カナダのブレア国防相は「最大12隻の通常動力型潜水艦の取得手続きを正式に開始した」と発表、正式な情報提供依頼書(RFI)は2024年秋に発行される予定で、プログラムコストが推定600億加ドル=約7兆円と見積もられる大型調達が正式に動き出した。
参考:Canada launching process to acquire up to 12 conventionally-powered submarines
参考:Canada commits to buying 12 new conventionally-powered, under-the-ice submarines
CPSP受注を争う潜在的な競合はフランス、ドイツ、スペイン、スウェーデン、韓国、日本
カナダが保有する4隻のヴィクトリア級潜水艦は2034年までに退役予定で、海軍は「最大12隻の新型潜水艦を調達したい=東海岸と西海岸に6隻づつ潜水艦を配備したいという意味」と政府に働きかけているが、後継艦の要件、予算、調達規模、交換スケジュールは何も決まっておらず、正式な後継艦プログラムを立ち上げる事前準備として2023年にCPSP(Canadian Patrol Submarine Project=カナダ哨戒潜水艦プロジェクト)を検討するチームを国防省内部に設置。
国防省の報道官は2023年8月「カナダ海軍の要件を満たす潜水艦(建造中を含む)保有国、企業、海軍と協力して調査を行っており、プロジェクトチームはフランス、ドイツ、スペイン、スウェーデン、韓国、日本と連絡を取っている」と明かしていたが、ブレア国防相はNATO首脳会談が行われているワシントンで「最大12隻の通常動力型潜水艦の取得手続きを正式に開始した」と発表して注目を集めている。
カナダ国防省はプレスリリースの中で「温暖化の影響で2050年までに北極海は欧州と東アジアを結ぶ最も効率的な航路になる可能性がある。既にロシアは潜水艦を送り込んで北極海の海底を積極的に調査しており、中国も急速に潜水艦戦力を拡張している。こうした安全保障上の課題に対応するため、老朽化したヴィクトリア級を更新するため、カナダは新しい潜水艦を必要としており、最大12隻の通常動力型潜水艦の取得手続きを正式に開始した。カナダはCPSPを通じて大規模で近代化された潜水艦戦力を獲得する」と述べており、2024年秋に正式な情報提供依頼書(RFI)を発行するらしい。
カナダが本当に潜水艦戦力を4隻から12隻に拡張するのかどうか確証が無かったが、今回の発表で「現地メディアや海外メディアが報じていた内容が事実だった」と確認され、Breaking Defenseも「カナダが12隻の潜水艦調達を約束した」「プログラムコストは推定600億加ドル=約7兆円と見積もられている」「これは非常に大規模な調達プログラムで世界中の造船会社がカナダの計画に注目している」「CPSPへの投資はカナダの国防支出をGDP2.0%台に近づけるのに役立つだろう」と述べている。
因みにCPSP受注を争う潜在的な競合はフランス、ドイツ、スペイン、スウェーデン、韓国、日本で、Naval GroupはScorpene Evolved(もしくはBarracudaシリーズ)、HDWは212CD、NavantiaはS-80Plus、SAABはDamenと共同でC-71を、韓国は現代重工業とHanwha Oceanが別々にKSS-III(鳥山安昌浩級潜水艦)を提案する可能性が高い。
Hanwha OceanとBabcockは2024年3月「ポーランド海軍やカナダ海軍の潜水艦入札に共同で挑戦する」と、現代重工業も2024年4月「カナダ海軍向け潜水艦事業の協力でL3Harrisと合意した」と発表済みで、両社はオーストラリアが調達する汎用フリゲート入札でも「協力関係」ではなく「競合関係」にあり、韓国経済新聞は「国防部や防衛事業庁もHanwha Oceaと現代重工業がワンチームで受注戦に参加することを望んでいるが、両社はKDDX事業に関連する機密流出裁判で激しく対立しているため協力関係を構築できる雰囲気ではない」と指摘したことがある。
日本は官民一体でたいげい型潜水艦を提案する可能性が高く、日本経済新聞は2024年3月「カナダが計画する次期潜水艦の有力候補にたいげい型潜水艦が浮上している」と報じた。
関連記事:スウェーデンとオランダが潜水艦輸出で協力、カナダ海軍にC-71を提案
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※アイキャッチ画像の出典:海上自衛隊
日本の潜水艦はデカいから領海が広い国に向いてるし、switchも付いてくるので。
まじやべーことやってくれたな川崎さんよぉ(どうせもう片方もやってるだろうけど
だいたいゲーム機で済む金額じゃねーだろ
不毛地帯まんまじゃねーか
川崎重工は陸海軍自衛隊と取引があるし、全自衛隊現場への福利厚生みたいな事やってる可能性がある
それだと年1億円程度では1人1000円程度にしかならん
非貫通式潜望鏡のコントローラーはJoy-Conです!で、1年もしないうちにドリフト…。
プロコンに買い替えですね!
