ロシア関連

10人目のロシア軍将官が戦死? ドンバスでウクライナ軍の待ち伏せ攻撃

ロシア軍のロマン・ベルドニコフ中将がドンバス地域の戦闘で戦死したと報じられており、これが事実ならロシア軍は10人目の将官をウクライナで失ったことになる。

参考:Гибель российского генерала на Донбассе: соцсети нашли фото и фамилию вероятного “кандидата”
参考:Two Russian generals dead in one day of Donbas fighting: report

クトゥーゾフ少将と同じ日に戦死?ウクライナ軍も露メディアも今のところ中将の戦死に言及していない

ロシア軍のロマン・ベルドニコフ中将(所属不明/第29諸兵科連合軍?)が「ウクライナ軍の待ち伏せ攻撃を受けてドンバスで戦死した」と報じられており、ルガンスク人民共和国第一軍団を率いていたロシア軍のクトゥーゾフ少将と同じ日(6/5)に戦死したらしい。

ただウクライナ軍も露メディアも今のところベルドニコフ中将の戦死に言及していないため「未確定」の情報だが、これが事実ならロシア軍は10人目の将官を失ったことになり、カディロフツィのマゴメド・トゥシャエフ少将(チェチェン人部隊)を加えるとウクライナで失った将官は11人になる。

所属氏名/階級戦死報告日戦死した場所
第41諸兵科連合軍副司令官アンドレイ・スホベツキー少将3/3マリウポリ
第41諸兵科連合軍副司令官ヴィタリー・ゲラシモフ少将3/8ハルキウ
第29諸兵科連合軍司令官アンドリー・コレスニコフ少将3/11不明
第150自動車化狙撃師団長オレグ・ミチャエフ少将3/15マリウポリ
第8親衛諸兵科連合軍司令官アンドレイ・モルドヴィチェフ中将3/18ヘルソン
第49諸兵科連合軍司令官ヤコフ・レザンツェフ中将3/25ヘルソン
第8親衛諸兵科連合軍副司令官 ウラジミール・フロロフ少将4/16ドンバス
ロシア軍電子戦部隊司令官アンドレイ・シモノフ少将4/29イジューム
ルガンスク第一軍団司令官ロマン・クトゥーゾフ少将6/5ポパスナ
所属不明 ロマン・ベルドニコフ中将(未確定) 6/5ドンバス
    
カディロフツィマゴメド・トゥシャエフ少将2/26ホストメリ

因みにウクライナで戦死したロシア軍将官の最高位は中将で、ベルドニコフ中将を含めて3人も戦死している。

関連記事:9人目のロシア軍将官が戦死、部下を率いてポパスナ周辺の戦闘に参加か

 

※アイキャッチ画像の出典:Telegram経由

お知らせ:記事化に追いつかない話題のTwitter(@grandfleet_info)発信を再開しました。

ゼレンスキー大統領、後退した方が有利だがセベロドネツク奪還は高くつく前のページ

米空軍、無人機の脅威はマイクロ波兵器の開発だけでは解決しない次のページ

関連記事

  1. ロシア関連

    2月24日に向けてロシア軍は攻勢拡大? それとも準備不足で実施困難?

    今のところロシア軍は攻勢はクピャンスク、クレミンナ、バフムート、マリン…

  2. ロシア関連

    ロシア、第5世代戦闘機Su-57購入に関心を示す東南アジアの国は4~5ヶ国

    ロシアはSu-57の購入に関心を示している東南アジアの国が4~5ヶ国あ…

  3. ロシア関連

    ロシア大使の謎の批判、ウクライナ軍が攻撃を妨害するから犠牲者が増える

    ロシアのネベンジア国連大使は24日「キーウの住宅に命中したミサイルはA…

  4. ロシア関連

    ロシア軍、ベラルーシ軍との合同部隊に兵士9,000人と相当量の装備を派遣

    ベラルーシ国防省の補佐官は16日「合同部隊に参加するためロシア軍部隊の…

  5. ロシア関連

    今度はベルゴロドで保安庁や内務省の建物が爆発、ドローン攻撃の可能性

    ロシア領ベルゴロド州に侵入した「ロシア義勇軍」や「自由ロシア軍」との交…

  6. ロシア関連

    ロシア軍は2月15日までに新たな攻勢準備が整う、本物の機械化旅団を用意

    ルハンシク州のガイダイ知事は6日「2月15日以降にロシア軍は新たな攻勢…

コメント

    • 匿名
    • 2022年 6月 07日

    初戦で士気鼓舞の為に前線に出て来た将官を狙い撃ちにされた愚を反省して、5月では慎重になったかと思いきや、また同じ事を繰り返している様ですね
    そうせざるを得ないほど、「ロシアの日迄にノルマを達成しろ」と、モスクワから猛烈な圧力が掛かっているのでしょうか

