ロシア軍のロマン・クトゥーゾフ少将がルハーンシク州ポパスナ周辺の戦闘で戦死したと報じられており、これが事実ならロシア軍は9人目の将官をウクライナで失ったことになる。
参考:В Луганской области ликвидировали российского генерала – СМИ
カディロフツィのマゴメド・トゥシャエフ少将を加えるとロシア側が失った将官の数は10人
ロシア軍のロマン・クトゥーゾフ少将が戦死したのはセベロドネツク~バフムートを結ぶ幹線道路(T1302)の遮断を巡って両軍が激しい戦闘を続けているMykolaivka村(ルハーンシク州)で、クトゥーゾフ少将は部下を率いて戦闘中に死亡したらしい。
なぜ将官クラスの人物が最前線で部下を率いて戦闘に参加しなければならないのかは謎だが、ロシア軍は6月10日までに「セベロドネツクの完全占領」もしくは「バフムート~リシチャンシク間の補給ルート遮断」のどちらか一方を達成するよう要求されていると報じられている。
T1302まで数kmの地点に迫りながらウクライナ軍の抵抗にあって「補給ルート遮断」が実現しないため、自ら最前線に出向いて戦闘に参加してしまったのかもしれない。
今のところクトゥーゾフ少将の所属は不明で、ロシア国防省のホームページには第29諸兵科連合軍の司令官と記載(2019年)されており、カディロフツィのマゴメド・トゥシャエフ少将(チェチェン人部隊)を加えるとロシア側がウクライナで失った将官の数は10人だ。
所属 | 氏名/階級 | 戦死報告日 | 戦死した場所 |
第41諸兵科連合軍副司令官 | アンドレイ・スホベツキー少将 | 3/3 | マリウポリ |
第41諸兵科連合軍副司令官 | ヴィタリー・ゲラシモフ少将 | 3/8 | ハルキウ |
第29諸兵科連合軍司令官 | アンドリー・コレスニコフ少将 | 3/11 | 不明 |
第150自動車化狙撃師団長 | オレグ・ミチャエフ少将 | 3/15 | マリウポリ |
第8親衛諸兵科連合軍司令官 | アンドレイ・モルドヴィチェフ中将 | 3/18 | ヘルソン |
第49諸兵科連合軍司令官 | ヤコフ・レザンツェフ中将 | 3/25 | ヘルソン |
第8親衛諸兵科連合軍副司令官 | ウラジミール・フロロフ少将 | 4/16 | ドンバス |
ロシア軍電子戦部隊司令官 | アンドレイ・シモノフ少将 | 4/29 | イジューム |
所属不明 | ロマン・クトゥーゾフ少将 | 6/5 | ポパスナ |
カディロフツィ | マゴメド・トゥシャエフ少将 | 2/26 | ホストメリ |
関連記事:8人目のロシア軍将官が戦死した可能性、参謀総長はモスクワに帰国か
※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由
お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。 |
将官だけでなく大隊長・中隊長・小隊長クラスの士官の損耗も激しいと英国防省は言ってますね。最前線で指揮しなくてはならないからだと。一兵卒と違って養成に時間がかかるので簡単には補充できません。
ウクライナは伝説の女性狙撃兵、リュドミラ・パヴリチェンコの母国で伝統的に狙撃兵が強いですが、市街戦や陣地戦では狙撃兵が動きやすいので敵指揮官を狩っているのではと思えます。
狙撃兵が強い国とはいえ、やはり確度の情報がもたらされているからでしょう。
英米を含む情報機関の存在は大きいですね。
以下訂正です。
>確度の情報
→確度の高い情報
でした。
露探氏によるとクトゥーゾフ少将はドネツク人民共和国の第一軍団を率いていたそうです
戦争前からロシアにいるとされてきた将官はそろそろ半分に差し掛かる。
どんなに優秀な士官を将官にするべく召喚したところで、誰もなりたがらないだろう。
ロシア軍は戦後の再建を考えなくていいな。どうせみんないなくなる。
軍人は無理な命令でも従いますが、それは心からではないもんな。
偉大な歴史をもつロシア軍がこうも惨めな苦戦と失敗を続けている理由は誰のせい?
短絡的なクーデターは起こり得ないが、やがて軍部がプーチン政権排除へとうごめき始める予感が確信に変わるだろうよ
少将くらいなら畑に肥料撒けば生えてくるさ。
必要なのはプーチンの命令に忠実な事だけだしな
従来の軍戦術はロシア軍の実態では実行できないから、学んでも意味ないし
全面進行のときは、スマホで連絡とりあってるせいで通信傍受されまくってるとか、食料と燃料、弾薬が全然足りないって言われていたけど、まだこの状態なのか?
最近ロシア将校の戦死が減ったから、3月末~4月初旬の首都攻勢撤退と、東部侵攻の部隊の再編成で解決したもんだと思ってたけど。 マリウポリとセベロドネツクの話題ばかりで、久しくこのロシアの杜撰な内情の話題が出てなかったけど相変わらずジリ貧なのかね。
6/10までに一定の成果を出さないと責任取らされたり、粛清されるのが怖くて、なりふり構ってられないのかな。
借金取りが怖くて強盗に走る人の心理?
