ロシア関連

事実上ウクライナへの侵攻、法令を根拠にドネツクとルガンスクへロシア軍派遣か

プーチン大統領はロシア軍に「独立を承認したドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の安全を維持するよう指示した」と報じられており、ウクライナ領にロシア軍が進駐するかもしれない。

参考:Путин поручил вооруженным силам обеспечить поддержание мира в ДНР и ЛНР

法令を根拠にロシア軍が進駐してきてもウクライナを含む西側諸国からすれば侵略行為そのものだ

プーチン大統領がドネツク人民共和国とルガンスク人民共和国の独立を承認した法令には「各種の支援を約束した協定(防衛協力が含まれいる可能性が高い)が成立するまで、ロシア軍が当該国の領域で平和維持にあたる」という文言が含まれており、これを根拠にドネツクとルガンスクにロシア軍部隊を派遣させる可能性が出てきた。

出典:Официальный интернет-портал правовой информации

西側諸国はドネツクとルガンスクの独立を認めていないため同地域の主権は今もウクライナにあり、法令を根拠にロシア軍が進駐してもウクライナを含む西側諸国からすれば侵略行為そのものだ。

これを静観すればプーチン大統領の仕掛けた政治的なレトリックを黙認もしくは追認したと受け取られる可能性があるため、自衛のための戦いに発展する恐れがある。

果たしてプーチン大統領はドネツクとルガンスクにロシア軍部隊を派遣するのか? ウクライナはドネツクとルガンスクに進駐してくるロシア軍に自衛のため戦いを挑むのだろうか?

関連記事:プーチン大統領、ドネツクとルガンスクの独立を承認する法令に署名
関連記事:ロシア大統領府、ドンバス法令署名の意向を仏独首脳に伝達したと発表
関連記事:ドネツクとルガンスクが独立承認を要請、プーチン大統領は本日中に決定を下すと表明

 

※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

バイデン政権、独立承認問題に関連して対ロシア制裁を新たに追加前のページ

ロシア軍は既にドンバス入り、ウクライナ軍も東部方面に増援を派遣中次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    今月4件目の不祥事、ロシア海軍のコルベットと冷凍船がバルト海で衝突

    ロシア海軍のコルベットとマーシャル諸島船籍の冷凍船が22日、バルト海で…

  2. ロシア関連

    トルコのNATO離脱を誘う?ロシア、トルコの第5世代戦闘機「TFX」開発を支援

    ロシア連邦軍事技術協力局のドミトリー・シュガエフ局長は「ロシアはトルコ…

  3. ロシア関連

    最強のミサイル空母? ロシア、2027年までにステルス爆撃機「PAK DA」運用開始

    ロシアメディア「RIA Novosti」は、現在、開発が進められている…

  4. ロシア関連

    ロシアのミグ設計局が第5世代の艦載戦闘機開発を開始、STOVL型の開発も検討

    ロシアの国営通信のRIAノーボスチは26日、ミグ設計局がステルス技術を…

  5. ロシア関連

    プーチン大統領、ウクライナ軍のクリンキー上陸は意味不明で政治的要求と指摘

    プーチン大統領は14日「ウクライナが大規模な反攻を宣言したのに何も起こ…

  6. ロシア関連

    ロシアがバイデン政権に突きつける究極の2択、S-400導入開始が迫るインドへの制裁問題

    アフガニスタンからの撤退問題で時間を浪費しているバイデン政権はインドの…

コメント

    • ガテマヌ
    • 2022年 2月 22日

    既に侵攻中のようです?
    @Jake_Hanrahan 氏より引用
    #Ukraine: Footage of #Russia’s military “peacekeepers” being bussed in to the Donbas across the border. This is essentially the beginning of the invasion.

    4
    • 名無し
    • 2022年 2月 22日

    ウクライナからしたら親露派勢力にロシア軍の援助があったにしてもロシア軍そのものの駐留は絶対に認められないラインのはずだけれど、かといって正面から撃退する戦力があるかというとそれもなし。
    とはいえ戦わなければクリミアから始まり領土をどんどん占領されていくだけだしなあ。
    調停者気取りのマクロンあたりはどんな責任とってくれるのかね。

    30
    • 匿名
    • 2022年 2月 22日

    北京パラリンピックの前に動き出したのか。
    クリミア併合の時は、パラリンピック閉幕後だったと思うけど。
    中国はどんな反応を示すのかな?

    3
      • あばばばば
      • 2022年 2月 22日

      三月四日(北京オリンピック開会)までに、戦闘をすべて終わらせるつもりでいるのでは?
      戦略的にドネツクとルガンスクの独立をさせて、ロシア国境とNATO領域の接触を避けるのが目的だろうし、九日間程度ウクライナへ援軍が来ないのであれば大きな戦闘に発展する事はないだろう
      ロシアがこれ以上ウクライナへ侵攻しないのであれば、おそらくウクライナを制しするのは、米独仏だ。

      中国は「ハチミツもっとたべたいな」程度のことしか思わないだろう

      4
    • 戦略眼
    • 2022年 2月 22日

    何で、このタイミング何だろう。
    トランプを復活させたいのかな?

    • oh
    • 2022年 2月 22日

    クリミアに侵攻したのはパラリンピック開幕前でしたね(2月27日に議会占拠)。
    あとはパラリンピックに関係なく坦々とクリミアを併合しました。
    中国はNATOの東方拡大について非難しましたが、ウクライナ問題については「我関せず」のスタンス。
    ウクライナに侵攻して困るのはロシアだけですから。

    1
      • A
      • 2022年 2月 22日

      それどころか後背地たる今やガラ空きの太平洋方面を固めているので援護射撃をしているようなものなのでしょう。
      とかなんとか約束しておいてシベリアに攻め込んだりしてね。

  1. ロシアが実際にウクライナに侵攻し、中国が北京パラリンピック後に台湾に侵攻したら最悪ですね。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  2. 米国関連

    米海軍の2023年調達コスト、MQ-25Aは1.7億ドル、アーレイ・バーク級は1…
  3. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
  4. 北米/南米関連

    カナダ海軍は最大12隻の新型潜水艦を調達したい、乗組員はどうするの?
  5. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
PAGE TOP