    40
      • A
      • 2022年 6月 07日

      5月9日の戦勝記念日までに大した成果を上げていなかったから至上命令なのかもしれませんね。

      8
      • バクー油田
      • 2022年 6月 07日

      圧力がかかってるからこういう風になってるのでしょうけどその圧力がかかる背景が表面上の期日ノルマではなく
      ロシア内部の勢力争いから来てるかもという観測もありますね。
      今のところプーチンの兵士こと国家親衛隊は無傷です。で、国家親衛隊とロシア軍はナチスドイツのSSと国防軍の時と同じくどちらがブイブイ言わせられる存在かという勢力争いが既に発生していて、
      ロシア軍が疲弊した方が国家親衛隊とプーチンの取り巻き連中にとっては勢力が逆転して都合がいいという事ですね。
      親衛隊の方が巨大勢力になり、ロシア軍及び、優秀な将官が続々と擦り減ればばロシア軍によるクーデターのリスクが減りますから。
      自国軍が弱体化を図るという国家的な自殺なんか普通はあり得ませんが、組織の内部抗争というのはそういうものですし、ロシアが核兵器持ってますんで、ロシア軍が幾ら弱体化してもウクライナがロシア本土まで侵攻して国が平定される事はあり得ませんから、そういう事にかまけてしまう可能性はあり得ると思います。

      18
      • 名無し
      • 2022年 6月 07日

      6月12日がロシアの建国の日なので、その日までにノルマを達成するよう命じられてる説がありますね

      1
    • おわふ
    • 2022年 6月 07日

    政治主導の戦争、軍部はお気の毒に。

    20
    • タイヤキ
    • 2022年 6月 07日

    第29諸兵科旅団の少将と同じ日ということは、兵士たちごと旅団が半壊状態になって二人とも死んだじゃないという予測かな。後方にいても5千人規模の部隊が半壊状態になればそりゃ将校たちも無事ではすまない。

    8
      • バーナーキング
      • 2022年 6月 07日

      壊走し始めた部隊を押し留めようと「逃げたら撃つぞ」して
      逆に味方に「誤射」された可能性なんてのもありますね。

      10
        • FF-X7
        • 2022年 6月 07日

        味方が「誤射」→「中将閣下は名誉の戦死を遂げた!」だったりして…。

        1
      • hiroさん
      • 2022年 6月 07日

      クトゥーゾフ少将は空挺作戦に参加して、乗機がスティンガーに撃墜されたとの報道がありますね。
      今の状況で空挺作戦を実行する目的·意図は不明ですが、最も危険な第一波に司令官が参加するのは軽率だったか、止むに止まれぬ理由があったのか。

      4
    • や、やめろー
    • 2022年 6月 07日

    やっぱりロシア軍はまだ携帯で作戦を伝えているのかな?明らかに将官の死亡率が高すぎる。

    7
      • Mob
      • 2022年 6月 07日

      緒戦で尉官や佐官など中堅士官を多数失って指揮統制に問題が出てて、将官が陣頭指揮を採らざるをえない状況にある可能性があると聞いた

      12
      • 無無
      • 2022年 6月 07日

      この戦争で特筆すべきは、いままでのどの戦争と比べても高度に情報戦争としての体をなしていること。
      古典的な砲撃戦を支えるのもハイテクによる情報、そして指揮官の特定と狙い撃ち的な排除、ドローンやUAVの活動も本質は情報収集、そして集めた情報をすばやく的確に反映できるウクライナの能力
      そして戦場の背景には全世界レベルでの情報プロパガンダが展開
      情報こそ兵器なのだという概念から遅れては、今世紀での勝利はあり得ない

      31
        • 野戦先輩
        • 2022年 6月 07日

        ロシアもゲラシモフ・ドクトリンが採用されていたとされるクリミア進攻の頃は、情報戦で間違いなく最先端を行っていたはずなんだけどね…。

        西側の対策が進んだ事も大きいけど、今のロシアはゲラシモフ・ドクトリンを端から忠実に実行する気がないように見受けられるから、プーチンをはじめとした政治主導が行きすぎてドクトリンが機能してないのかも知れない。

