ロシア関連

ギリギリセーフ? ロシアの対独戦勝パレード参加中の歩兵戦闘車「K-17」から黒煙

ロシアは24日、モスクワの赤の広場で対独戦勝75年周年を祝う軍事パレードを行ってロシアが誇る最新の装備を披露したが、パレードに参加した8輪駆動の装輪装甲車「ブーメランク」が突然発火して黒煙に包まれた。

ロシアの最新装輪装甲車「ブーメランク」が軍事パレード中の黒煙に包まれる

ロシアのアルザマス機械工場が開発した8輪駆動の装輪装甲車「ブーメランク」は2015年に初めて公開された最新モデルで、即席爆弾対策やNBC防護機能を備えウォータージェット推進で水上航行も可能と言われており、ロシアはブーメランクをベースにBM無人砲塔(30mm機関砲/対戦車ミサイル4発)を搭載した歩兵戦闘車「K-17」や遠隔操作式の12.7mm重機関銃RWSを搭載した装甲兵員輸送車「K-16」を開発した。

出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 BM無人砲塔

今後、ブーメランクベースの新型装甲車両で旧式化したBTR-80等(数千両規模)を順次更新していくものと思われる。

補足:アルザマス機械工場は装輪装甲車BTR-80の後継としてBTR-90を開発してロシア陸軍がテスト用に少数採用したが、国防省は2011年にBTR-90の量産や購入を拒否=事実上の採用中止を発表して、同車の海外輸出も許可しない方針を示したため、装輪装甲車「ブーメランク」はBTR-90の後継ではなくBTR-80の後継というのが正しい。

ネットにアップされた動画は24日のモスクワ市内で撮影されたもので、発火したのはBM無人砲塔を搭載した歩兵戦闘車タイプのK-17だ。

このた歩兵戦闘車は対独戦勝75年周年を祝う軍事パレードに参加した後=赤の広場を通過後に発火して大量の黒煙を撒き散らしていたが、走行していたが車両を停止(恐らくエンジンを切った?)させて暫く経つと黒煙発生が収まったためエンジントラブルの可能性が高い。

出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 ブーメランクベースの歩兵戦闘車「K-17」

これだけでロシアの新型装輪装甲車「ブーメランク」の評価が下がることはないが、一歩間違えればプーチン大統領が見守っていた対独戦勝75年周年を祝う軍事パレードを台無し(赤の広場が黒煙まみれ)にしていたかもしれないので、軍の整備担当者は青ざめていることだろう。

 

※アイキャッチ画像の出典:YouTubeにアップされた動画のスクリーンショット

全研究員が事件に関与? 韓国が国防機密流出事件の中間報告を発表前のページ

衝撃的な事実、パキスタンのパイロットの40%は偽ライセンスで旅客機を操縦次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    ロシア国防省、国産UCAV「オリオン」を使用した攻撃シーンを公開

