ロシア国防省は今月6日「5日以内にクピャンスク東部を解放すると報告する現地指揮官の動画」を、10日には「クピャンスク東市内のパン工場を占領したと報告する現地指揮官の動画」を公式に発表し、RYBARは「約束された解放まであと1日だが、現地からは矛盾した情報が届いている」と報告した。
参考:Что в Купянске?
参考:Михаил «Рыбарь» Звинчук: пресс-служба Минобороны проиграла блогерам
参考:Пилят бюджеты: медиаменеджер заявил о раздрае в сообществе военкоров
オールドメディアが悪でSNSが真実だを叫んでいる人々は、いつの時代にも存在する操作しやすい大衆なのかもしれない
ゼレンスキー大統領やウクライナ軍は定期的に「我々が入手した情報によればロシア軍はクレムリンから◯◯を△△までに占領するよう命じられた」「ロシア軍は◯◯を△△までに占領できなかった」と主張するが、これまでロシア側は一度も「◯◯を△△までに占領する」と公に言及したことがなく、これは敵の信用を毀損するための古典的なプロパガンダだと思われ、もう海外メディアもウクライナメディアも「ゼレンスキー大統領がロシア軍は◯◯を△△までに占領するよう命じられたと明かした」と報じても「この情報が正しいかどうか本紙は検証できない」と付け加えるのが恒例になっている。
しかし、ロシア国防省は今月6日「5日以内にクピャンスク東部を解放すると報告する現地指揮官の動画」を、7日「クピャンスク西部の掃討が完了しつつあると報告する現地指揮官の動画」を公式に発表したため、露国営放送も「軍が5日以内のクピャンスク東部が解放を約束した」と大々的に報じたが、RYBARは7日「現地の状況は全く異なる」「戦場の現実から見れば平凡な危機対策としか見えず(公式発表に対する)不信感を高めるだけだ」「国防省発表ほど状況は順調ではなく誰が誰を騙そうとしているのか、なぜ始まってもいない市内の掃討戦が『完了しつつある』と報告するのか本当に謎だ」と指摘。
さらにRYBARは10日夜「約束されたクピャンスク解放まであと1日だが、現地からは依然として矛盾した情報が届いており、ロシアメディアは再び成功を伝える声明を大々的に報じている」と報告している。
“ロシアメディアは国防省が10日に公開した『現地指揮官の動画』に基づいて「クピャンスク東市内のパン工場がロシア軍の支配下に入った」と報じている。以前からクピャンスク東市内ではロシア軍の成功に関する報告があったものの、これまで支配地域の拡大を裏付ける客観的な証拠は登場していない。クピャンスク西市内ではオスキル川沿いの高層建築物がロシア軍の支配下に入り、先遣部隊は既にサドベのジャンクション付近=Ⓐで目撃されているが、サドベ自体への侵入は確認されておらず、クプヤンシク・ヴズロヴィイやクリリフカの掃討作戦に関する情報も報告も未確認だ”
“オスキル川東岸では全線で戦闘が続いているが、その中心はピシュチェイン付近だ。まだペトロパブリフカ、クリリフカ、クプヤンシク・ヴズロヴィイで掃討戦が始まったという報告は噂の域を出ておらず、我々の情報源によれば空軍機と無人機部隊はオスキル川の橋梁を攻撃することで東岸への物流ルートを断ち切っているが、ウクライナ軍は東岸の前線ラインを維持し続けており、悪天候を利用して兵力の補充までしている”
RYBARが「これまで支配地域の拡大を裏付ける客観的な証拠は登場していない」と指摘したのは、国防省が10日に公開した『現地指揮官の動画』が屋内で撮影されているため「本当にパン工場がロシア軍の支配下に入ったのか分からない」という意味で、繰り返しになるが「11日までにクピャンスク東部(恐らく東市内)を解放する」と言い出したのはゼレンスキー大統領やウクライナ軍ではなく「ロシア軍の現地指揮官」だが、国防省は「現地指揮官の動画」を公式のチャンネルで紹介しており、ロシアメディアは「軍が5日以内=11日までにクピャンスク東部解放を約束した」と報じている。
DEEP STATEはクピャンスク方面について特に言及していないが、西市内の状況は概ねRYBARと評価が一致しており、東市内やオスキル川東岸は様々な噂が飛び交っているだけで具体的な変化は観測されておらず、果たして国防省が公式に取り上げる現地指揮官は「東市内解放」を11日に報告するのだろうか?
