露ワグネルのプリゴジン氏は「実質的にバフムートを取り囲んだ。残されたアクセスルートは1つだけで徐々に(ウクライナ軍の支配地域は)範囲は小さくなっている」と語り、ゼレンスキー大統領に対してバフムートからの撤退を呼びかけた。
プリゴジン氏曰く、以前はプロのウクライナ軍兵士と戦っていたが今では老人や子供が多くなり、もう保っても1日か2日だろう
ゼレンスキー大統領は先月27日に「バフムートの状況がますます困難になっている」と言及していたが、ウクライナ軍参謀本部の発表によってロシア軍の攻撃がクロモヴェに及んでいることが判明、ここはバフムートに残された最後のアクセスルート「00506」が経由する拠点だ。

出典:GoogleMap バフムート周辺の戦況/管理人加工(クリックで拡大可能)
ここを落とされるとウクライナ軍は車輌でバフムート市内にアクセスするのが困難になる上、イワニフスキーやバフムート南西地区にもロシア軍が迫り、ホヴォ・ヴァシリフカやボタニフカにも攻撃の手が伸び始めているため、いつバフムートへのアクセスルートを失ってもおかしくない状況だ。
露ワグネルのプリゴジン氏も3日「実質的にバフムートを取り囲んだ。残されたアクセスルートは1つだけで我々の挟撃にあって徐々に(ウクライナ軍の支配地域は)範囲は小さくなっている。以前はプロのウクライナ軍兵士と戦っていたが今では老人や子供が多くなり、もう保っても1日か2日だろう」と語り、ゼレンスキー大統領に対して「動員した人々が街から離れられるよう許可すべきだ=事実上のバフムート撤退」と呼びかけた。
今のところウクライナ側に反応はないが、プリゴジン氏の証言で「ロシア軍の攻撃がクロモヴェに及んでいる」という話はウクライナ側とロシア側の両方から確認されたことになり、もうウクライナ軍が撤退を始めているかもしれない。
因みに00506はバフムートから高地に繋がっているため、ここを移動する車輌はロシア軍側から丸見えで「リマン撤退戦=ロシア軍がリマンからクレミンナに向かう1本道を使って撤退する際、ウクライナ軍から一方的に砲撃され大きな損失を被った戦い」が再現される可能性があり、仮に撤退するなら車輌を捨ててイワニフスキーの裏=森林地帯を伝うようにチャシブ・ヤール方面に逃げるしかないだろう。
まぁロシア軍が撤退するまで攻撃を一時停止してくれるのがベストなのだが、、、
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※アイキャッチ画像の出典:Оркестр Вагнера | Wagner
ウクライナ軍が春に反攻出来る力を蓄えているなら
撤退支援のために一部を投入して
一時的な反撃に出るでしょう
逆に撤退が悲惨なことになるなら
ウクライナ軍には本当に余力がないことになり
今後の見通しは極めて悪いと言わざるを得ない
ウクライナとしては撤退もやむを得ない状況ですが、ロシア側がゼレンスキー大統領に対してこういったメッセージを出した後になると、たとえ合理的な判断に基づく撤退であっても「ゼレンスキー大統領はロシアの要求を呑んでバフムトを放棄した」との政治的に不都合なメッセージが少なからず生じてしまう。
それを恐れて撤退の判断が遅れれば残存するウクライナ軍にとっては致命的で或いはロシアの狙いはそこ?
ロシア情報ではチャシブヤールにはウ軍の外国帰りの部隊がいるらしいから撤退支援するなら出してきそう。
ただ準備万端の所に突っ込む形になるので被害も・・・
露ワグナーにバフムートからの撤退を呼びかけられたのは痛いですね
この発言の後ではウクライナ軍が合理的判断に基づいて撤退することになった場合でも、それを露ワグナーに屈したと見なす人が少なからず出てくるのは避けられず
かといって意固地になって撤退せず包囲網が完成し部隊が壊滅や降伏することになっても批判は避けられないという、どの道ウクライナにとって面白くない展開は避けられそうにありませんし
理想論を言えばロシア軍を押し返して露ワグナーの発言を一蹴できればいいのですが、現状の戦力比では……
この爺さんはパフォーマンスが上手い。
これはゼレンスキーに向けたメッセージとしてるが実際のところ国内向け。
こういうジャイアニズムがロシアのオラついた脳筋連中にウケるんだよな。
しかし準軍事組織認定されてるとは言え一応民間軍事会社のワグナーが正規軍とバリバリ戦って戦果挙げてるのはすげぇよなぁ
ミリタリー漫画やアニメの登場組織みてーだよ
去年の内に正規軍はほとんど潰され、傭兵組織も大量投入されてたがほとんど潰され・・・
ちぎっては投げ、ちぎっては投げ・・・
撤退を呼びかけるとは、とても興味深いことです。
ウクライナ軍は、撤退中であろうと負傷兵の救出動作であろうと、ロシア兵を構わず攻撃して殺害する動画を数多く発信しています。
殲滅せず、戦場からの退出を許すとしたら、極めて温情的であるというか。非対称的な姿勢に見えます。逃した敵兵が場所を変えて継戦するであろう事を、より懸念して当然でしょうに
侵略してきた側が
しかもブチャのような惨劇をそこかしこで繰り返している連中が、温情的に見えるとは
とても不思議な論理ですね
人道的な目的の撤退を呼びかけるのなら、休戦期間·休戦地域の交渉から始めると思いますが。
ウクライナは相対的に映像を多く公開していますが、映像が無いからロシア軍が、撤退中であったり負傷兵の救出中のウクライナ軍を攻撃していないと本気で信じていますか?
