北米/南米関連

カナダ、ウクライナに榴弾砲M777×4門とエクスカリバー砲弾を提供

カナダのCBCは「ウクライナにM777×4門に加え、高い命中精度を誇るGPS誘導のエクスカリバー砲弾を提供した」と報じて注目を集めている。

参考:Canada sends four pieces of field artillery to Ukraine as country braces for renewed Russian attack

CBCは「カナダがウクライナに提供する砲弾の中にはGPS誘導砲弾=エクスカリバー砲弾が含まれる」と報じている

トルドー首相は19日、訪問先のニュー・ブランズウィックで「ウクライナ人は英雄的に戦っている。彼らはウクライナの為だけではなく自由と民主主義を守るためにも戦っており、カナダはウクライナに重砲を送る」と発表していたが、現地のCBCは「陸軍が保有する榴弾砲M777×4門と砲弾をウクライナに向けて出荷した」と報じている。

出典:Justin Trudeau / CC BY 3.0

ウクライナに計90門の155m榴弾砲を提供する米国と比較するとアレだが、カナダ陸軍はM777を37門しか保有していないため数が少ないのは致し方ない。ただCBCは「カナダがウクライナに提供する砲弾の中にはGPS誘導砲弾が含まれる」と報じており、これが事実なら「高価なエクスカリバー砲弾をウクライナに送った」という意味だ。

米レイセオンが開発したエクスカリバー砲弾には幾つかの種類があるので何を送ったのかは謎だが、砲弾1発あたり約6.8万ドル(約700万円/初期生産ロットの調達コストは20万ドル以上)もするエクスカリバー砲弾は40km~50km前後の射程距離と高い命中精度を備えており、M777以外にもフランスが提供を明かしたカエサル、オランダが提供を準備しているPzH2000でも使用できるためウクライナ軍にとって強力な武器になるだろう。

出典:U.S. Army photo by Capt. Joseph Legros

因みにカナダはウクライナに対戦車兵器「カール・グスタフ」を相当量送っていると言われており、商用車ベースの装甲車輌を大量に送る準備を進めているらしい。あとウクライナに提供したEO/IRセンサーの保守サービスも提供していると報じられている。

追記:カナダのアナンド国防相は22日「米国や同盟国と協力して多数のM777をウクライナに送っている」と述べているので、米国がウクライナに提供する榴弾砲もM777である可能性が高い。

関連記事:カナダ首相、民主主義を守るためウクライナに榴弾砲を提供すると発表

 

※アイキャッチ画像の出典:U.S. Army photograph by Sgt. Sean Harriman, 2nd BCT, 1st AD, Public Affairs

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

英国、ウクライナにT-72を提供したポーランドにチャレンジャー2を寄贈前のページ

ウクライナ軍はハルキウで失地奪還、ロシア軍はルハーンシクで攻勢次のページ

関連記事

  1. 北米/南米関連

    フランスによる横槍? ブラジル、空母「サン・パウロ」の売却プロセスを突然停止

    ブラジル国防省は退役した空母「サン・パウロ」をスクラップとして正式に売…

  2. 北米/南米関連

    F-16V導入計画が挫折したコロンビア空軍、イスラエル製のクフィルC10/C12運用を当面継続か

    コロンビア政府や空軍はイスラエルから導入した戦闘機「クフィルC10/C…

  3. 北米/南米関連

    英国から中古AWACSを取得したチリ空軍、E-3Dが本国に向けて飛行中

    チリ空軍は英空軍から退役したE-3Dを取得して乗組員やエンジニアのトレ…

  4. 北米/南米関連

    ベネズエラと軍事的緊張が高まるコロンビア、M1A2調達を米国に打診

    バイデン政権から非NATO主要同盟国に指定されたばかりのコロンビアがM…

  5. 北米/南米関連

    カナダ、トルコ製無人航空機に採用されているEO/IRセンサーの輸出禁止を発表

    カナダ政府は今月12日、トルコの無人航空機「バイラクタルTB2」に採用…

コメント

    • や、やめろー
    • 2022年 4月 23日

    GPS付きは強いな。弾薬をもっと送りたいところだが

    15
    • 無名のミリオタ
    • 2022年 4月 23日

    カナダは与野党共にウクライナ人コミュニティの票を重要視するレベルでウクライナ人が多い。
    (詳しくは内藤陽介氏動画参照)

