米国は麻薬カルテル取締りに大規模な戦力を動員中で「ベネズエラに対する地上作戦に発展するかもしれない」と懸念されている中、国防総省は24日「ヘグセス国防長官が空母フォードを中心とする空母打撃群にラテンアメリカ海域派遣を命じた」と発表して衝撃をもたらしている。
参考:U.S. Deploys Aircraft Carrier to Latin America as Drug Operation Expands
参考:US to deploy USS Gerald R. Ford to Latin America
参考:Supercarrier USS Ford Being Pulled From Europe And Ordered To Caribbean
空母打撃群の派遣は米国の作戦が新たな段階に入ったことを示している
米国とベネズエラの軍事的緊張が高まっており、トランプ大統領はラテンアメリカの麻薬カルテルに対応する取り組みの一環として最低でもアーレイ・バーク級駆逐艦3隻や攻撃型原潜1隻を含む艦艇8隻をカリブ海に、プエルトリコにF-35Bを10機、本土からもP-8やB-1をベネズエラ沖上空に派遣し、この作戦に約1万人の兵力を動員して麻薬を米国に運搬する船舶を計9回(カリブ海で7回/東太平洋で2回)攻撃している。

出典:U.S. Marine Corps photo by Cpl. Maurion Moore
トランプ大統領はベネズエラの刑務所を拠点に活動する犯罪組織=トレン・デ・アラグアと麻薬問題を結びつける発言を複数回行い、さらに「CIAにベネズエラ国内での秘密作戦実施を許可した」「将来的には地上作戦の実施も視野に入れている」と発言、ヘグセス国防長官も「この地域で麻薬を密輸するテロリストはアルカイダと同じように扱う」「昼夜を問わず追跡し追い詰めて殺害する」と述べたため、各メディアは「マドゥロ政権に対する直接的な攻撃の可能性が高まっている」と報道。
マドゥロ大統領も民兵450万人の動員を発表し「我々の海、我々の空、我々の土地を守る」「如何なる帝国も神聖なベネズエラの土地に手を出すべきではない」と発表し、22日には約2,000kmの海岸線で軍事演習を実施し「全ての海岸線をリアルタイムで監視し、必要があれば全ての海岸線を防衛できる装備と重火器を配備した」とアピールしたが、国防総省は24日「ヘグセス国防長官はトランプ大統領の指示(国際犯罪組織を解体して麻薬テロからの国土防衛)を受け、空母フォードを中心とする空母打撃群にラテンアメリカ海域派遣を命じた」と発表。
Overnight, at the direction of President Trump, the Department of War carried out a lethal kinetic strike on a vessel operated by Tren de Aragua (TdA), a Designated Terrorist Organization (DTO), trafficking narcotics in the Caribbean Sea.
The vessel was known by our… pic.twitter.com/lVlw0FLBv4
— Secretary of War Pete Hegseth (@SecWar) October 24, 2025
現在、空母フォードを中心とする空母打撃群は地中海に派遣中で、これを呼び戻してラテンアメリカ海域に派遣するには約1週間ほどかかる見込みだが、戦力投射能力の最高峰に位置する空母打撃群の派遣にメディアは驚いており、New York Timesは元海軍大将の発言を引用して「ラテンアメリカにおける実戦任務に空母打撃群を投入するの極めて異例だ」と、Defense Newsも国防総省と国務省での勤務経験をもつ民主党議員の発言を引用し「この様なことは今まで見たことがない」「トランプ大統領は議会の承認も得ずに軍事行動を命じている」と報じている。
War Zoneも「空母打撃群の派遣は表向きの麻薬対策作戦を強化するもので、もはや麻薬を密輸していると疑われる船舶への攻撃は日常的なものになった。この作戦が陸上作戦、特にベネズエラの標的まで拡大する可能性が高まっている」「空母打撃群の派遣は米国の作戦が新たな段階に入ったことを示している」と指摘し、カリブ海で新たな軍事衝突が発生するかもしれない。

出典:Cancillería del Ecuador /CC BY-SA 2.0
因みにベネズエラ軍は現役12.3万人と予備役8,000人で構成されているが、正規軍とは別に国内の治安維持を目的に創設されたボリバル民兵が存在する。国営企業、民間企業、あらゆるレベルの国家機関の労働者で編成されたボリバル民兵の動員兵力は2018年に160万人に達し、マドゥロ大統領も民兵に支給する新しい小銃を購入する約束していたが、本当に450万人もの民兵動員が可能なのか、450万人を武装させる武器があるのかは不明だ。
関連記事:米国が海兵隊4,000人を含む艦隊を派遣、ベネズエラも民兵450万人を動員
※アイキャッチ画像の出典:U.S. Navy photo by Mass Communication Specialist Seaman Apprentice Alyssa Joy





















