ロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは3日「シヴェルシク方面では起ってもいない成功が上に報告されている」と指摘し、4日「司令官を交代させても嘘とごまかしに満ちた独特の雰囲気が支配し、自殺行為に等しい方法でヴェルフノカミャンスケを攻撃し続けている」と報告した。
ロシア軍にとってはシヴェルシク方面は呪われた戦場かもしれないが、ウクライナ軍にとってはボーナスステージのようなものだろう
シヴェルシク方面では「幻の攻勢」を報告するロシア軍司令官が解任され、登場する視覚的証拠も「ウクライナ軍の後退」「ロシア軍の前進」に最も結びつかない、特にロシア側の視覚的証拠が偽物である可能性が飛び抜けて高い曰く付きの戦場で、RYBARは3日「この方面の攻勢と無意味な兵士の損失は勲章をもらうためだけに実行されたもの」「ヴェルフノカミャンスケの状況は同戦場の呪いを反映したもの」「実際に起きてもいない成功の報告が上に送られている」と指摘し、4日も「司令官を交代させてもシヴェルシク方面は嘘とごまかしに満ちた独特の雰囲気が支配している」と批判した。
“シヴェルシク方面で再びロシア軍の攻撃を裏付ける視覚的証拠が登場した。今度はヴェルフノカミャンスケ北東に位置する森林地帯からの攻撃で、ロシア軍の歩兵部隊は池と森林地帯を通過しようとしたが、敵の迫撃砲と無人機の攻撃を受けて集落の郊外に到達できなかった。シヴェルシク方面のロシア軍には組織的な問題があり、嘘報告に関する世論の反発を受けて第3軍団の司令官と参謀長、第7、第123、第85独立自動車化狙撃旅団の司令官が交代したが、第6独立親衛自動車化狙撃旅団の司令官は交代せず、この不幸な旅団は自殺行為に等しい方法でヴェルフノカミャンスケを攻撃し続けている”
“第6旅団の歩兵部隊は適切な訓練や装備が欠如している上、歩兵とは全く異なる専門分野の兵士で構成されている。さらに旅団全体から集められた擲弾銃と対戦車ミサイルを扱う兵士、砲兵、迫撃砲兵が突撃兵として戦いに投入され、負傷者は適切な治療を受けられないまま再び突撃兵として前線に戻されている。どの前線にも異なる問題があり、EWシステムが不足しているところもあれば、輸送手段や弾薬が不足しているところもあり、人員不足で休暇の取得に問題が生じているところもある”

出典:IZ.RU 以前の偽報道
“一部の地域ではロシア軍の攻勢が成功し過ぎて、ミルブロガーやジャーナリストに「この成功を公表するのを待って欲しい」と依頼してくることもあり、数週間後に当該集落の占領に報告した時には別の集落が確保されていることもあるが、シヴェルシク方面では「出来るだけ早く集落をロシア軍支配地域として塗りつぶす」という決まりがあるらしい。この方面は嘘とごまかしに満ちた独特の雰囲気が支配している”
要するに何も成功していないにも関わらずビロホリウカ、セレブリャンカ、フリホリフカ、ヴェルフノカミャンスケ占領を報告し、現地に赴いたロシア軍上層部が占領済みのビロホリウカに行くことが出来ないことを知って第3軍団、第7、第123、第85旅団の司令官を更迭したものの、第6旅団の司令官が残ったままで「嘘報告による成果のごまかしが、勲章をもらうための無意味な攻撃が現在も横行しており、シヴェルシク方面の問題を根絶することに失敗した」という意味だ。

出典:3-я ударная
ロシア軍にとってはシヴェルシク方面は呪われた戦場かもしれないが、ウクライナ軍にとってはロシア軍を効果的に破壊できるボーナスステージのようなものだろう。
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※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России
>人員不足で休暇の取得に問題が生じているところもある
ウクライナ兵「ぐぬぬ・・・」
親衛付き旅団でこの体たらくとはなさけない…
rybarの話を聞く限り、人員育成が上手くいっていないのでしょうね
旅団制の弊害が表れているように思います
親衛って言っても第6旅団が親衛称号授与したの2023年からだし、母体がルガンスク人民共和国民兵だからなぁ…
ロシア軍はリマンを攻略して北から圧迫しないと攻め手を欠くように見えますね。
リマンを占領したらシヴェルスクへの幹線道路も押さえられるので確かにそれもありですね
露軍にとってドネツク州の南はヒャッハー、北はグダグダと面白いことになってますね。実際ろくに進軍してないのでグダッてるのはマジでしょうな。
真東から進軍するのが定石だとは思うのですが、いかんせん東西に長細く広がる町が縦深となっているのでダルい。町の名前も長ったらしくてダルい。
いっそTorske~Dibrovaあたりから南下して渡河するというのもありなのではと思うけど、それはそれでトラウマがあるし難しそう。シヴェルスク一体はなかなか頑強な要塞ですな。
これはウクライナにとって明るいニュース。
もっと広めて言論空間を飽和させてウクライナ劣勢の記事を掻き消せるのではないか?
