ロシア関連

露国連大使、ロシア軍によるウクライナの非軍事化は間もなく完了する

ロシアのワシリー・ネベンジャ国連大使は安保理で「ロシア軍によるウクライナの非軍事化と非ナチ化は間もなく完了する」と明かし、ウクライナのゼレンスキー大統領が主張したように26日の総攻撃実施が濃厚となってきた。

参考:Небензя: задача по демилитаризации Украины будет скоро выполнена
参考:В Киеве за сегодня убили 60 диверсантов

ロシアという鳥かごに飼われた状態のことを一般的に自由があるとは言わない

ロシアのネベンジャ国連大使は安保理で「我々はウクライナやウクライナ国民に戦争を仕掛けているのではない。我々は民族主義者からドンバスの住民を保護するため特別な軍事作戦、つまりウクライナの非軍事化と非ナチ化を実施しているのであり、この主要目標は間もなく達成されウクライナ国民は再び自分の運命を決めることができる」と語った。

出典:Минобороны России

プーチン大統領は特別な軍事作戦の目的について「8年間キエフ政権によって虐待や大量虐殺に晒されてきた人々(ドネツクとルガンスクに住む親ロシア人)を守るためで、ウクライナの非軍事化とロシア人や民間人に対する数々の血なまぐさい犯罪を犯した者を裁きにかける」と説明しており、一見すると「ドンバスの住民のためロシア軍がウクライナ軍の非軍事化=軍事力の解体もしくは弱体化を行っている」と聞こえるが、これは大きま間違いだ。

プーチン大統領は特別な軍事作戦の目的を説明する演説の中で「クリミアを巡ってロシアとウクライナの民族主義勢力の衝突は避けられず戦争になる。ウクライナは準備を行い好機を待っている。さらに核兵器の保有について主張(ブダペスト覚書が機能していないと言及したゼレンスキー大統領の発言)しており、そんなことは絶対にさせない。ロシアはウクライナからの絶え間ない脅威の中で安全を感じ、発展し生存し続けることはでない」と述べており、ドンバスの住民保護は戦争の口実でしかなく本当の狙いはロシア自身の安全保障のためだ。

出典:Defence of Ukraine

民族主義者によるドンバス住民への暴力や虐待=ウクライナ政権の非ナチ化も戦争の口実を正当化させるための方便に過ぎず、戦後の裁判で「キエフ政権=ナチ化」を実証するためキエフなど複数の都市に潜り込ませた工作員にハーケンクロイツを市内の至るところに書き込ませており、昨日だけで治安当局は60人以上の工作員を射殺してハーケンクロイツを書き込んだ工作員(市内の監視カメラでマークを書き込もうとしているのが確認されている)を数十人拘束したと発表している。

つまり非軍事化と非ナチ化が済めば「ウクライナ国民は再び自分の運命を決めることができる」という主張を本音で言い直せば、ロシアの安全保障を脅かさない程度の防衛力保持しか許されず、政治的にもモスクワの意向に沿った中でのみ「自分の運命を決めることができるようになる」という意味で、ロシアという鳥かごに飼われた状態のことを一般的に自由があるとは言わない。

出典:Офіс Президента України

まぁロシアの主張にいちいち文句をつけても止める力がない限り意味がないのだが、ロシア軍による「ウクライナの非軍事化と非ナチ化は間もなく完了する」と言っているのでゼレンスキー大統領が主張したように26日の総攻撃実施は本当なのだろう。

関連記事:プーチン大統領がウクライナ侵攻に踏み切った理由、クリミアの復讐を未然に防ぐため
関連記事:ロシア軍総攻撃の可能性、ウクライナの運命は今夜の戦いで決まる

 

※アイキャッチ画像の出典:Mil.ru / CC BY 4.0 スペツナズ

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コメント

    • ミリオタの猫
    • 2022年 2月 26日

    とは言うものの、今回の戦争の発端となった2013~14年冬のユーロマイダン(当時のヤヌコーヴィチ大統領を退陣させたウクライナのデモ騒動)のデモ隊側にネオナチ等の極右勢力が台頭していたのも事実だし、ウクライナ内戦時のウクライナ軍に有った義勇兵部隊・アゾフ連隊はネオナチ疑惑があったからなあ…ウクライナ側としても弁解出来ないんだよな。