どうせわーくにが選ばれたところで不祥事晒すのがオチだから、韓国にやらせとくのが吉
不祥事なんて欧米や韓国でもざら
ていうかこれは普通に欧州勢が取るのでは?
と言うか後10年もヴィクトリア級が使われるのか…
このクラスより新しければ、どれを選んでも「凄いよこの潜水艦!」ってなるのは間違いない
日本の除籍おやしお型潜水艦をお試しで引き渡せばよさそう。
いろんな意味で泣いて喜びそうだな(まともに動くことで)
除籍艦の無償提供と、乗員訓練援助は良い考えかもしれませんね。
普通に考えて、潜水艦運用能力がほぼ壊滅的なカナダが、600億加ドルかけて12席の潜水艦隊を創設し運用するなんて夢物語過ぎます。頓挫するに決まっています。予算が認められるとも思えません。
「ちゃんと動く艦と乗員訓練を提供してあげるから、身の丈を直視しようね。気に入ったなら今後12年かけてそうりゅう型が12艦、退役するから売却してもいいよ。お安くしてあげますよ」って提案は双方を益するものとなるでしょう。
潜水艦隊を創設するのなら、カナダに必要なのは「まともに動く潜水艦」を用いて運用実績を積み重ねることです。年一の除籍艦提供オプションも、乗員育成速度からちょうど良いものに思えます。なにより除籍艦ならお安いですしね。最新鋭艦に手を出すのは、ある程度の艦隊運用実績を積んでからでも遅くはないと思います。
まあ、日加間で協定を結ぶ必要もありますし、カナダ側当局者のプライド(他国のお古なんて使ってられるか(怒))のせいで実現は難しいでしょうけどね。
もしかすると複数のタイプの潜水艦を採用するという可能性もあるかもしれない
潜水艦12隻という数字は西側の一国ではすぐに賄える数字ではない
もっともカナダが本当に潜水艦戦力を急いで整備する意志があればの話なんだが
中共による台湾有事に連動して朝鮮半島有事が勃発する可能性が高く
韓国製の潜水艦や兵器を採用するなど日本・自衛隊では論外
日本政府・企業が同盟国に最新潜水艦輸出を推進すれば成功するでしょう
安倍晋三とかすきそう
>たいげい型潜水艦が浮上している
日経レベルの親父ギャグについて。
そのままたいげい型ではないでしょうね。
主な作戦海域が北極海だとすると、潜舵はセイルではなく船体側に取り付けることが要求されるでしょうから。
ただカナダ海軍の場合、浸透型の任務はあまり想定しづらく、ハンターキラーに近い性格かもしれないので、他の国よりもチャンスがあるかもしれません。
川崎は今の状態で大丈夫なんですかね…。監査うけてる状態で国とも足並みを揃えて何か始められるかというと厳しい気もしますし。時間的に厳しいですが今からでも三菱と合弁で日本潜水艦輸出会社(仮)みたいなものを作って川崎本体とは別法人格で動く体裁にしたほうがあスムーズに行くのでは。
古いロサンゼルス級原子力潜水艦をもらえば良いのに。
原子炉燃料入れ替えを含む完全整備しないと使い物にならないけど、米現役すら整備できてないので無理かな
今は海自だけが使っているので「日本の潜水艦はすげぇ」で通っているけど、
他国が使いだしたら「えっ、こんなに使いにくいの?」って話になる気がしてならない。
実はP-1もC-2も「自衛隊の常識=他国の非常識」だったりするんだろうなぁと。
そんな使えない潜水艦だったら、アメリカが豪州に薦めたりはしないし、そんな潜水艦相手に哨戒訓練やってる海自の哨戒部隊が他国に勝る評価を得たりもしない。
それでいいと思う。
国債市場に揉まれないとメーカは甘ったれて良い物が出来ない。
自己満足兵器で戦う自衛官が可哀想。
勿論、日本近海・日本独自仕様ですし、輸出等は考えて設計されてない筈なので、仰る評価になりそうには思います。カスタマイズ無しの素ならば。
但し、そうりゅう型を渡してみて、実際にどう評価されるのか。は興味が湧きますね。
