北米/南米関連

エンブラエルはC-130更新需要で絶好調、コロンビアとKC-390調達契約を締結

エンブラエルのC-390/KC-390はC-130更新需要を次々と獲得して運用国も10ヶ国以上に広がり、今年もアラブ首長国連邦(10機)とギリシャ(3機)から受注を獲得していたが、エンブラエルは4日「コロンビア空軍とKC-390調達契約を締結した」と発表した。

参考:Colombia Acquires the KC-390 Millennium to Modernize its Airlift and Aerial Refueling Capabilities
参考:Colombia buys 2 KC-390s from Embraer in $336 million deal
参考:Embraer and Anduril sign MoU to expand C-390 capabilities with palletized Barracuda-500M

A400MとC-390/KC-390は巡航ミサイルや自爆型無人機の空中発射能力でも競う格好

中型軍用輸送機のシェア(1,500機前後)はC-130が独占しているものの平均機齢は30年を超えており、アフガニスタン撤退やウクライナ侵攻を経験した欧州諸国は「旧式輸送機によるロジスティクスシステムが時代遅れになっている」と再認識し、多くの国で始まった中型軍用輸送機の更新で主役に躍り出ているのはC-130Jではなく、ブラジル空軍(19機)、ポルトガル空軍(6機)、ハンガリー空軍(2機)が採用しているエンブラエル製のC-390/KC-390だ。

2022年以降にオランダ空軍×5機、スウェーデン空軍×4機、オーストリア空軍×4機、チェコ空軍×2機、ウズベキスタン空軍×2機、韓国空軍×3機、アラブ首長国連邦空軍×10機(オプション行使で追加10機)で採用が確定、リトアニア空軍(3機)、スロバキア空軍(3機)、ギリシャ空軍(3機)も調達を表明して正式発注に向けた交渉を続けており、米空軍、インド空軍、コロンビア空軍への売り込みも行われていたが、エンブラエルは4日「コロンビア空軍と2機のKC-390調達契約を締結した」と発表した。

コロンビアでは6月に搭乗員11名と陸軍兵士125名が乗ったC-130が墜落して66人が死亡し、ペトロ大統領はC-130が墜落して多くの命が失われたことについて「官僚的な問題が空軍近代化計画を妨げている」「これ以上の遅延は許さない」「若者たちの命がかかっているのだ」と述べ、今回契約したKC-390はコロンビア空軍が保有するC-130B/H(墜落で1機失われたため残存は8機)の後継機になる見込みで、資金調達が順調ならKC-390を追加調達する可能性が高い。

ちなみにエアバスは輸送機に対する将来ニーズを見越し、今年4月にA400M mothership variant(輸送機を貨物室からのパレット化投下方式による巡航ミサイルや自爆型無人機の空中発射能力)の開発を開始し、エアバスは「タウルスサイズの巡航ミサイルなら最大12発、中型ドローンなら最大50機を運搬・発射できる」と述べている。

エンブラエルも今年7月のファーンボロー国際航空ショーで「アンドゥリルのパレット発射式スタンドオフ巡航ミサイル=バラクーダ-500M(B-500M)をC-390に統合することで合意した」と発表し、A400MとC-390/KC-390は巡航ミサイルや自爆型無人機の空中発射能力でも競う格好になった。

出典:Embraer

軍用輸送機に求められる役割は今後拡大していく可能性が高く、人員・物資の輸送や空中投下、空中給油能力、不整地離着陸能力、短距離離着陸能力、捜索救助、人道支援などに加えてパレット化投下にも対応し、巡航ミサイルやドローンのラインナップも充実させなければ輸送機市場での優位性が守れなくなるのかもしれない。

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※アイキャッチ画像の出典:Embraer

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コメント

  • コメント (12)

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    • sundaycameraman
    • 2026年 8月 05日

    永いこと新しい記事がなくご無沙汰でしたね。お久しぶりです。
    今後ともよろしくお願いします。

    58
      • 2026年 8月 06日

      おかえりなさいませ。

    • 匿名さん
    • 2026年 8月 05日

    心配していました。
    陰ながら応援しています!

    32
    • 無印
    • 2026年 8月 05日

    C-130に125人は乗せすぎでは…

    C-390でも定員オーバーでしょう

    7
    • p-tra
    • 2026年 8月 05日

    輸送機からミサイルって本当に使い所があるんすかね。
    少なくとも実証されたことはないし、商品価値を上げるための
    架空の機能という感じがします。
    墜落自体はC-130が原因ではないし、旧式輸送機が飛ばせないのに
    最新機なら違うのだという理屈には納得しがたいが。

    5
      • はらへり
      • 2026年 8月 05日

      撃たれる側として考えると
      出撃の監視と警戒がしやすい爆撃機やキンジャール母機のMiG-31Kみたいな専用機ではなく
      普段は輸送任務で年中飛び回っていて、鈍足なターボプロップ機ではなく、空中にいるとジェット旅客機と速度がかわらず見分けづらいM0.8クラスのジェット輸送機がミサイルを撃ってくるってなかなか面倒な相手だとおもうんすよね

    • YF
    • 2026年 8月 05日

    日本もC-130の後継機をどうするかってのがありますからね。当然C-390は候補に入ってると思いますが何を選択するのか楽しみですね。
    ドローン・巡航ミサイル母機については日本で独自にカスタマイズ出来るC-2にやって欲しいです。

    4
    • 黒丸
    • 2026年 8月 05日

    C-2から投下される島嶼防衛用高速滑空弾Block2空発型を見てみたいです。

    1
    • イキスギィ
    • 2026年 8月 05日

    更新ありがとナス!
    嬉しすぎてもう気が狂う

    8
    • 123
    • 2026年 8月 06日

    良かった戻ってきてくれて。

    2
    • 58式素人
    • 2026年 8月 06日

    ”C-130の代替需要”
    日本のC-2にもおこぼれ(笑)の需要はないかしら(希望)。
    思うのですが、受注を目指すならば、狙いは米空軍(!!)のような気がします。
    ついで(笑)に、英空軍(!!)も。両空軍ともに遠征型軍隊だし。
    中小国空軍を狙っても、先方の需要と合っていないようにも思えます。
    F7エンジンは改良を進めつつ、外国メーカーにライセンス権を出しては?、などと思ったり。

    2
      • 匿名希望係
      • 2026年 8月 06日

      C-2狙うんなら英国連邦狙った方がましなのでは?

      1

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