東欧諸国に駐留する兵力を増強するNATOに対抗するためロシアは7日、カリーニングラードに極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載したMiG-31Kを配備したと報じられている。
参考:Russia Deploys Hypersonic Missile To Baltic In Range Of NATO Capitols
NATOは以前からカリーニングラードへのイスカンデルM配備に神経を尖らせていたのでキンジャール搭載のMiG-31K登場に警戒を高めているだろう
ポーランドとリトアニアに挟まれたバルト海に面するカリーニングラード州はロシア領の飛び地で、極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載したMiG-31Kがチカロフスク空軍基地に着陸したのが目撃されており、これは東欧諸国に駐留する兵力を増強するNATOへの牽制もしくはウクライナ侵攻にNATOが介入した際の報復用ではないかと報じられている。
A Russian MiG-31K carrying a Kinzhal ballistic missile was spotted landing at the Kaliningrad Chkalovsk airbase on February 7.
This a very unusual developyment. MiG-31s are not based there, furthermore this is a Kinzhal missile carrier.https://t.co/ViWYjcdkLd pic.twitter.com/xqvD5I9BJG
— Status-6 (@Archer83Able) February 7, 2022
ロシアが実用化に成功した空中発射型の極超音速ミサイル「キンジャール」は迎撃戦闘機MiG-31BMを改良した専用機「MiG-31K」に搭載され、高度2万5,000m付近まで上昇してマッハ3.0まで加速したのちに発射されるのだが、この運用方法で発射されたキンジャールの最高速度はマッハ10に到達、最大2,000km先の地上目標や海上を航行する大型艦艇を攻撃することが出来るといわれているが、キンジャールは短距離弾道ミサイル「イスカンデルM」を転用して開発した空中発射型弾道ミサイル(ALBM)なので極超音速巡航ミサイル(HCM)や極超音速滑空体(HGV)とは別ものだ。
ただイスカンデルM譲りの迎撃回避機動や迎撃を困難にする囮の放出機能が備わっていると噂されているので対応側にとって厄介な存在であることに違いはなく、仮にカリーニングラードやバルト海上空でキンジャールを発射すれば西ヨーロッパの大半(NATO本部も)が影響下に収まる。
果たしてMiG-31Kがチカロフスク空軍基地にいつまで駐留するのかは不明だが、NATOは以前からカリーニングラードへのイスカンデルM配備に神経を尖らせていたのでキンジャール搭載のMiG-31K登場に警戒を高めているだろう。
関連記事:ロシアが演習目的でMiG-31Kをシリアに配備、地中海や欧州が極超音速ミサイルの影響下に
関連記事:日本も射程圏内、ロシアがカムチャツカ半島に極超音速ミサイル搭載のMiG-31Kを配備
※アイキャッチ画像の出典:kremlin.ru / CC BY 4.0 キンジャールを搭載したMiG-31K
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ついこの間、米国がロシアに「臆病なキツネほどよく吠える」と例えて牽制したばかりなのに、
NATOがキツネ狩りのハウンドに睨まれて動けなくなっちまった
なんちゅう皮肉じゃ
F-3にも極超音速兵器が搭載されると良いな
漏れ伝わる、あるいは推測されるNGFに、大物・長物が積める印象は今のところ無いような…
あー言えばこー言う、の部類だからあんまり当てにはならんけど、
ASM-3の能力向上型開発の会見の時、当時の岩屋防衛大臣がF-2後継機での運用について聞かれて「当然そうでなければならないだろうと思います」とは回答してるね。
そもそも航続距離・搭載量重視なのは確実なので、機外になら大物・長物を搭載する事は十分可能だろうし、見通し外から長射程ミサイルぶっぱして逃げるなら機外搭載もそれほど問題にはならんかと。
F-3はF-2みたく、「アメさん機は勝手に弄れないから新装備の試験は君に任せた」って役割も求められるだろうし、搭載可能はほぼ確ぽいよね
ASM-3改について、記者会見で搭載が明言されていますから、大物・長物も積めると思います。
その観点から、F-3のウェポンベイの配置の関して、胴体中央に縦二連の形態を想定している人達がいたかと思います。
プラス、ダクトを避けたサイド配置との併用予想もあったかな。
的外れだったのか、良い線いってるのか、他人事なので答え合わせが楽しみです。
