カナダ軍は2025年5月「今後6ヶ月以内に多連装ロケットシステム調達に関する決定が下される見込み」と明かしていたが、カナダ政府は2026年1月に締結したHIMARS調達契約を公表してこなかった。そして6月2日「米国とHIMARS調達契約を締結した」と正式に発表した。
参考:Canada confirms purchase of 26 HIMARS rocket launchers from U.S. government
参考:Pentagon procurement post reveals Canada quietly locked into HIMARS deal
参考:Government of Canada acquiring long-range missile capability for the Canadian Armed Forces
結果論から言えば発表を5ヶ月間遅らせたHIMARS調達の気まずさは何とも言えないものがある
カナダメディア=Ottawa Citizenは2025年3月「韓国代表団がオタワを訪問し、自走砲、練習機、多連装ロケットシステム、潜水艦といった武器システムを提案した」「この提案は安全なサプライチェーンに加え『カナダ産業界にも大きな利益をもたらす』という約束も含まれている」「韓国製システムは全ての技術にアクセス可能で整備拠点も国内に設置される」と報じ、カーニー首相も昨年の選挙期間中の公約として新型潜水艦、大型砕氷船、無人航空機、水中無人機、カナダ製の空中早期警戒機、自走砲、地上配備型防空システムの取得に言及。
さらにOttawa Citizenは2025年5月「トランプ政権の脅威にも関わらずカナダ軍はHIMARS購入を希望している」「匿名の関係者は『カナダ軍上層部は米国の脅威とリスクを軽視している』と述べた」と報じ、カナダ軍はFuture Artillery 2025で長距離精密攻撃の要件について「今後6ヶ月以内に多連装ロケットシステム調達に関する決定が下される見込み」と明かし、米国務省は2025年10月「カナダにHIMARS×26基と関連装備を推定17.5億ドルで売却する可能性を承認した」と、米国防総省は2026年5月1日「ロッキード・マーティンとオーストラリア、カナダ、エストニア、スウェーデン、台湾向けのHIMARS製造契約を締結した」と発表。
国防総省がロッキード・マーティンとカナダ向けを含むHIMARS製造契約を締結したということは「カナダが対外有償軍事援助(FMS)の契約に署名した」という意味になり、国営放送のCBCは2026年5月「自由党政権はHIMARS購入について正式な声明を発表していない」「正式な契約は2026年1月に締結されたとみられるにもかかわらずだ」「カーニー首相がHIMARS購入を公表しないのは『再び米国製装備品を購入する』という政治的な見世物を避けたかったからだろう」と報じていたが、カナダ国防省は6月2日「長距離ミサイル能力を取得するためHIMARS調達契約を締結した」と正式に発表した。

出典:Government of Canada
“カナダ政府は本日、2026年1月に米国とHIMARS×26基、予備運用弾薬、予備部品、訓練、および支援サービス取得に関する政府間協定を締結したと発表した。納入は2029年に開始される予定でHIMARS取得にかかる総費用(プロジェクト管理費用、インフラ整備費用、契約費用、予備費を含む)は26億加ドルと見積もられている。長距離ミサイル能力の取得にあたっては厳格な評価プロセスを経て『HIMARSが運用上および技術的な要件を最も満たす唯一のソリューションだ』と特定された”
カナダは産業技術利益(ITB)政策に基づき「海外製防衛装備品の取引」には契約額と同等=100%のオフセット取引が義務付けられており、今回の発表の中でも「長距離ミサイル能力取得にはITB政策が適用される」「この政策に基づきロッキード・マーティンは対外有償軍事援助(FMS)に関連する活動の価値と同額の事業活動および投資をカナダ経済に対して行うことが義務付けられている」と言及しており、どういった内容のオフセットになるかは不明だが、HIMARSへの投資は直接的もしくは間接的にカナダ経済へ還元される見込みだ。

出典:Photo by Lance Cpl. Nicholas Guevara
メラニー・ジョリー産業相は「カナダはロッキード・マーティンに対してカナダ産業基盤を強化し、カナダ企業をグローバルサプライチェーンに統合するカナダ経済への直接投資を求めるだろう」と、ロッキード・マーティンも「カナダの産業能力向上を支援することに尽力している」「この産業計画に基づく投資はカナダの中小企業の成長を促進し、カナダの航空宇宙・防衛産業に最先端技術をもたらすだろう」と言及。
CBCも「今後10年間にわたりロッキード・マーティンはカナダの中小企業、研究機関、先住民パートナー(ITB政策で先住民向けの人材育成・投資に最大10倍のクレジットを与えている)に対して投資を行う」「この投資には先進的なヘリコプター向け電気光学機器、クリーンエネルギーに関するデュアルユース技術、自己完結型UAV製造システム、北極圏を対象とした防衛・商業インフラなどが含まれる可能性がある」と報じている。

出典:Mark Carney
ちなみに米国は対イラン戦で武器備蓄を消耗したため、英国、ポーランド、リトアニア、エストニアを含む欧州の同盟国に「契約済みの武器納入が遅れる可能性が高い」と通知し、この納入遅延はHIMARS向け弾薬にも影響を及ぼしており、これは固体燃料ロケットモーターと誘導装置の電子部品供給量が精密誘導兵器を生産する上での共通したボトルネックになっているためだ。
カーニー首相は繰り返し「米防衛企業への支払いを削減する」と言及していたため、政治的にHIMARS調達発表について相当気を使ったのかもしれないが、結果論から言えば発表を5ヶ月間遅らせたことでHIMARS向け弾薬の納入遅延=広範囲に及ぶFMS契約の納入遅延問題が表面化してしまい、こうしたタイミングの重なりが結果として発表の政治的・運用的な気まずさを際立たせ、Breaking DefenseもFMS契約の納入遅延問題について最近「納入優先枠を巡る同盟国やパートナー国の椅子取りゲーム」「誰が列の先頭に移動させられ、誰が待っていた列の順番を失うことになるのだろうか?」と報じている。
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Marine Corps photo by Lance Cpl. William Chockey





















カナダとしても、本気で米国と戦うわけにはいかないもんな
1月はベネズエラ侵攻からのトランプ大統領の発言で荒れてたし、時間をおいたのも仕方ない
トランプ政権の支持率も下がって米とイスラエルの蜜月も崩れだしてる今が、適切なタイミングなんだろうね
カナダは行列の最後尾に並ばされるのにHIMARSにしたのか
最初の1セットを受領するのは5年後だろうな
つまりあれだけ騒いでも陸軍の危機感は低いって事か
いやむしろ、何等かを差し出さなければならない犠牲のうち、一番マシなものがHIMARSの納期だったんじゃないですかね。
なんですかその、噂されると恥ずかしいし…みたいな対応
カナダ政府の乙女心の発露かなんかですか?
割り込み常習犯の大阪のオバチャン(イスラエル)が最優先だからな。後はもう平行してEURO PULSか韓国のやつを導入するしかないな。
イスラエルはHIMARS使ってないから関係ないじゃん・・・何書いてんだ俺は
豊洲移転みたいなもんか