算が足りず開発がストップしてしまっている事実が国会で暴露された。

出典:KAIが公開したYouTube動画のスクリーンショット

これ以外にも、KFXの開発費を20%負担し、KFXを数十機導入することになっていたインドネシアが支払いを停止している問題が未解決で、最悪、インドネシアが離脱すればKFXの量産規模は縮小し、価格が上昇することになるため、海外輸出を狙う韓国にとっては絶対に避けたいシナリオだが、状況はますます悪化する。

インドネシアは10月、米国からF-16Vを32機購入することを計画を発表、この話が事実ならインドネシアがKFXを導入する余地は完全に消滅したと言ってもよく、韓国はKFXの共同開発国と購入国を同時に失うことなりそうだ。

その上、この状況に追い打ちをかけたのが、今年発表されたF-35の値下げた。

出典:public domain F-35A

F-35の価格が7,600万ドル(約82億円)まで引き下げられることが発表されたため、7,000~8,000万ドルもする韓国の第4.5世代戦闘機で海外市場を攻略するのは難しいだろうと海外メディアが指摘しており、予定通りKFXの開発が進んでも、その先に待ち受けているのはバラ色の未来ではない可能性が高い。

果たして、韓国のKFXに待ち受けているは「何色」の未来だろうか?

 

※アイキャッチ画像の出典:KAIが公開したYouTube動画のスクリーンショット

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コメント

    • 匿名
    • 2019年 12月 31日

    「韓国の防衛装備庁は、米国が兵器データ開示を拒否したせいだと報告していたが、実際には対地攻撃能力の開発予算額の算出が杜撰で、実際に開発に取り掛かってみると予算が足りず開発がストップしてしまっている事実が国会で暴露された。」

    目眩がするほどのクズっぷりですね。

      • 匿名
      • 2019年 12月 31日

      眉唾のヨタ話だな

      Phase-1ではAESAレーダーにルックダウン機能は無い。
      なので、対地のミサイルの搭載云々なんて意味が無い
      (Phase-2でルックダウンを追加するとは言ってる)
      これは韓国国会の国防委員会での国政調査のQ&Aで回答されてる。
       なおPhase-1では敵味方識別装置(のVer.5)も搭載されないから、米軍とのコ・オペレーションもできない。

        • 匿名
        • 2019年 12月 31日

        元記事だと

        リンク
        その眉唾のヨタ話を韓国の防衛事業庁が提示したと。
        見え透いた嘘を垂れ流していたことになりますね。
        酷い話しです。

    • 匿名
    • 2019年 12月 31日

    値段の問題が無くてもで、元々どんな国がに売れる見込みで開発してくるのか全く分からない機体だったからなぁ。
    普通はアメリカ製かロシア製を買うだろうし、その両国から政治的なり何なりで折り合いがつかなくても、他にラファールやユーロファイター、グリペンといった実績もある機体がいくつもあるし

    • 通りすがりの匿名希望
    • 2019年 12月 31日

    でも主導権を持ったプランが立てられない、自主開発も目処が立たない日本側より遥かにマシというあたりがなんとも‥

      • 匿名
      • 2019年 12月 31日

      日本は技術的な目処は立ってるが先の方向性で決めあぐねている面もあるかも知れない。だた韓国の場合、モックアップと計画止まり、技術的な面は外国頼り。共同出資と開発国に逃げられるでは話にならないレベル。

      • 匿名
      • 2019年 12月 31日

      そもそも第6世代の定義も定まっていないのに、先頭を走り暗中模索状態だから、﹙先頭走り慣れてる所以外は﹚日本でなくても仕方ない状態かと。
      ﹙何処かの技術的な物乞いと異なり﹚第5世代なら日本の場合要素技術概ね出揃っているので、時期が悪いとしか。
      この時期だからこそ、米国側に代替機なくて、日本の立場も過去にない程高いのだとも思うけど。

      • 匿名
      • 2019年 12月 31日

      え?
      本気で言ってる? それとも煽りとか外国人の工作じゃなくて?
      色んな所から手に入る情報を見ていればそんな感想とか出てこないはずだけど。

        • 通りすがりの匿名希望
        • 2019年 12月 31日

        でもさ 半島メーカーは他所の技術流用利用してようが
        他国に輸出できてるのは歴然とした事実(出来はともかく)
        兵器輸出開発は実績が物を言う
        日本はこれすら、出来ていない
        まるで現地化に失敗した国産家電販売メーカーをそのまま見ているよう
        FSX国産化計画がいつの間にか覆った30年前を思い起こせば
        とても楽観出来ないよ

