ロシア軍は5日以内にクピャンスク東部を制圧すると予告したが、RYBARは「現地の状況は国防省発表ほど順調ではない」「誰が誰を騙そうとしているのか、なぜ始まってもいない市内の掃討戦が『完了しつつある』と報告するのか本当に謎だ」と苦言を呈した。
参考:Хроника специальной военной операции за 7 ноября 2025 года
参考:Командир Ловец: за пять дней ВС РФ освободят восточную часть Купянска
参考:Командир Лаврик: ВС РФ завершают зачистку западной части Купянска
実際の状況は「兵士が攻撃を受けた地点までの範囲を支配している」というほどシンプルではない
RYBARはポクロウシク方面について4日「ロシア軍がポクロウシク市内中心部を占領した」と報告したものの、同時に「ロシア軍はポクロウシク市内でも徐々に支配地域を拡大させているが、市内の完全掃討には程遠い状況だ。両軍とも小規模部隊を分散させて行動させているため、市内の状況は事実上『巨大なグレーゾーン』であり局所的な支配が続いている」とも指摘。
#NewsMap
Big surprise – at least to some. The center of #Pokrovsk was – and most likely still is – under Ukrainian control.Russians never entered the area to do a flag stunt.
Ukrainian never posted footage of hitting Russians in that area.
Now we have a Ukrainian flag video. pic.twitter.com/iUBX5cW2uD
— Julian Röpcke🇺🇦 (@JulianRoepcke) November 5, 2025
要するに「ロシア軍がポクロウシク市内中心部を占領した」と戦況マップ上で報告しても「線で結んだ範囲からウクライナ軍を完全に掃討した訳では無い」「支配は局所的で安定的な足場を確保したロシア軍支配地域というよりもグレーゾーンに近い」「ここからここまでを占領したというような分かりやすい状況ではない」という意味で、DEEP STATEも5日夜に同様の指摘を行い、登場した視覚的証拠の内容を精査せず「ここまでウクライナ軍/ロシア軍が前進して占領地を広げた」と塗り絵を行うタイプの戦況マップやOSINTプロジェクトに苦言を呈した。
ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は8月末「クピャンスク市を完全に封鎖した」と、10月末の戦況報告でも「クピャンスクを包囲した」と述べ、ロシア側の塗り絵を行うタイプの戦況マップやOSINTプロジェクトは「公式の戦況マップ」や「登場した視覚的証拠」に基づいてクピャンスクでの成功を大々的に喧伝し、露国営通信社のТАССも6日「国防省公開の映像に登場した現地指揮官が『5日以内にクピャンスク東部を解放する』と述べた」と、7日「国防省公開の映像に登場した現地指揮官が『クピャンスク西部の掃討が完了しつつある』と述べた」と報じたが、RYBARは7日「現地の状況は全く異なる」と指摘。
“確かにクピャンスクでは数週間に渡って戦闘が続いている。市内での活発な戦闘が始まる前「クピャンスク西市内でロシア人兵士が国旗を掲げる映像」が登場し、メディアは「クピャンスク解放の始まり=全面攻勢の開始」と大々的に報じたが、実際には単独行動中のロシア人兵士が道に迷っただけで、公式発表は現地の状況とは大きくかけ離れている。ポクロウシク方面では交戦を示す客観的な映像が定期的に登場し、両軍の戦闘が続いていることを示している”
“多くのOSINTコミュニティは自身の政治的見解に基づいて映像を判断し、大抵の場合「兵士が攻撃を受けた地点までの範囲を支配している」と解釈する。その判断については置いておくとしても、クピャンスクではその映像がほとんどない。ロシア軍は映像の公開に必要性を感じていないのかもしれないが、情報戦の観点から言えば怠慢としか言いようがない。同様にウクライナ側もクピャンスクに関する映像が少ないが、戦況が思わしくない他の戦場ではロシア軍の成功を裏付ける映像を公開している”