クルスクでのロシア攻勢停止といい、いい流れが来ているのは間違いない。
あとは動員問題をなんとかできれば勝機も見えるのでは無いでしょうか。
ドネツク南部の悪い流れは止まりませんよ
『不可能だというただ一点にのみ目をつぶれば完璧な作戦ですね』
過去のウクライナ要衝で散々見てきた流れではあるので喜んで良い話なんですかね?将来的にここも突破されましたって話が出たらウクライナはさっさと無条件降伏した方が良いかもしれない。
”勝機が見える“に繋げるには、まだまだ余りにも弱い流れでしょう。
年金支給停止となり老人の大規模デモが頻発し露国内が不安定化し、中国がトランプに屈して立場を豹変し支援シャットアウト、カザフスタンが決定的な反露路線を打ち出し国境をアレコレ、露軍内で厭戦が拡がり大量の離脱者が出て徐々に撤退を始める位の潮流変化で、それでも五分五分は厳しいかな…と思っています。ウクライナが弱り過ぎているからです。
それに、悪い潮流を変えようと露も対策をするはずですから。
シヴェルスクは、まずドネツク川対岸を制圧しないと無理ですね
クレミンナ西とボロバ、さらにその先にあるリマンを再制圧
しないと、ロシアお得意の包囲戦ができないんですな
さらに制圧後ドネツク川渡河と、ピロホリウカのテリコンを制圧し
西進、イヴァノダリウカ・ベレイズネから北上しなければならないが
イヴァノダリウカの北は遮蔽物がない平地が続き、ベレイズネ北は
その南のチャソフヤル攻略が最優先で、まとまった兵力を回せないと
加えて、シヴェルスク方面はウクライナ軍精鋭が健在で、上記の通り
ロシアは補給線も断てず、ルハンシク州民兵上がりのロシア軍は、
州境を越えてまでのドネツク州解放に積極的ではなく、士気も低い。
司令官は無能で功を焦り、嘘の戦果を報告して軍上層部を混乱させる
全ての要因が、ロシアのシヴェルスク方面の短期攻略は非常に困難
だと示唆しており、確かにウクライナの「ボーナスステージ」ですね
シヴェルスク方面、なぜ動きがなかったのか謎でしたが、
こうやって天(ロシアの包囲網構築の態勢不足)の理、
地(地形的に防御が圧倒的に有利)の理、
人(両軍の練度・士気の差)の理、と整理し直してみると
なるほど、ネット軍師の自分としてはすんなり納得です
>第6旅団の司令官が残ったままで「嘘報告による成果のごまかしが、勲章をもらうための無意味な攻撃が現在も横行しており、シヴェルシク方面の問題を根絶することに失敗した」という意味
面白すぎて笑うしか無い。無能の根絶が如何に難しいかを痛感させてくれる話だわ
結局は、どちらにとっても優先度が相対的に低いが故に生じている事象なのかなと思われます。
どちらにも、優先的な梃入れをして決定的な敵軍撃滅を為しにかかる動機が現時点では無いと。
ウクライナ側に動機があれば「無能」はとっくに撃滅されているでしょうから。
これほど長大な戦線であれば、両軍首脳からも半ば後回しにされたまま失念されたかのようなエリアが生じることもあるでしょう。
