RYBARはフリアイポレ方面について12日「ロシア軍がソロドケ南郊外で支配地域を広げた」「ウクライナ軍がロシア軍発表よりも早く集落(リヴノピリヤ)の喪失を発表した」「ウクライナ軍が自らの失敗を唐突に発表したのは卑怯な行為を準備をしているからかもしれない」と報告した。
参考:Ворог продовжує просуватися в Запорізькій області
参考:Нарастающий ком проблем неожиданное признание командования ВСУ
ウクライナ軍が自らの失敗を唐突に発表したのは卑怯な行為の準備をしている可能性がある
南部防衛軍はフリアイポレ方面について12日「リヴノピリヤの陣地が11日深夜の攻撃で損害を受けたためウクライナ軍は撤退した」と発表し、これを受けてDEEP STATEは「敵が複数の集落を占領しており、南部防衛軍の報告でリヴノピリヤの喪失も確認されている。これは次回の更新で地図に反映させる予定だ。ソロドケも部分的もしくは完全なロシア軍の支配下にある可能性が高い」と述べた。
“敵はウクライナ軍の陣地に圧力をかけるため歩兵戦力を増強し、防衛ライン上の隙や問題を利用している。リヴノピリヤを占領することで北からフリアイポレへの攻撃が可能になるものの、敵はより広範囲な目的に集中するかもしれない。何故なら、この方面のロシア軍はフリアイポレ攻略に必要な戦力を欠いているからだ。そのためヴィシュネヴェ方面での前進や、ポクロフスケ~フリアイポレの移動を妨害するドローン作戦を強化してくるかもしれない。敵はフリアイポレに対する積極的な砲撃を開始し、街の防衛力を弱体化させようとしており、敵が何度も突破を試みてきたマルフォピル周辺で活動を活発化させる可能性もある”
“同時に南部防衛軍が不利な位置から撤退する決定を下したことにも注目したい。ウクライナ社会は長い間「兵士の命を守る現実的な決定」を軍指導部に求めてきた。さらに軍内部のコミュニケーションも改善が必要で、南部防衛軍は撤退した集落の数を述べ、最高司令官は別の数を述べ、現地部隊の指揮官は依然としてマニュアル通りの掃討、突撃、解放を報告している。このような不一致は現在の状況において社会からの信頼を損なうものだ”
DEEP STATEの指摘は現地部隊の指揮官が6日「敵の発表を信じるな」「パヴリフカとウスペニフカで侵入してきた敵を排除した」と、南部防衛軍は11日「ウスペニフカ、ノヴォミコライウカ、パヴリフカ、ノヴェ、ノヴォスペニフスケから撤退せざるを得なかった」と、シルシキー総司令官も11日「戦闘の過程で敵が3つの集落を占領した」と言及したことを指しており、異なる発表を行うのは「国民からの信頼を損なう」という意味だ。
RYBARは12日「ロシア軍がソロドケ南郊外で支配地域を広げた」「ウクライナ軍がロシア軍発表よりも早く集落(リヴノピリヤ)の喪失を発表した」「ウクライナ軍が自らの失敗を唐突に発表したのは卑怯な行為を準備をしているからかもしれない」と報告。
“南部防衛軍の告白によれば「ウクライナ軍は絶え間ない砲撃と空爆のため、より有利な位置への後退を余儀なくされた」とのことだが、我々の情報によればウクライナ軍には撤退できる者が殆どいなかった。ウクライナ軍にとって最も困難な状況はリヴノピリヤとヤブルコヴェで発生している。第20軍団司令部の嘘報告や、兵士を失われた陣地へ故意に送り込む行為が影響を及ぼし始めている。例えば第102領土防衛旅団の大隊は実質的に壊滅し、戦死者と行方不明者の数は数十人に上っている。一部の情報源によれば第125重機械化旅団の第218大隊も存在がロシア軍の攻撃で事実上消滅した”
“最も注目すべきはウクライナ軍がロシア軍発表よりも早く集落の喪失を報告したことだ。現時点で極東出身の兵士らは広範囲な前線で攻撃を続けており、ウクライナ軍の反撃も撃退している。敵は現在も集落や陣地を失うと直ぐに挽回を試みている。ウクライナ軍が自らの失敗を唐突に発表したのは卑怯な行為=失敗の責任を誰かに押し付ける準備をしているからかもしれないが、どちらにしてもフリアイポレ方面の攻勢は極東急行の線路に乗ることになるだろう”
RYBARが言及した第102領土防衛旅団の話は「同旅団に所属する兵士の親族らがフリアイポレ方面の困難な状況を鑑みて兵士の撤退、負傷者の移送、ローテーションの実施を要求している」とウクライナ国内の報道を、第218大隊の話は「フリアイポレ方面に配属された同大隊所属の兵士と連絡が取れなくなったという親族の訴えに『第218大隊は当時別命令系統の作戦グループに所属していたため管理権限がなった』『この問題について旅団司令部は最優先事項として真相の解明に取り組んでいる』と第125重機械化旅団が発表した件」のことで、情報戦の一貫として壊滅や消滅とオーバーに書いているものの根本的な部分は事実だ。
戦争には情報戦がつきもので、情報戦は認知を歪めることで敵や敵対する陣営の情報空間における対立を煽り、互いに攻撃しあうよう仕向け、何が正しいのか分からなくすることに効果的で、RYBARは完全に嘘とは言えない範囲で事実を加工し、さり気なく情報戦を仕掛けている。

