露ワグネルを創設したプリゴジン氏は19日「クリシェイフカは我々の支配下にある」と発表、このニュースはニューヨーク・タイムズ紙など海外メディアも報じ始めており、バフムートを取り巻く状況は悪化するばかりだ。
参考:Russian Fighters Claim Control of Key Village Near Bakhmut
ウクライナ軍はクリシェイフカを失ったか、失いかけている可能性が高く、バフムートの状況に明るいニュースはない
バフムート戦線で戦闘に従事していると推定されるチェコ人義勇兵(@HonzaUA)が16日「もうクリシェイフカは我々のものではない。ここの戦いで多くの戦士を失ってしまった。とにかく何が起きても我々は諦めず任務をやり遂げる覚悟だ」と明かし注目を集めていたが、露ワグネルを創設したプリゴジン氏も19日「クリシェイフカは我々の支配下にある」と発表した。
※記事下には「ウクライナ軍兵士の遺体が映る映像」があるので見たくない人はスクロールするのを止めた方がいい。

出典:GoogleMap バフムート周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
このニュースはニューヨーク・タイムズ紙(クリシェイフカの状況をウクライナ当局に問い合わせたが回答を得られていないと報じている)など海外メディアも報じ始めているが、今のところ当該地域に関する視覚的な証拠は見つかっていないので正確な状況は不明だ。
クリシェイフカにロシア軍(ワグネル)の部隊が到達して拠点内で交戦が発生しているのは間違いなく、ウクライナ軍が防衛により有利な後方の高台に後退したとしても不思議はないが、バフムートに繋がる幹線道路のM03とT0504まで「あと数キロ」の地点にロシア軍が迫っているのは事実なので楽観視できない。
因みにソレダルを占領したロシア軍(ワグネル)は市内で殲滅したウクライナ軍兵士の遺体をメディアに公開しており、RTの特派員は「ソレダルとその周辺で外国人傭兵を含む何百人ものウクライナ軍兵士が捕虜になった。これとは別にソレダル市内には外国人傭兵とウクライナ人兵士の遺体を管理する場所が用意され何百人もの遺体が保管されている」と報じている。
追記:ロシア軍はクリシェイフカを3方から攻撃し「イワニフスキーにも迫っている」という報告が多数ある。
関連記事:バフムートは危機的状況、クリシェイフカがロシア軍に占領された可能性
※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України
クリシェイフカはそこまで重要ではありませんし陥落は時間の問題だったのでともかくとして、重要なのはT0504がロシア軍先鋒にどこまで迫られているかですね。
流石にこれは時間の問題でしょ……
政治主導のために、お互いに攻勢の限界点が重なったところで休戦も停戦もできないからつらいね。
リソースを一点に集中させて、ロシアも勝利演出の一つくらいして見せないと世論を慰撫できないのだろう。
どうせ、欧米の追加支援パッケージが届きはじめればまた状況も動くだろうし、ひょっとしたらロシアも民間軍事会社名目でセルビアやベラルーシあたりからマンパワーを引っ張って来るかもしれんし。
アコーディオンのように行ったり来たりするのが戦争の実像らしいので、これからも長い目で観察していくことになる。
果たしてこの先、いつまで続くことやら。
ぐぬぬ…
バフムートはまだまだ治まりそうにないですね。
次の大攻勢とやらがどんな物かは分かりませんが、ウクライナには耐えて欲しい。
ウクライナにとって、純軍事的に最も効率よくロシア軍を消耗させることのできる防衛ラインはどこなんでしょうね?政治的な思惑も重要なので、難しいのは承知ですが、末端の兵士のことを考えると、ぜひそこに部隊を配置してあげてほしい。
第一次世界大戦のときのフランスの首相、ジョルジュ・クレマンソーがいっていますが、国家間の戦争とはあくまでも政治、外交の延長であり、純軍事的な効率というのは全く意味を持たない幻想なのです。
純軍事的な効率を考えて、帝政ドイツ軍のファルケンハインが選んだのがヴェルダンでしたが、そこを攻撃してフランス軍が休戦することはなく、かえってドイツ軍の方が大きな政治的打撃を受けることになりました。
ソレダルが占領されれば、ソレダルは重要でなかったのでもっと有利な地区へ退却したんだ、クリシェイフカが占領されれば、クリシェイフカは重要でなかったからもっと有利な地区へ退却した・・・、などと言い続ければ、最終的にはドネツク州全体が重要でなかった、防御に不利だから退却しよう、となるかもしれません。
純軍事的に防衛に効率的な、有利なラインとは、ヘルソン州の戦いでも明らかなように
「ドニエプル川」
ですが、ドニエプル川の西岸に防衛ラインをつくるならば、ドネツク州は全て放棄しないといけません。
ドネツク州は、険しい山岳地帯や、大河のない、平たんな地形が多く、防衛に不利であるからこそ、岩塩鉱山の地下坑道の多い、バフムトの周辺地区が重視されていたのです。
つまりソレダルや、クリシェイフカなどこそが、純軍事的に最も効率よく防衛ができる地形であり、そうであるからころロシア軍も重視し、今まさにそこが制圧されるつつある、と考える方がずっとわかりやすいと言えます。
ワグネルばっか前線で目立ってるのは気になるねえ。
割合から考えてもロシア正規軍もこの方面にいるはずでしょ?
ワグナーは営利団体ですから宣伝もお仕事の内なんでしょう。
出てくる情報もあまり重要ではない既に包囲されたソレダルやクリシェイフカの制圧などといったものなので確認にしかなりません。
ロシア正規軍よりワグナーの方が柔軟で対応力が高いとも聞きますねえ
クリシェイカフカは平原だらけですからね。
ロシア軍ブロガーTwitterにロシア軍の空挺部隊のT90Mが待ち伏せ防衛しているT72多分ポーランドのウクライナ戦車一台二発ぐらいは先にあてているのに、一発の反撃で撃破されていましたからね。劣化ウラン弾使える戦車だから、待ち伏せしても一対一だと勝ち目ない。
ロシア側のほうが死屍累々なんでしょうけど、こういう遺体画像見せられるとしんどいです