ロシア関連

ロシア軍による輸送車輌の防御力強化、マッドマックスバージョンが登場

ロシア軍の職人達は手に入る資材で輸送車輌の防御力強化に取り組んでおり、遂にマッドマックスバージョンが登場した。

参考:Russia’s Increasingly Bizarre “Artisanal” Armor Looks More Mad Max Than Major Power

対戦車兵器で狙われればひとたまりもないので、所詮は気休め程度の効果しか期待できないだろう

ウクライナ軍にとってロシア軍の物資や燃料を輸送する車輌は「最も優先して攻撃すべき目標」に該当するため42日間の戦闘で674輌(Oryx調べ)もの輸送車輌が失われており、非装甲の車輌を運転するロシア人兵士にとっては小銃による襲撃ですら車輌を捨てて逃げ出す理由=燃料や弾薬に引火すると悲劇的な結末が待っている。

そのためロシア軍の職人達は手に入る資材で輸送車輌の防御力強化に取り組んでおり、最初に登場したのは木製のアーマーを取り付けた輸送車輌だ。

出典:OSINTtechnical

出典:Rob Lee

この木製のアーマーは次第に金属で補強されるようになり、ロシア軍の職人達による輸送車輌の防御力強化は進化していく。

出典:Военный Осведомитель

出典:Военный Осведомитель

ウクライナ軍の攻撃で装甲車輌が損傷するようになると、これを材料にしてロシア軍の職人達による輸送車輌の防御力強化は更に進化する。

出典:TheDeadDistrict MT-LBのエンジンカバーを吊るしている輸送車輌

そして最近確認されたロシア軍の職人達による輸送車輌のマッドマックスバージョン

出典:Kotsnews

果たして輸送車輌の防御力強化がどこまで進化するのか非常に興味深いが、対戦車兵器で狙われればひとたまりもないので所詮は気休め程度の効果しか期待できないだろう。

 

出典:Druschba 4 / CC BY-SA 4.0

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

キーウ州ホストーメリ、ロシア軍のスナイパーが民間人を標的にして訓練か前のページ

今後3週間の戦いがウクライナの運命を左右、英国が装甲車輌の供給を検討次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    第8連合軍の副司令官がウクライナで戦死、ロシア軍が失った将官は計7人

    露メディアは16日、ウクライナで戦死した第8親衛諸兵科連合軍 副司令官…

  2. ロシア関連

    半端な数ではない、ベラルーシの死体安置所はロシア軍兵士の遺体で満杯

    ロシア軍兵士の遺体をマズィル駅でロシア鉄道の車輌に積み込んでいる様子を…

  3. ロシア関連

    第二次大戦のように戦うプーチン、ゲラシモフ・ドクトリンは読んだのか?

    ケンブリッジ大学で上級研究員を務めるジョン・ノートン氏は26日、ロシア…

  4. ロシア関連

    解放者のロシア軍? 占領した都市での振る舞いは山賊や盗人レベル

    ロシア軍はメリトポリのニュースを発信するРИА Мелитопольの…

  5. ロシア関連

    露元大統領、ウクライナに引き渡された武器がイスラエルで使用されている

    ウクライナ国防省情報総局は「ロシアが鹵獲した欧米製兵器をハマスに引き渡…

  6. ロシア関連

    ロシアが披露した対ドローン対策用のEWシステム、戦場への供給を開始

    ロシアは8月に開催した「ARMY 2023」で対ドローン対策用のEWシ…

コメント

    • 灰色の猫
    • 2022年 4月 07日

    マッドマックスバージョン(真顔)
    ガソリンに飢えてる世界戦も一致。

    40
      • くらうん
      • 2022年 4月 07日

      やってることは宿敵イモータン・ジョーでさえドン引きするレベルだけど。
      そのうち特に理由のないスパイク付けたトラックやモヒカンノースリーブの乗員が目撃されるかな。