因みにRYBARの運営者=ロシア人のミハイル・ズヴィンチュク氏はウラル愛国者フォーラムで「国防省の情報機関はチェチェンでの情報戦失敗を受けて情報独占体制を構築し、2015年に始まったシリア内戦介入時、このアプローチは効果を発揮したが、2022年に始まった特別軍事作戦では全く機能していない。情報ボランティア=ミルブロガーが登場して戦場の情報を迅速に伝え始めたため公式情報は信頼を失ってしまった。公式情報はフェイクに反応し反論することが出来なかったのだ」と指摘した。
ズヴィンチュク氏は軍で情報を扱っていたプロなので「真実が重要」だとは思っておらず、Washington Postの取材に応じた際も「祖国を守る戦いに志願して関与するということは『何を話し』『何を口にすべきではないか』を理解しなければならない」「客観的な情報という単純な原則は存在しない」「客観的なメディアやブログを持っていると主張する人は嘘つきだ」「今は低質な情報が氾濫しているため人々はより馬鹿になっている」「原理的に人々を操るのは可能だ」「陰謀論が大衆を操作することを可能にした」「どんなナンセンスな話でも大きなストレスに晒されると信じてしまう」と述べたことがある。
今回も公式情報が信頼を失った原因について「面白いことに顔が見える人間が『これはこういう理由でフェイクニュースだ』『これはこういう理由で良いニュースだ』と説明すると人々はそれを信じ始め、TVよりもTelegramの中に真実があると考えるようになった。何故なら顔が見える人間が何が起きているかを説明してくれるからで、誰もが直接語りかけてくれることを好むからだ。私はどんな重要なことでも無味乾燥な事実としては扱わない。我々は皆、美しい貝殻を買う。貝殻は美しい物語の演出だ。人々が無意識のうちに膨大な動画や情報をスクロールしている時、我々は5秒から7秒に加工した情報で人々を満足させる」と述べているのが興味深い。
さらに興味深いのはミルブロガー同士が争い始めているという指摘で「特別軍事作戦が開始された当初、ミルブロガーは共通の情熱によって結束していたものの現在は分裂状態だ。国家は全てのミルブロガーを支えるほどの資金(メディア対策予算のこと)を持っていない。そのためミルブロガーは同業者を攻撃して餌場から追い出そうとしており、人間の薄汚い部分が全て露呈しまったのだ」と述べており、このような点を踏まえると「オールドメディアが悪でSNSが真実だ」を叫んでいる人々はいつの時代にも存在する操作しやすい大衆なのかもしれない。
追記:ロシア国防省は11日、これまで登場してきた「現地指揮官」ではなく自ら「クピャンスク東市内を完全に解放した」と発表した。
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※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России























約束したのはあと一日ですか。
俺がプーチンとかロシア軍司令官なら
「後一日で攻略完成すると言ったがあれは実は期限通りにしなくてもいい。なんなら当日とその前日はウクライナ軍にかける圧力は弱めておけ。ただし、前言った期日の三日後か四日後あたりに本格的な打撃を与えるのでその準備をしておくように」
くらいにしておきますね。
相手がいる事ですから、この手の期日は実の所厳密に守る必要はありません。その期日にあわせて作戦を組み立ててる場合は別だと思いますが。
「プーチンは約束を守れなかった!」とウクライナ側に大喜びさせて、西側メディアにもいっそ盛んに報道させる方がよいでしょう。その後で思いっきり打撃を与えて潰す。上げて落とす、訳です。
また、こういうのにはゼレンスキーや西側メディアは乗らざるを得ませんし、実際、ロシア側予告通りにはさせない為に非常に頑張る(頑張らせる)と思われます。
結局大事な事は
「クピャンスクは陥落するのか持ち堪えるのか、そのあたりどうなのか」
という事です。
一日や二日、なんなら一週間もロシア側の予告よりも持ち堪えても結局陥落するのなら大勢変わりませんからね。
どうですかね
国家が確信的にその発表に嘘を交えていることがあからさまであれば、国内向けでさえその発表に信頼性はなくなりますがね。
アメリカにはトランプがいるし、ウクライナにはゼレンスキーがいますから何処の国も似たようなものではないでしょうか。
プーチン氏は戦況について細かいことや深入りはしません。大統領の無謬性に傷がつきますので。そういう間違いは側近や官僚がするものだ、と。
強い言葉や使って主張しているように聞こえても具体的な目標や期日の約束をしない、突っ込まれたら煙に巻く会話術は政治家の必須スキルですね
真面目な政治家なら暴言失言で叩かれるような言葉をトランプが使っても、おじいちゃんがまたなんか言ってるわ、で終わるのはこれも会話スキルなんですかね
どうでしょうね。
発表者は現地指揮官ならあくまで現地指揮官の責任でしかなく、国家の信用とは関係ない気もしますが。
まぁ、国家の責任としても今まで散々美しい報告書を書いてきましたし、それが1枚増えたところで大差ないくらいの感覚ではないですかね。
最悪、ほかの作戦のための陽動ということでお茶を濁せますし、軍の発表なんて何でもありではないてすか?
