軍事的雑学

軍事的雑学|韓国軍の戦闘糧食「Kレーション」誕生の契機は反日とキムチ?

いつも毛色が異なる内容だが、今回は韓国軍の将兵が口にするコンバット・レーション(戦闘糧食)の誕生秘話について取り上げてみる。

参考:전투식량/한국군

参考:“‘기무치’는 도저히 못 먹겠다”…‘반일’로 탄생한 전투식량

韓国軍のコンバット・レーション誕生のキッカケは反日とキムチ?

そもそもコンバット・レーション(戦闘糧食)とは、軍が基地や駐屯地を離れて任務を行う兵士に携帯させる食料のことを指しており日本では「野戦食」や「戦闘食」と呼ばれるこが多いが、一般人の間では「ミリメシ」として浸透している。

最も代表的なコンバット・レーションは米軍が採用している「Meal Ready-to-Eat(MRE)」が有名だが、採用初期のMREは保存性を優先したため味が悪く非常に不人気で兵士の間では「Materials Resembling Edibles(食べ物に似た何か)」と揶揄されたほどだが味の改善が進み「食べられる程度のもの」になったようだが、依然として他国のコンバット・レーションと比較すると「まずい」らしい。

出典:Christopherlin / CC BY-SA 3.0 Meal Ready-to-Eat(MRE)

コンバット・レーションについての説明はこれぐらいにして、本題の韓国軍が採用している「Kレーション」の歴史を紐解いていく。

韓国が独自のコンバット・レーションを開発する契機になったのは初めて軍を海外に派兵したベトナム戦争時で、開発の原動力にはお馴染みの「反日感情」が関係している。

出典:manhhai / CC BY 2.0 ベトナムに派遣された韓国軍

ベトナム戦争が始まった当時の朴正煕大統領は米国からの派兵要請(※1)に応える形で延べ31万人もの兵士をベトナムに送り出したが、当時の韓国に海外に派兵した軍に補給を行う能力は無かったため米軍が派兵された韓国軍の補給を担当していた。そのため支給される食料は米軍向けに開発されたコンバット・レーションばかりで口に合わず、そもそも米軍も韓国軍にロクな説明も行わず支給したため食べ方が分からず苦労したらしい。

※1補足:形式上は米国からの要請だが、実際には朴正煕大統領から米国に韓国軍派兵を提案しており1度は米国に断られたが最終的には韓国軍派兵で合意、韓国政府が米国から受け取った見返りは経済発展支援のための追加借款と米軍兵士と同水準の韓国軍兵士への補償(給与や戦闘手当等)で、その合計金額は約10億ドルにものぼるが派兵された兵士の手に渡ること無く国庫に9億ドル以上を溜め込んだため、韓国国内では朴正煕が派兵された兵士の手当を横取りしたと言われている。

本来なら野外炊事場で調理してから提供されなければならないBレーション(現在のBレーションは簡単な追加調理だけ食べることが可能)を湯煎しただけで食べるなど使用方法が間違っていたため「不味い」と不評だったが、正しく調理しても白米、キムチ、味噌、コチジャンなど独自の食文化をもつ韓国人にとって米軍が支給するBレーションやCレーションだけでは耐えられなくなり部隊の士気が低下したため、米軍は韓国軍向けのCレーション(個人用戦闘糧食)を開発した。

出典:Paul Mashburn / CC BY 2.0 Cレーション

このCレーションには韓国人が好む白米やキムチなどがメニュー取り入れられ味も悪くなかったので供給当初は非常に人気が高かったのだが、このCレーション製造を依頼されていたのが日本の企業だったということが発覚し、韓国人兵士達は「なぜ私達が日本人の作ったキムチを食べなければならないのか?(※2)」と言い出し米軍が慌てて韓国の工場に発注し直したという逸話が派兵された指揮官の回顧録に出てくるらしいが、この後に出てくるKレーション開発秘話と矛盾する点があるので眉唾だ。

※2補足:当時の韓国は日本と日韓基本条約を締結した時期と重なるため国内の反日感情が極度に高く日本が製造したとされる韓国軍向けのCレーションを食べることに多くの兵士が不満を抱いていた。