    答え合わせかのように、ウクライナ情勢でカナダが動いてますね。
    (ウクライナ提唱のNATOに代わる集団安全保障にも、カナダは名を連ねるし)

    24
    • たかさん
    • 2022年 4月 23日

    なんか(質は勝るが兵力不足)VS(質は劣るが兵力満足)なんて物語みたいな戦いになりそうだな…開戦当時はロシアが質も量も勝ってたと思ってたけど

    15
      • 名無し
      • 2022年 4月 23日

      開戦当初は世界中が数日で首都陥落すると思っていた程に、敵が絶望的かつ圧倒的な状況を凌ぎったあたりからフィクションじみた展開になってますねぇ・・・
      もし開戦前にこんなシナリオのフィクションを作った人がいたら「こんなご都合主義すぎる逆転、現実には無理」とか言われてそう。

      35
        • 無無
        • 2022年 4月 23日

        陰謀、とまでは言わないけど、劣勢のウクライナ、被害者ウクライナを強調することで判官贔屓、ウクライナ支援をやり易い状況に持ち込むべく西側の情報操作もあっているでしょうね、
        つまりはこれこそシナリオにそった戦争
        ロシアのそれは自国民向け宣伝以上の効果を得られてないとこが稚拙

        8
        • ミリゲーマー
        • 2022年 4月 23日

        某フライトシューティングゲーでストーリー考証に参加した方が、大国が如何に全面戦争をするか無い頭を捻りまくって考えたのに、現実の理由がガバガバで頭が痛くなったと言ってたのを思い出した…

        16
          • shkk
          • 2022年 4月 23日

          開戦することはありえないっていう固定観念があったもんね
          経済的にも政治的にも全面戦争はリスクがデカすぎるから”ありえない”という

          実際はロシアは資源輸出大国で一党独裁で核兵器持ってて国民は従順で無関心、EUはロシアに依存してる国も多い等、戦争仕掛けても経済封鎖で国が終わる・クーデーターのリスクは無かったり
          今思えば条件次第では全面戦争やってもリスクのほうが大きいとは言えない状態だったんだなーって…

          6
        • 下僕
        • 2022年 4月 24日

        私も72時間でキエフは陥落、ゼレンスキー以下ウクライナ政府要人は殺害されるだろうと思ってました。あり得ない位の露軍のミサイルの命中精度の悪さのせいでウ軍空軍基地が健在だった事、その為と恐らく米英特殊部隊の助力によりキエフ近郊へ膠着した露空挺部隊が全滅した事が大きいです。中国の短中距離ミサイルも命中精度大した事無いかもしれないですね。わかりませんが。

        2
    • 無題
    • 2022年 4月 23日

    エクスカリバーって例のCEP4mなチート砲弾か

    7
      • アクアス
      • 2022年 4月 23日

      155mm榴弾の危害半径を考えたらCEPが4mってのはオーバースペックとも言えるよね。

      17
        • 浅見真規
        • 2022年 4月 24日

        攻撃目標が戦車とか歩兵戦闘車とか自走砲のように装甲があれば直撃せねば破壊できないので、CEPが4mでも1発では戦車に対する破壊確率は静止していても4分の1程度で、対砲レーダーで発砲地点割り出されて反撃される場合は数発撃って逃げねばならないので、オーバースペックではないと思います。

        1
    • NHG
    • 2022年 4月 23日

    日本も紛争地への兵器提供の法整備について話し合うぐらいしたらいいのに
    ウクライナには間に合わなくても台湾有事だとか朝鮮半島有事で必要になる公算は高いのに

    24
      • noname
      • 2022年 4月 23日

      戦争が年末まで続くとか、数年続くとか予想を聞きながら
      送るのに1か月かかる、訓練に時間がかかると検討すらしないのはおかしいと思う。
      せめて「みんなで検討したけど送れなかった」ぐらいにしてほしい。

      31
    • 匿名
    • 2022年 4月 23日

    加軍さん全部で6万で15榴砲兵2個大隊しかないの仕方ないがこんな弱小軍備でも政治的発言力が割りとありげなのウ軍援助で一層高まるの明らかで
    正面装備以外をどんだけ送っても露への配慮滲ませてるの見透かされるから結局火力装備の供与やるなら少量でいいから早い内にやんの大正解だろうね

