北米/南米関連

E-3がベネズエラ沖に展開、トランプ大統領もベネズエラへの直接攻撃を示唆

米国はベネズエラに対する軍事的圧力を高め続けており、19日にE-3がベネズエラ沖で飛行を開始、22日にEC-130Hがプエルトリコに、23日にMC-130JとCV-22Bがトリニダード・トバゴに展開し、トランプ大統領も29日「米軍がベネズエラを直接攻撃した」と示唆した。

参考:Trump Doubles Down On Claim U.S. Attacked Inside Venezuela (Updated)
参考:CV-22B Osprey, MC-130J Commando II Special Ops Aircraft Deploy To Puerto Rico
参考:EC-130H Compass Call Electronic Warfare Plane Joins Growing U.S. Force In Caribbean
参考:E-3 Sentry Joins U.S. Combat Aircraft Tracked Off Venezuelan Coast

新年が新たな軍事衝突で幕を開ける事態は避けて欲しい

米国とベネズエラのマドゥロ大統領退陣に関する外交交渉がどのように決着するのかは不明だが、カリブ海に動員された艦艇戦力(フォード級空母1隻、ワスプ級強襲揚陸艦1隻、サン・アントニオ級揚陸艦2隻、タイコンデロガ級巡洋艦2隻、アーレイ・バーク級駆逐艦5隻、攻撃型原潜1隻、特殊戦支援艦1隻、潜水艦支援艦1隻、病院船1隻、補給艦2隻)は交代をしながら現在もほぼ維持されている。

出典:U.S. Navy photo

今月10日には2機のF/A-18Eがベネズエラ湾上空で偵察飛行を、EA-18Gがベネズエラ湾の外で周回飛行を実施、MQ-4Cも初めてカリブ海を飛行、米空軍のKC-135(推定6機)がドミニカ共和国に展開して空中給油任務に参加、プエルトリコの旧ルーズベルト・ロードス基地に空軍のF-35A、HC-130J、HH-60W、海軍のEA-18Gが展開。

さらに空母フォードを中心とした第12空母打撃群も寄港していた米領ヴァージン諸島を13日に出港し、現在はプエルトリコから南西約600kmの位置に移動、トリニダード・トバゴ政府も15日「米軍に国内空港へのアクセスを許可する」「物資の補給や日常的な人員の交代といった物流目的のアクセス」と発表した。

出典:管理人作成

トリニダード・トバゴには先月の演習後に参加した第22海兵遠征部隊の一部が残留し、トバゴ島のロビンソン国際空港にも新たなレーダーシステム(AN/TPS-80)を設置、この措置も「周辺海域の犯罪対策に使用される」と説明し「ベネズエラに対する作戦とは無関係だ」と主張しているものの、この説明を信じているものはほぼいない。

19日にはE-3がベネズエラ沖で飛行を開始、22日にはプエルトリコにEC-130Hが、23日にはトリニダード・トバゴにMC-130JとCV-22Bが展開し、トランプ大統領は29日「我々は全ての船を叩き、今度はあのエリア、つまり実施エリアを叩いた。あそこは彼らが(計画を)実行に移す場所だ。あそこはもう存在しない」と発言、ベネズエラのスリア州サン・フランシスコにある化学薬品工場が爆発して「米軍の攻撃」もしくは「米工作員による破壊工作」に結びつける情報が飛び交っている。

トランプ大統領の発言が「サン・フランシスコにある化学薬品工場爆発」と関連があるのかは不明なものの、多くのメディアは「この化学薬品工場が麻薬製造に関連していた施設だ」と指摘しており、War Zoneは「この攻撃が事実ならマドゥロ大統領への軍事的圧力にとって重大なエスカレーションになるだろう」と指摘している。

米国は本当にベネズエラを何らかの形で直接攻撃するのだろうか?新年が新たな軍事衝突で幕を開ける事態は避けて欲しい。

関連記事:高まるカリブ海の軍事的緊張、米海軍の第12空母打撃群がベネズエラ沖に移動
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※アイキャッチ画像の出典:U.S. Air Force photo by Senior Airman Jessi Monte

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コメント

  • コメント (17)

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    • Kaeru
    • 2025年 12月 30日

    クリスマスと新年が終わるまではやらないだろうから1月2日あたりからぼちぼち始めるのかな

    7
    • 2025年 12月 30日

    空爆で降伏しなかったり、ベネズエラの反政府組織がクーデターを起こして政権転覆が達成されなければ無駄足になって、中国やロシアへの依存度が高くなるだけ。
    ガイアナに沖にあるアメリカ向けの重油生産施設も稼働できるか分からなくなるし、ロシアや中国との対立が深くなれば、アメリカ本土に核の刃が届くキューバ危機の再現すらあり得てしまう。

