カナダ政府は今月12日、トルコの無人航空機「バイラクタルTB2」に採用されている装置の輸出許可を取り消すと発表して注目を集めている。
参考:Statement from Minister Garneau to announce the cancellation of export permits to Turkey
今回の問題は疑惑が多すぎてトルドー首相の政権運営に大きなダメージを残すことになろう
カナダのL3Harris Wescamが製造するMXシリーズは米空軍のMQ-9、米海軍のP-8A、英海軍のAW159リンクスなど多くの国や組織で採用されている人気のEO/IRセンサーで、トルコの無人航空機「バイラクタルTB2」にも採用されているのだが、カナダはシリア内戦関与を理由にトルコ向けの軍需物資輸出承認プロセスを2019年10月に停止=事実上の武器禁輸措置を講じた。
これに困ったトルコはカナダのトルドー首相にエルドアン大統領が自ら電話をかけて武器禁輸措置からEO/IRセンサーを除外するというカナダ側の譲歩を引き出すことに成功したと言われているが、この直談判の裏でカナダのL3Harris Wescamが雇い入れたロビイストの暗躍、トルコ側によるカナダ枢密院事務局(内閣の官房組織)への働きかけがあったことが確認されており、トルドー首相が禁輸除外を単独で決断したというよりも政権全体(カナダ自由党)の総意だと見るべきだろう。
ただナゴルノ・カラバフ紛争勃発後、アルメニア側が「アゼルバイジャン軍の使用するトルコ製UAVにカナダ製EO/IRセンサーが使用されている」と写真付きで指摘したため忽ち大騒ぎになり、再びEO/IRセンサーを含むトルコ向けの軍需物資輸出承認プロセスを停止して調査が行われていたのだがようやく結果が発表された。
カナダ政府は「L3Harris Wescam製のEO/IRセンサーを搭載したバイラクタルTB2がナゴルノ・カラバフ紛争で使用されたという信頼できる証拠が見つかり、この様な使用方法はカナダの外交政策やトルコが約束した最終用途の保証に合致してない」と指摘してトルコ向けの軍需物資輸出承認プロセスを廃止を決定したのだが、すでにトルコは軍事用途の使用に耐えるEO/IRセンサーの実用化に成功して国産品に切り替えているためカナダが輸出を止めてもトルコ製UAVの製造には特に影響がない。
TEI’nin geliştirdiği milli tasarım, yerli üretim uçak motoru.
Dünyada bu sınıfta açık ara en yüksek performans değerlerine sahip uçak motoru.
Nasıl derseniz;
Test ettik, kıyasladık…AKINCI ve Bayraktar TB3’e güç verecek!
Atı alan… 😉#MilliTeknolojiHamlesi ✈🐳🚀⚙️🌍🇹🇷 pic.twitter.com/PTp7MY19ox
— Selçuk Bayraktar (@Selcuk) October 29, 2020
さらにカナダのボンバルディアはバイラクタルTB2に使用されているエンジン(ボンバルディアの子会社でオーストリア企業のロータックスが製造しているRotax912)のトルコ輸出を停止したが、こちらもトルコ企業のTEI(トルコ航空宇宙産業の子会社)が開発した国産エンジンに切り替えが始まっている。
せめて2019年の禁輸措置を緩和することなく維持していればアゼルバイジャン軍へのバイラクタルTB2供給を防げていた可能性があるので、恐らく今回の問題はトルドー首相の政権運営に大きなダメージを残すことになろう。
関連記事:カナダ政府、トルコ製UAV「バイラクタルTB2」のせいで大ピンチ
関連記事:ボンバルディア、トルコ製UAV「バイラクタルTB2」に使用されているエンジン輸出を停止
余談だがウクライナはトルコから調達したバイラクタルTB2をウクライナ東部に移動させドンバス地方で運用を開始したと発表しており、これを受けてロシアのセルゲイ・リャブコフ外務副大臣は「トルコの無人機がドンバスの何処かで飛行していることを考えると喜ぶべきことはなにもない」と述べて注目を集めている。
参考:‘Hardly anything to rejoice about’: Moscow dismayed over Turkish drones in Donbass
さらにリャブコフ外務副大臣はトルコが各国に武器を輸出することに関しても「トルコはロシアから輸入したものを製品に組み込み別の国に輸出しており、こういった行為に関する取り決めや輸出管理についてロシアは2ヶ国協議を通じて改善すること検討している」と語り深刻な問題であるという認識を示した。
※アイキャッチ画像の出典:baykarsavunma バイラクタルTB2
まあ普通はそうなるわなぁ
トルコは野心を剥き出しにしすぎでそういった国の好調はあまり長くは続かない
本筋とは関係ないけど、そんな簡単に代替品が見つかるってことは所詮その程度の兵器ってことだな
もちろん、これまでそのポジションをちょうどよく埋める兵器に乏しかったから、小国やテロリスト(半テロリスト)にとってはゲームチェンジャーになりうるんだろうけど
拗れまくっても結局トルコ産パーツをなかなか切り替えられないF-35とは良くも悪くも対照的と言うか
>そんな簡単に代替品が見つかるってことは所詮その程度の兵器
MQ-9やP-8Aも採用してるEO/IRセンサーと同等品を国産化してきたんだから逆だろ?