        7
          • 無無
          • 2022年 6月 07日

          まったくの想像ですが、ロシア軍幹部は敵がウクライナなのかプーチンなのかと愚痴っているはずです
          ドイツ参謀本部はヒトラーの干渉に対して、関東軍は東京からの干渉に対して同じように、敵か味方かとこぼしていますもんね。
          戦争は政治の延長線とみなすクラウゼビッツに準ずれば、それも止むなしと見るべきで、問題はその干渉が的確なのかという点

          1
            • hiroさん
            • 2022年 6月 08日

            関東軍への干渉?
            政府の方針を無視して勝手に戦線拡大をしたのに?
            昭和天皇も激怒されたという逸話もあるのに、干渉というのは違和感しか無い。

            2
              • 無無
              • 2022年 6月 09日

              それが関東軍からの目線、中央軽視
              ノモンハンに際して、「敵か味方か参謀本部」という問題発言をしたのも当時関東軍参謀だった辻正信、そのくらいは知ってますよね
              その辻がのちに中央で太平洋戦争の指揮を取っていたということこそ、関東軍の暴走は日本陸軍の性格そのものであったのことの証拠ですから。

    • すえすえ
    • 2022年 6月 07日

    ロシア軍ブラック企業。。。

    管理者の従業員(兵士)ともに死ぬ

    4
    • NATTO
    • 2022年 6月 07日

    ジンギスカン作戦で兵隊が餓死してるのに宴会していたイギリスの名将よりは良いのかな?

    3
      • hiroさん
      • 2022年 6月 07日

      インパール作戦のことですか?
      宴会をしていたのは牟田口中将ですよね?

      11
    • くらうん
    • 2022年 6月 07日

    とりあえずロシアは3/25以降の戦死者数を早く更新しろよと。
    赤点のテストを隠してる小学生じゃないんだから。

    26
      • ミリオタの猫(ロシア軍、今度こそ架空戦記張りの大逆転をやるのか?)
      • 2022年 6月 07日

      これは間違い無く「公表したらロシア市民が黙っていない」レベルの戦死者数になっているんでしょうなあ…もしかするとウクライナ軍の発表数を上回っていたりして。
      これを小学生に例えて言うと「赤点のテストを隠していると思って調べたら、カンニングと同級生の虐めに万引き・カツアゲの証拠が山の様に出て来て両親が真っ青になっている」感じでしょうか。

      14
        • k.ziro
        • 2022年 6月 07日

        実際、ロシア国内では万引きが多発して、ロシア占領地ではカツアゲが流行ってますな

        17
          • ミリオタの猫(ロシア軍、今度こそ架空戦記張りの大逆転をやるのか?)
          • 2022年 6月 07日

          上手い、座布団一枚!

          そう言えば、ロシア軍内部でも一時虐めが社会問題化して徴兵忌避の原因にまでなっていた為、解決策の一つとして2014年に憲兵隊が創設された程なのですが、今のロシア軍はどうなっているんでしょうね…?

          4
    • アクアス
    • 2022年 6月 07日

    将官の戦死率が、ロシア軍全体の戦死率のはるかに上ってことは、やっぱり狙い撃ちされているのか。
    それとも、5月下旬くらいから、ロシア軍全体の戦死率も跳ね上がっているのか。

    どちらなんだろうね。

    9
      • 鳥刺
      • 2022年 6月 07日

      通信標定して司令官狙い撃ちはNATO常用の戦法で、戦前に西側流の訓練を受けたウクライナ軍がそれを実践してるんだろうと思いますが、4月末のイジュームの司令部砲撃以降は一旦将官の戦死は聞かれなくなっていたんですよね

      士気の低下・軍組織の動揺で将官の陣頭指揮の必要が出て来ているのか、例のスケジュールの圧力かでしょうかね…

      8
    • 四凶
    • 2022年 6月 07日

     個々の将官について調べる気はなく、個人的な妄想としてはある時期から使えない将官が前線送りにされている可能性はないだろうか。
     軍備の状態はお世辞にもよろしくなく、その裏で美味しい思いをして出世した将官を懲罰がてら前線送りにとか。

     最近だったか現役時代にやらかした元空将がリスクが高い攻撃するSu-25で死んでたよな。

    3
      • 名無し
      • 2022年 6月 07日

      毎度それ言う人いるけど、その無能な将官が死ぬ以上のスピードで佐官、尉官が死んでるんですよ。
      佐官、尉官の数が足りなくなってるから司令官が現場まで出ざるを得ない。だから狙われて死ぬ
      それに前線に態々送り付けて死なせてたら兵も民も士気が落ちる一方でしょ