特に優勢な方は発表のことで責任を問われることはないと思います。
劣勢の方はは何とも言えませんが。
これは戦争なのです。
また実際にコメントに書いたような指示をしても結局その真偽は外側からはわかりません。
「内部文書や関係者の証言を得た」となっても「本当は期日に間に合わせたかったが厳しかったのでのばした。 そして兵の負担を減らす為にも延期した」で通ります。しかも、これも半分くらいは本当かもしれません。特に後半は。
という事で、西側メディアが「わざと伸ばしたんだ」って頑張った所で「仮にそうでも対処を考えてなかったお前らが悪い」でやはり通るのです。
意表を突くような攻撃をウクライナが全くやらず、今までに西側諸国が全くやってこなかったのであればそうもいきませんが、現実はどんなものでしょう?
西側諸国であれば、意図的ではなかったとしても嘘になれば批判されますな。確信的にすれば処罰モノでしょう。動機で免罪されるわけでなし、まあ、それが民主主義国というもので。
まあ、ロシアの為政者や軍にとって、ロシア国民ですら記事で言うところの「操作しやすい大衆」という存在であるというなら、否定はしませんがね。
難しい事考えずに「あれは嘘だ」と言っておけば良いと思います()
エコーチェンバー現象もあってか、見たくないものに目を瞑ったり、見たいものを見る、ということを積極的にしなくても、知らぬ間にそうなっているケースもありそうです。
どちらの陣営寄りであろうが、今までは誰にお金もらってるんだろう、ウクライナやロシアの利害関係者そんなにいるわけなくないのでは?単なる意地?と自分も思っていました。
お金配りアカウントやフェイク動画、切り抜き動画、1ポストに騙されるような人が、ニュースや検索結果、おすすめポストのパーソナライズに気づかず、見える情報が固定化されていることに気づいていないのでしょう。
だから一見「明らかな嘘や信憑性の不確かな情報を発表してどうするんだろう?」「そしてそんなものを拡散している人たちは何がしたいんだろう?」というものであっても、国民の中に少なくない、騙され続ける人の支持を取り付けるには十分に効果があるのでしょう。
人間自体が悪な部分あるから、そらオールドメディアもSNSも悪になるわな……
ただ、後者は前者に比べて選択肢が圧倒的に多いというだけ
で、選ばれない方は食えなくなっていく、という真に市場原理が働いているような話
オールドメディアも競合に晒されないと、質が良くならないというか、対費用対効果も上がらないだろうと
スタンドプレーで総司令部に覚えのめでたい大言壮語をぶち上げて、あとは現場に丸投げ。
いつの時代も牟田口将軍はいるものですよ。
仰る通りですね。
取締役(大本営)=担当役員(南方軍)=部長(牟田口さん?)こんな感じとして、現場が大変な目に合っても結局『誰も責任をとらない』感じでしょうかね…
>これまでロシア側は一度も「◯◯を△△までに占領する」と公に言及したことがなく
司令官「もしもし 西部軍集団司令だ」
大統領「私だ…挨拶はいい クピャンスクはいつ取れる!? 出来ませんでは良心がない」
司令官「はい 必ずや… 必ず明日には」
大統領「また電話します 努力しなさい」
司令官「はい 大統領閣下……」
〃 「ウウウ……」(胸を手で抑えながら倒れる司令官)
部下 「大変だ 司令官閣下が」
ってシーンは期待できないんですね。
ウクライナ側なら日常茶飯事な気が。
シヴェルスクの無能将軍ですらそうならなかったですしね
マジで「ウウウ……」ってなる将軍は軒並み開戦劈頭の将官狩りで狩り尽くされたかもしれません
シヴェルスクの無能将軍ですらそうならなかったですしね
マジで「ウウウ……」ってなる将軍は軒並み開戦劈頭の将官狩りで狩り尽くされたかもしれません
アイエッ二重投稿してる!?
