カナダのジョリー産業相は18日「政府はグリペンE取得についてSaabと交渉中だ」「彼らは1万人分の雇用をもたらすと約束している」「装備調達を活用すればより多くのものが得られると考えている」と述べ、政府高官がF-35契約見直しに関連して「Saabと交渉している」と認めたのは今回が初めてだ。
参考:Saab offering 10,000 jobs, Joly says, as Canada’s F-35 review drags on
Lockheed Martinは積極的に新たな提案を行うのか、それともトランプ政権の二ヶ国間交渉に任せて状況を静観するのかに注目が集まる
カナダと米国の2ヶ国間関係はトランプ政権のカナダ併合発言や関税問題の影響を受けて大幅に悪化し、New York Times、Defense News、War Zoneなどは「トランプ大統領の併合発言に執着するのではなく取引に集中すべきだ」「どうせトランプ大統領が脅しをかけてきたとしても冗談半分なのだから」「オタワとワシントンの関係がどうであれ装備品調達から米国製を排除するのは懸命ではない」と訴え、F-35A契約の維持や早期警戒機入札へのボーイング参加について楽観視していた。

出典:The White House
しかし、カーニー首相は「防衛と安全保障上の優先事項」に関する演説の中で「米国の優位性は過去のもの」「現在の米国は覇権的地位を金銭獲得のため利用している」「安全保障分野への追加投資は国内産業を強化して米防衛産業への支払いを少なくすること」「カナダは欧州再軍備計画に参加する」と発言、カナダと米国の関税交渉も行き詰まっており、米メディアは「防衛産業がカナダ市場へのアクセスを本当に失うかもしれない」と危惧している。
カナダ国防省はF-35A導入見直し作業について「2025年夏までに完了する予定だ」と回答していたが、この問題は軍事的合理性ではなく2ヶ国間関係の行方に大きく左右されるため、未だに見直し作業の結果は発表されておらず、ベック国防副大臣は10月「我々は公僕なので事実を提示し決定が下される」「我々は選挙で選出された指導者から新たな指示を受け取るまで既存の取り決めに従って契約を維持する」と言及。

出典:U.S. Air Force photo by Staff Sgt. Andrew Lee
War Zoneは「ベック氏が言及したのは契約済みのF-35Aに関するもので、重要なのはカーニー政権が依然として16機以降の戦闘機調達に選択肢を残している点だ」「そのため88機購入は保証されていないと改めて確認された」「現状のところカナダと米国の関係は低迷し続けている」「これはトランプ大統領がカナダに課した35%の関税、これにカナダが報復措置として米国に関税を課したのが原因だ」と指摘。
ジョリー産業相は現地メディアの取材に「戦闘機契約の判断は首相に委ねられているが、(産業大臣の立場から言えば)契約を維持するならLockheed Martinに追加の経済的見返りを要求すべきだ」「それに応じないなら調達数を削減してグリペンEを第2の戦闘機として取得するかもしれない」と言及していたが、スウェーデン代表団がカナダを訪問して大規模な売り込みを開始し、ジョリー産業相も18日「我々はグリペンの取得を検討中だ」と発表して注目を集めている。

出典:SAAB
ジョリー産業相は「政府はグリペンE取得についてSaabと交渉中だ」「グリペンEを導入すれば戦闘機の組み立て作業で1万人分の雇用を航空宇宙産業にもたらすと約束している」「我々は装備調達を活用すればより多くのものが得られると考えている」「だからこそグリペンE取得を真剣に検討している」と発言し、カナダ国営放送のCBCも「ジョリー産業相は『F-35契約は国内に十分な数の雇用をもたらさない』『国民はより良い条件での取引を期待している』と述べ、戦闘機調達の将来を巡ってLockheed MartinとSaabを対立状態に置いた」と報じた。
カナダは「F-35Aを88機調達する」と表明したものの、Lockheed Martinとは16機分の契約しか交わしていないため「残り72機の調達については法的な義務も保証も発生していない」というのは事実だが、一度動き出した調達の条件変更、実質的な再競争を要求するのは異例だ。
勿論、これはトランプ政権に対する交渉戦術の一貫だが、政府高官が「Saabと交渉している」と認めたのは今回が初めてで、Lockheed Martinは積極的に新たな提案を行うのか、それともトランプ政権の二ヶ国間交渉に任せて状況を静観するのかに注目が集まる。
関連記事:カナダ産業相がF-35契約維持に追加利益を要求、駄目ならグリペンE調達を示唆
関連記事:カナダのF-35A導入見直し、結果を左右するのは軍事的合理性ではない
関連記事:カナダのF-35A導入計画の見直し、国防当局者は契約の維持を強く主張
関連記事:カナダは米防衛産業と距離を置くと明言、F-35A購入見直しも夏までに完了
関連記事:カナダ首相が年度内の2.0%達成を発表、米防衛産業への支払い削減を目指す
関連記事:カナダが防衛と安全保障上の優先事項をまもなく発表、踏み込んだ内容になる
関連記事:SaabがGlobalEyeをカナダに提案、米メディアはBoeingを排除するなと主張
関連記事:カナダ陸軍の近代化、多連装ロケットシステム、自走砲、迫撃砲に大規模投資
関連記事:米大統領が再びカナダ併合に言及、カナダは主権を守ると強く反発
関連記事:カナダは欧州再軍備計画に参加、米大統領は51番目の州になるよう呼びかけ
関連記事:米国との統合に否定的なカナダ、利益が見込めればGolden Domeに協力
関連記事:トランプ大統領がGolden Domeの概要を発表、任期満了前までに完全稼働
関連記事:カナダは売り物ではない、米防衛産業界は不透明な米加関係の先行きを心配
関連記事:選挙で勝利したカーニー自由党党首、カナダと米国との古い関係は終わった
関連記事:カナダが対米関係を根本的に見直し、米国は信頼できるパートナーでない
※アイキャッチ画像の出典:SAAB





















