ロシア関連

嘘報告が繰り返されたシヴェルシク方面、ロシア軍がビロホリウカをほぼ占領

RYBARは嘘報告が繰り返されるシヴェルシク方面について「嘘とごまかしが支配する呪われた戦場」と命名したが、24日「これまでのビロホリウカ占領は嘘報告だったが朗報が届いた」「ロシア軍が長い間苦しめられたビロホリウカの大部分を解放した」と報告した。

参考:Северское направление: взятие большей части Белогоровки и бои у Верхнекаменского обстановка по состоянию на 20:00 24 февраля 2025 года

RYBARはビロホリウカの完全制圧を報告するのは時期尚早、それでも長年の失敗を経て本物の成功を収めたと評価

RYBARは嘘報告が繰り返されるシヴェルシク方面について「嘘とごまかしが支配する呪われた戦場」と命名し、Telegramに登場した「ロシア軍兵士がビロホリウカ西郊外付近の複数地点で国旗を掲げる様子」が登場しても「ビロホリウカ西郊外までグレーゾーンが伸びた」とのみ報告していたが、24日「これまでのビロホリウカ占領は嘘報告で、この悪質行為について何度も言及してきたものの朗報が届いた。ロシア軍兵士が集落の様々な場所=Ⓐ~Ⓕで国旗を掲げたことが確認され、長い間苦しめられたビロホリウカの大部分を解放した」と報告し、以下のように述べている。

出典:管理人作成(クリックで拡大可能)

“ロシア軍は浄水施設を含む10ヶ所以上の位置で国旗を掲げたが、ビロホリウカ集落の北は広範囲に破壊されているため身を隠す場所がほとんどない。ウクライナ軍はドネツ川沿いの取水施設、ビロホリウカ保護区の高台、白亜採石場などに足場を築いており、ここにウクライナ人は要塞を築いて多くの物資を集積している。さらにロシア軍はゾロタレリウカ保護区の一部を占領しているが、この森林を巡る戦いは現在も続いている。現地の情報筋によればヴェフノカミャンスケの東側でもロシア軍が前進したもの、ウクライナ軍がドローンと大砲を積極的に使用しているため、我が軍の兵士が敵陣地に到達することがあっても制圧することが出来ない”

要するにロシア軍はビロホリウカ集落の大部分からウクライナ軍を追い出したものの、前進を阻む最大の問題=ビロホリウカ保護区の高台や白亜採石場、白亜採石場の背後に回り込むのを阻むゾロタレリウカ保護区も依然としてウクライナ軍が保持しており、RYBARも「ビロホリウカの完全制圧を報告するのは時期尚早だが、それでも長年の失敗を経て本物の成功を収めた。これが継続されてシヴェルシク方面の悪名を払拭してくれることを願う」と述べている。

出典:3-я ударная

仮にウクライナ軍がビロホリウカ集落から撤退したのが事実でも、ビロホリウカ保護区の高台、白亜採石場、ゾロタレリウカ保護区、ヴェフノカミャンスケを保持し続けるかぎり「シヴェルシク方向に前進を試みるロシア軍」を阻止し続けられられるため慌てる必要はないが、逆を言えば上記のうち1つでも失えばシヴェルシク東方向の防衛ラインが崩れるかもしれない。

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※アイキャッチ画像の出典:3-я ударная

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コメント

    • もへもへ
    • 2025年 2月 25日

    この方面のロシア軍がいきなり覚醒するとも思えないので、ウクライナ軍の兵力が他へ引き抜かれたんですかね。

    確かに長年ロシア軍が前進できておらず安定してる戦線ですから絶好の引抜き場所ではあります。

    26
      • nachteule
      • 2025年 2月 25日

       そもそもここは開戦当初から激しくやり合っている場所でもあるのでボロボロになった集落で戦闘する意味があるのかは考えるべきでは?
       元が人口千人にも満たない集落で数年単位の戦闘しているならまともな建造物や障害物がどれくらい残っているのかとは思う。

      8
    • NIVEA万能論
    • 2025年 2月 25日

    3日後

    RYBAR「やっぱビロホリウカ占領できてなかったわ」

    というオチだったりして

    15
      • toto
      • 2025年 2月 25日

      これまでの例を考えると、十分にありえるでしょうね。周辺の高台や白亜採石場を抑えない限り、砲弾の打ち下ろしや高所からのドローン攻撃を喰らい続けるので、奪還されるリスクは高いまま。
      管理人様の書かれている通り、続く重要拠点のどれか一つでも崩せるかが焦点になるんじゃないかと。