      16
        • 四凶
        • 2022年 6月 08日

         それだとウクライナで死んでいるの下っ端しかいないって話にならないか、それこそ国土防衛と言う意義ががあろうとも士気低下しそうだが。

         ロシアは旧ソ連と同じ流れでミッションコマンド無い感じだし、作戦遂行の権限なさ過ぎてむしろ尉官レベルが必要なのかと思うぞ将官級だと陸上攻撃の射程外からで十分いけると思うんだがそこまで前進しないと情報得られないのか何も考えずに布陣するアホなのかどっちだろうか。

          • hiroさん
          • 2022年 6月 08日

          名無しさんのコメントをちゃんと読んでいます?
          答えが全部書いていますよ。

          4
    • 2022年 6月 07日

    陸軍の将官って全部でどれぐらいいるんだろうな?
    軍司令以外の将官も含めると100人ではないだろうが200人なら5%、1000人いても1%になるわけで戦死以外にも負傷者を考えると3か月でこれだけ出るのは異常事態なのでは?

    6
      • 2022年 6月 08日

      とんでもないと思う。
      将官てピラミッドの一番上だから、更にしたがどれだけの被害を出してるか、、、

      3
      • 第十軍団
      • 2022年 6月 08日

      ウクライナ侵攻に参加してるのは開戦時20数名とかここで言われてたけど、半数近くが戦死って異常事態も良いとこでは・・・

      2
    • 浅見真規
    • 2022年 6月 07日

    ロシア軍の将官が大量に死んでる原因は、ウクライナの鉄路とドニエプル川の橋を壊すなとプーチンが命令したからだろう。開戦後一ヶ月以内にウクライナ西部の鉄路とドニエプル川の橋全部を破壊していればロシア軍は簡単にウクライナ東半分占領できたのに、ウクライナ全体を支配しようとしてプーチンが欲張りすぎたので自滅したのだと思う。そろそろ、ロシア軍の将官たちもプーチンに談判して、ウクライナ西部の鉄路とドニエプル川の橋全部を破壊する許可を得るはずだと思う。

    2
    • 匿名
    • 2022年 6月 08日

    前線崩壊&粛清まで秒読みになってきたから、死んだ事にして西側に亡命してるんじゃないの
    B級映画並みの予想だけど

    • 2022年 6月 08日

    先月の記事だと、戦死したベルドニコフ中将は2022/5までシリアにいたらしい。

    【タス通信によると、大祖国戦争勝利77周年を記念する軍事パレードが月曜日、シリアのロシアのフメイミム空軍基地で開催されたそうです。

    …パレードは、勝利の旗とロシア連邦の国旗の贈呈で始まりました。パレードの司会は、シリア駐留ロシア軍司令官ロマン・ベルドニコフ中将が務めました。

    ベルドニコフ氏は、ロシア軍は今日、シリア・アラブ共和国での国際テロとの戦いやウクライナでの特別作戦において、ロシアの利益を誇りを持って守っており、先祖の勝利の伝統を立派に引き継いでいると指摘した。】

    この記事が本当なら、今のロシア軍はシリアからも人員を引き抜いて(引き抜いたそばから犠牲になって)いる状態みたいだね。

    5
      • 2022年 6月 08日

      シリアでの戦闘そのものが四六時中していても、相手は正規兵ではなく民兵レベル。
      ウクライナほど正規軍で欧米から大量に兵器を補充して状況ではないからシリアでうまくいっても、ウクライナで同じ手法で成功するとは限らないだけの話。
      将兵がシリアと同じドクトリンでは勝てないし、さりとてそれを変更する装備、教育ができない結果なのでは?

      2
  1. この記事へのトラックバックはありません。

  1. 軍事的雑学

    4/28更新|西側諸国がウクライナに提供を約束した重装備のリスト
  2. 日本関連

    防衛装備庁、日英が共同で進めていた新型空対空ミサイルの研究終了を発表
  3. 軍事的雑学

    サプライズ過ぎた? 仏戦闘機ラファールが民間人を空中に射出した事故の真相
  4. 欧州関連

    BAYKAR、TB2に搭載可能なジェットエンジン駆動の徘徊型弾薬を発表
  5. 欧州関連

    アルメニア首相、ナゴルノ・カラバフはアゼル領と認識しながら口を噤んだ
PAGE TOP