ロシア関連

ロシア、紅海に面したスーダンに原潜も寄港可能な海軍基地を建設

ロシアのミシュスティン首相は11日、スーダンにロシア海軍基地を建設するための2ヶ国間協定を承認した。

参考:Russia set to establish naval logistics base in Sudan

紅海に面したスーダンにロシアが海軍基地建設を推進、完成すればスエズ運河を経由する海上輸送は常に中国とロシアの監視下に置かれる可能性も

この協定はロシア国防省の提案によるものでスーダン側と水面下で合意した内容を含んでおり、公開された2ヶ国間協定書(草案)にはロシア海軍基地の建設は「地域の平和と安定を維持する目的で他国を狙ったものではない、同基地はロシア海軍の艦艇に補給や保守、乗組員へ休息を与えるために利用される」と定義されている。

出典:Bertramz / CC BY 3.0 ポートスーダン

ロシアは本協定(対象期間は25年+延長オプションあり)の早期締結を目指す言っており、仮に協定が実現すればロシアは紅海に面したポートスーダンに海軍基地を建設して最大4隻までの艦艇(原子力推進の艦艇や原潜も駐留可能)を駐留させることが可能になり、スーダンは見返りとしてスーダン海軍基地の防空に必要な装備品や物資を無償で受け取る予定だ。

果たして海軍基地建設が協定書に記載されたとおり「地域の平和と安定を維持する目的」なのかは不明がロシア海軍として初のアフリカ基地、しかも紅海に面してスエズ運河に近い場所なので周辺海域に対するロシア海軍の影響力は確実に増すだろう。

因みに紅海に面したジプチ共和国には中国初の海外拠点となる中国人民解放軍駐ジブチ保障基地があり、同基地では大型空母も寄港可能な巨大桟橋を建設中で400m級の滑走路(将来的に海を埋め立てれば1,000m級の滑走路に拡張可能らしい)まで備えた巨大基地で、10m級の壁で囲み厳重な警備が行われているため「万里の長城」だと呼ばれている。

出典:Google Map 中国人民解放軍駐ジブチ保障基地の全容

将来、この基地に中国海軍の艦艇や空母が配備されればスエズ運河を経由する海上輸送は常に中国とロシアの監視下に置かれることになるため、日本にとっては不安材料でしかない。

余談だが英国はペルシャ湾に面したバーレーンのミナ・サルマン港にクイーン・エリザベス級空母の海外拠点となる海軍基地(建設費用はバーレーン負担)を持っている。

関連記事:アフリカに「万里の長城」が登場? 中国が空母も停泊可能な巨大基地をジブチに建設中

 

※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru / CC BY 4.0

アルメニア軍が負けた理由、アゼル軍による補給路狙いとシリア内戦の教訓軽視前のページ

韓国財政部が軽空母設計予算を全額削除、事業の妥当性検討を要求次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    ロシア軍が演習を装い択後島にS-300V4配備、同地域の防空任務を引き継ぐ

    ロシア国防省は1日、クリル諸島(千島列島)の防空任務を引き継ぐため「S…

  2. ロシア関連

    潜水艦ではなく「潜航可能な巡視船」を発表したロシア、顧客の要求に応じて魚雷も搭載可

    ロシアの潜水艦設計を担当しているルビーン中央設計局は今月12日、海外の…

  3. ロシア関連

    ロシア、兵士が構えた携帯式防空ミサイルが暴発する恐ろしい動画

    ロシア製の携帯式防空ミサイル「9K38イグラ」を構えた兵士の肩で暴発し…

  4. ロシア関連

    SM-3迎撃実験への対抗? ロシアが対弾道ミサイル迎撃システム「A-235」をテスト

    ロシア国防省は26日、開発中の対弾道ミサイル迎撃システム「A-235」…

  5. ロシア関連

    ロシア、演習で発射した対戦車ミサイルが自軍のT-90Aに命中して大破

    演習で使用されたロシア製の対戦車ミサイル「9M113 コンクールス」が…

  6. ロシア関連

    ロシアのペテンが中国にバレた? S-400は極超音速兵器と交戦できない

    中国がロシア製防空システム「S-400」に不満を述べている原因について…

コメント

    • 北海道蘂取郡蘂取村
    • 2020年 11月 12日

    ジブチの自衛隊拠点も強化した方がよさそう。
    日本では中国共産党の軍拡が話題になるが、ロシアの軍事能力も質量共に拡大している。西側にとっては極めて憂慮すべき状況。