ただ、技術の進歩によりそれを見逃されなくなり民間からすらもオンタイムで手厳しく指弾されるようになったのが、現在現地の「あっちにもこっちにもドローン紛争」なわけですが。
ウクライナの話かと思った
結構前からこの地域のウクライナ軍の練度がかなり高い(特に中上級指揮官が有能)という報告はむしろロシア人の戦況ウォッチャーからよく発せられてたんで、さもありなんという感じです。
ロシア軍もここを切り崩すには相応の体制が必要でしょうなぁ
チャシウヤール・トレツク方面などに、資源を割り振った方が合理的に感じますね。
相手のいるものですから、陣地が堅固・精兵がいるのは仕方ないわけで、他方面を重視するのも大事だなと。
現場に過度な目標を与え続けているのであれば、旅団司令官・幹部だけでなく、さらに上のロシア軍幹部にも責任があるでしょうね。
仮にウクライナがクルスクではなく此処に仕掛けていたならば、南ドネツクのロシア軍を引き剥がす効果はあったのかどうなのか。
実際そうなれば、無能・非主力を喰わせているうちに反撃態勢を整えるのがロシア軍なのはクルスクでも示された通り。
何かあってから動けばいいとされている場所での、致し方なしのやり方なのでしょう。何しろ戦線は広過ぎ長過ぎますので。
2022年の夏だと思うけど、ロシア軍がセベロドネツク・リシチャンスクを解放した後、ルハンスクの民兵が「俺たちの州は全部解放されたんだ。俺たちは他所の場所でなんか戦わないぞ。早く軍務を解け!」と叫んでデモを起こしたことがあった。
その後、秋にウクライナ軍のハリコフ州等北部戦線の奪還作戦があって、そういう話は消えたみたいだけど、シベルスクをロシア軍が下手に占領すると、またぞろルハンスク民兵上がりの兵卒が「軍務を解け!」と騒ぎ出す懸念もあるのでこの方面はわざと放置されてるんじゃないだろうか?
ちょうどビロホリフカというルハンスク州の端っこの街だけ未だにウクライナ軍の支配下にあるけど、そんなの本当に需要だったら南のテリコンとか本気で武器弾薬をつぎ込んでとっくで墜としにかかってうはずですよ。
> ロシア軍がセベロドネツク・リシチャンスクを解放した後
しれっと解放とか言ってる時点でお察しですね
自分はウクライナ支持者だが、別にロシア支持者がコメントしてもいいだろ(笑)過剰反応すぎ
ただの立場の違いから来る言葉の違いでしょうに。少なくともルハンシク民兵が述べるには不自然さは無いでしょう。
そりゃドネツク人からしたら解放でしょう
自分もあの動画を覚えてます。
結局ロシアもあまり力を入れたくない戦域なんでしょうね。
どちらの陣営も最大の敵は無能な味方なのでは?
司令官が変わっても同じ失敗繰り返すなら構造上の問題かもしれませんね
ロシアの情報は少ないですからね。よくわかりません。
ヒストリー系の番組で歴史専門家の話や、現代であればww1あたりの番組なんかでも問題のない軍隊はないですからね。
あとはその軍隊の適応力がどの程度かに左右されますね。
え、丸太戦車!いいと思います!