    21
    • AAA
    • 2022年 4月 23日

    強力な兵器が送られるのが良いことだが
    一つ思ったのは誘導砲弾って使うの難しくないのかなということ
    普通の砲兵にどのくらい追加の訓練期間が必要なのか
    日本も導入するという話もあるし気になるね

    1
      • noname
      • 2022年 4月 23日

      GPSならモバイル型の端末で座標打ち込むだけと推測

      1
      •   
      • 2022年 4月 23日

      座標はGPSで出るんだから地図見ながら諸元入力するよりも楽かもよ

      4
      • zerotester
      • 2022年 4月 23日

      砲兵には数学や物理学の知識が必要だと言われますが、最近は弾道学とかできなくてもタブレットでポチポチやれば操作できてしまうのですかね

      3
        • けい2020
        • 2022年 4月 24日

        10式戦車は見本みたいなやつですね
        攻撃目標をポチッとすれば、対象を自動解析して弱点部分をピンポイントで狙ってくれるという
        しかもそれを回避機動とりながら命中させられるって、視界の開けてる平地では最適な気はする

        3
    • 58式素人
    • 2022年 4月 23日

    そろそろ、先の記事で元ロシア軍参謀大佐の方が言っていた、
    ”西側の中古戦闘機” のニュースも聞きたいものです。
    出来れば、マーベリックASMがたくさん積める機体が良いですね。
    射程も弾頭も大きいので、大方のロシア側の対空兵器の有効射程外から、
    ロシアのAFVを叩きのめすことができますから。

    5
      • zerotester
      • 2022年 4月 23日

      数機でいいのでF-117をもらえないかなと。退役しているけれどまだ飛んでるそうなので。
      S-300の破壊などSEAD任務に活躍すると思うんですよね。

      1
        • くらうん
        • 2022年 4月 23日

        もしウクライナの空で飛んだら胸熱だけど、現在のロシアの防空網にF-117のステルス性ってどれくらい有効なんでしょうね。
        いまだに正面RCSは第5世代機に近い性能とも聞きますが。
        飛行はしていても、機体表面のRAMはちゃんと維持されているのか。

        1
          • zerotester
          • 2022年 4月 24日

          塗装がデリケートで維持が大変なんでしたっけ。塗料がまだあればなんとかなりそうですが、技術的問題は他にもいろいろあるでしょうね。西側の飛行機を送るとしてもまずは扱いやすいF-16等が無難ではあるでしょう。

          1
      • A
      • 2022年 4月 25日

      ここはA-10とF-4Gで!

    • 名無志野
    • 2022年 4月 24日

    ロシア側のUAV+クラスノポールが猛威を振るっているようなので誘導砲弾はありがたいでしょうね
    日本はレーザー誘導orGPS誘導砲弾は採用しないのでしょうか

    • 浅見真規
    • 2022年 4月 24日

    1発あたり約6.8万ドルもするなら、使い古しのT-72破壊に数発必要とすると金銭的には赤字なる可能性が高いので、重要都市奪回作戦で停止している戦車・歩兵戦闘車・自走砲への攻撃の場合と、砲撃してきたロシアの自走砲を対砲レーダーで位置割り出して反撃する場合に限定すべきかもしれない。
    GPS使えても広大な麦畑の平原では、ドローンによる偵察では目印がないので経度・緯度算出困難だし動いていれば命中しにくいし。かといって、GPSでなく特殊部隊隊員が数百メートルに近寄ってレーザーで照準するくらいなら千メートルの距離でジャベリン発射の方が割が良いかもしれない。ジャベリンなら動いていても命中するみたいだし。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 米国関連

    本当に笑えない、米空母ジェラルド・R・フォードを苦しめるエレベーターの呪い
  2. 日本関連

    海外メディアも注目、横浜で護衛艦「いずも」の空母化工事が始まる
  3. 日本関連

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  4. インド太平洋関連

    日米からのオファーがない? 韓国空軍、日本のF-35整備拠点利用を否定
  5. 日本関連

    国産防衛装備品の海外輸出が実現!フィリピンが日本製警戒管制レーダー「J/FPS-…
PAGE TOP