ロシア関連

ロシア軍をナゴルノ・カラバフ地域に派遣? ラブロフ露外相が平和維持軍に言及

ロシアのラブロフ外相はナゴルノ・カラバフ紛争の人道的停戦を維持・制御するために平和維持軍を派遣する考えを示して注目を集めている。

参考:Лавров заявил, что в Нагорном Карабахе должны быть развернуты миротворцы

ロシアのラブロフ外相が言及したナゴルノ・カラバフ紛争への平和維持軍派遣は誰が出すのか?

ナゴルノ・カラバフ紛争の人道的停戦を主導したロシアのラブロフ外相は14日、ラジオ局の取材に対して「アルメニアとアゼルバイジャンの人道的停戦を維持するためにもナゴルノ・カラバフ地域に平和維持軍を配備するべきだ」と語り、このメカニズムはアルメニア軍とアゼルバイジャン軍を物理的に引き離すことに有効だと説明している。

ただナゴルノ・カラバフ地域へ派遣する平和維持軍が国連主導のものなのか、米仏露が共同議長を務める欧州安保協力機構(OSCE)ミンスクグループ主導のものなのか、アルメニアが加盟国の集団安全保障条約機構(CSTO)主導によるものなのか、それともロシアが単独で派遣するものなのかは明かされていない。

出典:nl:User:JePe / CC BY-SA 3.0 国際連合平和維持活動

ロシアは基本的にナゴルノ・カラバフ紛争は「アルメニアの領土外で起こった戦争」という認識を示しているのでCSTO主導の平和維持軍派遣は可能性が低く、国連も安全保障理事会の緊急会合を招集で即時停戦を呼びかけているもののナゴルノ・カラバフ問題解決を主導してるOSCEに対して「全面的な支持」を表明=丸投げしているので国連主導という線も可能性は薄いだろう。

では欧州と旧ソ連諸国これに米国とカナダを加えたOSCEが中心になって平和維持軍を派遣するのかと言うと、同組織は紛争の早期警戒や紛争予防には積極的でも紛争勃発後の平和維持管理には消極的で、これまで1度も紛争地域に平和維持軍を派遣したことはないため何とも言えない。

この様に消去法で考えていくと、最も可能性が高いのはロシア単独による平和維持軍派遣だ。

ただロシア単独によるナゴルノ・カラバフ地域への派遣は、逆にナゴルノ・カラバフ紛争にロシア自体が巻き込まれる可能性も高いため非常にリスクが高いと言える。

果たしてロシアはリスクが高いが直ぐに実行可能なロシア軍派遣を決断するのか、時間がかかっても国連や欧州安保協力機構などを動かして多国籍な平和維持軍を構成するのか、そもそもラブロフ外相が言及した平和維持軍派遣をアルメニアやアゼルバイジャンが受け入れるのか注目される。

因みに露メディアはラブロフ外相の発言を受けて、ついにナゴルノ・カラバフ紛争への直接介入かと報じているところまである。

 

イラン領内にアゼルバイジャン軍のUAVが墜落、予告通りイランは「警告よりも強力な措置」を発動するのか?

イラン領内にイスラエル製の自爆型UAV「ハーピー」が墜落もしくはイラン軍によって撃墜されたと報じられており、もし事実なら同地域でハーピーを保有・運用しているのはアゼルバイジャン軍のみなので、イランの警告を無視したことになる。

イランのアミル・ハータミー国防大臣は今月6日、アゼルバイジャンとアルメニアの国境に接するイラン領東アーザルバーイジャーン州の農村にナゴルノ・カラバフ地域で発射された迫撃砲弾が誤って着弾、6歳の子供が負傷したことに対して、アゼルバイジャンとアルメニアの双方に対して「今後もナゴルノ・カラバフ地域を巡る戦いで使用された砲弾がイラン領に被害を与えるなら警告よりも強力な措置を講じる」と警告しており、両国の国境沿いには戦車200輌を含む重装備のイラン軍が展開済みだ。

果たしてイランは予告通り「警告よりも強力な措置」を発動するのか、こちらも注目される。

関連記事:イラン、ナゴルノ・カラバフ紛争による誤射が続くなら強力な措置を予告

 