“ロシアメディアは最近「国防省公開の映像に登場した現地指揮官の発言」を大々的に報じているが、この種の報道を人々は信用しなくなっており、戦場の現実から見れば平凡な危機対策としか見えず(公式発表に対する)不信感を高めるだけだ。我々が現地から入手している情報によればクピャンスクでの成功は確かに存在し、ウクライナ軍の状況も悪化しているが、それでも国防省発表ほど状況は順調ではない。誰が誰を騙そうとしているのか、なぜ始まってもいない市内の掃討戦が「完了しつつある」と報告するのか本当に謎だ”
結局のところDEEP STATEもRYBARも「ウクライナ軍から攻撃を受けるロシア軍兵士の映像を全て『そこまでの範囲を支配している』と処理するのが誤解を生じさせる原因」と指摘しており、特にロシアメディアはウクライナ侵攻に関する「報道の自由」がなく、美しい報告と揶揄される公式発表をそのまま垂れ流すため問題が大きくなるのだろう。
支持する陣営側の成功やセンセーショナルな展開を期待し、それを否定する情報に気分を悪くする気持ちも何となく理解できるが、実際の状況は「兵士が攻撃を受けた地点までの範囲を支配している」というほどシンプルではなく、DEEP STATEやRYBARが「戦場の霧に包まれている」と評価する状況を「あたかも見てきたかのように塗り絵するタイプの戦況マップ」を個人的に全く信用していない。
追記:AMK Mappingを信じたい人は信じればいいと思うが、このマッパーの戦況マップや報告は根拠(どこから得た情報なのか、ロシア軍の前進は何を根拠にしているのか、モニター越しの観察者なのか現地と繋がりがあるのかなど)を提示しておらず、どうやって線を引いているのかも謎で、マッパーというよりは預言者に近いと思っている。
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※アイキャッチ画像の出典:Минобороны России






















追記:AMK Mappingを信じたい人は信じればいいと思うが…
対象はたまに変わるが毎度のようにこういうことを言わないといけないのが悲しい。自分が信じるものは自分で選べばいいし、他人がそれを信じないからと言ってそれを攻撃するのは人間の本能なのだろうか、なくなる気配はない。古今東西、戦争のきっかけもこんなものからなのかもしれない。
西側の報道機関が、ロシア軍は(そんなこと言ってないのに)「〇〇日以内に✕✕市を解放する」と宣言した(ということになっている)が「〇〇日になっても解放できていないので、事実上ロシア軍の敗北!」という飛ばし記事を書くのは完全にプロパガンダですが、今回言われている件は単なるポジショントークの範囲内だと思いますけどね
建設業なんかだと余裕を持ったゆるゆるの納期や予算を提示するなんてことはまずなくて、大抵はイレギュラーなんて一切起こらない前提の机上論みたいな数字か、最初から鯖を読んだ希望的観測を提示するわけで
そもそも敵国の諜報が簡単にアクセスできるOSIで、軍事機密や作戦内容を公開するわけがないでしょう
他国の戦争の陣取り合戦をヲチして一喜一憂している我々の方がむしろイレギュラー側ですよ
この記事が出た頃には産経から「ポクロウシクをウクライナ放棄示唆」の見出しが付いた記事が出ています。
管理人さんと逆の見方をするとウクライナ軍が不利を認めてライバーの懸念より前の判断をし始めたとも考えます。
いずれにせよポクロウシクより扱いは低いため記に者に言及もされないわけでウクライナも黙っている可能性があります。
ロシア軍が吹かす、ライバーが懸念する、この流れはロシア優位だからこそでしょう。ロシア当局がライバーの発言を本当に嫌がっているなら圧力掛けて黙らせると考えます。
ロシア人が批判するロシア軍をロシア支持の日本人が擁護する構図w
「ロシア軍が吹かす」と言っているのにロシア軍を養護とは
ロシア人が不信感を高めるだけだと言ってんのに「ロシア軍が吹かす」と解釈するのは擁護でしょw
ロシア人がロシア軍を批判する事実を何で素直に受け入れられんのよw
クピャンスクのロシア側の報道は、リバールなんかも同じようなものだと思う。しかし、それらとは違ってロシア軍の現場指揮官とかの話を直接に出して戦意高揚の報道をしているようなところは早まったことを言っているように思う。
確かにクピャンスクは包囲されているけど市街戦は始まったばかりで、掃討戦が終わるというのはさすがに早まりすぎだと思う。
