ゲラシモフ参謀総長は「クピャンスク市の約半分を制圧している」と主張し、ロシア国防省も「これが映像によって証明された」と発表、RYBARも「ロシア軍がクピャンスク西市内に侵入した」と報告したが、ウクライナ軍も「ロシア軍の国旗部隊が市内で映像を撮影する様子や排除する様子」を公開した。
参考:Минобороны России
参考:Прорыв в Купянск торжество российских флагов
参考:10-й армійський корпус
参考:Наявність противника в Куп’янську та його спроби просочування в місто
クピャンスク方面の状況は「ロシア軍が展開するプロパガンダほど悪くはない」というだけでじわじわと悪化している
ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は夏季攻勢を総括する中で「ロシア軍はクピャンスク市はほぼ完全に封鎖されている」「クピャンスク市の約半分を制圧している」と発表し、ロシア国防省は3日「無人機の映像によってクピャンスク市の約半分を制圧していることが判明した」「映像にはクピャンスク市議会付近、サッカー場付近、倉庫、テレビ塔付近など市内の主要拠点にロシア軍兵士が到達している様子が映っている」と発表し、ロシア軍兵士が上記4地点で国旗を掲げる様子が登場。
これを受けてロシア人ミルブロガーが運営するRYBARは「ロシア国防省がクピャンスク西市内の北部を確実に掌握している証拠を提示した」「この映像に映る市内の建物には破壊痕が殆ど見当たらない」「これはウクライナ軍がロシア軍の小規模部隊によって大規模な衝突なしに撃退された可能性を示しているかもしれない」と指摘し、クピャンスク方面について「ロシア軍がクピャンスク西市内に侵入した」「ロシア軍がラドキフカ付近で支配地域を広げた」「ロシア軍がステポワ・ノヴォセリフカ方向に前進した」と報告したが、もしかするとウクライナ軍はロシア軍の発表を待ち構えていたのかもしれない。
ウクライナ軍の第10軍団は3日「ロシア軍が演出されたプレゼン資料を通じてクピャンスク方面の成功を誇示しようと試みた」「ロシア軍兵士は民間人に扮装してクピャンスク市内で国旗を掲げたが全て無駄に終わった」「この侵入者らはウクライナ軍によって即座に鎮圧した」「ロシア軍がクピャンスクをプロパガンダの舞台として利用する試みは全て失敗に終わるだろう」と発表し、ロシア軍が2人編成の国旗部隊で映像を撮影する様子、撮影後に撤退する国旗部隊の様子、家屋に逃げ込んだ国旗部隊を処分する様子、国旗部隊から手に入れたロシア国旗などを公開。
ウクライナ人が運営する情報分析グループ=DEEP STATEも「ロシア軍は再びクピャンスク市内で国旗を掲げる映像を撮影してプロパガンダに利用した」「さらにロシア軍はモスコフカでも同様の試みを行い『この集落にウクライナ軍が存在しない』と演出しようとした」と報告し、映像に映る市内の建物に破壊痕が殆ど見当たらないのも「ロシア軍のの小規模部隊が大規模な衝突なしにウクライナ軍を撃退した」のではなく「本格的な戦闘が伴わない侵入=集落を占領したと見せかける国旗部隊」だった可能性を示唆しており、恐らくウクライナ軍は反論用の映像を編集して待ち構えていたのだろう。
但し、クピャンスク方面の状況は「ロシア軍が展開するプロパガンダほど悪くはない」というだけで、DEEP STATEも3日「モスコフカが再びグレーゾーンに移行した」と報告し、現地の状況について以下のように指摘している。
“第10軍団はクピャンスク市内に侵入した敵を排除した映像を公開したが「侵入した全ての敵が排除された」という結論を下すのは時期尚早だ。少なくともロシア軍はクピャンスク北郊外に足場を築いて市内への侵入を繰り返し試み、同時並行で戦力の集結にも努めている。ロシア軍はクピャンスクをオスキル川西岸から包囲するため周辺集落の制圧を狙っており、ラドキフカと同様に歩兵の集結地点と活用できるモスコフカを巡って激しい戦闘が繰り広げられている”