>丸太戦車
T72の車体上面にログハウスを建てて兵員輸送車に仕立てた奴が確認されています。こいつが動く動画は小屋が動いているみたいでかなりシュールです。ログハウスに高い防御力があると証明されれば、ピックアップトラックに櫓を取り付けた霊柩車みたいな奴も作られるかもしれません。
スラヴゲーによく出てくる動く丸太ハウス…ロシアンロマンなのですかね
斧先生の新作記事にありましたね。
Age of Empire2あたりで使った攻城槌車を思い出した。
ドネツ川という名前は露軍にとっては若干不吉な響きがあるのではないか。独ソ戦でスターリングラード陥落後のソ連軍の攻勢がドネツ川の奇跡と呼ばれたマンシュタインの反撃で粉砕された過去がある。もっともその後のクルスクの会戦でお返しをするわけだが。今次のウクライナ戦争でも露軍はドネツ川周辺で度々痛い目にあっている。当時とは兵力などは大きく異なるがトラウマになっているのかもしれない。
ここの戦域は上から下まで腐ってんのか
ロシア軍版ビッグモーターみたいですね
無能を全切りできるならばそりゃあ理想的ですが、猫も杓子も人手不足な中にあってはなかなかそういうわけにもいかず。
そもそもとして、組織というものは「無能を切ったならば新たな無能が顕れるだけ」ですので…
無能は干せばいいと安易に考えがちですが、それは代わりがいくらでもいる場合にしか成り立たないですし、無能がいない組織などまずありえないのです。
無能だからと癇癪のままに切っていった果ては、今のウクライナ側の方かと。
「要塞をプレゼントしてしまう無能」よりは余程、無能の御し方としてはマシだと思いますよ。
前線を抜かれたとか勝手に持ち場を放棄したとかを隠してるのでなければ捨て置けという扱いでしょう「国軍からは」。
RYBARは断固許してくれませんが。
もちろんロシア側のこのような状態は、もっと強大な敵との戦いにおいて致命的になりうるものでしょう。
その意味で、RYBARがキレ散らかすのも至極ごもっともです。
ただ、その改善・梃入れのためにせっかく上手くいっている面の勢いを削いでしまうべきではないという判断なのかなと。
外征側であるが故もあり(プーチンの世界観ではそうじゃないでしょうけど)、長大な戦線の全てを「平均化」させる必要などないわけですので。
今じゃなくてもいいようなことに労力を取られてせっかくの好機が…はお勤めでもあるあるなのでは。
いずれにせよ、無能リスクヘッジもロシア側が、相対比較ですがまだ機能している方ということかなと。
少し北のトルスケ〜テルニー方面が川越えてジワジワと進んでいるから、ここからリマン取ってシヴェルシクの補給線潰すぐらいしかない?
このチャンスにウクライナ軍は撤退を…。「敵は幾万有り迚も」「最後の一兵まで」「城(要塞)を枕に」何れも良い事はありません。その精神で焼け野原にされた国が“ここ”に実在します。「何者にも服属せざる」ご先祖様のコサックの事は一旦忘れましょう。それに本丸は“蛇の舌”グリマに謀られて、皆さんとその家族を楯に血の一滴金貨の一枚まで吸い尽くす腹積もりの様に見えますぞ。
世に蔓延るは保身と欺瞞、横たわるのは犬と豚。
この辺りの地図を見てみると基本的に開けていて森が点在する感じなんですね。
この環境でドローンに監視されながら進撃はキツイでしょう。もっともそれはウクライナ側にも同じことが言えます。少し進めばリシチャンスク等の都市ですからまともに攻略しようと思ったら血の雨が降りますよ。
あとは単純にスラビャンスクやクラマトルスクの真ん前だから、開戦前からの強固な防衛線があるせい?
この辺りはウクライナ軍が22年9月ごろに奪還した地域なので、アウディイウカやブフレダルほど強固な要塞ではない筈なんですがね
そこらへんの問題を纏めて解決させるのがロシアのFABだと思うんだけど投射量の割に効き目が低いんだよな。
偵察と戦闘爆撃機の連携が遅すぎて投げた時にはウ軍が移動済みって事が多いとは聞いたが。
ここもクルスク方面みたくウクライナ軍の戦力誘引からの殲滅する大釜にできそ
ここのウクライナ軍司令は優秀でしかも政権からの要請での無理な反抗も現状ない。
改めてウクライナ軍の歪みを思うと本当によくやっていますね。
追記
それこそここまで動いてない戦線ならドネツクなどよりクルスクへ戦力引き抜かれてそうですがどうなのですかね? だとすれば、部隊などよりも重要なのは要塞陣地という要塞戦の傑物な指揮官がいそうですね。
旅団単位の動きを観察されてる方がおりましたら伺ってみたいです。
ここの宇軍は頑張ってるのは同意だけど、遅かれ早かれ撤退しないと春頃にはコンスタンチノフカ方面から北上及びリマンもしくはクピャンスク方面から南下してきた露軍に包囲されない?しかし、シヴェルシク抜かれたらすぐにスラビャンスクだし、引くに引けない。