ロシア関連

ゲラシモフ参謀総長、プーチン大統領にコンスタンチノフカ占領を報告

ロシア軍のゲラシモフ参謀総長はプーチン大統領に「南部軍集団の部隊がコンスタンチノフカを占領した」「ドネツク州のリマン解放に近づいている」と報告したが、ロシア人ミルブロガーのRYBARやTwo Majorsは発表から10時間以上が経過しても沈黙を続けている。

参考:Президент посетил вспомогательный пункт управления Объединённой группировки войск
参考:Доклад Начальника Генерального штаба Вооруженных Сил Российской Федерации – первого заместителя Министра обороны Российской Федерации генерала армии Валерия Герасимова.
参考:Армия России освободила Константиновку

ロシア人ミルブロガーにとって「トレツク解放」と「クピャンスク解放」は悪夢のような美しい報告書だったため、今回の発表も警戒しているのだろう

ロシア軍のゲラシモフ参謀総長はプーチン大統領に「ロシア軍はあらゆる方向に進軍している」「南部軍集団の部隊がコンスタンチノフカを占領した」「ドニエプル軍集団の先遣部隊はザポリージャ州の州都ザポリージャ郊外から9kmの地点に展開している」「ドネツク州のリマン解放に近づいている」「ウクライナ軍はハルキウ州クピャンスク方面で大きな損害を被っている」「ロシア軍の攻撃によりウクライナ側が長距離兵器を製造する能力は低下した」「キーウ政権は架空の戦果を誇示することで西側の支援者たちに自らが主導権を奪還したと説得しようと試みている」と報告した。

出典:Президента России

ロシアメディアは一斉に「コンスタンチノフカ解放」を報じているが、ロシア人ミルブロガーのRYBARやTwo Majorsは発表から10時間以上が経過しても沈黙を続けており、ウクライナメディアも「ゲラシモフ参謀総長がプーチン大統領にコンスタンチノフカ占領を報告したのは注目に値するが、DeepStateのマップに基づけばコンスタンチノフカ占領は事実ではないと付け加えておく」と冷ややかに対応している。

DeepStateはリマンの状況について7月3日「敵はリマン市への直接攻撃を諦めてリマン南郊外での活動を活発化させている」「敵はリマン南郊外で活発な強襲作戦を実施して僅かながら前進しているものの、絶えず損害を被り続けている。敵の目的はライホロドク集落の境界に進出して陣地を固め、そこからスラビャンスクや周辺地域に向けた攻勢を展開することにある。このようにして敵はリマン市での交戦を避けようと試みている。なぜなら単発的な浸透に成功した場合でさえも同市への侵入はすべて確実な撃滅という結果に終わっているからだ」と言及した。

コンスタンチノフカとリマンの状況に対するDeepStateとRYBARのマップも大きく食い違うため、何をもって事実なのかを判断するのも困難だが、ゲラシモフ参謀総長は昨年11月に「クピャンスク市の完全解放」をプーチン大統領に報告して大失態を演じており、今更「クピャンスク市の完全解放は間違いだった」とは口が裂けても言えないので「クピャンスク方面での防衛戦」や「ウクライナの反撃阻止」という表現に切り替え、今回も「ウクライナ軍はクピャンスク方面で失った陣地を奪還しようと試みているが失敗している」と述べるに留めている。

ゲラシモフ参謀総長が言及した「キーウ政権は架空の戦果を誇示することで西側の支援者たちに自らが主導権を奪還したと説得しようと試みている」という下りの「キーウ政権」を「クレムリン政権」に置き換えても違和感がなく、ロシア人ミルブロガーにとって「トレツク解放」と「クピャンスク解放」は悪夢のような美しい報告書だったため、今回の発表も警戒しているのだろう。

出典:РИА Новости、RYBAR、DeepState

追記:クピャンスク方面に関するロシア国防省の発表のみに基づいたRIAノーボスチのマップ、ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARの独自マップ、DeepStateの独自マップの比較で、ロシア国防省は未だに「クピャンスク市を完全解放している」「クピャンスク周辺のオスキル川左岸もほぼ完全に占領している」という立場を守り続けているが、RYBARですら「クピャンスク市中心部はウクライナ軍が完全に支配している」と報告しており、DeepStateはクピャンスク市中心部だけでなく「ウクライナ軍がクピャンスク周辺のオスキル川左岸に広大な土地を維持している」と報告している。

