ロシア製近距離防空システムとトルコ製無人航空機が再びウクライナで激突する可能性が高まっており、ロシアがナゴルノ・カラバフ紛争のリベンジを果たすのか再びトルコのUAVが勝利を収めるのかに注目が集まっている。
参考:Для захисту від Bayraktar TB2: Західний військовий округ Росії переозброять на ЗРК “Тор-М2”
ロシアがナゴルノ・カラバフ紛争でのリベンジマッチを果たすのか、それともトルコのUAVが再び勝利を収めるのか
ロシア国防省は先月末にウクライナ方面を管轄する西部軍管区の近距離防空システムを「Tor-M2」で再編成すると発表、すでに幾つかのTor-M2が西部軍管区の部隊に配備されているためウクライナ東部ドンバス地方を巡る状況に投入される可能性がある。
補足:ウクライナはトルコからバイラクタルTB2を12機導入済みで追加48機導入する予定
この近距離防空システム「Tor-M2」は分割自走式で複数のTorを指揮車両が集中制御することも可能だが、Torは迎撃弾を収めたランチャーや独自のセンサーを類を搭載しているため停止することなく空中目標と単独交戦することも出来るのが最大の特徴で西側に類似した防空システムは存在しない。
旧ソ連時代に開発されたTorは継続した能力のアップグレードが続けられており、ロシア国防省は旧型のTor-M1-2Uを更新するため2017年に最新バージョンの「Tor-M2」や北極圏仕様の「Tor-M2DT」を大量発注済みでナゴルノ・カラバフ紛争でもアルメニア軍がTor-M2KM(Tor-M2をトラックシャーシに搭載した派生型)が運用してアゼルバイジャン軍のUAVを何機か撃墜したが、導入数が6輌~12輌と少なかったため戦況に大きな影響を与えることな無かった。
補足:Tor-M2は旧型と異なり小型の対空誘導ミサイル9M330を16発搭載(旧型はより大型の対空誘導ミサイルを8発までしか搭載できなかった)することが可能で、この9M330はUAVとの交戦だけを目的に開発されたらしい。
逆にアゼルバイジャン軍はイスラエル製の徘徊型無人航空機「ハロップ」とトルコ製の無人航空機「バイラクタルTB2」を使用してアルメニア軍のTor-M2KMを破壊した映像を公開しており、停止することなく走行中も交戦可能だと言われていたTor-M2システムがUAVに敗北(この時にシステムのスイッチを入れていたのかは不明)したと認知されているが、Tor-M2は登場以降に3度のアップグレードが施されておりロシア軍が配備を進めるTor-M2がナゴルノ・カラバフ紛争で使用されたシステムと同一である保証は何処にもない。
トルコ側もリビアで無傷奪取されたロシア製の「パーンツィリS1」をアンカラに運びこみ米軍と共同で研究・解析して技術的特性を入手したらしく、トルコのUAV開発企業ベイカーは「ロシアの電子妨害システムはバイラクタルTB2の行動を妨害できない、トルコの無人航空機は常に戦場の上空に留まり続けることができる」と自信たっぷりに語っており、現時点でロシア製近距離防空システムとトルコ製無人航空機が再戦すればどの様な結果を生むのかは予測不可能だ。
現地メディアのDefense Expressは今月3日、自国が導入したバイラクタルTB2から地上軍を保護するためロシアが西部軍管区にTor-M2を回しており「ウクライナ軍はUAVと交戦するために開発されたと言っていいTor-M2を考慮に入れて作戦を立てる必要がある」と指摘している。

出典:baykarsavunma
勿論、ウクライナとロシアの軍事衝突を願っている訳ではないが無人航空機がロシアの正規軍にどこまで通用するのか見てみたいとも思ってしまう。
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※アイキャッチ画像の出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0
AA戦争のアゼルバイジャンによるUAV利用って
囮の旧式AN-2とかを飛ばしてアルメニアのレーダー発信を補足したハロップが発信源突撃で防空網破壊からTB2その他使用 じゃなかったっけ・・・
んで機器こそ違うけど、湾岸戦争の米軍とかもデコイミサイルとWW機で同じように防空網制圧してるし、TB2そのものはでっかいからAAMとかSAMで普通に対応できるんじゃない?