※アイキャッチ画像の出典:Vitaly V. Kuzmin / CC BY-SA 4.0 ロシア軍の空挺部隊

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コメント

    • 匿名
    • 2020年 10月 15日

    そもそも国連はこの内戦に関してどんだけ関与してんの?戦闘停止の要請だけで停戦出来てたら誰も苦労しない

    10
      • 匿名
      • 2020年 10月 15日

      その通りだが、UNには執行予算が無い。手弁当で紛争地帯に出かけてくれる国があるだろうか?

      3
    • 匿名
    • 2020年 10月 15日

    事態が収拾出来なくなってついにロシア出てきたけどトルコはどうするつもりだろ、流石に潮時だと思って引くか?

    3
      • 匿名
      • 2020年 10月 15日

      エルドアン大王が練りに練った策だろうからなー
      プーチンさんも慎重だと思うなー

      4
    • 匿名
    • 2020年 10月 15日

    イランのおかげでロシア派遣の条件が整ったという見方はどうかな。
    諸刃の剣だが、ロシアが紛争の押さえになるならイランは軍を進めない言い訳になる
    アゼルとしては厳しい2択を迫られる形に

    2
    • 匿名
    • 2020年 10月 15日

    みんな、お互いにお前がやれよって思ってそう

    9
    • 匿名
    • 2020年 10月 15日

    まあほんとに出すのかって問題もあるからな
    提案しただけだし
    口先介入でアゼル止まってくんねえかなあって思ってそうだが

    6
      • 匿名
      • 2020年 10月 15日

      今回は目に見えてロシアのやる気がないよな
      いつもなら自分の勢力圏の問題には国際社会に批判されたって介入するのに・・
      ナゴルノ・カラバフの問題にはもう本当に関わりたくないってのが本音なのかも

      2
      • 匿名
      • 2020年 10月 15日

      ロシア単独/多国籍で出すに関わらず、『平和維持軍』を展開する前提として、アゼル&アルメの同意が必要。軍事的劣勢なアルメニアは受け入れると思うけど、アゼルが受け入れないだろ…
      アゼルが受け入れるとすれば、トルコも含めた部隊になるはず。

    • 匿名
    • 2020年 10月 15日

    口では平和・協調・侵略は許さないと唱える現代国際社会でも石油等魅力的な利権がなければこの有様
    では尖閣は?沖縄は?その他島しょ部で紛争が起きたらどうなるだろうか
    やはり自分の身は自分で、強力に守らなければならない

    19
    • 匿名
    • 2020年 10月 15日

    やはりこうなってしまうか
    アゼルバイジャンの後ろにいるトルコとアルメニアの後ろにいるロシアの代理戦争の関係
    イスラエルという最凶の武器商人も付いてる

    1
    • 匿名
    • 2020年 10月 16日

    とりあえず言うだけ言ってみた感じがするがどうなんだろうか

      • 匿名
      • 2020年 10月 16日

      1914年にイスラム教徒(オスマン帝国)に民族浄化されかけたキリスト教徒(アルメニア人)から1世紀以上経っても解決していない問題なので、直ぐには動けないのではないでしょうか?国連はイスラム教徒の国なのでキリスト教徒は出ていけと言っていますし、アルメニアはそんなことしたら民族浄化されると猛反発ですしね、後はイランがアルメニア寄りなのでロシアとイランが、トルコ、イスラエルに対抗する意味でアゼルバイジャンに戦闘停止を呼び掛けている状態です、アゼルバイジャンからすればソ連内務省軍のキリスト教徒への武器横流しからの決起で国土の2割を取られて難民も大量に発生しており、簡単には引き下がれません、宗教と虐殺と大国の利権争いがナゴルノ・カラバフの地でぶつかり合い解決する方法は暫くの間は無さそうです。今この状態でアルメニア側は慎重に事を動かしており、アゼルバイジャン側は国連に訴えても何もしてもらえなかったので軍事行動していると発言しており戦闘停止までは時間が掛かると思われます。

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