ロシア関連

ロシア、演習で発射した対戦車ミサイルが自軍のT-90Aに命中して大破

演習で使用されたロシア製の対戦車ミサイル「9M113 コンクールス」が誤ってロシア陸軍のT-90Aに命中して戦車が大破したらしい。

参考:В сети появились снимки танка Т-90 после попадания ПТУР на учениях под Астраханью

対空ミサイルの暴発の次は対戦車ミサイルが誤って自軍のT-90Aに命中して大破

ロシア国防省が主催する多国間演習「コーカサス2020」が今月15日に始まったのだが、演習で使用されたロシア製の対戦車ミサイル「9M113 コンクールス」が誤ってロシア陸軍のT-90Aに命中、深刻な損傷を受けたと報じらている。

このコーカサス2020はロシア南部のアストラハン州で今月15日~26日まで開催される多国間の司令部演習(もしくは統合指揮所練習)で、参加国の大半は旧東側諸国とロシアに近い関係の国だ。しかし1ヶ国だけ例外が存在しており、なんとNATO加盟国のトルコが演習に参加しているため注目していたのだが「別の意味」で世界から注目を受けることになった。

補足:このコーカサス2020には、ロシア、中国、パキスタン、カザフスタン、キルギスタン、タジキスタン、ウズベキスタン、モンゴル、シリア、イラン、エジプト、ベラルーシ、トルコ、アルメニア、トルクメニスタン、ミャンマーの16ヶ国が参加しており、本来ならインドとアゼルバイジャンが参加する予定だったのだがインドは中国との軍事的対立を理由に、アゼルバイジャンはアルメニアとの軍事衝突を理由に参加を見送っている。

どうやら実弾演習中に発射されたロシア製対戦車ミサイル「9M113 コンクールス」が誤ってロシア陸軍の主力戦車「T-90A」に命中してしまい深刻な損傷を受けたらしい。対戦ミサイルの命中箇所はT-90Aの右側面後方で、写真を見る限りT-90Aの装甲は貫通していないが車体が黒く焦げて煙が立ち込めており、ロシアのソーシャルメディア「VK」では誤射に関する大量の写真がアップされている。

出典:ソーシャルメディア VK経由

出典:ソーシャルメディア VK経由

幾つかの海外メディアは対戦車ミサイル命中の衝撃でT-90Aの砲塔旋回部が損傷を受けていると報じているが、現在までロシア国防省による正式な発表は行われていない。

果たしてT-90Aは対戦車ミサイルの直撃から乗組員を保護することに成功したのかは不明だが、ロシアは国防省主催「ARMY-2020」でも携帯式防空ミサイル「9K38イグラ」が暴発する不祥事を起こしているだけに、プーチン大統領もさぞお怒りのことだろう。

関連記事:ロシア、兵士が構えた携帯式防空ミサイルが暴発する恐ろしい動画

 

※アイキャッチ画像の出典:ソーシャルメディア VK経由

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    ソ連時代だったら、責任者はルビャンカ広場の地下で後頭部がパーンってなっただろう。

    14
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      ただのヒューマンエラーによる誤射だったら問題視しなさそう。
      むしろ、ちゃんと戦車に効果があることが分かって満足しそう。

      17
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    タンデム弾頭を持つコンクールスが砲塔側面に命中したのに貫通されていないとは、T-90Aの防御力はあなどりがたい。爆発反応装甲が有効に機能したのか。

    22
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      輸出市場でロシア戦車が再評価されるかもね
      9M113は逆に売れなくなりそうだけどw

      6
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      反応装甲のない雑具箱の部分に被弾しているみたいなので、反応装甲は関係ないと思われます。以外に雑具箱は効くのかな?それとも9M113の弾頭も不良だったのかな。

      8
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    一応貫通は防げているみたいだけど、擱座しているようにしか見えない。
    反応装甲が爆発するとこんなになっちゃうんですかね?