“ロシア軍兵士が様々な目的のため民間人に扮装することは周知の事実だが、これは国旗を掲げるためだけに起こるのではない。ロシア軍は兵士を民間人に扮装させてクピャンスクに送り込み続けているため、市内に潜伏する敵の数はどんどん蓄積されている。現地で戦う兵士らは「これが何れ不快な結果に繋がるのではないか」と懸念している。ロシア軍が兵士を民間人に扮装させて市内に送り込む計画がどれだけ大規模かは時間が経過すれば明らかになるだろう”
ロシア国防省が公開した「クピャンスク市内を占領したと見せかける国旗部隊の映像」を「ロシア軍が安定的な支配地域を拡大したのかどうか」という基準で見るなら重要ではないものの、これを「市内に潜伏するロシア軍兵士の蓄積」という視点で見ると不気味に見え、実際に現地で戦うウクライナ軍兵士も懸念材料に挙げているため、ロシア軍は「正面攻撃」や「包囲」とは異なる方法でクピャンスクを落とそうとしているのかもしれない。
因みにDEEP STATEは「9月もクピャンスクを何度も取り上げることになるだろう」「敵は間近まで迫り、防衛ラインの弱点もある程度見つけた状態で、ここでの成功を素早く拡大させようとしている」と指摘している。
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※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России























国旗掲揚はもはや情報戦の一部で支配を裏付けるものではなくなっていますよね
これに関してはどっちが本当なのでしょうか?ウクライナ兵が投降する動画をあげてる戦況図の方も
いますね、時間がたてばどっちの主張が正しかったか判断できると思いますので
結局のところ現場の軍人たちですら本当のところがわかってるわけではない部分も少なくないのだから、遠い異国の地から判断すること自体が間違っているとも言える。まぁ国防に影響がある事柄なので、なんとか解釈しないといけないからそんなことも言ってられないけど。
その通りですね、ポクロシウクもウクライナの反撃を映像を確認して地図を塗り替えたのに
今は間違いだったと認めグレーゾーンやロシア占領地に塗り替えてます
ウクライナ兵が二人旗を立てにいってる映像をあげてたんですが
数時間後にロシア側が排除する動画と旗を立てる動画をあげたとか
戦況図の方も旗立て作戦に駆り出される兵士がかわいそうと嘆いてました
前線の兵士が受ける無茶な命令も時がたつとどっちが報われてたかわかるんでしょうね
クピャンスクの陥落はひょっとしたらポクロウスクより早いかも。しかし、クピャンスクは地形が複雑なので河沿いなどにウクライナ兵は残れると思う。ウクライナ軍に退却命令が出てなければ、ロシア軍側による完全掃討はなかなか難しいのではないか。
それと、ポクロウスク北部でもそうだけど、ウクライナ軍は前もって撮影した動画を使うことが少し増えている印象がある。
国旗作戦がうまくいっているところは侵入が容易なところとしてどんどん送り込むための偵察を兼ねてる可能性もある。迷惑なことだ。
プロパガンダ自体も謎のまとめサイトや動画一つで簡単に信じちゃう人の方が多いので有効な有効だろう。民主国家でも独裁国家でも、権力を握るのに必要な民意の量が違うだけで結局のところ名目有権者の指示が最低限必要なことは変わりないからそれを揺るがされるのはまずい。民主国家なら尚更だ。
管理人さんはきちんと自覚して警告もしてるいるけども、このブログの記事だけみて全てを知った気になる人もそれと変わらないのも注意が必要。個人的には1番色々比較してくれるから信用して入るけど。
国旗を掲揚して一躍英雄になるもその後散々な目に遭う。父親たちの星条旗かな?