(たいげい型で評価が低いとヘコむし、不安になるので…。)
おうりゅう以降は必ずしも近海仕様とは言えないと思う
8ノットで5日進めばバシー海峡まで辿り着く
10日作戦行動して往復3週間
まあ、改めて原潜が羨ましくもなるのだが、、、
まあ、近海、遠洋の定義で言えば、インドネシアまで行っても近海だけど、、、
そうですね。どの型式・類別を渡すかによっても評価が変わりそうですよね。
ガラパゴス化を叫ばれている我が国の防衛装備に於いて、本音で他国の評価を聴いてみたいんですよね。興味本位ですが…。(まぁガラパゴスと言われようと、我が国の戦略・戦術に沿った海自が使いやすい装備であれば結構ですが。)
因みに原潜を持ち出すのは、ルール違反かとww
カナダはもう原潜にした方がいいと思うけどなぁ
北極海だけ慎重にやって、他は米英に任せればいいのに
オーストラリア案件に続いて、カナダ案件でも、チャレンジして欲しいですね。
おやしお型リフレッシュでいいじゃん
毎年1艦確実に入ってくるし
プログラムが成功したら順次入れ替えたらいい
本当に川崎は余計な事を・・・
たいげい型の新造艦だとかなり高くなるから、あと5年ほどで退役が始まる、海自のそうりゅう型を中古で売却すればいい(偶然にもたいげい型は全部で12隻)
たいげい型はあと5年で建造が全て終わり、そうりゅう型は、VLS搭載の新型に置き換わっていくので、海自としてもちょうどよい。
現在のカナダ海軍のヴィクトリア級潜水艦も、英海軍の中古艦だから前例もある。
中露を警戒する国同士、潜水艦の運用能力を高めることは、両国の国益にも適うと思う。
誤:偶然にもたいげい型は全部で12隻
正:偶然にもそうりゅう型は全部で12隻
おやしお型の意見もあるけど、艦齢30年超えは流石に古すぎて、カナダは受け入れないのでは。。
(東南アジア諸国なら、軍事協力もコミで「あり」かもしれないけど)
アップホルダー級としての進水が1986〜1992年で、2034年まで使う予定だから、、、
もちしおが2006年進水、しかもアップホルダーの時と異なり動いている
有事が近いとか、繋ぎなら可能性がありそう
耐用艦齢は運用条件を基にした設計仕様なんで、22隻体制移行後に建造された海自SSは規定の運用条件で「22+α年」の現役耐用を設計保障してるわけです。毎年1隻更新建造体制故にそれで問題ありません。ですから、18隻体制下で建造された現役艦は定期整備時に艦齢延長工事が実施されています。
練習潜水艦はそれまでの運用実績から見た耐用余裕に以後の運用条件を勘案して練習潜水艦に転籍されます。例えば最大潜航深度を浅く制限することで耐用保障することもあり得ます。
つまり、他国潜水艦が30年以上現役にあるから海自SSも同様に耐用できるとは限りません。
そのとおりなんですが、、、
同じ30年モノでも、最大潜航深度500m級のおやしお型の耐圧殻の耐久性が、200m級のアップホルダー級に劣る理由が見つからないんですよね
50%制限かけても相手によっては新造艦同等では?
むしろ他国潜水艦より長く使える可能性まであるかも?
同様の運用でなくても、運用できるなら有用だったりしそう; 古い戦車を再生して送り出してる国があるよね。
送り出す前に再度寿命延長工事を行う手もあるわけで。
ロシアさんよ~貿易航路に潜水艦なんて沈めるなよ。
本当馬鹿だな。
そもそも問題、年1席とかで潜水艦を輸出できる国がないのでは
カナダ国内生産とかさせたら生産基盤整備に5年以上かかると思うんですよね
ゲームと違ってお金出せば100%買えるわけでもないし
最終的にオーカス級数隻というオチになるのでは?
うーむ
極東有事考えたら北米大陸にこそ造船能力置いて、そっから船支援してもらいたいですけどねぇ
国内で損耗補填する為の建造してたらミサイル飛んで来そうで