    10
      • 追記
      • 2020年 11月 12日

      流石に北海道へ攻めてくる事までは無いだろうが、日本の領土を不法占拠したり日常的に防空識別圏へ軍用機を侵入させる、油断のできない仮想敵国。

      11
    • 匿名
    • 2020年 11月 12日

    ロシアにしてみたら、スエズ運河を封鎖されたら、第2の旅順港になるな。

      • 匿名
      • 2020年 11月 12日

      潜水艦だと初めからスエズ運河使うことは想定してないのでは。もちろん補給は別だが。

      4
        • 匿名
        • 2020年 11月 12日

        喜望峰経由で配備するのかな?
        バルチック艦隊の二の舞になりませんように。

        2
    • 匿名
    • 2020年 11月 12日

    スーダンてどこだよと思ったらエジプトの下の国か
    エチオピアにイエメンにサウジアラビアにイスラエルにエジプトにリビアと周辺国に火種が燻って焦げ臭い国ばかりだな
    こんなところに勤務させられる兵卒はたまったもんじゃねえな

    6
      • 匿名
      • 2020年 11月 12日

      なぁにウォッカウォッカ。

      4
        • 匿名
        • 2020年 11月 12日

        燃える萌える。
        原潜で事故を起こさないでくれよ。

        2
          • 匿名
          • 2020年 11月 13日

          近年は減ったけど、名だたる原潜事故大国だから。中東での活動を企んでも、支援基地がないと心配なんですよ。現実に原潜展開をやるかは疑問
          いまロシア海軍の関心は北極海にあるし

          2
    • ブレジネフ
    • 2020年 11月 12日

    ロシアよ金ないのに無理すんなよ。そんなに金はかからないのか。スーダンといえばオマル・アル・バシールが独裁体制を敷いてた国だったか。まだ暗雲から抜け出せてないのかな?

    1
    • 匿名
    • 2020年 11月 13日

    原油頼りのロシア経済体質が変えられないから、石油関連に影響力が欲しいよな
    ロシアに余裕があるから基地建設でなく、余裕がないからこそ軍を出すしかないという見方も可能

    3
      • 匿名
      • 2020年 11月 13日

      ぶっちゃけいつでも手を引ける程度の規模でもあるよな

      2
    • 匿名
    • 2020年 11月 13日

    スーダンって今エチオピアから来た難民匿ってるんだよな
    そういえばエチオピアも州政府と連邦政府でドンパチやってるけどどうだろう

    1
      • 匿名
      • 2020年 11月 13日

      ティグレ人民解放戦線、CHOテドロス事務局長の所属政党ですね。

      2
    • HY
    • 2020年 11月 13日

     西アジアと東アジアが「世界の火薬庫」となっていく。

    4
    • 匿名
    • 2020年 11月 13日

    むしろロシアと中国が張り合ってるって見方もできなくはないような

    4
      • 匿名
      • 2020年 11月 13日

      スーダンは中国べったりだと聞いていたから意外に感じた
      やはり大国同士の綱引きはあるんだね

      3
    • 匿名
    • 2020年 11月 13日

    ロシアは、西欧とユダヤ網の封じ込めに動いているかも

    1
    • 匿名
    • 2020年 11月 14日

    紅海は水温が高くて、潜水艦の居住性が良くないのと、やはり機器の冷却にも悪影響があるという
    こんなとこに配備されたら罰ゲームだよ

    2
    • 匿名
    • 2020年 11月 14日

    シリアの軍港と共にロシア海軍にとってありがたいのだろうね。

    1
  1. この記事へのトラックバックはありません。

ポチって応援してくれると頑張れます!

にほんブログ村 その他趣味ブログ ミリタリーへ

最近の記事

関連コンテンツ

  1. 軍事的報道

    国産防衛装備品の海外輸出が実現!フィリピンが日本製警戒管制レーダー「J/FPS-…
  2. 軍事的雑学

    打つ手なし? ドイツ軍兵士は一般的な乗用車を「プーマ歩兵戦闘車」と思い込まされ訓…
  3. 軍事的雑学

    ようやく本領発揮、世界最強の戦闘機F-22Aが「神の視点」を味方に提供
  4. 軍事的雑学

    着実にレベルアップを果たす日本の対潜哨戒機P-1、2020年度から「能力向上型」…
  5. 欧州関連

    再掲載|導入自体が間違い?タイフーンを導入したオーストリアの後悔
PAGE TOP