      14
        • ミリオタの猫
        • 2022年 4月 07日

        そして、遂には巨大スピーカーが大量に積まれた軍用トラックの上で火炎放射器付きのギターをかき鳴らすロシア兵が現れるんですね、分かります。

        9
      • うにゅう
      • 2022年 4月 07日

      トラックに乗ってる人たちの倫理観も世紀末モヒカンレベルだし、凄く似合ってますね(褒めてない

      6
    • すえすえ
    • 2022年 4月 07日

    うーん
    どんどん視界が悪くなってないか?
    気づくの遅れて簡単に接近されるような。。。

    31
      • けい2020
      • 2022年 4月 07日

      しかもこの程度の装甲板では小銃弾ですら貫通するような

      この手の輸送車両の帰国時に、略奪品を大量に運んでるのもバレてますから
      費用対効果無視して狙って来るでしょうし

      10
    • 2022年 4月 07日

    金属プレートは重さの割には銃弾に対する防御力は低い。防弾ベストを張り付けた方が

    14
      • ナニガシ
      • 2022年 4月 07日

      たぶん、防弾ベストの方が貴重。
      スクラップはいくらでもあるし。
      そのうち、馬車で補給するようになるかも。

      21
      • 四凶
      • 2022年 4月 07日

      ボディアーマーだって最高レベルの防御力誇るのはセラミックプレート入のやつだし、セラミックの問題は皆が知る通りで被弾後に継続しての防御は無理。
      繊維は環境で劣化とかするし、連続した攻撃にもそこそこ耐えて全体的に均一な防御力があり安い金属のほうがまだマシだろう。

      後、勘違いしていると思うがボディアーマーのコンセプトって直ぐに手術しなければ致命的な部位を守るのがメインで全体が優れた防御力発揮するわけでもない。そんなもの使ったらいくつ必要なんだよと。

      22
    • 匿名
    • 2022年 4月 07日

    市販簡易装甲キット内装のピックアップテクニカルをゲリラかよって小馬鹿にしてたヤツは露軍の現状知らなすぎだろし次は超低床トラックでこれだろうね
    内製の供給能力的に輸入頼みになりそうでも残虐行為の件で中印の支援が難しくなるとAFV充足されぬまま再編投入で人的損害で倍増必死だけど方法ないし
    戦車もAPS無いと西側軽ATMの前では棺桶だし八方塞がりとはまさにこの事

    14
    • R
    • 2022年 4月 07日

    最後のZ3つも書かれてて、、
    完全にこれ「ワールドウォーZ」の世界じゃん。たまげたなぁ、

    29
    • 無無
    • 2022年 4月 07日

    ロシア兵とマッドマックスの無法者軍団、やってることがもう見分けつかないから。
    ついでにモヒカン刈りにして、映画のロケもやってくれ
    、しっかり記録しておきたい

    34
      • A
      • 2022年 4月 07日

      そろそろケンシロウも出て来るんかいな。

      12
        • 無無
        • 2022年 4月 07日

        ゼレンスキーとの一騎討ちで、悪の覇王プーチンに血反吐を吐かせて貰いたい

        9
          • A
          • 2022年 4月 07日

          おまえはもう詰んでいる。

          13
    • 折口
    • 2022年 4月 07日

    スーパーパーシングみたいになってる…

    機銃掃射はともかく対戦車ロケットには効果なさそうですが、気休めでもこういうの大事なんでしょうね。しかしゴムタイヤの車両に装甲板なんかつけたらサス沈んで余計に走破性下がりそうな気も…

    11
      • zerotester
      • 2022年 4月 07日

      タイヤがパンク(バースト)して放棄されたトラックの映像がいくつもあり、イギリス軍の車両管理担当だった方が管理が悪いと言ってる記事がこちらにもありました。タイヤが中国製の安物だという説もあり、パンクがますます増えそうです。

      10
        • umd
        • 2022年 4月 07日

        >タイヤが中国製の安物だという説もあり、パンクがますます増えそうです。

        タイヤのブロックパターンを確認すると、中国製ではなくベラルーシ製のタイヤですね。
        あと、タイヤの空気を抜いて空気圧を下げるスタックの対処方法があるので、本当にパンクかどうかは不明です。

        15
        • hiroさん
        • 2022年 4月 07日

        歩兵は自分で足を撃って後送を期待するが、運転兵はタイヤを撃って歩いて後退しているのでは?

        9
    • バクー油田
    • 2022年 4月 07日

    この人らのモチベーションって何なんやろうねw
    自国に攻めてくる脅威があるわけでもない国に侵攻して返り討ちに遭って補給が狙われまくってる現状、
    侵攻を辞めたら済む話やのに、辞めない。諦めない。
    自国の存亡の危機ではない事からして、自分の命を捧げるに見合わない仕事やのにそこから逃げるのではなく、
    気休めの防弾を増設しても続けようとするモチベーションはどこから来るんやろうw

    24
      • ダヴー
      • 2022年 4月 07日

      他に仕事が無いんじゃないですかね。
      特に中央軍管区や東部軍管区あたりの内陸地域とか、日本の田舎とも比較にならないくらいろくな仕事がなさそうですし。

      9
      • けい2020
      • 2022年 4月 07日

      輸送部隊の兵士には、帰国時の略奪品の分前があるのでモチベーション高いですよ

      4
    • sundaycameraman
    • 2022年 4月 07日

    木製アーマー見て思い出したんどけど、戦国時代、足軽は火縄銃に対する防御のために竹の束を盾にして前進したそうな。
    同じレベル(笑)