    13
      • 他人事では無い
      • 2025年 12月 30日

      ベネズエラ一国にこれだけの戦力が要るなら、極東にはどれだけ必要か想像も付かないな。

      13
    • V3
    • 2025年 12月 30日

    一番悪いのはアメリカであることは言うまでも無いのですが、
    話し合いによる対立の回避を怠ったベネズエラにも重大な責任があると思います。
    アメリカだけを非難すれば良いという問題ではないはずです。
    何故こんな悲しい事態に発展してしまったのか?
    我々人類全体がもっと真剣に考えないといけないのではないでしょうか・・・

    6
      • 幽霊
      • 2025年 12月 30日

      話し合いも何もアメリカ(トランプ)は要求を丸呑みしなきゃ対話を受け付けないのでは?

      28
        • 反革命分子
        • 2025年 12月 30日

        結果から逆算して対話不足を責めるのはいささか酷かと。物理的な強制力がないから対話の結果如何を問わず武力行使は可能(例えば要求丸呑みでも許さず攻撃、だってできる)だし、逆説的に対話を尽くした結果解決しなかったので武力が行使されるものだと思いますので・・・

        8
      • Kaeru
      • 2025年 12月 30日

      こういう「対話信仰」ってなんなんだろうなぁ
      対話で常に争いを回避できるって思い込みって性善説過ぎるよ

      56
      • バーナーキング
      • 2025年 12月 30日

      ベネズエラ側の問題は「米との話し合いがどうこう」よりまず「国内の政情をどうにかせーや」でしょう。

      12
      • 2025年 12月 30日

      話し合いも何もアメリカが自国では採掘できないベネズエラの重油目当てで、シリアでの油田地帯の不法占拠もそうだけど、トランプがロシアに対して融和的なのもロシアに対する制裁で満足な量の重油が輸入できなくなってしまったから。

      だからその不足分の重油をベネズエラから奪わないといけないし、ベネズエラから中国への重油の輸出も止めないと、中国が力をつけてしまうから、今回の攻撃に至ってる。

      でも最近の発言を見る限りでは隣国のコロンビアやブラジルはアメリカに対して協力はしないだろうし、ガイアナはアメリカと協力関係にあるけど、政権転覆に至らなかった場合に領土問題を抱えてるベネズエラの恨みを買って戦争になってしまえば負けてしまうのは確実でそれだけは避けたいからアメリカ軍は駐屯できない。

      だから空爆からの反体制派の政権転覆が実現しなければベネズエラが更に中露に接近してしまう悪手。

      11
        • 匿名11号
        • 2025年 12月 31日

        アメリカが現在重油不足、あるいは近々に逼迫を見込んでいるという前提がないと成立しない主張ですが、原油がだぶつき価格安定という世界線で、そこまで軍事介入に対するインセンティブが働きますかねえ。

        9
    • ヒュー
    • 2025年 12月 30日

    ベネズエラには大量破壊兵器があるらしいし油田では野鳥が油まみれになって可哀想らしい。

    11
      • 良い世、来いよ!
      • 2025年 12月 31日

      あっ、これ湾岸戦争でやったところだ!

      6
        • イーロンマスク
        • 2025年 12月 31日

        成績上がって部活で活躍して彼女できるんですねわかります

        2
    • たむごん
    • 2025年 12月 30日

    原油価格には、ほとんど影響ないですね。

    ベネズエラが、国際市場から切り離されていたり。
    原油の生産在庫が、ダブついて、ほとんど影響がないということでしょう。

    台湾沖で中国軍が演習してる中、米軍の余力も気になりますから、穏便に終わって欲しいものですね。

    16
    • Mr.R
    • 2025年 12月 30日

    トランプ大統領さぁ……(ため息)年の瀬に変な事しないでくれよ……中国そっちもだぞ

    追記:コミケ帰りの電車からカキコ。この時代に酒缶片手のあんちゃんに絡まれるとはこの李白をもってしても読めなかった

    13
    • nachteule
    • 2025年 12月 30日

     アメリカの身勝手さもそうだがここまでアメリカ自体が戦端を開くポーズを取っているならアピール先はベネズエラに限らず世界でしょうね。
     ウクライナを追い詰めるダメ押しがある気がする平時のアメリカでなければ交渉ごとでウクライナに関わっている場合ではない。ウクライナ向けの新型低コスト巡航ミサイル「ERAM」もテストがてら使用しますとか有るかも知れない。

     優位でもない中ウクライナ国民の80%位が東部ドンバスからの撤退反対とか行く末を国民投票で決めるみたいな流れがある中で、ウクライナに影響が起きそうな事態が起きたなら新年早々どうなるんだろうか。

    7
    • マトウ
    • 2026年 1月 02日

    今ベネズエラに行けば米軍の無線が飛び交っていて、シギントし放題ってこと?

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