これは油断させるための罠で流石に軍用車両は逃さないと思うけどなあ
かなりの犠牲が出てるのにそんな舐めた事したらロシア国内から批判が出るでしょう
まった分かりやすいの沸いてるなぁ
このブログも有名になったと喜ぶべきか
こんな要求をする意味は薄い(=包囲すればいい)
あるいは既にウクライナ軍が撤退を始めていてそれを政治的パフォーマンスに使おうって腹積もりかもしれません
もう撤退しているんじゃないか。
お互い「これから撤退します」宣言も「撤退しろ」宣言も軍事的合理性がまるでない。
モヌケの殻に対して強がるワグナーってところだろう。
ウクライナ軍はそれくらいの考慮はあるはず(と、信じる)。
> 以前はプロのウクライナ軍兵士と戦っていたが
> 今では老人や子供が多くなり、もう保っても1日か2日だろう」
ウクライナ側がいかに非人道的なことを自国民に強いているかを如実に表わしている。
彼らは自国民を守るためでなく,別の目的のために自国民を意図的にすり潰している。
今回の声明は非常に人道的なアピールだと思う。
侵略者が存在しなければ誰も傷付かなくて済んだんですがね
侵略者相手ならどんな手段も肯定されるなどといった理屈は到底受け入れられるものではありませんね。
ですからオデッサにおける不適切な招集の件でもウクライナは厳粛に対応しました。
ウクライナは民間人にも武器持たせたりロシア軍を攻撃するよう呼びかけているしね
民間人死者の中には民間人が武装しているかもという警戒感で殺されたケースやこうやって避難させない(しない?)民間人もかなりいると思う
この主張を鵜呑みにするのは流石に何も考えていないと言わざるを得ない。
しかしこれだけ退路が狭められてくると、徒歩で走って森林の中に逃げ込むにしても、ロシア軍が
「クラスター爆弾」
で爆撃するとか、空中から
「対人地雷」
を森林の前にばら撒くだとか、森の中に
「サーモバリック爆弾」
を撃ち込んでくるようなこともウクライナ軍は考慮しないといけないでしょう。
対人地雷や爆撃、銃撃などを交わしながら、森の中を通ってチャシブヤールまで徒歩で走って退却するのは、まさに命がけの賭け、ギャンブルであり、
「賭博黙示録カイジ」
に出てくる
「鉄骨渡りの人間競馬」
に挑戦するにも等しい勇気が必要とされるでしょう。
またあるいはウクライナ軍は、退却援護のために最後の切り札となる予備兵力をさらにバフムトの西に投入するかもしれませんが、そうなると逆にロシア軍の方はウクライナ軍が残している予備兵力を撃破するチャンスとなります。
散々包囲の危険性が説かれて撤退しろと言われてたんだから、この期に及んで市内に残ってる部隊は失っても痛くない部隊か、生き残ってもらっては困る部隊の何れかでしょう。
だから撤退はしないんじゃないでしょうか。
大統領の側近と言われている人物が、最前線まで出向いて成果をアピールしなければならないほど政治的に切羽詰まった状況に置かれているということでしょうか。
ワグネルが宇軍に対して戦果を挙げて欲しくはありません。ただ、ロシアの宮廷内政治ではワグネルが露正規軍と足の引っ張り合いをしている、しかし最近はプリコジン氏は劣勢だというような報道もあるところですが、ワグネルが一方的に弱体化するより、露正規軍といさかいを続ける程度の勢力は保ってもらって、どんどん足の引っ張り合いをして欲しいところです。
最近は日本では報道されないカディロフが、10代の息子2人を最前線に投入すると大見得をきったのはどうなったんだろうね?
上級大将に昇任したのは良いけど、プリゴジンに差をつけられている感が···。
まあ大戦果を喧伝されているリマンも実情としてほとんどロシアに損害を与えられなかったようだし、逆の立場になっても完全に遮断さえされなければウクライナは上手く撤退するでしょう。
OSINTの@DefMon3によると、ロシア軍はクレミンナ方面の兵を
ヴフレダール方面に転用する動きがみられるらしいとのこと。
バフムートではないんですね。