現代レベル軍通信網が元から整備されてなかった(書類上だけ整備されてた)訳で、
それを数ヶ月で一から構築するのは無理じゃないかなって
平時ですら年単位で掛かるような事ですし、いまは制裁で輸入品の部品もないから製造も出来ず
なので無暗号アナログ無線をかき集めたり、ウクライナの民間携帯電話を使う羽目に
漏れ聞こえてくる感じだと、軍用デジタル暗号無線機は中隊に1つがやっとな感じが
>無暗号アナログ無線
中華な激安民生機利用ですから無線技術による暗号化は望めないにしても。
せめて第二次大戦当時の様な暗号技法を利用するとか、大隊レベルででもニイタカヤマノボレの様な隠語を利用するとか。そういう工夫は、ロシア軍の現場において、なされてないんですかね。
ほんとに、ガチの平文で民生用トランシーバーや携帯電話を使ってるんでしょうか?
ポパスナ北西のsoledar方面には観光地にもなっている巨大坑道なんかがあって
硫黄島で日本軍がやったみたいなゲリラ戦もできる、かなり防衛有利な地形になっているらしい
にもかかわらずロシア軍が無謀な攻撃をくり返しているのを疑問視する声もあったけど
6/10日までに戦果を出すことを厳命されてるって報道があるのなら状況証拠的には一致するな
ロシアはジャンプ漫画というか某丸太漫画みたいな形の人事になってるのかな?
判らないけれども。
1812年のクトゥーゾフ将軍の系譜なのかな。
軍人の家系はあるそうだし。
どなたかご存知ありませんか。
それ思いました
祖国戦争英雄のご子孫だったのかな
士官がもう居なくて、将官が代わりに直接陣頭指揮取ってる状況なんでは
まさかとは思うけれど
将官も「士官」の内ですよ
この場合、将官よりも下の「佐官」クラス、特に大佐あたりの質と量が不足しているか、部隊が命令に従わずに直接督戦する必要が有るかでしょうかね
少将自ら前線で部下の指揮とはまさに士官の鑑だなあ(白目)
素人が適当な事を言うと思って聞いてください。
WW2で機動戦の達人とされたグデーリアン将軍とロンメル将軍は、
いずれも前線で指揮車に乗った姿を写真に残しています。
出典は忘れましたが、
”戦場では全てが激動的に行われるので、指揮官は前線に居るべき”
と言う言葉もたしかあったと思います。
ですから、指揮官が前線にいる事自体が間違っている訳では無いと思います。
必要なのは、十分な護衛を付けることではないかと 思います。
>WW2
>機動戦
今はWWⅡ時代ではなくてUAVが五月蠅く飛び回るご時世
今ロシア軍がやってるのは縦深攻撃の一種でしょ、そりゃ機動戦でもない
物事ケースバイケース、正しいも間違ってるも部外者にはあずかり知らぬ話です
まぁしかしウクライナ軍はよくもこう延々と仕留め続けるもんだなぁ…と感嘆しますが
各々のスタイルでしょうね。
特にグデーリアンやロンメルの時代は機甲戦術を実践し始めの時期なので、現地確認が必要だったのでしょう。
いや、君の言う事は決して間違っていないよ。
例えば、WW2後もイスラエル軍の機甲部隊は幾度も起きた中東戦争で指揮官が最前線で指揮を執る傾向が強く、戦死者も結構出ていると言われている(知っている例だと、第4次中東戦争のゴラン高原攻防戦で壊滅した第188機甲旅団のイツハク・ベン=ショハム大佐は指揮車として乗車して居たセンチュリオン戦車ごと撃破されて戦死、その後彼が乗っていたとされる戦車の残骸が慰霊碑として現地に置かれている写真を中東戦争の文献で見た事が有る)。
更に、機甲部隊だと最前線の状況が流動的なので指揮官も前線に出て指揮を執る必要が有ると言う点は戦史でも結構語られている。
只、今回ウクライナへ侵攻したロシア軍の場合、通信傍受に強いデジタル通信器材が整備されていない為にウクライナ軍の通信傍受やNATOによる情報収集で指揮官の位置と作戦意図がバレバレと言う問題に加えて、ロシア軍の作戦と組織が硬直的且つ混乱している上、将兵の士気も低いから本来部下に任せるべき部分の指揮も上級指揮官がやらないと行けない内情が大きいかなと思っている。
なぜ、ロシア軍の少将の遺体の写真がネットに出回っているのでしょうか?
ロシアの従軍記者が撮影してロシアのニュースで公開されたのでしょうか?
ロシア軍が戦死した少将の遺体を放置して逃げたのでしょうか?
それともロシア兵が無断撮影してSNSにアップしたのでしょうか?
後の二つの場合、ロシア軍は末期症状なのかもしれません。
上級大佐は将官扱いをされてバッジなどもそうだと聞いているのでパリーも含めた方がいいのでは?
プーチン「将官が殺された。下弦の伍だ。」
プーチン「私が問いたいのは1つのみ。『何故にロシアの将官はそれ程まで弱いのか』」
プーチン「将官に昇進したからと言って終わりではない。そこから始まりだ。より支配地域を拡大して強くなり私の役に立つための始まり。ここ百年余り十二鬼月の将官は顔ぶれが変わらない。民主主義国家の豚共を葬ってきたのは常に上弦の将官たちだ。しかし下弦はどうか?何度入れ替わった?」