グリペンの航続距離で、カナダの国土を守り切れるか?
空中給油機使えば良いじゃないですか?
まあ、たくさん分散配置しないといけないのはありますけど、アメリカと軍事対立しない前提なら置くところも絞れませんかね?
仮に西端のバンクーバー島の基地から増槽飛び立ったとして、フェリー航続距離がF-2と同じくらいの約4000kmなので、カナダ東端手前で落ちますね。
でけえなカナダ
そんなにあちこち売り込んでちゃんとデリバリーできるの?サーブだけに(審議中)
選定はカナダの好きにすればいいんだけど、雇用や反トランプ優先した結果、オーストラリアの潜水艦みたくならなきゃええがの。
まるでカナダの潜水艦は問題が無いような言い方ですねw。
色々とありまして、最終的にGCAPになりました‥とか?繋ぎの戦闘機が必要になりそう。
そもそもF-35にしてもそれ以外の米国製兵器にしても、結局は金を払った分だけアメリカとの関係、庇護が強まる性質のもの。
実際にいざ戦いになり、弾道ミサイルに核攻撃をされたらカナダがグリペンを1000機持ってようがどうにもならない。
トランプは実利ではなく一方的に要求してそれを叶えたいだけなので、先手を打って彼のパフォーマンスに付き合った方が安上がりな気がする。どう頑張っても30年以内には命尽きてるわけですし。
「アメリカの代わりはいない」、これを前提に交渉するイギリスやアジア、オセアニアと、理想や目先の富を夢見る欧州カナダ、どうなるんだろう。
その庇護があてにならないからアメリカ兵器離れが進んでいるわけで…
トランプがいなくなったら元に戻ると言われても一度失った信頼は取りもどせないかと
そりゃぁ、ヤクブツをアメリカに流すの止めろっていうアメリカ側の要望を、(ヤクブツ使用の自由を尊重する)カナダが(自分たちが進歩的だと主張しながら)断って、こじれた結果なんだから
自分から喧嘩を売っておいて、庇護も何も…
まるでトランプ政権の報道官のような忠実っぷりですな
真面目な話、自国がヤクブツに汚染されて喜ぶ国なんて普通はないでしょう?
日本が同じ立場でも強硬に抗議すると思いますよ?
それとヤクブツの自由推推進派なのですか?
現状どうなっているのかは存じませんが、北米航空宇宙防衛司令部 (NORAD)やファイブ・アイズに関して見直さなければいけない状態にまで政治状況が進んでいるのでしたら残り全機をグリペンも有なのでしょうが、
財政的に2機種運用が無理という事が前提では有りますが、例えばF-35AはもうⅠ飛行隊分だけ購入して残りは国内産業の雇用確保でグリペンEとか2機種体制しかないのかなと思いますが、安全保障は考慮しない1ミリオタとしては2機種体制を願望。
Saabはいっつも相見積もりとか鞘当てに使われてる気がする
トランプが嫌でF-35諦めたのに、代わりが性能以前にエンジンが結局米製のグリペンってさぁ…
せめてラファールかタイフーン選ぶべきでは?
EJ200に載せ替えてとかやれそう。
グリペンよりは航続距離のあるのに候補にも上がらないユーロファイターの立場はいったい…
運用コストの高さのわりに性能的に大丈夫かな、と思える部分もある機体だし
なにより政治的な自由を求めてFー35やめたのに、
アメリカと同じかそれ以上にすぐケチをつけて輸出規制かましてくるドイツのことを考えるとユーロファイターは…
他国を無差別爆撃したり、他国への侵攻に使わない約束で改修した戦車でシリア侵攻するような国に輸出規制かますのは当然では…?
なおイスラエル
それなら、ユーロファイター開発に携わった他の3か国は普通ではないという事なのですか?
サウジでもトルコでも、「ドイツ」が障害になってましたよね?
しかもだめだと言い続けるならともかく、結局解除してる
自分の都合もしくは気分次第で凍結や解除してるようにしか見えませんよ
自動車でもスポーツでも自分たちの都合の良いようにルールを変える、変えさせようとする国が戦闘機でも同じことをしている、というだけのことです
そんな国をの製品を購入するのは、普通は躊躇します
FA18C/Dが80機くらいの小規模空軍だから価格や維持費が高いんじゃないの