出典:125 окрема важка механізована бригада Збройних сил України
繰り返しになるが戦争には情報戦が必須で、管理人は情報戦自体を悪だと思っておらず「やったもん勝ち」「情報戦に真実は不要」「後手に回れば世論や支持を破壊される」と認識しているため、RYBARのやり方は雑な偽画像によるフェイクニュース、過去動画に内容と異なるキャプションをつけた投稿、センセーショナルな成功を伝える戦況図よりも効果的で感心してしまう。
こういった情報戦に対抗するにはどうすれば良いのか謎だが、管理人はウクライナ側の情報戦(非政府組織やTelegramチャンネルなど)についてRYBARほど感心したことなく、やはり軍で情報を扱った経験があるズヴィンチュク氏の手腕が大きいのかもしれない。

出典:RYBAR
因みにズヴィンチュク氏は情報の扱い方について「事実ではなく人々の共感を集めることが重要だ」と述べたことがあり、情報の扱い方や情報戦のプロは本当に怖いと思う。
※RYBARの情報戦の下りは個人的な見解なので真に受けないでほしい。
追記:DEEP STATEは13日「ロシア軍がリヴノピリヤとヤブルコヴェを占領した」と報告した。
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※アイキャッチ画像の出典:Сухопутні війська ЗС України























ロシアの情報戦の手法として「敵を撃退しても、恐らく目標だったろう場所(敵は当然居ない)付近を砲撃して動画を撮って流す」、というのを聞いた事があります
これは「失敗を信じたくない前線指揮官」「成功を待ち望んでいる後方司令部」に効果覿面だろうなぁと感心した次第
「通信は破損やジャミングで届いていないが、成功したのかも知れない」と希望的観測を持たせて更なる戦力を投入させる手法なんだそうで、あまり多用はされないものでしょうが参考までに
ウクライナに対して、『情報戦の影響』なのか現実が与えた結果なのか分かりませんが、興味深いものがありまして。
1か月8万人、18歳~22歳の出国許可後に前月比49%(前月比約24000人増加)も国外流出が加速しているんですよね。
(2025年11月12日 ウクライナ若者男性の流出加速 9月は5割増の8万人、近隣国は反発 日経新聞)
敵勢からの撃破報告よりも自勢による撤退報告が先んじるのは本来かくあるべきかと。
欺かれてしなくていい撤退をしてしまったとかでなければですが。
あとは無論、本当に撤退できたのであれば、ですね…
一番最悪なのは損失隠しのために撤退できなかった兵士の損切り報告だったときですね。
そんな事があれば士気が最低値になるので流石にないと思いますが…
ポクロウシクもフリアイポレも戦況悪化の大きな要因の一つに悪天候によるドローン制限とありますが、これから本格的な冬を迎えるので天候が良くなるってことはあるんでしょうか。
そもそも天候が悪くなったら使えなくなる戦力に戦線維持の大役を任せ続けて、使えなくなった場合の手段である歩兵の増強を何年も出来てないのは一体どういうことなのか。
若者を国外脱出させて近隣国と揉めるのではなく、覚悟を決めて動員を増やして歩兵戦力を増強できていればここまで悪化しなかった。
全ては政治的決断が出来なかった政治指導部の責任だと思う。
前線将兵に罪はない。
勝てる(生き残れる)かも?って希望が無いと戦いには行けないですよねえ。劣勢が伝えられちゃうと無駄死にするなら逃げちゃえってなるのは道理で。情報戦ホント重要ですね。
卑怯な行為ってw。
それはひょっとしてギャグで言ってるのか!?
言葉、特に慣用句は難しいので
«подкладывания свиньи» (直訳:豚を忍ばせる)
をどう訳すかで印象が変わると思います。
由来はイスラム教徒にこっそり豚を食べさせる行為からきているといわれ。
罠を仕掛ける、密かに悪だくみをして、相手を不利な状況に追い込む
などの意味になります。
油断させて罠を用意しているのかもしれない、と言いたいのかも知れません
フリアイポレの攻略に必要な戦力をロシア軍が有するか?という問題は、守備側に十分な戦力があれば攻略困難なのは間違いないです。しかしウクライナ軍の守備兵力が不足しているからこそ防衛線が押し込まれていることから考えて、都市防衛戦に必要な戦力をウクライナ側が有していないと考えられます。現在はギリギリで兵站線は維持されていますが、それでも防衛線が押されているのです。フリアイポレ攻略時には幹線道路を使用した兵站線は存在しないと考えられるので、ウクライナ軍が遅滞防御でフリアイポレで決戦を挑むって考えもありえないですね。
RYBARの記事、基本違和感なくよんでた。
こわすぎんご
大衆に歪んだ情報を信用させるにはの技術で、過激な情報はより過激な情報を引き合いに出して(或いはそれを発信する者を裏で作って)自分は一歩引くこと。これで過激を嫌う大衆を引き込みつつ、細部に意図を忍ばせられる。
政治家の常套手段でもありますが、こういう策は知っていても影響はまず専門家並に調べてでもないと避けられないんですよね。
今までの記事から結構潔癖そうな印象を持っていたのでちょっと意外。まあ、もっともだとは思いますが。