    10
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    対戦車ミサイル強ぇ。

    撃たれる側としては、もっともっと厚い装甲が欲しい。
    戦車不要論なんてとんでもない。

    将来の戦車は、70t~80t、西側135mm砲、東側140mm砲 がスタンダードになるのかも。
    無人砲塔、弾が重すぎるから自動装填装置つきでさ。

    6
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      戦車以上の装甲の兵器っていまなところないからね…
      減らされるのは致し方ないとはいえ消滅はリスク高すぎてあり得ないと思いますね

      15
        • 匿名
        • 2020年 9月 18日

        その昔、400mm砲弾にも耐える装甲を持った戦艦という兵器があって…

        5
          • 匿名
          • 2020年 9月 18日

          煙突から航空燃料撒いて、ロケット弾で着火すると止まるんでしたっけ?

          3
          • 匿名
          • 2020年 9月 18日

          波動エンジンを搭載して・・・・

          5
          • 匿名
          • 2020年 9月 19日

          ちなみにありえないシチュだが、戦車に戦艦の主砲ぶち込むと「戦車自体」が数百m吹っ飛ぶ

          7
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      よねもはや戦車の主砲や対戦車兵器を装甲で完全に防げる時代ではないから当然の惨状だけど
      ロシアはたまにこういう大ポカやらかす

      5
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      80tの車両を何でどうやって基地内や演習場や戦場に持ち込んだり持ち帰ったりするつもりなんですか。

      2
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      より強固な戦車にはより強力な砲弾、ミサイルで対処される、の繰り返しだから期待できない
      盾と矛の関係は永遠に続くよ

      3
        • 匿名
        • 2020年 9月 18日

        3枚目写真の 砲塔の角近くに少しえぐれた痕を中心に白い痕が広がっている 部分が命中位置… かな?…

        それで片側面ボロボロにできるのか……

        T-90 のセールスには悪影響…
        対戦車ミサイルのセールスにははずみ?… (苦笑)

        1
        • 匿名
        • 2020年 9月 18日

        盾は事前に準備する必要があるのに対して
        矛は後から何でもいくらでも持って来れますからね。
        基本的には矛が優位な戦い。

        6
          • 匿名
          • 2020年 9月 21日

          つまり敵基地攻撃能力が有利だから、侵攻能力持つためにも9条改正こそ大事だってことだよね。「攻撃は最大の防御」至極当り前の話w

          2
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    煙幕もシュトゥーラも不意打ちには無力ですと宣伝しちまったな…

    5
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    次は誤爆か誤撃墜。
    この手のトラブルは連続するから。

    7
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    おそロシア伝説は終わらないね、乗員は気が動転したろ、無事かな。
    貫通しなくても戦車の動きを止めたらミサイルの勝ちでいいんかな

    9
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    旧東側の子分達を集めた目の前でボスのロシアがやらかすとか、参加国はくっそ気まずそう・・ww

    11
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    前面じゃなく側面で受けて乗員が無事なら凄いと思う
    側面背面はどうしても装甲が薄くなるからRPG7でも抜けちゃうって言われてるから
    ミサイルの方も一応は戦車を無力化したから及第点だな

    16
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      ロシア戦車もRPGの洗礼を散々受けてますから、側面背面の対HEATは十分と言えないまでも対策を取っていると思いますよ。

      7
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    携帯用ATMの一発にしては広範囲に焼け焦げ過ぎてる気がするけど、
    ERAだとこんな感じになるんですかね?

    2
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      装甲は抜けなくとも、丸焼けになって廃車になってしまうのならば微妙だな
      中の人が無事なら、人的資源の保護には役立つが。今のロシアでは、畑から兵士を調達する訳にもいかないだろうし

      3
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    しかしまぁ写真の撮り方が下手だなぁ。
    もちっと何とか写せなかったのかい?