    4
      • hiroさん
      • 2022年 4月 07日

      竹束は意外と防御効果があったそうですよ。
      木の盾だと100~200m程度で貫通するのに、竹束だと50m程度まで大丈夫だったという記録もあります。
      当時の弾丸は丸形が主流だったこともあるでしょうが、ベトナム戦争でも竹林の銃撃戦で、竹にあたった弾丸が跳弾になりやすかったという証言もありますし、竹の特性を活かしたご先祖と比べるのは失礼かも。

      33
      • 無無
      • 2022年 4月 07日

      今レベルが高くないのはその通りとしても、ロシア軍が創意工夫に富んでいるのは第二次世界大戦の様々な逸話で知られる通り、あなどれない。
      戦いが長引けば、いろんな改良を施してくるぞ

      7
        • LLLLL
        • 2022年 4月 09日

        でも、チェルノブイリ辺りで塹壕掘ってたって聞くとなァ。指揮官レベルで放射能の知識無かったんだろうけど、後に放射線病治療で大騒ぎになるのは、小隊単位か中隊単位か大隊単位か……連隊単位だったりしてね。
        (´・ω・`)

        2
    • 匿名
    • 2022年 4月 07日

    YouTubeなんかを見てても、ロシア人のキャンプや工作関係(本来の意味で)の動画はアイデアと工夫に溢れていて、見ていてとても楽しいものでしたが…

    いつか、再び彼らの作った動画を楽しく見られる日々が来ますように

    21
    • 無題
    • 2022年 4月 07日

    199X年の装備でブッシュマスターと張り合う気か

    4
    • あああああああ
    • 2022年 4月 07日

    こういうのが有効そうな兵器でも襲撃されているということですね。
    砲迫とか、機関銃とか。

    1
    • 黒丸
    • 2022年 4月 07日

    補給部隊だけではなく本国の策源地を叩きたいところだが
    世論戦上、堂々とは難しいのだろうな。
    策源地襲撃は基本の基本なので、何かしらしているとは思うが。
    ウクライナの頑張りや創意工夫、支援に期待したい。

    7
    • 通りすがり
    • 2022年 4月 07日

    素朴に、冷却に問題でないのかな

    6
    • k.ziro
    • 2022年 4月 07日

    昔やってたCrossOutっていうゲーム思い出した

    • NATTO
    • 2022年 4月 07日

    青い服のオッチャンと写ってるトラックは鉄板の下に木材を入れてるけど緩衝材なの?

    3
    • とくめい
    • 2022年 4月 07日

    やってることだけじゃなく装備までダーイッシュとお揃いにするのは気合入ってんな
    次は自爆車両かな?

    3
    • 干物
    • 2022年 4月 07日

    イラク戦争初期の米州軍車両のDIYを思い出す光景ですね…

    8
    • あああああああ
    • 2022年 4月 07日

    Zをやたら描いてるのは友軍の誤射を怖がってるのかもしれませんね。

    4
    • DDD
    • 2022年 4月 07日

    お、6日遅れのエイプリルフール記事か?(混乱)

    ほんの少し前までは、現代ロシア軍が装甲の切り出し利用とか第二次大戦じみたマネするとか信じられなかったと思う

    5
    • 四凶
    • 2022年 4月 08日

    何だかんだ地力の問題が出てきている

    西側装甲車両が装備しているようなMEXASとその後継であるセラミックの追加装甲でもあればグレードによってはIED防御出来るぐらいは性能アップ出来るのに。

    確か数年前にロシアでも高性能なセラミックの話あったから量産出来るなら応急的な増加装甲としては使える筈なのに。

    1
    • sage
    • 2022年 4月 13日

    ライフル弾位なら効果あるだろうからやはりエンジンには余裕を持たせておかねばならないな…

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 中国関連

    中国、量産中の052DL型駆逐艦が進水間近、055型駆逐艦7番艦が初期作戦能力を…
  2. 米国関連

    米空軍の2023年調達コスト、F-35Aは1.06億ドル、F-15EXは1.01…
  3. 米国関連

    F-35の設計は根本的に冷却要件を見誤り、エンジン寿命に問題を抱えている
  4. 米国関連

    米陸軍の2023年調達コスト、AMPVは1,080万ドル、MPFは1,250万ド…
  5. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
PAGE TOP