一般論として、制空戦闘機で航続/速度/機動性能を追求する場合は、軽量化や低抵抗化が望ましいです。重量物の内装は、空対空戦闘では無駄となる容積や懸架強度(重量)の増加に繋がります。
そのため個人的には、F-3はASM-3改は外装するだろうと思っています。
DMUを用いたシミュレーションでは、搭載ミサイルが多い方が、攻撃機会だけでなく生存率などで優位となり、
また別の遠隔地での多対1のシミュレーションでは、速度優位なタイプより航続力優位なタイプの方が﹙現場の展開機数が増え﹚優位との判定となりました。
その流れを受けて、今日見られるF-3像は大型機になった様です。
高度なステルス性能と、高性能なセンサー、ネットワーク戦での相互援護等を前提としたMRAAMの撃ち合いが主体で、その為の機動力は必要ですが、
﹙センサー役とシューター兼囮役を随時入れ換える機動を実施﹚
格闘戦は1:3とかの数的不利な情勢だと、高度なステルス性能とかを活かす前に数の暴力の前にじり貧に陥るので、優先順位は低めなのだと思います。
MRAAMの搭載数重視はおっしゃる通りですが、MRAAMの搭載とASM-3(改)の搭載に必要なウェポンベイの深さが違いすぎるように思うので、ASM-3(改)の搭載は外装になるだろうと個人的には考えています。
あと、次期戦闘機のインテグレーション支援内容の中に、運動性能とステルス性の両立が含まれているので、次期戦闘機(仮称F-3)には運動性能も求められているものと考えられます。
F-3の「機動力」の関しては、繰り返しますが、格闘戦用途ではなく、ネットワーク戦でのMRAAM撃ち合い用途だと解釈しています。
また、SRAAMのオフボアサイト攻撃能力の大幅強化に伴い、格闘戦での機動力は相対的に地位低下している印象を持っています。
F-3の世代で求められる「機動力」は、第4世代とかで求められたそれとは、少々趣が異なるのだろうとも。
F-3のイメージ図が、バーチャルビークルの初期コンセプト案の「機動性重視型」ではなく「航続性&ウェポン重視型」の系譜っぽいのも、上記から仕方ないかなと半ば諦めています。
ちなみに初期コンセプトの中では、「機動性重視型」が一番好きで、「航続性&ウェポン重視型」は最も好みから外れています。
ウェポンベイの深さの関しては、「ウェポン内装化空力関連技術の研究」で公表された結果から判断すると、
空力的には「狭く深い」タイプが良さそうで、
「広く浅い」タイプは避けた方が良さそう、との印象を持っています。
「狭く深い」タイプだと、気流はウェポンベイ内部に入り込ます﹙内部の気流は循環系で安定﹚、衝撃波もウェポンベイ後方で発生する様です。
「広く浅い」タイプだと、気流はウェポンベイ底面まで入り込み、
衝撃波もウェポンベイ内部で二波発生して搭載ミサイルの横っ腹を直撃する様です。
ちなみに「狭い」といってもMRAAMを2~3発並列配置出来る幅は確保する筈なので、ASM1発分なら幅の面では問題無いと見ています。
「狭く深い」タイプだと、「深さ」は幅以上に余裕ですね。
機体内部のレイアウト面でも、ウェポンベイの「深さ」確保の努力を日本は要素開発の段階から行っているので、ウェポンベイの「深さ」は何とかなると見ています。
残る問題は、「長さ」です。
単基のウェポンベイでASM-3級格納の「長さ」を確保出来るとは考えていません。
「F-3のウェポンベイの配置の関して、胴体中央に縦二連の形態を想定している人達」の予想が当たり、
かつ「縦二連」の間に隔壁か存在しない場合、ASM-3級内蔵の芽が出てくると考えています。
ASM-3級のミサイルを内蔵可能になると、LRAAMその他も内蔵可能となり、
ステルスの状態を維持したまま色々やれる事が増えるのでしょうね。
ただし個人的な好みは「機動性重視型」な方向なので、
実は、上記か実現せずに少しでも小柄になってくれる事を願っています。
と言うか、空幕内にも恐らく存在するだろう﹙願望﹚「格闘戦重視派」に頑張ってもらって、
今のF-3イメージ図を撤回し「機動性重視型」な感じに纏め直して欲しい位です。
その為には、ちょと中国の存在が邪魔かもですが。
>「F-3のウェポンベイの配置の関して、胴体中央に縦二連の形態を想定している人達」の予想が当たり、
>かつ「縦二連」の間に隔壁か存在しない場合
要は、F-23で採ったかもしれないスタイルに近いかな。
F-23だと、前段のウェポンベイは操縦席や機械室との関係で底が浅めですが、
もうちょい位置調整して前段も深く出来てたら、兵装の自由度が更に増えたでしょうね。
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ちょと修正。
>「広く浅い」タイプだと、気流はウェポンベイ底面まで入り込み、
>衝撃波もウェポンベイ内部で二波発生して搭載ミサイルの横っ腹を直撃する様です。
これ、風洞実験等が上下逆で行ってたので、見た目から「底」としましたが、実際のレイアウトだと「上面」ですね。
うーん戦線近しって感じだな。
喉元にナイフを突きつけられた形になるが、それでもドイツは動かないのか?