ゲラシモフ参謀総長とロシア国防省の発表は多くのファンタジーを含んでいるため、そういうものだと割り切って楽しむ必要があり、これを「これがソースだ」と真顔で突きつければ笑われるだけで、ゲラシモフ参謀総長とロシア国防省が発表する多くは未来を先取りした戦果なのかもしれない。

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※アイキャッチ画像の出典:Президента России

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コメント

  • コメント (20)

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    • nk
    • 2026年 7月 04日

    コンスタンチノフカはロシア優勢なんでしょうけど制圧したのかの真偽は不明ですね、リマンやクピャンスクはまだまだグレーゾーンでしょうか。
    お互いに前線では早々には進めないので後方への攻撃を強化しており最近はウクライナ側の攻撃にロシアが大分手を焼いている様に見えますが、それでロシアがこの戦争辞めるかと言えばそれはまず無いでしょうからまだまだ先は長そうですね。

    46
    • スタンドオフ
    • 2026年 7月 04日

    ISW準拠で言ってもコンスタンチノフカは制圧されて久しいからまあ制圧されてるんじゃないの

    31
    • Mr.R
    • 2026年 7月 04日

    コンスタンチノフカが危機的状況なのは間違いないでしょうね。
    なのに『ゲラシモフがプーチンに報告した』と発表があるだけで嘘っぽくなるのは何かのバグだと思いますw

    52
    • 名無し
    • 2026年 7月 04日

    deepstateはコンスタンチノフカ一帯全て広大なグレーゾーン判定、suriyakmapやamkmappingはコンスタンチノフカのほとんどはもうロシア軍の支配地域判定ですな
    まあポクロウシク、ディミトロフの時も他OSINT勢が軒並み陥落判定を出したけどdeepstateは頑なに認めず、他OSINTの管理者を口撃したりして、そこから半年位経過してからこっそり陥落を認めてたので情報の確度ではもはやロシア人愛国ブロガーと大差ないところまで来てると思います

    50
      • Whiskey Dick
      • 2026年 7月 05日

      deepstateのスタッフの一人が徴兵され、最前線に送られて戦死したらしい。
      民主主義は名乗っていてもウクライナ当局の情報統制はロシアと大差ないみたい。
      YouTubeのボグダン氏もある時を境にウクライナ社会の欠点を言わなくなったし、状況が悪くなると当局の弾圧が酷くなるのは民主主義でも権威主義でもあまり変わらない。

      23
        • 無名
        • 2026年 7月 05日

        まぁ…ウクライナは年々酷くなってはいましたので不思議では無いですね。
        西側の教えを受けてるので当然と言えば当然なので

        4
    • クラスノヤルスク
    • 2026年 7月 04日

    コンスタンチノフカに関して、RYBARは「ロシア軍が全地区を戦闘の末占領した。コンスタンチノフカの完全解放は2026年7月に発表される見込みだ。」との事実上の解放宣言ともとれる内容の投稿を2日あたりにしていましたが、実際の戦況はどうなんでしょうね…ポクロウシクのときはISWやNATO高官なんかはロシア軍が市内の大部分を占領し、ウクライナ軍が厳しい状況に陥っていると言っていましたが、今回のコンスタンチノフカに関してISWは、「コンスタンチノフカ陥落は誇張された明確な嘘であり、ロシア軍の春夏攻勢は何一つ成果を挙げていない。」と言っていますからね…個人的な意見ですが、戦況悪化に伴いRYBARがロシア国防省からの圧力を受け、ロシア軍有利に誇張された戦況を発表しているという可能性がそれなりにありそうです。
    また、最近の欧米分析機関はロシア軍劣勢な戦況や、死傷者140万人という膨大なロシア軍死傷者数を自信満々に発表しています。ウクライナ支持のバイアスが少しはあるとはいえ、彼らの分析は視覚的根拠に基づくものであり、また、自身のインテリジェンスにプライドもかなり持っています。そうそうデタラメを言う組織ではありません。そうなってくると、個人の意見ですが、コンスタンチノフカではロシア軍歩兵グループの浸透だけにとどまり、市の占領はまだできていない可能性がかなり高くなってくるのかと思います…

    17
      • NIVEA万能論
      • 2026年 7月 04日

      >彼らの分析は視覚的根拠に基づくものであり

      車両や砲と違って人的損失は第三者による確認が非常に困難な筈ですが、どうやって数えたんですかね?
      米CSISがレポートの中でロシア軍の死傷者数を140万人と言ってましたが、これはウクライナ軍発表の数字と同じです。