      10
    •  
    • 2025年 2月 25日

    狼少年すぎて未だに信じられないけど崩れる時は一瞬だからなぁ…

    21
    • 無名
    • 2025年 2月 25日

    西の森林や南側の鉱山を占領できなければ、すぐに奪い返される可能性もあります。

    7
    • 理想はこの翼では届かない
    • 2025年 2月 25日

    ウクライナ軍が兵力を引き抜いたに100ペリカ
    採石場の包囲が確立して陥落したら、一気に地図が塗り替わりそうな雰囲気になってきた

    13
    • 2025年 2月 25日

    RYBARでも採石場は取れていないって判断なのか
    情報が錯綜しているからもうちょっと様子を見たい

    「綺麗な報告書」って悪だね
    成果も信じて貰えなくなる

    10
    • たむごん
    • 2025年 2月 25日

    嘘報告なのかどうか、1週間くらい様子見でしょうかね。

    シヴェルシク方面が、嘘まみれすぎて重要性下がった間に、外交情勢・政治情勢の方が動き続けて戦争に与える影響が大きそうしょうし。

    5
      • ろみ
      • 2025年 2月 25日

      事実だったとしても記事中で言及される通り集落は遮蔽物のない更地で南北から要塞化された高地に見下されるという立地なので反撃ですぐに奪回されてもあまり不思議ではないですね
      集落を基点に採石所か北の高台を攻略する試みが必ず付随している筈なのでこれが撃退されれば集落からも撤退するのではないかと思います
      守るには厳しすぎる立地なので

      16
        • toto
        • 2025年 2月 25日

        ウクライナ側に再奪還するだけの人員がまだ残っているかが鍵だと思います。
        もし、集落が奪われたのが他戦線へ人員が引き抜かれた結果だった場合、いくら地勢の有利があっても奪還は困難になる。逆に、再編や補給物資の受け取りなどで一時的に前線を離れているだけだった場合は、奪還は容易でしょう。

        8
          • たむごん
          • 2025年 2月 25日

          仰る通りです。

          古今東西、どんな要塞でも孤立して、補給や増援がなければ陥落します。

          ロシア軍が、嘘報告まみれにした地域ですから、追加情報がでるまで見守りたいと思います。

          6
        • 2025年 2月 25日

        逆にウクライナ軍も採石場に入る道路が制圧されてるので早く奪還しないと採石場の維持は難しいでしょうね。

        9
          • たむごん
          • 2025年 2月 25日

          どんな要塞も、補給や増援がなければ何れ陥落しますから、補給路は重要ですね。

          1週間くらい様子見すれば、SNSなどの情報が増えて、いろいろと分かりそうな気もします。

          4
    • ざる
    • 2025年 2月 25日

    今回のロシア軍の指揮官は最初は虚偽報告する駄目な指揮官でしたが、前任とは違って失敗から学ぶことが出来る指揮官だったということですかね。
    採石場が堕ちればこの方面は一気にロシア側に傾きそうですね。

    9
    • お茶
    • 2025年 2月 25日

    まだ陣地表面を浅く押し込んだだけだし、防御拠点も多数残存している状況なので、ウクライナ軍の対応次第だね。この方面の民兵混成ロシア軍に急速な突破は期待できない。
    ウクライナ軍に予備が控えてるなら逆襲してオオカミ少年の出来上がり。

    9
    • らっく
    • 2025年 2月 25日

    あのさ、マスコミがロシア軍の攻勢が弱まったとか言ってるのって、単に地面がぬかるみ出してきただけなんじゃない?

    11
      • らっく
      • 2025年 2月 25日

      さらに言えば、ロバ使っているのも泥寧に対する適応なんじゃ?

      12
        • 2025年 2月 25日

        ロバはバイクより荒地を安定して走れますし何より走りながら銃が撃てるのは大きなメリットだと思います。(ドローンから逃げながら狙撃とか)

        6
          • cosine
          • 2025年 2月 25日

          なんか順調に騎兵へと回帰していっているような…

          3
        • kitty
        • 2025年 2月 26日

        米国は不整地の戦場向けにロバを模した高機能なロボットを開発した。
        一方、ロシアはロバを使った。

        みたいな。

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