カナダのカーニー首相は19日「我々は主権に対する米国の脅威に備えなければならない」「米国は我々の国を狙っているのだ」と述べ、選挙公約の中で新型潜水艦、大型砕氷船、無人航空機、水中無人機、国産空中早期警戒機、自走砲、地上配備型防空システムへの投資を約束した。
参考:South Korea wants to sell submarines to Canada as relations sour with U.S.
参考:Canadian Forces pushing for sole source deal for U.S. weapons as Trump continues attacks on Canada
参考:Liberal Party of Canada
参考:Mark Carney unveils a plan to Trump-proof Canada
選挙で自由党が勝利すれば韓国は大きなビジネスチャンスを手にするかもしれない。
カナダはウクライナを支援するため保有するM777を4門提供し、当時の韓国メディアは「カナダがK9を緊急調達(16輌~18輌)できないか打診してきた」「導入に向けた協議が行われている」と報じていたが、カナダメディア=Ottawa Citizenは3月「韓国代表団がオワタを訪問し、自走砲、練習機、多連装ロケットシステム、潜水艦といった武器システムを提案した」「この提案は安全なサプライチェーンに加え『カナダ産業界にも大きな利益をもたらす』という約束も含まれている」「韓国製システムは全ての技術にアクセス可能で整備拠点も国内に設置される」と報じ、カーニー首相も選挙公約の中で自走砲調達に言及した。

出典:Mark Carney
カーニー首相は19日「我々は主権に対する米国の脅威に備えなければならない。米国は我々の土地、資源、水、そして我々の国を狙っているのだ。彼らは我々を支配するためカナダを壊そうとしている。そうさせないためには現実を認識し、もっと努力する必要が、この新たな現実に対応した計画が必要だ」「自由党が政権を獲得すれば2030年までに(GDPに占める国防支出の割合)2%を達成する」と述べ、これは「前政権が約束した目標=2032年を2年前倒す」という意味だ。
さらに選挙公約の中で「沿岸線の監視と北極圏の安全保障能力を拡張するため新型潜水艦や大型砕氷船を取得し、無人航空機や水中無人機の数を拡充し、カナダ製の空中早期警戒機を購入する」「さらに新型自走砲や地上配備型防空システムなどにも投資してカナダ軍の能力を強化する」と言及、Politicoは「自走砲や地上配備型防空システムの取得は国内配備と欧州展開を目的にしたもの」と述べており、このニーズを見越してHanwha Aerospaceは売り込みに動いていたのだろう。

出典:Ministerstwo Obrony Narodowej
因みにOttawa Citizenは「トランプ政権の脅威にも関わらずカナダ軍はHIMARS購入を希望している」「匿名の関係者は『カナダ軍上層部は米国の脅威とリスクを軽視している』と述べた」とも報じており、韓国代表団はHIMARSの代替システムとしてChunmooを提案した可能性が高く、カーニー首相は「米国が信頼できるパートナーでないのは明らかで安全保障や貿易関係を大幅に見直す」と主張しているため、選挙で自由党が勝利すれば韓国は大きなビジネスチャンスを手にするかもしれない。
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※アイキャッチ画像の出典:Hanwha Aerospace
カナダ軍は、どちらかと言えば、外征型軍隊でしょう。
展開を容易にするために、砲兵装備は軽い方が良いのでは。
砲弾が進歩すれば、あまり口径長には拘らなくなるかも、ですが。
現時点では、52口径長が必要でしょうか。
であれば、装軌式より装輪式の方が良いのでは。カエサルみたいな。
ただし、カエサルは調達に時間がかかりそうですから、ウクライナの
ボフダナにしてみては。52口径長だし、装輪式だし。車台は選べそうだし。
現在、月産40輌に達した?、とどこかで読みました。
