ロシア関連

ロシア、次期主力戦車に電熱利用化学砲や垂直発射方式のミサイルを採用か

ロシアは25日、モスクワで開催中の国際軍事技術フォーラム「ARMY-2020」で主力戦車「T-14」の先にある「将来戦車」についての構想について発表したとタス通信が報じている。

参考:Russia’s top brass wants to replace Armata with two-section ‘tank of the future’

ロシアが明らかにした将来の戦車は電熱利用化学砲を採用して極超音速砲弾を発射?

ロシアが発表した内容を要約すると、T-14の後継として開発される戦闘車輌はT-14で採用された装甲カプセル方式の乗員保護が引き続き採用され、爆発反応装甲、レーザー兵器、電磁パルス発生装置等で敵攻撃からの生存性を確保、自動装填装置付きの電熱利用化学砲(ETC)を搭載した無人砲塔や車体に埋め込まれる形で搭載される垂直発射方式の精密誘導兵器を装備、偵察や警戒用途の無人小型航空機や無人小型車輌を搭載することになるらしい。

発表された中で特に目を引くのは極超音速砲弾を発射可能とロシアが言っている電熱利用化学砲と、既存の戦闘車両が搭載するヘルファイア(射程8km)やジャベリン(射程6km)等の精密誘導兵器よりも射程が拡張された垂直発射方式の精密誘導兵器(射程12km)だろう。

出典:Boevaya mashina / CC BY-SA 4.0 次世代主力戦車「T-14」

現状、装薬方式による砲弾の初速引き上げは頭打ちの状況で、これを打破する技術として電熱利用化学砲、電熱砲、電磁砲等が挙げられており、電熱砲は薬室に火薬を装填する代わりに通電物質(極端に言えば水でもOK)を装填、これを電気の力で一瞬で蒸発させ膨張圧の力で砲弾を押し出すという仕組みで装薬方式に比べ初速を大幅に引き上げることが可能だが、通電物質を蒸発させるために必要な電力が膨大なため通電物質に化学的物質を用いて必要な電力条件を緩和したのが電熱利用化学砲だ。

本当にロシアが言うように電熱利用化学砲で砲弾を極超音速(初速2000m/s以上)まで加速できるのかについては謎だが、米メディアは砲弾にスクラムジェットの原理を取り入れないと極超音速まで加速させるのは難しいのではないと指摘しているが、もし実現できれば前例のない攻撃スピードと致死性を備えた画期的な兵器になると言っている。

補足:ノルウェーの防衛産業企業「Nammo」は2018年、155mm自走砲向け砲弾にラムジェットを搭載して100kmを越える射程を実現した155mmラムジェット砲弾を発表して各国から注目を集めている。

さらに戦闘車輌が現状使用している対戦車ミサイルよりも射程が長い精密誘導兵器の採用は、戦場で一方的な殺戮を可能にするかもしれないと米メディアは指摘したが、ロシアは兵器の性能を大きく見せる傾向があるので本当に射程が12kmもある精密誘導兵器を戦車の車体に埋め込み垂直発射方式で打ち出すことが可能になるかは確証がないとも言っているが、もう間もなく登場する主力戦車「T-14」の次を開発するための取り組みをロシアが具体的に始めているというのは注目すべき点だろう。

果たしてT-14の次が形になるのは何時だろうか?少なくとも2030年~2040年に姿を見せることはないと思っているが、、、

 

※アイキャッチ画像の出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 次世代主力戦車「T-14」

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 8月 29日

    初速をこれ以上上げるには反動制御が必要って言われて久しいけど、そこはどうするんだろ

      • 匿名
      • 2020年 8月 29日

      使用物質次第では後部にも噴射して無反動砲ぽくできるのか!?

      • 匿名
      • 2020年 8月 29日

      10式みたいにサスペンションで制御するか、砲弾にスクラムジェットかロケットを搭載して発砲後に加速する
      もしくは砲弾が多少誘導するか

        • 匿名
        • 2020年 8月 29日

        10式のアクティブサスペンションで反動云々は試作機で検討された結果、無しでも充分反動を抑えられたので量産型には搭載されていない機能だよ

        十年以上前の知識をいつまで引きずってる訳?
        カタログミリヲタとしても失格だなw

          • 匿名
          • 2020年 8月 29日

          コメント元はサスペンションとしか書いてないぞ

          • 匿名
          • 2020年 8月 29日

          アクティブサスペンションて言う奴は!!って言いたいだけなんだねー。かわいそうに。。。

          • 匿名
          • 2020年 8月 30日

          これは恥ずかしい

    • 匿名
    • 2020年 8月 29日

    戦車っていつまで通用するんだろうか
    ドローンが進化していったら安く量産された自律ドローンが空中から大量生産されたRPGをバカスカ撃ちこんできそうな気がする
    上面装甲はどの戦車も紙装甲だから
    全体をトリカゴみたいに防護しても対応策出てくるだろうし
    戦艦が消えていったように戦車も消えていく運命なのかも