ナチスを指示して世界に刃向かったゲルマン魂はどこへやら。
ロシアに寝返るんじゃないですか?
おいおいウクライナ取るだけならそんなミサイル要らんだろ。NATOと全面戦争がしたいのか?
プーチンもおきまりの独裁の最終路線か
会談でプーチンは、NATOがロシアを敵と見なしているのが問題とかのたまうたそうで、
いやそれ、あんたが自由の国から信用されてないのはあんた自身と過去のせいですぜって
国境に大軍集めて恫喝するとか文明国のやることじゃないからね
そんな事言ったら規模は違えど米空母派遣してプレッシャーかけるのはどうなのよって話になるし。いくら相手が西側基準でならず者だろうが向こうなりの正義はあるわけで。
アメリカが文明国かどうかは議論の余地がある(笑)
ウクライナはあくまでとっかかりで東欧からNATO一掃が主目的でしょう。後は圧力と工作で親ロ政権作ってソ連の栄光再び
>文明国(ぶんめいこく)とは、かつて西欧文明の伝統やそれに準ずる国内体制をそなえた国家を指した用語であり﹙以下略﹚
>現代国際社会においては基本的にこうした考え方は否定されている。
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返信先を間違えました。
恐れいりますが、コメント承認に関して、
「却下」での処理をお願いします。>管理人様
ロシアがウクライナに侵攻したら、カリーニングラードがケーニッヒスベルクになるわけね。
今のままでは、名前は変わっても、ポーランド風の名前になるのでは。
あと、白ロシアがNATOを先制攻撃するという暴挙をすれば、でしょうか。
グダニスクがいつの間にかダンツィヒに戻ってそう()
同じ事を思った。
私の独語の先生がダンツィッヒ生まれで、子供の頃に追い出されたと、恨み節を何度も聞かされた。
もう40年も前の話だけど。
米国はポーランドとバルト諸国にニュークリアシェアリングさせれば?と思ったり
>高度2万5,000m付近まで上昇してマッハ3.0まで加速
マッハ3.0出るのでしょうかね?
それはともかく、高速機が有利なミッションですね。
原型のMiG-25がM3越えは8分が限度で即重整備か廃棄、みたいな話でしたし速度面では妥協してニッケル鋼を減らして軽量化したMiG-31ではもっと厳しいでしょうね。
とはいえ(スタンドプレーだとしても)MiG-25の最大到達高度が37600m、観測された最高速度がM3.4とかなので、
MiG-31でキンジャールを抱えて高度25000mでM3、も短時間なら十分可能なんじゃないでしょうか。
てかMiG-31Kはそのための機体なので部分的に支障があるならそこをニッケル鋼に戻す、くらいの事はやってても不思議じゃないし。
キンジャールがもつかな?
落とし所としては、ウクライナのNATO不参加を確約してロシアの戦争の口実を減らす。
その上で、武器売買を「民間会社同士」で増やしてウクライナに国力をつけてもらうこと。
こうすれば住民保護を名目にウクライナの東は取られても、キエフは理由が無いから守ることができる。(まぁ、ロシア君が条約守ればね、、)
これはどうやろ?皆の意見を聞かせてクレメンス
ロシアに条約を守らせるってのがほぼ不可能に近いから難しい
それを呑んだらウクライナは闘わずにロシアに屈服したに等しい、誰がその案件をウクライナに説得するのやら
そしてNATOに入れないならばウクライナはトルコに接近するよ、そんな筋書きにはなるまいて
仰る通り、ロシア系がいたらそこはロシア、と言う原則とだから攻め込んでも良い、を実現している国だから、ウクライナで譲歩したとて、ロシアのワガママが通るだけじゃ?
ウクライナを孤独化させるならば、クリミア半島返還(ついでに日本には北方四島返してくれりゃ)ウクライナのNATO加入諦めとロシア-ウクライナで天秤合わん気がするわ。
ミグ31Kのキンジャールの射程圏なのは千歳基地と札幌駐屯地も同じだろと
平和ボケの独仏も北海道と同じになっただけじゃん
こういう話を聞くと、高速の迎撃機が必要と思えます。
宇宙にあるAEWでも”空の要塞”化したAEWでも良いのですが、
先方様が離陸を始めた段階で探知をして、
当方の防空識別圏に達した段階で目前に待ち構えている状態が望ましいです。
それも、有人で。とんでもない高速が必要と思います。
宇宙飛行士並みの搭乗員が必要だろうとは思います。
しかし、遠からず、近在の敵性国家に同等の存在は現れるでしょうから。
伝え聞くF3は、敵性艦隊にこっそり近寄るのが目的のようなので、
迎撃任務には向かないようですね。