今回のロジックからいうのならば、アメリカの脅威から守るのだから防衛のための戦力を導入するという形になるのではないでしょうか。そうすると装軌車両のほうが向いていると私は考えますね。
政治的要求の前には軍事的整合は無視されるのが常でしょうし。
北米の政治事情には、首を突っ込まない方が良いのでしょうね。
当事者達がどう思っているかは置いておいても、
米国は北米大陸を強固に握りしめようとするでしょうし。
グリーンランドを寄越せ、とかカナダを米国に組入れろ、
などは、19世紀頃から言っていたと思いますし。
そうすると、韓国は危ない橋を渡ろうとしているのかな。
米国からの信用は、まあ、無い?だろうし。
日本も同じ事(アメリカの州になれ)言われたらそうなるのかな?敵国認定するポーズ位はするのだろうか。スマホは割と浸透したけど車はさっぱりな韓国製の武器を買う??色々と妄想が膨らみますねえ。
>アメリカの州になれ
500%ないです。州になったら、有権者の1/4、GDPの1/7を握る巨大州が爆誕。大統領候補は東京を目指し、関税なくなった日本車ほか工業製品は輸出しまくり(輸出と言わないか)になりますぜ。さらには防衛義務も直接的に発生しますからアメリカが対中国・ロシアとの前線にタッチしなければならない…
政治的権限薄い自治領とか、準州のようなことでも通貨統合さえ獲得してしまえば全米の工業的覇権は握れるでしょうしね
>車はさっぱり(世界シェア3位)
韓国から買うような兵器はないな
正直な話、カナダの場合は(マの付く薬の件も含め)自分から喧嘩売ってた、売ってるよね?としか…
今のアメリカとの関係はある意味自業自得な面が強いし
そんな中で、今にもアメリカと戦争になりそうな感じを演出とか、ヒートアップしすぎじゃない?
軍備にも予算を回すこと自体は否定しないけど、ちょっと何だかなぁ…
あと欧州展開を云々っていうけど、カナダは自力で全部それを輸送できるの?
選挙前のプロレスと思っていましたが、お薬の件を含めて、本当はどうなのでしょうね。
大麻は合法化して、資金流入により大量生産、価格暴落により需要喚起、乱用だけ残っているようにも見えます…
アメリカのウクライナ支援も、ばら積み船みたいなのに突っ込んで、そのまま運んでいる映像を見かけた記憶があります。
カナダも、それくらいゆるく運ぶつもりかもしれませんが、危険な地域であれば直接運ぶ能力はなさそうですよね…
(2024年8月14日 カナダ「大麻合法化」の失敗に日本が学ぶべき教訓 newsweek)
西側国で、内心、米国に不信感を持つ国は珍しくもありませんが、仮想敵国とまで言い切ったのは珍しすぎる。
経緯が経緯で割と何度もドンパチしている国だからね>カナダとアメリカ
これは不謹慎ながら面白くなってきました。
今エキサイトしてるのはカナダの方です。
財政とか米国以上に問題だらけなので、嫌味で言われたと解釈しても良いのですが、カナダ側はガチで受け止めている。
何故ここまでエキサイトするのか、理由が知りたいですね。
何かありそうなので楽しみです。
カナダは、中華系の反日博物館が話題になりましたが、中華系議員・中国人移民など中国の浸透も有名ですね。
首都オタワ・トレント・モントリオール・ウィニペク・ハミルトンなど、主要都市はアメリカ国境付近ですから、アメリカとどこまで揉める気なのかなあと。
月末に、カナダ総選挙ですからプロレスやってるだけなのか、来月頭以降くらいまで見る必要がありそうですね。
メキシコは逆に、大統領が明らかに有能でトランプ大統領と上手くコミュニケーションしてますから、それなりに上手くやっているように見えます。
「トランプからカナダ守らないとヤバいわー。めっちゃヤバいわー」というプロレスじゃないなら、単純に時勢に乗った軍拡なんよな。
アメリカ抜きなら欧州からNATO軍が来るまで単独で戦わなきゃならんし。
アメリカが相手で、アメリカ無しのnatoなんて北米に上陸すら出来ないよ。
退潮が明らかとはいえアメリカはカナダなど比べ物にならないほどの大国であり、かつ軍事費として対GDP比3%台の支出を続けている軍事国家だ
米軍が世界中に展開して分散していることを差っ引いてもカナダが軍事費を対GDP比2%に引き上げたところで焼け石に水にもならないだろうに、どこまで本気なのだろうか