    其れにNATOがウクライナを見捨てた理由として、今回のロシアとウクライナの対立が表面化する直前に「EUがウクライナに防衛目的で援助した金がウクライナ国内の腐敗が原因で不正に使われた」と言うスキャンダルが発覚した事も有るから、今回の戦争でウクライナがロシアという鳥かごに飼われた状態になったとしても自業自得としか言い様が無いのが、今回の戦争の一番救われない点だと思っている。

    15
      • 一般人
      • 2022年 2月 26日

      EUがウクライナに防衛目的で援助した金がウクライナ国内の腐敗が原因で不正に使われた
      というニュースのソースをいただけませんか?調べてみましたが、検索方法が悪いのか見つかりませんでした。

      16
        • ミリオタの猫
        • 2022年 2月 26日

        御免、元記事を忘れていたから表現を間違えていた。
        元の記事は2021年1月1日付の本ブログ「欧州、ウクライナは我々を守るための盾ではなく緩衝地帯としての役割を自認すべき」なので、こちらをご覧下さい。

        リンク

        3
      • 匿名11号
      • 2022年 2月 26日

      ゼレンスキー大統領自身、ユダヤ人なんだから、ネオナチ云々を問題にしても意味はないのでは?

      それにウクライナ自体が腐敗していたとしても、十分過ぎるほどその報いは受けたのではないかねえ。

      15
      • MT1
      • 2022年 2月 26日

      ウクライナのネオナチがウクライナ東部のロシア人を虐殺している、という理由でロシアが侵攻したので、ロシアはウクライナのネオナチがロシア人を虐殺している証拠を示さないといけません。
      そもそもウクライナのネオナチは少数派ですし、ウクライナ全てをネオナチ扱いするのは言いがかりです。

      8
    • らんらんるー
    • 2022年 2月 26日

    結末がどうであれ、今回の侵攻で世界が変わった、と感じる。

    8
    • K(大文字)
    • 2022年 2月 26日

    『軍事技術的措置』に始まり『特別な軍事作戦』そして『非軍事化』…
    これらの単語を用いたロシアの発話は、概ね愚にもつかない詭弁や強弁。思わず失笑してしまいそうになるが、実に洒落にならない。
    「言葉などどうにでもなるし、どうでもいい」これをロシアは実行しているし、必ずこの後に倣う国が現れる。
    字面や用法のトンチキさとは裏腹に、恐ろしい話だ。

    42
    • くらうん
    • 2022年 2月 26日

    >ウクライナの非軍事化と非ナチ化を実施しているのであり、ウクライナ国民は再び自分の運命を決めることができる

    クレムリンがこのレトリックを未だ有効だと本気で信じているなら、騙しているのはウクライナ人に対してではなく自分自身に対してか。

    16
    • 無題
    • 2022年 2月 26日

    今となってはロシアの方がよほどナチに見えるよ

    32
    • 感謝します
    • 2022年 2月 26日

    バルト三国と同時期にNATOに加盟できていればこうはなってなかったかもしれない。結果論でしかないけれど。
    核保有国だから西側が軍事介入出来ず、ここまでやりたい放題出来るとなれば、テロリズムなんかよりも恐怖を感じざるを得ない。

    6
    • 匿名
    • 2022年 2月 26日

    もはや反乱が起きるのはウ軍ではなく露の辺境派遣軍ではないか?という感じだが
    ウクライナはナチズム継承してると自作自演すると露国民も露兵もそれを信じるようなら無理かな?

    5
    • 無無
    • 2022年 2月 26日

    このような恐るべき独裁者と、お金と友好で北方領土を取り戻せるだの語っていた二世政治家の愚かさよ

    23
    • 2022年 2月 26日

    アメリカの安全保障を脅かさない程度の防衛力保持しか許されず、政治的にもワシントンの意向に沿った中でのみ「自分の運命を決めることができるようになる」という意味で、アメリカという鳥かごに飼われた状態のことを一般的に自由があるとは言わない。

    耳が痛い。

    5
      • G
      • 2022年 2月 26日

      日本のことを言っているのでしたら、アメリカは1980年代から一貫して日本に軍事費(軍事力)の増大を求め続けていますよ
      『防衛費1%枠』が廃止されたのも同年代に中曽根内閣がアメリカからの要請を受けたからですし
      なにせ対ロシア(ソ連)にしろ対中国にしろ、アメリカからしたら思いやり予算の金額に対してリスクが大きすぎますので

      逆に日本からしたらアメリカの庇護下から抜け出した場合、思いやり予算をなくせたとしても自力で対ロシア・対中国を考慮した軍事力を持つ必要が出てきますので、経済や社会福祉などに莫大な負担が生じることになります

      7
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