      なおCSISはウクライナ軍がロシア軍の損失100万人超えを発表した時もロシア軍の死傷者を100万人と言ってましたね。

      20
        • ルイ16世
        • 2026年 7月 05日

        一番簡単なのは後方の事務連絡の入手、特に現場からの補充要請をなんらかの方法で入手する事ですね。補充が50人必要=50人減った=50人死傷か捕虜になったか逃亡したか契約期間満了となり再契約もしなかったと言う事ですから。ロシア軍の前線部隊はともかく後方部隊は今回の戦争でいいとこなしなので情報を抜かれているんじゃないですか?

        8
          • 中村
          • 2026年 7月 05日

           そう、満期除隊がドレだけ居るか、(制度上はともかく)認められているかが鍵だと思います。

           視覚情報ってのはドローンに取り付けられた手榴弾が一定範囲内で起爆すれば死ぬか怪我してるだろうって意味でしょうが、本当の所は分かりませんからね。

           結局、現実に入営してる人間の数と現実の前線の兵力の増減の差は「戦死、戦傷、満期除隊」の筈です。

           満期除隊が一定数居ることを強く願います。

          3
    • paxai
    • 2026年 7月 04日

    占領の話の時だけひょっこり出てきて報告するゲラシモフ参謀総長・・・
    総大将のやるべき仕事は戦争の方向性と戦いやすい環境を整える事だと思うんですけどねえ。

    15
    • たむごん
    • 2026年 7月 04日

    しばらく様子見でしょうか。

    (人口の多寡あくまで参考ですが)アウディーイウカやトレツクよりも、人口の多い街ですからね。

    6
      • クラスノヤルスク
      • 2026年 7月 04日

      何気に、コンスタンチノフカは2023年以降に戦場となったウクライナの街で一番人口が多いですからね…(全盛期の人口11万4,000人)
      だいたい、スラビャンスクより一回り小さいくらいの規模です。

      6
        • たむごん
        • 2026年 7月 05日

        仰る通りです。

        1.2週間、見守っていれば、ある程度の結果がはっきりするかもしれませんね。

        2
          • 無名
          • 2026年 7月 05日

          毎年そうですけど、しばらくした後に分かったり変わったりする事が多かったですからね。

          様子見が基本ですね

          3
    • せい
    • 2026年 7月 04日

    飛ばしだろうが大本営発表だろうが、取りあえずblogも追従したらいいのに
    しないって事はそれなりに西側の情報はまだまだロシア内でも見れるって事なんかな?

    4
    • 暇な人
    • 2026年 7月 04日

    双方のドローン攻撃(迎撃)数だけが増えてるから、地上に出ると即座にドローン飛んでくるから双方動けないんだろうな
    今年の夏には終わると思ったけど、まだまだ続きそうだ

    12
    • 中村
    • 2026年 7月 05日

     戦死傷者数の推計ですが、動員数は公表されてますし、前線兵力の推計も有るわけですからその差が戦死、戦傷、捕虜、満期除隊に成ると言う事に成ります。

     逃亡は生きて帰れるとほ思いませんから戦死で構わないでしょう。特にロシア側は志願者は必ずウクライナに来るのですから割と正確に出ると思います。

     志願者数が今に至るまでそんなに減らなかったという事は、有る程度満期除隊者は居たんでしょうね。減ってるという事は、まぁ、そう言う事でしょう。

    1
    • たら
    • 2026年 7月 06日

    >ISW準拠で言ってもコンスタンチノフカは制圧されて久しいからまあ制圧されてるんじゃないの

    >今回のコンスタンチノフカに関してISWは、「コンスタンチノフカ陥落は誇張された明確な嘘であり、ロシア軍の春夏攻勢は何一つ成果を挙げていない。」と言っていますからね

    ↑どっちが正しいのでしょうか?

    • あき
    • 2026年 7月 06日

    ロシア側が市街のかなりの部分制圧してるのは恐らく事実
    ウクライナ側がコンスタンチノフカの一部に残存してるのも恐らく事実

    コンスタンチノフカ一時停戦の提案にメディアの立ち入りも含まれてたのも考慮すると
    今週NATO首脳会議とゼレンスキー‐トランプ首脳会談があるからか双方共に過大もしくは過小に情報出してる感じではあるけど少なくとも「何一つ成果を挙げていない」はありえない

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