オスコル河東岸のウクライナ軍の3個旅団とかは撤退が難しいし、結局は包囲された市街などのウクライナ軍部隊の運命はポクロウスクの市街と同じだと思う。
しかし、時間の経過は必要だし戦争では何が起こるか分からない面もあるので、早まった報道は間違いの元だと思う。
はて、吹かすとは「誇張して口から的な出まかせを言う」的な意味であり、それによってロシア人が不信を高める事やロシア人がロシア軍を批判する事をスレ主は特に否定はしていないようですが。勿論自分も否定してませんよ。
失礼ながら貴方は言葉の意味を理解していないか、もしくは単に他人を煽りたいだけのように見受けられますが。
おっしゃる通り、吹かす、とは「ホラを吹く、出来ない事を言う」の意味です。
ロシア当局を擁護する気はサラサラないのですよ。
つまり、ロシア当局はあり得ない事を言う、ライバーは批判する、でもロシアはライバーの発言を止めたりもせず「余裕をかましてる」と言いたいのです。
5日が10日になり20になっても大して影響はないでしょう。市内からロシア軍が掃討されるなら別ですけど。
いつの間にかクピャンスクが(ロシア国防省の中で)陥落寸前になっていたでござる。
「5日後に制圧する」の信憑性は「24時間以内に戦争を終わらせる」と同じくらいですかね。
いつだったか、AMKは戦況地図の評価は他のマッパーたちを参考にしていると言って名前も明示していた。それが誰だったかは忘れてしまったが、まぁDRGという存在がほぼない時期の地図評価だから今の現実とは合わないと思われる。
AMKはDeepstateをよくからかっているから、管理人さんとしてはおもしろくないでしょうな。
実際Deepstateはドブロピリャの露軍突出部の寸断・包囲失敗がほぼ確定した後でもずっと訂正しなかったことで信用を大きく損ねましたし…
逆に何をもってここまで具体的な吹かしを上げてるのかを知りたい。5日後に陥落しないと将軍たちの権威失墜にしかならんだろ。
5日後に市内のウクライナ軍が異次元へのゲートを開いてどっかに飛んでいく訳じゃあるまいし
ロシア将校への圧力…
出来なければスターリングラードの冒頭みたいな…
毎度毎度思うがプーチン政権側ってそんなに一目標単位で急かしてくるのかと。クリンキにしてもジョイグに奪還を焦らなくていいと指示していたし戦術的な面への介入は抑えてる方では?むしろ軍内部の将軍たちの派閥争いのが説明がつくような
現在のクピャンスク方面のロシア軍はオスキル川東岸に取り残されたウクライナ軍を逃さないため、渡河地点への攻撃を成功させ続けることが至上命題となっている
相対的にクピャンスク市街地での戦闘は重要度は大分下がった
と、考えると「うちらの頑張りにも引き続き注目してくれや」というアピールに見える
「ロシア側が吹かしを上げていると主張した上でその不成立をあざ笑う」なら英daily紙(英国防省orウクライナ軍ソース)で腐る程見ました
今回もロシアでは何も言ってない、英国防省の吹かしと考えた方が納得がいく話なんですよね。RYBARが口にした話という部分を除くと。
RYBARがやりすぎを気にするほどロシア国内での戦争評価が著しくロシア有利に傾いているのかという部分が謎です
実情を正確に正確に反映している戦況図は存在し無いでしょうね、イデオロギーにプロパガンダに当局からの圧力をお互いに多分に含んでいるでしょうけど戦争中なのでそんなものでしょう。
ロシアウクライナも沈静化している戦線の状況は把握しているでしょうけど、ボルチャンシク、クピャンスク、ポクロウシク等の市街戦に突入した所は少人数での浸透戦術というのもあり流動的過ぎて最前線に関しては大凡把握している程度になっているのが実情かもしれませんね。
AMKは以前「自分のマップはロシア側の情報を基にしている」と公言しているため、そういうスタンスのマッパーと思っています。
ただAMKがマップを動かすと数日から数週間後には他のマッパーも追いついてくる事が多いため、預言者というのはある意味正しいのかも知れません。
興味深いのはやはり自分のマップに対して文句を言ってくる人に対して時々苦言を呈している点で、気に入らない情報に文句を言う人はどこにでもいるもんだなあ、と思いますね。
5日で制圧は大きく出たなと思いますが、クピャンスクは情報が少なくてどうなっているのか分らんですね。
オスキル川東のウクライナ軍は補給線が貧弱そうだし、ポクロウシク南のようにいつの間にかロシア軍が浸透していたりするんでしょうか?