もしL3Harris Wescam製のEO/IRセンサーを搭載したバイラクタルTB2をその程度の兵器とバカにするんならMQ-9もその程度の兵器という意味なるけど?
>MX「シリーズ」
だから、同じセンサーとは限らないのでは
知らんけど
ユニットコスト4.5億程度の機体にはそんなに高価なセンサーは積めなさそう
TB2が採用してたL3製センサーは軍用モデルじゃなくて民生モデルで軍用と比較すると性能が低い安物だって聞いたなあ
TB2が搭載してるEO/IRセンサーは精密誘導兵器を誘導するためのレーザー照射機内蔵タイプだから軍事用だよ
問題の趣旨を歪めてますよ、
だから脅威ではないとかいう話にすり替えたいんだね
ほんとに言いたくないけど、あなたはとっくに取り残された人
過去に固執は醜いって
先進国の軍隊相手に通用したらそれが正しいってことになるけど
今のところは、アメリカ軍他のUCAVですらまともな防空体制が機能してるところには攻撃に出せないからなぁ
先進国並みの多層多重の防空体制に対してアレが活躍するシナリオを知ってるなら是非教えて欲しい
だからそっち方面の先進国のアメリカロシアを始めて、UAV開発や対策をやってない国のほうを出してくれよ(笑)その、見事な防空体制にUAV対策を組み込むのがすでに常識
みんなからずっと何回も指摘されても持論に固執してるのは君だけだから
もはや根拠がないのにね
現状アメリカのUAVをまともな防空体制が機能してる戦場で活用してないのは決して能力の不足が理由じゃなくて、機体単価、管制システムが高価で無駄な損耗に耐えられないっていう無人機としては致命的な欠陥があるからやぞ
だからMQ-9は早々に見切りつけられてしまったわけだが
あと、トルコ自身が制空権取られてると使えない、と言った感じに評しているかと。
どの国でも容易に買ったり作ったりできる民生品、ないしそれに毛が生えた程度のもの。
そういうものが今や十分軍用に使われる時代。もはやデュアルユースで技術に軍民の境目など無くなってきているのに、いつまでもそんな認識でいてもらっては取り残される一方だよ。
小国にとってはゲームチェンジャー(それなりの軍備がある国にとってはそこまでじゃない)、って投稿に反論してる人達は、つまりバイラクタルTB2が先進的な軍隊に通用すると認識してるってことになるけど
上空も地上もレーダーが稼働してて、迎撃する航空機もミサイルもあって、電子妨害も強力な空域にこれが出ていって何ができるかを説明するべきでは?