      • 匿名
      • 2020年 8月 29日

      戦車に代わる兵器は無いので、まだまだ残りますよ。
      対戦車攻撃機が、急降下爆撃機、対戦車ヘリ、ドローン(これも無人ヘリですよね)と変化しているにすぎません。
      現在は、ドローンが登場したばかりで優位性があるように過大に評価されています。
      対戦車ヘリが無敵のように言われていましたが、肩打ち式の対空ミサイルの発展によりその価値を大きく減じたように、対抗策が確立すればドローンもまた然りでしょう。

      • 匿名
      • 2020年 8月 29日

      レーザー迎撃システムが実用化し始めてきているから、ロケット弾や低速のミサイルと一緒に無力化されるよ(未だ艦船、航空機段階だが)
      そうでなくとも、先進国の戦車には電子かく乱手段も、ハードキル手段もあるからドローンはそこまで脅威にはならない。
      特にこの分野で先進しているのは、ロシアとイスラエルだろう

      戦車ほど強力な装甲と強力なエンジンと大砲を持って、突撃できる兵器はほかにないから、まだ数十年は残り続けるよ

      • 匿名
      • 2020年 8月 29日

      まぁ、戦艦はなくなっても駆逐艦(ミサイル搭載)は消えてないし、戦車も形や運用方法を変えつつ残り続けるのでは

      *肉眼で確認できる範囲での砲撃戦がなくなって紙装甲になった艦船と違って、陸上戦に求められるものはそう変わらないから戦車っぽい重装車両の系譜は戦艦と違って途絶えることはないと思う

      • 匿名
      • 2020年 8月 30日

      戦場でもっとも生存性が高いはずの戦車が通用しないのならば、戦車よりも遥かに脆弱な歩兵やAPC/IFVは生き残れないのでは。
      そうではなくて、モダンな戦場で生き残れるように近代的な装備を取り入れるだけだと思われ。

    • 匿名
    • 2020年 8月 29日

    ただドローンにも対抗策は間違いなく出てきますからね。戦車は戦車で研究は続けるべきなのかも。

    • 匿名
    • 2020年 8月 29日

    自律型の小型戦車がでてくるんじゃないの?
    空中を飛ぶ飛行ドローンは滞空がそこまで長いわけじゃないからエリア制圧は出来ないし

    • 匿名
    • 2020年 8月 29日

    ロシアは本当に極超音速好きね
    相当力を入れて研究してると見える

    最近は中国ばかり脅威扱いされるが、やっぱロシアも怖い

      • 匿名
      • 2020年 8月 30日

      より速くというのは王道ですからね。
      ロシアの技術力をナメては行けません。
      有人宇宙飛行技術をを断絶無く維持していますしね

    • 匿名
    • 2020年 8月 29日

    T-14なんかろくに生産されてないのにもう次とはね
    Su-57もろくに配備されてないのに次のステルス戦闘機の開発してるらしいし
    ペース早くね、なんなの金余ってるの?

      • 匿名
      • 2020年 8月 30日

      誇大広告してるだけ。
      情報公開する必要ない国ではホラも戦術の1つ。
      西側の中の人も分かっているだろうが、敢えて反論せずに信じたフリして、議会から対抗名目の予算をもぎ取ってくる。
      まあ、どっちもどっちだ。

    • 匿名
    • 2020年 8月 29日

    レオパルト2が世に出てから戦車の基本構造は大きく進化していない。

    未だ第4世代戦車と定義された車輌が現れていないからロシアの次世代戦車が実用化されたらそれが第4世代戦車になるのかな?

    • 匿名
    • 2020年 8月 29日

    第一次大戦のルノー戦車が完成させた、履帯付き装甲車両に360度回転する砲塔という基本型、すでに百年越してるけど
    変えられないもんだね

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    レーザーやレールガンと並んでSF兵器の代名詞たるブラスターもついに実用化かと思ったら
    なんか思ってたんと違う……
    せっかくそんだけの熱量生み出すならそのまま撃ち出せよと
    まあ砲口へ誘導する方法も熱を拡散せずに維持する方法も無いんだろうけどさ…

      • 匿名
      • 2020年 8月 30日

      サーマルガンもわりとSF兵器の類いだと思うのだが

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    これが可能になっても初速が上がれば砲身に負担がかかりすぎて電磁砲ほどでないにしても耐久性に問題が出そう

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    新コンセプトとコストを考えれば、もはや砲や砲塔は要らないのでは?
    戦車が進化して戦車でなくなるのも、そう遠くないかもしれない

    • 匿名
    • 2020年 8月 30日

    トールM1<きたか…(ガタッ

    • 匿名
    • 2020年 8月 31日

    ドローンって言うと空飛ぶ対戦車兵器みたいなのばかり話題に出ますが、ゴリアテみたいなのって開発されてないんでしょうか?
    あと、空ではロイヤルウイングマンみたいなのが作られてきていますが、戦車でもそういうのやらないんでしょうか?

      • 匿名
      • 2020年 9月 01日

      無人機の自動制御の難易度が空中<水中<水上<陸上と難しくなるから、無人戦車みたいのが出てくるのは相当先じゃないかな。

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