寧ろ防空網に突っ込んでくるハロップの対策のほうが重要なんではと
ナゴルノ・カラバフ紛争で旧式AN-2を無人化して飛ばす方法で防空網制圧ミッションを無人機で成功させたことばかり取り上げられてるけど、TB2のIR/EOセンサーは最大望遠で20km以上の目標を検出してレーザー誘導兵器で攻撃できるからシリアやリビアで大きな戦果を実際に挙げてる。
パトリオットやS-300みたいな本格的な防空システムがいつも最前線をカバーできるとは限らない状況なら必ず隙間が生まれるんだよ。
とにかく実戦で証明されてるんだから侮らないほうがいい。
わざわざパトリオットやS300でUAV対応するような不経済は続かないもんな。
早期警戒機や迎撃戦闘機を過信するのは時代遅れというか、非現実だね。
すでに空の戦闘にはドローン、UAVという新しい現実が追加されてる
防空網の整ったロシアすらUAV特化した新型のトールを配備しだしたとはな
航空優勢を確保できなきゃ戦闘機のただのカモだし、TB2は発進に飛行場が必要な大型機だから航空撃滅戦で飛ぶ前に飛行場ごと爆撃されて終わりじゃないかなあ…
ウクライナ空軍がロシア空軍相手にどこまで頑張れるかの問題だけど
ロシア相手に航空優勢とれたらウクライナは苦労しませんよ
ちゃんと戦力比を考えてね
ウクライナがロシア相手に航空優勢を確保できるなんて話はしてないよ
そんな事不可能だからTB2に活躍の場は無いって話で、ウクライナ空軍が獅子奮迅の働きをすれば多少の延命や一矢報いるぐらいはできるかもねって話だよ
またインドとかトルコが導入しようとしてアメリカと揉めそう。S400もそうだったが同等の性能を持つ装備品が西側製で無いのだから仕方ないのではと思うのだが。
トルコがボコボコにした防空システムをトルコが導入って何のギャグ?
エルドアン「このバイラクタルTB-2はどんな防空網も破壊できる。このTor-M2はいかなる無人機の侵入も完全に防ぐ」
バイデン「ほうほう、ではそのバイラクタルTB-2でTor-M2を攻撃したらどうなるかな?」
バイラクタルが搭載可能な最大射程ミサイルの「L-UMTAS 」と、トールが搭載する「9N331」?ミサイルの射程の考慮すればトールM型が勝利する可能性が高い。
記事にあるUAV専用ミサイル「9N338」?の射程は公表されてないけど、最初のトールミサイルシステムが開発されてから20年以上経過している点を考慮して、最新の「9N338」?は旧式化した「9N330・331」の上位互換能力を有する可能性が高い。
なお?の理由はうろ覚えで名称が正しいか怪しいから。詳細はwikiに有るから検索して調べて。
矛盾で草
既にエジプトやベネズエラ等に輸出されてる。詳しくはwikiを参照。
ここでも無人機が優勢になったら各国で導入進みそうだなあ
導入しない国はもはや相手にされない後進国扱いだな
紛争から半年も経ってないぐらいなのに、もうドローンに対応した新型SAMが出てくるものなんですかね
ロシアが防空システムに金をかけてるのは知ってますが、早いなぁ
平和を望むけど、もし開戦ならトルコとウクライナ頑張れ!イワンをやっつけろ!
アルメニアが保有していたTor-M2は、最新の部類に入るTor-M2KMだったけど、
アルメニアはSu-30の購入を優先したため、Tor-M2KMの大量調達ができなかった。
しかも、Tor-M2KMが戦場に投入されたのは紛争終盤だったので、
多勢に無勢でどうすることもできず、UAVを何機か撃墜できたけど自身も撃破された。
ちなみに、購入したSu-30はロシアがミサイルを売ってくれなかったのと、
高価すぎて少数しか購入できなかったので、紛争で全く活躍しなかった。
wikiによれば一個中隊に4輌のトールとX輌のツングースカで同時に運用されるようだが、多分パーンツィリも含まれていると推測。
そもそも制空権が無ければUAVなんて運用できないから、ウクライナ軍が東部でUAV兵器を使う場合ロシアから制空権を奪取しないいけない。逆に一部でも制空権を獲得できれば偵察用に投入できそう。 まぁウクライナ・ロシアの国境地帯を射程内に収めたS300・400をどうにかしないと航空機が近寄れない。
ロシアのS400がウクライナ東部に接するヴォロネジ州まできてるらしい
州境からハリコフまで200km位
それだけウクライナの無人機を警戒しているということか。
もしくは開発した対抗策を実戦テストしたいのか。
アルメニア紛争の時は航空戦が殆どなかったからああいう結果になったけど、強力な空軍を有するロシア軍は普通に戦闘機で無人攻撃機を迎撃するのでは?
それでは間に合わないからトールを改良してるんですよ
いつも戦場の空に戦闘機が張り付いてるとは限らない
パーンツィリS1を手に入れて、ロシア電子妨害システムはバイラクタルTB2を妨害出来ないって何で分かるの。パーンツィリは機関砲とミサイルなんだから主にミサイルやレーダー性能での妨害の話しか出来ないよね。まぬけにバイラクタルTB2が10km圏内侵入しなければミサイルでの撃墜は難しいじゃ無いだろうか。