元々クピャンスクは全域がロシア軍に支配されていた時期があるから、当時クピャンスクに駐留していて土地勘のある兵士が案内役をしたり現地に残ってる親ロ派住民にコンタクトをとったりしてるかもしれませんね。
ドローンにより、偵察能力が著しく向上している一方、(大数の法則かもしれませんが)ドローンから、逃れやすくなる実戦経験も積みあがってるのかなと
ドローン映像逆探知機が、ウクライナのボランティア車輛に搭載されており、先日BBCの動画に映っているのを見ていて感じました。
オスキル川東岸ウクライナ軍が陣地維持を続けているわけですが、補給をどのようにして、どの程度物資を送れているのかは少し気になっています。
(1年以上、背水になっているわけで)ウクライナ軍前線兵士が本当に凄まじく敢闘していますが、過酷な条件のため、ここの兵士数・損失・補充はどうなっているのでしょうね。
装備面でも赤外線遮断マント(暗視対応ドローンに気付かれず夜間移動する為?)とか出てきたと聞きますね
サーマル対策に、仰るようなお話ありましたね。
ドローンSNSに流れてる動画、サーマルカメラの映像らしきものがあるので、欺瞞に有効なのかもしれませんね。
地雷原の啓開にあたったロシアの戦車がドローンに破壊されたけど
乗組員達は日が暮れるまで壊れた車体の下に隠れてて
日没後に透明マントを被って徒歩で無事生還したってエピソードがあるんですよね
本当にハリーポッターのタヒの秘宝みたいになってて
ひっじょ〜に不謹慎だけどちょっと笑っちゃった
しかし、こういう機知も実戦を通じて養われるものなのでしょうなぁ
情報ありがとうございます、勉強になります。
いろいろ損害が揶揄されていましたが、やはり現場の知恵が蓄積されていくのですね。
ベトナム戦争だったか何かのゲリラが、自分の尿を袋に入れて、デコイに使っていたという逸話を思い出しました…
>“ロシア軍兵士が様々な目的のため民間人に扮装することは周知の事実
これ、普通に陸戦協定違反では?
その情報が正しいのかどうかも真偽不明なのでは?
どちらもやってます。
ロシア兵に包囲された穴(陣地)からウクライナ兵が投降する映像がたまに出ますが、たいてい私服の兵士が映ってる。
移動時には偽装して、戦闘時には脱いでればOKです。
まあ、そこを真面目に守ってるかと言われるとうーん。
ロシア軍が数人歩いて中心部に旗を掲げるぐらいだから ウクライナ軍は付近に居ないのかな
撤退してるのかな?
それとも食肉工場や乳製品工場に集中してるのかな?
どうもロシアとウクライナの戦争は最終局面に来ているようだ。
プーチンがゼレンスキーをモスクワに来るように誘っている。
トランプ抜きで2人の会話が進むことを祈っている。
プーチンは一貫してウクライナのユダヤ人に親しみを持っているが、ゼレンスキーはロシア人に対して
否定的だ、何よりもウクライナ東部のロシア系住民にも。
この戦いを通じてウクライナに大量の資金と軍事兵器が流れている。
これは開戦前から企画されていたのがはっきりとしてきた、何よりゼレンスキーはどういう訳かプーチンとの会話を避けている。
間もなくすべてが明らかになるだろう。
恐らくウクライナ軍の防衛網に穴がある
しかし、ロシア軍がキルゾーンの全てを支配できているかどうか、というと違う
何かきっかけがあると防衛が崩壊するのだけは確かだと思う
もともとクピャンスクはキンドラシフカのあたりまで進出された時点で必敗の形ができていたわけで……
しかもポクロウシク北方で10km規模の突破が起きたせいで、劣勢にもかかわらず戦力を引き抜かれたと言われているんだよね
だからロシアの主張がどのほど正確かは知らないけど、ウクライナの主張は端的に言って虚勢だと思う
まあ占領はともかく、浸透されてる事自体が脅威であり現地からするととんでもないことなのは確かで…
一応、実戦で浸透できるのなら先の占領宣言も現地の混乱は増長できそうですね。まあウクライナ側が逆に危機を認識して増援するかもなので、ロシアの戦略がプラスかどうかは微妙なのですが。
ポクロウシク包囲はまあ…ロシアの包囲は定義が広そうで…
そんなことよりコメントできるようになってるのがびっくり
管理人さんの負担を思えば、ずっとコメント欄は封鎖で良かった気もするけど
ロシア関連の記事だからだと思います。