    7
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    混沌の大国ロシア人は少々のトラブルには慣れてそうだが、兵士のモチベーションが下がる事故だね
    これ自衛隊が同じポカやらかしたらどんな批判されるか想像に難くない
    味方殺し、いかんだろ

    4
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      4人に一人が同士討ちで死ぬのが普通な時代もありましたが・・・リアルには想像できないですね。

      2
        • 匿名
        • 2020年 9月 19日

        昔は人望の無い上官ほど何故か前線での戦死率が高い。不思議だなぁ(棒読み

        5
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    日本も世界で唯一のF-15撃墜やってますからねえw
    ミサイル開発者が、密かに喜んだとかという伝説が・・・。

    11
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    お隣の軍の失敗話(マンホール)とかすると必ず湧いてくるF-15撃墜話
    そしてそんなアホなミス犯すのは世界でも自衛隊だけって馬鹿してくれるわけだが
    この通り普通にどこでも起こりうるミスなんだよなぁ

    9
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      揚げ足とってると自分も何かやらかした時恥ずかしくなるもんだけどな
      とこぞの連中はそんな気持ちは全くないらしい

      8
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    こういう攻撃を自動迎撃するシステムがあったはずだけど、
    あれはまだ実用レベルじゃなかったのかな?

    3
      • ウスチノフ国防相
      • 2020年 9月 19日

      シュートラアクティブ防護システムだよね。この戦車止まってたのかな?

      1
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    被弾時にフェンダー上の燃料タンクが炎上して、車体後半のラバーのカバーもほぼ炎上して無くなっているので、そのススで黒くなっているんでしょうね?燃料が軽油で発火点が低いといっても、成形炸薬など高温で被弾することが多くなっているので、装甲外のフェンダー上の燃料タンクは問題ありですね。
    反応装甲なしで貫徹出来ていないので、T-90Aの防御力は侮れないですね。雑具箱とスモークディスチャージャーは無くなっていますが、黒く焦げている以外装甲にダメージ無さそうなので凄いですね。

    6
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

    側面でも抜けない、という事は後は後部くらいか
    携帯ミサイルの発展は良く言われるが不意打ちでコレなら警戒中の戦車を完全に破壊するにはまだ足りんのやな
    まぁ戦闘力は奪ってるから十分かもだが

    3
    • 匿名
    • 2020年 9月 18日

     イグラの件といい今回といい、ウォッカの飲みすぎかな?

    1
      • 匿名
      • 2020年 9月 18日

      ロシアは実戦さながらの訓練やってるから、実戦でもさぞ同士討ち多いんだろねってオチで

      2
    • 匿名
    • 2020年 9月 19日

    10式なら乗員全滅だったな…
    T90で良かったわ

    1
    • 匿名
    • 2020年 9月 19日

    事故とは言え貴重なデータになるんじゃ?標的にはまだ使えないT-90に直撃したんだから

    3
    • 匿名
    • 2020年 9月 20日

    2枚目の放射線状の傷が被弾痕だとしたら雑具箱の箇所とはいえ、タンデムHEAT弾が正常に動作してコレ傷つかないってのは不自然だ、弾頭は不発で着弾の衝撃もしくはミサイルに残った推進剤でフェンダーの上燃料タンクに着火炎上だとしたらあまりにもお粗末だね。
    フェンダー上燃料タンクの被弾時の脆弱性は後部増槽と並んでロシア戦車の弱点として有名だけど、実戦データに基づいて手堅く改良するロシアにしては珍しく放置されてる弱点だ。
    実戦では戦闘が予想される場合はタンク空にするよう運用側で対策して今回は演習だから満タンだったとかなのかな?

      • 匿名
      • 2020年 9月 20日

      ミサイルの動作不良で乗員は命拾いしたが、戦車はやられたか
      考えると、タンデム弾頭は装甲抜く力は凄いけど、命中時の信管作動のタイミングだのは微妙な感じがある
      今後の課題となるかも

    • 匿名
    • 2020年 9月 20日

    最近の弾頭のメタルジェット貫通孔って、離れたところの写真で判断できるほど大きいの?
    原理的に収束度が高いほうが貫通力高いんだろうし

    • 匿名
    • 2020年 9月 22日

    ミサイル売るときは、最新鋭戦車を撃破!
    戦車売る時は、大破すれども貫通させず!!
    ですな

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