          • 匿名
          • 2020年 1月 01日

          日本のFX輸出計画でもあるというのかw
          日本が自国開発しているのは他国性では用途に合わないからで、輸出を前提に開発しているわけではない

            • 通りすがりの匿名希望
            • 2020年 1月 01日

            いやさ、他国との共同開発時に
            足元見られる、軽んじられる、という話

            • 匿名
            • 2020年 1月 01日

            >他国との共同開発時に足元見られる、軽んじられる

            個人的には、其処はJNAAMが風向きを変えてくれる事を期待してます。
            高機動低RCS標的相手に隔絶した結果を出して、殿様商売する下地を作ってくれる事を。
            楽天的ですけどね。

          • 匿名
          • 2020年 1月 01日

          分野は違うがこれが実績。
          橋、崩壊。
          ダム、崩壊。
          原子力発電所、延長延長。もう発電してるはずなのに。
          イラン、金返せ。

          • 匿名
          • 2020年 1月 01日

          そもそも武器を輸出してよい国がいない。
          どこも中国ロシアに技術を流す恐れが高い国ばかり。
          フランスでさえ、オーストラリア潜水艦輸出問題の際にアメリカが中露に技術を流すのではないかと懸念してる事が発覚してる。
          アメリカは例外だが、元々技術協力する相手、かつ輸出先にならない相手。
          今時日本が武器を輸出とか言い出す方がおかしい。
          インドに飛行艇売る際も技術よこせなど条件が酷かった。

          貴方が例に出している韓国の兵器輸出、技術ごと輸出して「結果的に大損、何でそんな条件で輸出したんだっ」て大問題になってるなってるんだけどね。

            • 通りすがりの匿名希望
            • 2020年 1月 01日

            そういう見方があったのか
            参考になった
            ありがとう

            >JNAAM
            期待している
            よい前列になるといいな

      • 匿名
      • 2020年 1月 02日

      話が二転三転している
      とにかくいちゃもん付けたかったみたいだね
      今になってアメリカに拒否されたからミーティアだーとかずいぶん立派なプランだこと

    • 匿名
    • 2019年 12月 31日

    F-35とF-16Vの「数こそ力!量産効果最高!」のロッキードマーチン陣営が、西側戦闘機輸出市場で圧倒的ですな
    今後は上記2機種が世界標準となり、それを超えるのが目標になる
    問題は、上記2機種は金額面というよりは「米国の信頼」がキーとなって供与の判断が別れている点ですね。F-35以上の戦闘機を米国が開発配備するまでは、それは変わらないでしょう

    • 匿名
    • 2019年 12月 31日

    恐らく形にならないだろう。なっても4.5世代。しかも5世代機より高額。本当に何の為に開発するのか。技術試験的な機体ならともかくこれはないだろうと。

      • 匿名
      • 2019年 12月 31日

      KAIの事業創出のための開発では?
      機体は、TA-50より見映えが良ければ十分なのかも。

    • 匿名
    • 2019年 12月 31日

    韓国ではその場しのぎに嘘をつく、というのが当たり前だそうな。
    日本人女性に暴行した男もそうでしたね。
    政府に至っては、嘘しか言わない。

    • 匿名
    • 2019年 12月 31日

    F5以上で自国生産できるなら合格ってのがKAIとか現場の考えじゃないかな

    • 匿名
    • 2019年 12月 31日

    F/A-18の垂直尾翼が主翼と水平尾翼の間にあるのはエリアルールの応用で空気抵抗を減らすため。
    KF-Xの主翼と垂直尾翼を見る限り韓国人は理解できていない。

    • 匿名
    • 2020年 1月 02日

    「海外輸出を狙う韓国にとっては絶対に避けたいシナリオだが、状況はますます悪化する。」
    米国が開発した技術を基に開発した兵器を輸出するのは、T-50/TA-50開発当時よりも難しくなってきている。
    米国が相手しない国向けに方向転換するも、F-16Vによってビジネスが駆逐されている現状
    ますますジリ貧になっていく予想

    我が国は真似をしてはいけない。

  1. F-16の値下げで海外市場を失い計画が頓挫したユニコーンマークの風間真の愛機と同じ運命を辿りそう。

    登場時は当時の小型戦闘機の水準以上の性能だったF-20と完成するかも判らないKFXを比べるのは非常に失礼だと思うけどね。

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