結局、これが契機となり韓国軍は政府に対しKレーション開発を要求して、本格的な開発がスタートしたのだが韓国企業の缶詰製造技術ではベトナムの気候に耐えられるだけの品質が確保できず試作したKレーションは全て真っ赤に錆びてしまい、とても口に出来るようなシロモノでは無かったらしい。

それでも諦めず韓国の食品加工企業が総力を結集して開発を続けた結果、なんとか米軍の認証が受けられるレベルのKレーションが完成するのだが、このKレーションは韓国政府が直接支給するのではなく米軍が一旦買い取った後にベトナムに派兵された韓国軍へ無償支給されるため、韓国はKレーションを作れば作るほど外貨を獲得することができることに気がつき米国への輸出を推進する。

当時の韓国では年間1,000万ドル以上の外貨を稼ぐ企業が2社しかなかったため、ベトナム戦争期間中に5,700万ドルもの外貨を稼ぎ出したKレーションが当時の韓国にとってどれだけ重要な輸出品であったが理解できるだろう。

以上のように、韓国軍のコンバット・レーションの歴史は「反日」から始まり、外貨を獲得する輸出品としての顔も持っている非常に特殊な成り立ちを経て今日に至っており非常に興味深い事例だ。

 

※アイキャッチの出典:Yeongsik Im / stock.adobe.com

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    >派兵された兵士の手に渡ること無く国庫に9億ドル以上を溜め込んだ

    個人への支払いを政府がガメるとはどこかで聞いた話ですなぁ

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    キャンベルの濃縮缶スープで中身を鍋に入れて、空になった缶詰にいっぱいになるまで水を入れて
    それを鍋に追加するだけでOKという最低限の容器で調理できる合理的な仕組みに感心したことがある
    多分MREが元になってるんだろうなと思う

      • 匿名
      • 2020年 4月 07日

      キャンベル缶は1900年のパリ万博に出店されていたとのことです(Wikiより)。
      MREが参考にしたようです。
      どっちにしても兵士を空腹にさせないような工夫には感心させられます。

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    「へぇ~」ボタンが手元にあれば連打したいレベルのムダ知識が増えたw

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    あっほらし
    韓国関連の情報なんぞどうでもいいわな
    極めてどうでもいい

      • 匿名
      • 2020年 4月 08日

      でも日本製が評判よかったってのは嬉しいじゃないですか。
      相手が韓国ならなおさらです。
      武器じゃないけれど一応戦場に必要な物を輸出したってことにはなりませんかね。

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    朝鮮戦争で国土が荒廃
    ドイツに炭鉱夫、看護婦を輸出
    欧州の社交界、文化界で朝鮮人・左派が反・韓国活動を活発化
    (朝鮮戦争前夜でも北朝鮮は数万人の工作員を韓国に送り込んでいたといわれる、残ってる記録映画でも田舎の村単位で共産化した地域を火炎放射器などで全滅させてるのが残ってる、朴正熙にとっては国家・存亡の危機に繋がると思ったでしょう)
    欧州から、主要な活動家を拉致、韓国に連れ帰る
    ドイツが炭鉱夫、看護婦の出稼ぎをシャットアウト
    韓国は困窮・・・
    その後は管理人さんが書かれてる通りにベトナムに派兵
    その後は中東の建築事業のダンピング受注、韓国人労働者の派遣になる。
    これらの活動で得た「米ドル」を利率の高い国内で貸し付けて(貿易決済が必要な企業に)、かつ、不動産投資(マンションの建設など)に回した 高いレートでウォンに交換するドル商オモニが南大門の路上にずらっと並んでいた時代

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    たまにはこういう記事も面白いな
    レーショントリビア是非またやってほしい

    • 匿名
    • 2020年 4月 07日

    韓国はこの時代、米の自給率が100パーセントに全然届かず庶民は雑穀中心の食生活。
    富裕層への不満をそらすため、定期的に「米を食べてはいけない日」が設けられてた。
    レーションの炭水化物はなんだったんだろうか

    • 匿名
    • 2020年 4月 09日

    確か冷凍餅とかもレーションにあったとか大昔のTVでやっていた記憶がうっすらとありますね。

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