日本の会社も、営業の朝礼などで『詰める』文化があったり、品質改善『6σ』みたいな達成不能な目標設定もあるわけ、ニデックのような超大企業でも会計に疑義がでたり組織としてあるあるなのでしょう。
現場はそういうとき『あー、またなんか言ってるわ』くらいで受け流せればよいわけですが、皆様の中にもこういうのを経験された事ある方いるかなと。
最近だと、熊が話題になってますが『接近して(!)麻酔吹き矢で倒せ』みたいなのもあるわけですが、今度は麻酔の専門資格持つ人が足りないみたいになってまして…
長々となりましたが、古今東西、どの組織にも関わらず変な方向にいく事例があるのは変わらないのかなあと。
仰る通りです。現場では、何も気にしません。目標必達とか言われても、そもそも現実離れしてるケースも多いです。
それよりも、成果が出ているかどうかが判断基準になりますね。この点で言うと、ロシア側が戦況を有利に進めているのはほぼ確実なので成果を出してはいるのかなと。
ウクライナや西側は期限が守れなかったとか、放棄した都市を価値は小さいなど余計な宣伝や虚言をやめるべきですね。勝てなければ、戦争では価値0です。
成果が重要なのは、仰る通りと思います。
『価値は小さい』ウクライナ前線歩兵が、人生と血を捧げてきたのに、こんな言い方では彼等の敢闘も報われないわけで…
『防衛部隊の敢闘・後方の防衛線構築により、都市としての価値が小さくなった』広報するにしても、せめて毎回こういった丁寧な言い回しをして欲しいものですね。
戦争は勝たないと意味がないのは仰る通りです。
早期停戦を蹴ったという事はそういうことで、長くやったからといって、海外各国の国民が評価(ウクライナへの資金が増えたり)するものではないのが現実だなあと。
まさにです。価値が小さいなら、兵士を長いこと戦わせないでよと思います。
散々戦わせておいて、戦略的価値が小さくなったということばかり言います。なら、早く撤退しようよと。
戦争は長くやったから評価が上がるものではないですよね。ウクライナの場合は、ロシアに殴られ続けているわけで、地道にアメリカを追い込んだベトナムとは全く違います。
殴られても、殴られてもゲリラ戦で対抗するタリバンとも異なります。
明確な戦略や作戦を持たず、兵士をほぼ使い捨てで補充もありません。戦争やるなら、もう少し現実的な思考で行なって欲しいものです。
これまで期限・目標を公言しなかったロシア軍が、あえて公言し動画で公開したというのは新しい情報戦なのでしょう
歴史上、何度となく行われてきた「敵将は討ち取ったぞ」「お前らの指揮官は逃げたぞ」「包囲されれているから降伏しろ」の亜種であり、掃討戦でのロシア軍側の損失を減らしたいのだと思います
このような期限を明示する動画公開が現地兵士の降伏や逃亡を促すのに効果があるなら今後も色々と出してくるでしょうし、効果が無ければこれっきりになるかもしれないですね
とりあえずそのパン工場に国旗立ててクピャンスクを制圧した事にしておけばいいんじゃないですかね(呆れ)
クピャンスクはロシア兵の屍で埋め尽くされてるそうです
この突撃隊長の動画が出る3日前にはゼレンスキー大統領がクピャンスクのロシア兵は60人しかいなくて掃討されつつあると言ってみたり
ポクロウシクとクピャンスクの宣伝合戦は相当な物ですね
ロイター:ロシア、東部2都市でウクライナ軍包囲と主張 降伏呼びかけ