ドローンと火力支援の下でロシア歩兵が浸透、集結しはじめている、ウクライナ側も少数部隊とドローンを繰り出して必死に迎撃している環境をどう捉えるかだろう。
ロシア軍上層部は「占領域を広げた」、ウクライナ軍上層部は「撃退した」、DSやRYBERは現地の情報からより慎重に「グレーゾーンが広がった」と表現しているが、
両軍に何の偏見もない人間としては「ロシアが侵食している」くらいに捉えればいいのか?
たしかポクロウシクでもロシア側がウクライナ側に撤退の猶予を何日だったか一方的に提示して、その後に大規模浸透が発生しました
ので、今回のこれも一気に浸透作戦を仕掛けてくる可能性が高いです
まあ、5日で制圧というのはさすがにフカシでポクロウシクみたいに広大なグレーゾーンが一気に広がるくらいだとは思いますが
どうなるかはクピャンスクの守備隊の残存兵の数と練度と補給がまともに機能しているかにかかっていますが
管理人様の言うようにこのマッパーの情報だとこう、というので理解しろと。どのマッパーだろうと実情を正確に把握した神の視点じゃないのだから…
AMKは空爆の機体と弾軌道の追跡しててそこは結構評価してます。勘違いだった場合はすぐに修正しますし。
『ぞす!』みたいな感じなんでしょうね。
営業の朝礼みたいなもので、『今週絶対に目標達成します!』過大な目標でも期限つけないと怒られるやつなのかなあと。
AMK Mappingがどんなモンかと見に行ったら、Military summary channelやDIVGENとそう大差無く見えたぐらいだったが……
因みにMilitary summary channelは投稿主が割とウクライナ寄りだから、そこまで言う程か……?って感想になってしまう
あと、報道の自由は確かに西側にあるし、ロシアは当事国だから情報規制を敷いているから自由が制限されてるのも確かだ
けど西側のそれは、「報道しない自由」も含んでいる事には留意すべきだ
所詮飼い主から金貰っているのは、どこのメディアも変わらんからな……
『ロシアすぐ経済破綻する!プーチン大統領は重病!ウクライナ南部反転攻勢で大突破できる!』
我々も、大手メディアから散々こういういい加減なものを聞かされてきたので、仰る通りだなあと思います。
日本の大手メディア業界も、某宗教政党から新聞印刷費・書籍の宣伝費・講演招待などあらゆる便宜を図ってもらって、(スポンサーの意向として)色濃く反映されてきましたよね…
どこからどこまでが「クピャンスク」なのかよくわからなくなります
ですがロシアのネットで話題の「クピャンスク東部」と言うのは「クピャンスク郡」でなく、オスキル川東岸に残された市街地の残り部分のようです。
「強力な要塞地帯と化していたクピャンスク東部の飼料工場を完全に制圧」「解放すべき建物は残り50棟以下」とか言うワードと一緒に語られるので。
でも「クピャンスク市」はオスキル川の西側にもあるのでは?
どうも「Kupiansk Raion」「Kupiansk city」の違いという事ではなく、「クピャンスク中心街の、オスキル川西岸部分」だけをクピャンスク扱いして盛り上がっているようです。
何年も侵攻を阻まれて来たロシア軍人にはクピャンスクに特別な文脈があるのか、「解放」を前にして先走りでも強弁しておきたいのか、その両方か
いずれにせよオスキル川東岸のウクライナ軍孤立リスク等とは別に語られていて変な感じですね
投稿してから気付いたけれど東岸と西岸をほぼ全部取り違えて書いてました。
すみません。
>>ロシアのネットで話題の「クピャンスク東部」と言うのは「クピャンスク郡」でなく、オスキル川東岸に残された市街地の残り部分のよう
東岸じゃなくて「西岸」ですね
本当にこんがらがるなあ
ウクライナとロシアの兵力差は8-10倍と言っている人がいまして、それが本当だとするとクピャンスクぐらい瞬殺してないと、もはや物量が左右する世界ではないうということになるし(ブログ主様も砲撃控えめで、ドローンの運用能力が戦況を左右しているみたいな指摘をされていたと思いますが)、 ドネツク州全域制圧という目標も嘘っぽく聞こえてしまうというところで、ロシアとしては戦果を誇張しなければならない事情があるのでしょう。