結局大した戦果出せずに善良な市民が泣きを見そう。
流石に無理では!?
麻薬組織対策は民意を得てると思うけど米軍使った他国侵攻はきつくない?
ベネズエラは麻薬を何とかしようとは思わないのかよ
犯罪組織の方が力が強いから…
戦闘に発展したとしても領土目的の全面戦争というよりは対テロ戦、治安戦の延長線になりそう
地上戦といっても精々特殊部隊が点の襲撃してトマホークや爆撃くらいでその戦果は兎も角作戦自体はさっさと終わらせて地上の面単位での占領・維持には拘泥しないと思われます
ベネズエラ軍の対空対艦戦力ってどうなんでしょうね……最悪戦力保全名目で沈黙の可能性はありそう
>ベネズエラ軍の対空対艦戦力ってどうなんでしょうね……
水上戦力
イタリアで建造されたルポ級フリゲートを6隻保有していたが現在は20年ほど前にアメリカの造船所で近代化改修を受けたアルミランテ・ブリオン(同級の2番艦)のみ。潜水艦はドイツ製の209/1300を2隻保有するが稼働中は1隻のみ(2隻とも1970年代の建造である為に戦力として出撃できるか…)。
航空戦力
ロシア製のSu-30MK2を11機、アメリカ製のF-16 Block15 OCUを5機保有。また地対空ミサイルシステムとして射程250kmのS-300VMを3セット、射程42kmの9K37ブークを12セット保有。
アメリカの空母打撃群の圧倒的な火力には敵わないでしょうね…
空母打撃軍には全く敵わないのは当然として、思ったより装備は整ってるんだね。今のイランよりはましのように見える。
アメリカが他所の国に難癖付けて喧嘩吹っ掛けると、最初は快進撃をするんだが、2年くらいでヘバってきて、敵が盛り返してきたり、散発的に反撃をしてくるもんだから、そんな状態が延々続いて気が付いたら10年以上だらだら戦争やってて。国民からの支持の減ってきて、選挙に影響が出るようになって、そんで渋々撤退する(絶対負けを認めない)のがいつものパターンじゃないの?
アメリカ、ぶっちゃけ戦争好きだけど、戦争上手ではないよな。やることなすこと、全てにおいて、すっげぇ無駄が多い印象がある。 こいつら、喧嘩ふっかけるとき、どうやって終わらせるかちゃんと考えて喧嘩してんだろうか…?力任せで多分そんなに深いこと考えてないよね。 金と暴力でなんとでもなるから、やることが結構雑なんだよな。
世界最大の軍事大国で西側の盟主が公然と“私刑”を行う末法の世。先のイラン空爆やネタニヤフ・イスラエルに対する殆ど絶対的に近い支持と支援に加え、外道照身霊波光線を浴びたのか?と思わせる程アメリカの地金と正体が晒されています。ウクライナに対するネオコン他の工作と対するトランプの支離滅裂な行動と言い、建国以来絶える事無い戦争と外征と言い、まるで世界に戦争と不幸を撒き散らす工場です。実際、米国とイスラエル(+欧州)の大半の軍需産業の業績は鰻登りとか。最早、露・中と「どっちもどっち」さえ成立しない明白な暴虐…イスラエルと共に真の“悪の枢軸”です。麻薬止めたきゃ自国を何とかするべきで、一方的被害者ぶって一方的加害を糊塗するのは、それこそ犯罪者の常套手段では?イラク戦争の超失敗も、結局それを批判した大統領が相似形を為す…米国は病的です。
ソビエトは滅びたとしても大躍進や文革した中国が米国よりまともというのは流石に……
なんで反米系の人って、露・中をアメリカと比べたらマシっていうんだろう。
3国とも間違いなく覇権主義国家であり、野蛮さに甲乙つけるのは無理だと思うのだけど。
ろくでもない国家っていうのは承知の上で、選んで付き合っていくしかないのに。
反米国家が始めた悪事すら全て米国の陰謀に持ってくという離れ業の使い手なので
国粋的かも知れませんが、単純に日本人を一番○戮したのがアメリカだから。算数の問題です。その後日本を最も抑圧しているのもアメリカ。これは意見が分かれると思いますが、米軍基地の間近に居住していれば温度差はあれど視覚化されています。ウクライナにとってのロシア、ウイグルにとっての中国がそれに相当するなら当事者の気持ちは判ります。只それに加えアメリカは世界最大の覇権国として、その2国以上の暴虐を続けている上で、イスラエルを殆ど自動的に擁護。特に米国とイスラエルの極右が宗教原理主義で結び付いているのが最悪です。ベトナム戦争を反省していた当時の米国国民や文化は別として、湾岸戦争以来のアメリカは表も裏(謀略・工作)でも最悪の戦争国家に思えます。
>米国は病的です。
確かだと言えるのはこれだけだが、他も程度が酷いからマッポーですな
中ロがカレー味のウンコなら、米帝はウンコ味のカレーです。
後者は少なくとも食って死ぬことはない。
アメリカにとってのベネズエラがどれだけ『悪』なのかは知りませんが、ミャンマー国軍を潰すほうがより世界平和に近づくんじゃないかな···
中国系マフィアの討伐の為に中国から、お目こぼしの為にマフィアからそれぞれ金を取ってるとかいう話もあるとか
え えらいことや……せ 戦争じゃ………(n回目)
ところで「国際犯罪組織を解体して麻薬テロからの国土防衛」という建前はどうなんでしょうね
これをそのままOKとしてしまうとイスラエルやロシアの言い分もOKという事になってしまいます
イスラエルも「ハマスに対して断固とした対応を取る」という動機自体はまともだと思うんだよな
諸々のやり方と、そもそも争いになった経緯がク ソ過ぎるだけで
ロシアはイスラエル比だと相当に人道的ですね
アメリカがロシアとイスラエルどっちよりの攻撃をするのかは注目のポイント
結局同じ穴のムジナなんやなあ…と
民主主義とか自由とか聞き覚えのいい言葉で粉飾してるだけで
国より戦闘力がある犯罪組織とか、日本人としては想像し辛いですが、それも現実なんだなぁ
1枚目の空母写真、よくあるスマホの駐車場パズルの高ステージみたい。
まあ端から順序よく出してくだけなんだろうけど。
世界平和のために行動しているのではなく資源大国だから狙われているだけ。イランとおなじで現地民の指示なく介入するが出口戦略がないので、泥沼に堕ち込んで最後は撤退となる。
ベネズエラがこの程度で折れるとも思えないし、さりとて面積や戦後のことを考えればアメリカの手駒が少ない
フォードって作戦能力を獲得してたんだ。