そこが論点じゃないよ。もう一度コメントを読み返して
論点を明示できない人に限ってそういうこと言うよね
論点はどこからどう見ても
「簡単に代替品が見つかるってことは所詮その程度の兵器」たろ…
その強力な電子妨害装置を搭載しているはずの米海軍艦艇、英海軍艦艇が別途対UAV専用の電子戦装置を開発している事とか、米陸軍がカウンタードローンに関するスキルを歩兵の一人一人隅々にまで行き渡らせる必要があると認識している事とかナゴルノ・カラバフ紛争で露製電子戦装置が機能しなかった事とかスッパリ抜けてんなあ
抜けてる、でなくて無視してるんですよ。
だから毎回毎回話にならない
都合の悪い現実は見ない日本人でやつね
バイラクタルくんがウクライナで活躍する姿が見たいのでドンパチしてくれんかな
活躍しなくてもそれはそれで興味深い
本気のロシアにトルコのUAVがどの程度通用するのか皆知りたがってるだろうし
ロシア相手にするにはもうちょっと遠くまで飛べるモデルじゃないとキツい気が
これの後継モデルとかは衛星通信とかにも対応してたような気がするしそれならあるいは
それでも、よっぽど戦術練らないと普通に防空網なり航空機にやられて終わる気はするけど
>それでも、よっぽど戦術練らないと普通に防空網なり航空機にやられて終わる気はするけど
ロシアのMiG-29が、UAVを撃墜した動画﹙UAV視点﹚とかあるからね。
リンク
まだしてなかったんだ、前にやるみたいな記事見た覚えがあるけど
UAVについてはまだまだ研究・開発の余地があるから禁輸措置されるのは厳しかろう
トルコに手を差し伸べる国はたぶん現れると思うけど、まあ大体悪い方向に予想が付いてしまう
ウクライナがキナ臭くなっている時にトルコの力削ぐってどうなのかな?
代替品があるからっていってもNATOの足並みの乱れは利敵行為になりそう。
直ぐに国産化するトルコの意地は凄まじいものがあるな。正式に禁輸されても、もう作れるから関係ありませんって顔できるわけだろ?
ここ見てる人でもEO/IRセンサーとレーダーを同一の物だと思っている人絶対いるよなw
こういう事があるから防衛装備は出来る限り国産にしないと駄目なんだよね
何かあると直ぐ「安くて高性能な外国製兵器を買え!」と叫ぶ御仁はよく考えてくれ
キヨ○ニ君の悪口は(ry
そういう観点が抜けた自称軍事ジャーナリスト多いよねぇ
広告代理人を自認している人もいて、あえてやってるケースも。
>トルコはロシアから輸入したものを製品に組み込み別の国に輸出しており、こういった行為に関する取り決めや輸出管理についてロシアは2ヶ国協議を通じて改善すること検討している
ロシアも締め付けする方向に動き出したのか。
そこら辺ルーズかと思ってたので、ちょっと意外。
UAV単独でゲームチェンジャーになれるなんて誰ひとり語ってないのに(笑)ありもしない発言に噛みついて延々とUAV否定に必死になってる化石はなんなんだよ。
このネットワーク戦争の時代にまだ昭和をやられてもな
ゲームチェンジャーなのほネットワーク戦争な方で、UAVはその1ノード。
UAV単体だと、鳥無き里の蝙蝠だよね。
昔、大艦巨砲主義というものがありましてな、
歴史は繰り返すというやつですな。
一事が万事な見方に囚われ過ぎると地獄を見るからね
あらゆる可能性を考慮して軍事先進国がUAV開発および対策を研究開発し続けるのは当たり前の話
代替の話は基礎研究があって対応出来たと言うだけじゃないかな。普通に日本で昔にあったレアアース紛争とか、韓国のフッ化水素問題とかと同じだよ。重要だと思うなら国歌のリソースを適切に使って対応するだけの話。性能や価格は同等以上とは言わないけど問題ないレベルなんだろう。
>防衛装備は出来る限り国産にしないと駄目
そこまで志の高い人は身の回りのもの食べるもの全て可能な限り国産の程度の良いモノで揃えているんだろうな。キヨは好きじゃないけど全部が間違っている訳ではない。実際に外国製でも良い物は良いんだし、国産の変なモノ使わされて何倍もの血税を使われるとか心神的な負担増とか命に関わるとかあるならそれは積極的に導入すべき。まぁどこまでのリスクと負担を天秤に掛けるかはなかなか難しい問題なんだけども。