    ウクライナ軍がトルコ製UCAV「バイラクタルTB2」による攻撃シーンを…

  2. ロシア関連

    ロシア、20日に開幕するMAKS国際航空ショーでシングルエンジンの新型戦闘機を発表

    ロシアの国営企業「ロステック(英:Rostec / 露:Ростех)…

  3. ロシア関連

    露ワグネルのプリゴジン氏、ゲラシモフ総司令官やショイグ国防相を名指しで批判

    露ワグネルのプリゴジン氏は4日、当日の戦闘で戦死した兵士の遺体の前で「…

  4. ロシア関連

    数年以内に正式配備? ロシア、世界で最も非常識な兵器「3M22ジルコン」の艦艇試射に成功

    ロシア海軍のアドミラル・ゴルシコフ級フリゲートは今年1月、マッハ9.0…

  5. ロシア関連

    ロシアが演習目的でMiG-31Kをシリアに配備、地中海や欧州が極超音速ミサイルの影響下に

    ロシア国防省は25日、軍事演習を行うためシリアのフメイミム空軍基地に極…

  6. ロシア関連

    ロシア国防次官、パニックを防ぐためクリミアで発生する爆発の隠蔽を指示か

    ロシアのブルガコフ国防次官はクリミア当局に「住民や観光客が逃げ出すのを…

コメント

    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

    スモーク炊いてんのってくらい煙出まくってんな

      • 匿名
      • 2020年 6月 26日

      ああ…またシベリアの大地の犠牲者が…

      1
    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

    自分の整備小隊から観閲式で問題起きたらやだなあ

    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

     頭にKとかつけるから法則発動したんじゃない?とか一瞬思ってしまった。

     無人砲塔って実際のところ有用なんでしょうかね、シリアでアルマータなど最新兵器の実戦データ取っているみたいだけど、その辺の情報は流石に漏れて来ないから余計に気になってしまう。

    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

    5年前だっけ
    開発中だったか開発が終わったばかりで初お目見得のT-14をパレードに出してエンストしてたの

    1
    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

    エンジンも新型なのでトラブルではなく欠陥という線も。
    カーボン溜まりや油膜切れで燃えるのは割とありがちな設計ミスでからね。
    他にこのエンジンを採用しているのは、同時に開発・公開されたコンポーネント共通のクルガネツ-25。

      • 匿名
      • 2020年 6月 26日

      間違えた燃料入れた可能性も

    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

    ソ連時代のロシアってウクライナと一蓮托生というか
    高性能な戦車や軍艦つくってた拠点ってウクライナが多いんだよね
    冷戦が終わった後は今度は西側と比較的仲良くしてた時期もあったけどそれもなくなった
    今のロシアは完全に独自でやってるからソ連時代に経験あるようで未経験同然になっちゃってる分野も多いんだろうね

      • 匿名
      • 2020年 6月 26日

      ドイツの技術を得られたこと、ドイツ人技術者の確保ができたことが大きかったと思いますよ。
      ウクラナだから、ということはないかと。
      その証拠に、ウクライナは重工業を失いつつあり継承できない状態になっています。
      新しい技術へ進化させていく動きも見えません。
      技術者が足りないのでしょう。

    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

    ソ連の伝統は生きている
    ハラショー

    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

    自衛隊で同じことやったらどうなるんだろう?

      • 匿名
      • 2020年 6月 26日

      別にどうもならん
      原因調査の後整備ミスなら整備担当者が訓告受けるぐらいだろし
      欠陥ならメーカーに対策求めるだろう
      マスゴミが大げさに騒ぎ立て、いつもの連中が欠陥品と囃し立てるいつものパターンだよ

      2
      • 匿名
      • 2020年 6月 27日

      関係者がいきなり行方不明になる国じゃないからね。

    • 匿名
    • 2020年 6月 26日

    いや、現在はロシアらしい、ほのぼのした事件である

    • 匿名
    • 2020年 6月 27日

    一方我が国の10式は自衛隊にとって年に一度のお披露目の日である総火演で無様にも履帯を外し立ち往生していたw

      • 匿名
      • 2020年 6月 27日

      でも、日本には戦車を補修・牽引する装備や、潜水艦を引き上げる艦まである

      しかし、ろすあにはそれはないかった
      ますて、戦車には小人しか乗れないとか、サスも酷いという

      • 匿名
      • 2020年 6月 29日

      あれわざとだよ。
      あのあとサクッと直したでしょ。
      他国にあれマネできる?
      (決して負け惜しみでは…。)

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 中国関連

    中国は3つの新型エンジン開発を完了、サプライチェーン問題を解決すれば量産開始
  2. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
  3. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  4. 欧州関連

    オーストリア空軍、お荷物状態だったタイフーンへのアップグレードを検討
  5. 中東アフリカ関連

    アラブ首長国連邦のEDGE、IDEX2023で無人戦闘機「Jeniah」を披露
PAGE TOP